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第2章

No.218

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ようやく落ち着いたアルフォンスと共に屋敷内に入ると、リディアやルドルフを筆頭に屋敷で働く使用人達全員が笑顔で二人を出迎える。

「アルフォンス様、おめでとうございます。ようやく、ようやく……」

そう言ってルドルフがハンカチを目元に当てながら涙声で話す。一方で、リディアや他のメイド達がキラキラと瞳を輝かせながら真琴に近付く。

「マコ様、おめでとうございます!私…いえ、私達メイド一同心よりお祝い申し上げます!」

リディアの言葉に、他のメイド達も口々に話し出す。

「マコ様のお言葉に、年甲斐も無く胸キュンしました!」
「私、感動しました!私もいつか、あんな風に番にプロポーズされたいです!」
「わかるわ!あんな風に情熱的なプロポーズされたいっ!」
「『貴方の妻になりたいです』…なんて、私も早く言いたい!」
「……決めたわ。私、婚活する」

皆んなのその言葉に、先程の話を聞かれていたのだと知った。

「あ、ありがとうございます」

(う、嬉しいけど、恥ずかしい…っ!)

顔を赤くしながらもお礼を言う真琴とは別に、アルフォンスも男性陣に囲まれていた。

「坊ちゃん、やりましたな!」
「そうだ。旦那様、式はいつになさいますか?」
「その日は、絶対に休みを取って出席しますね!」
「俺も早く番に会いたい…」
「今日から寝室は一緒で宜しいですか?」
「結婚式、何着ていこう…」

自分の事の様に喜ぶ彼等を見て、アルフォンスは嬉しくなる。此処にいる使用人達は、両親の代から仕えてくれている者達が多い。そんな家族の様な彼等からの純粋なお祝いの言葉は、アルフォンスはとても嬉しかった。

「………ありがとう。お前達には随分と迷惑をかけたな」

番がこの世界から消えてから、アルフォンスは随分荒れた。そんな彼を、使用人達は誰も見捨てなかった。

「私達は、迷惑などかけられていませんよ」

ルドルフの言葉に、他の者も続く。

「そうですよ!坊ちゃんが一時期荒れたのだって、遅い反抗期みたいなもんですよ!」
「旦那様には、いつも良くして貰っています」

その言葉に、もう一度「ありがとう」と大切な彼等にお礼を言ったアルフォンスだった。



***



「まさか、この歳になってアル坊の結婚式が見れると思わなかったわい。長生きはするもんじゃのぉ~」
「……なぁ、ミゲルさんって一体何歳なんだ?」
「さぁ?先先代の頃から庭師として働いてるって聞いたぜ?」
「えっ?俺はもっと前からだって聞いたぜ?」
「いやいや!それっておかしいだろ!それが本当だったら、もう千年は生きてる事になるぞ?」
「流石に、竜人でもそこまで長生きはしないだろ…」
「………だよな?」






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