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第2章
No.226
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ドラゴニール王都。
「いらっしゃーい!今日、取れたばかりの魚だよー!」
「これは、かの有名な職人のーー!」
「ちょっと、あの話聞きまして?」
「おっ、そこの奥さん!今日の夕飯にこれなんてどうだい?」
「旦那!先程、良い酒が入りましてね!」
「あら奥さん、お久しぶりね~」
ガヤガヤと賑わう王都。
露店などが立ち並ぶ通りには、多くの買い物客や商人達が集まっていた。
丁度、正午になる頃だった為に人の多さはピークを迎えていた。
そんな通りの真ん中にある噴水前、そこでは小さな子供達が楽しそうに水遊びをしていた。子供達から少し離れた場所では、母親達が情報交換という名のお喋りをしている。
子供達は、服を濡らしながらも相手に水を掛け合っている。
「えいっ!」
「きゃっ!?」
「あーー!トムがミミに水かけた!」
「よくもやったな!」
「うわっ!?ジム、ひどいぞ!」
「ミミのかたき!」
「ちょっ!?エリー!ボクにかかってるよ!」
子供達の楽しげな声を上げながら遊ぶ姿を、周囲の大人達は微笑ましげに見守る。
ーーそんな時、子供達の中で一番幼い女の子が急に水遊びの手を止めて空を見上げた。
「どうしたの、マチルダ?」
それに気が付いた少女の姉が、手を止めて妹に声をかける。
「おねぇちゃん、あれ…」
そう言って、妹がある場所を指差す。
妹の指を差す方を見ると、空に黒い煙が上がっていた。
「お母さん、あれ!!」
娘の驚いた様な声に、離れた所にいた母親達や周りの大人は一斉に空を見上げる。
「……煙?」
「火事か?」
思い思いに声を上げる大人達。
それ程大きく無い立ち昇る黒い煙に、大人達は直ぐに鎮火されるだろうとさほど慌てない。
ーーだが、そんな余裕も直ぐに無くなった。
「おいっ!あれ見ろよ!」
1人の男性が驚きの声を上げる。
何と、他の場所からも黒い煙が上がり始めたからだ。しかも、他の場所からも煙が上がる。
「どうなってるんだ!?」
「あなた達、こっちに来なさい!」
「皆んな、集まれ!」
母親達は子供達を呼び寄せ、他の者達は煙の上がっていない噴水の側に集まる。
「一体、何が起こってるんだ?」
「わからない。だが、迂闊に動くのは危ないな」
「でも、あっちの方に家があるのよ。心配だわ…」
「私も…」
「大丈夫。直ぐに騎士団が来てくれるさ」
「そうだな。この国の騎士団は優秀だ。直ぐに、問題を解決して来るさ」
そう言って大人達が話している時、遠くから爆発音が聞こえて来たのだった。
「いらっしゃーい!今日、取れたばかりの魚だよー!」
「これは、かの有名な職人のーー!」
「ちょっと、あの話聞きまして?」
「おっ、そこの奥さん!今日の夕飯にこれなんてどうだい?」
「旦那!先程、良い酒が入りましてね!」
「あら奥さん、お久しぶりね~」
ガヤガヤと賑わう王都。
露店などが立ち並ぶ通りには、多くの買い物客や商人達が集まっていた。
丁度、正午になる頃だった為に人の多さはピークを迎えていた。
そんな通りの真ん中にある噴水前、そこでは小さな子供達が楽しそうに水遊びをしていた。子供達から少し離れた場所では、母親達が情報交換という名のお喋りをしている。
子供達は、服を濡らしながらも相手に水を掛け合っている。
「えいっ!」
「きゃっ!?」
「あーー!トムがミミに水かけた!」
「よくもやったな!」
「うわっ!?ジム、ひどいぞ!」
「ミミのかたき!」
「ちょっ!?エリー!ボクにかかってるよ!」
子供達の楽しげな声を上げながら遊ぶ姿を、周囲の大人達は微笑ましげに見守る。
ーーそんな時、子供達の中で一番幼い女の子が急に水遊びの手を止めて空を見上げた。
「どうしたの、マチルダ?」
それに気が付いた少女の姉が、手を止めて妹に声をかける。
「おねぇちゃん、あれ…」
そう言って、妹がある場所を指差す。
妹の指を差す方を見ると、空に黒い煙が上がっていた。
「お母さん、あれ!!」
娘の驚いた様な声に、離れた所にいた母親達や周りの大人は一斉に空を見上げる。
「……煙?」
「火事か?」
思い思いに声を上げる大人達。
それ程大きく無い立ち昇る黒い煙に、大人達は直ぐに鎮火されるだろうとさほど慌てない。
ーーだが、そんな余裕も直ぐに無くなった。
「おいっ!あれ見ろよ!」
1人の男性が驚きの声を上げる。
何と、他の場所からも黒い煙が上がり始めたからだ。しかも、他の場所からも煙が上がる。
「どうなってるんだ!?」
「あなた達、こっちに来なさい!」
「皆んな、集まれ!」
母親達は子供達を呼び寄せ、他の者達は煙の上がっていない噴水の側に集まる。
「一体、何が起こってるんだ?」
「わからない。だが、迂闊に動くのは危ないな」
「でも、あっちの方に家があるのよ。心配だわ…」
「私も…」
「大丈夫。直ぐに騎士団が来てくれるさ」
「そうだな。この国の騎士団は優秀だ。直ぐに、問題を解決して来るさ」
そう言って大人達が話している時、遠くから爆発音が聞こえて来たのだった。
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