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第2章

No.214

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そんな風にバンラート達が話している頃、真琴は近くの空き部屋にアルフォンスに連れ込まれお仕置きを受けていた。

「ア、アルフォン…スさ…」
「しっ…、こっちに集中するんだ」
「んっ……」

現在、真琴はアルフォンスにソファーに押し倒されキスをされていた。他所様の家、更にいつ誰がやって来るか分からない場所でのキスに、真琴は必死にアルフォンスに抵抗した。肩を押しても、その逞しい胸を押しても、アルフォンスはピクリとも動かず真琴に甘いキスを贈る。

(アルフォンスさんっ!本当にやめて~~!!)

別に、真琴はアルフォンスとのキスが嫌な訳では無い。誰だって、好きな人には触りたいと思うし触れたいと思うだろう。

真琴だってその一人だ。

アルフォンスとのキスは、心が暖かくなりもっと触れて欲しいと思う。……そして、大胆にももっとその先も触れて欲しいとも。未だ、身体の関係に至っていないのは今のファウアームの問題もあるが、一番は真琴自身の問題だ。

アルフォンスの言葉に好きだ愛している。しかし、彼氏もいた事のない真琴にとって、この様な事は全部が初めてなのだ。

アルフォンスに触れたい、触れて欲しい。
だけど、それよりも怖いし不安な気持ちの方が大きいのだ。

そんな真琴の気持ちを、アルフォンスはきちんと理解していた。身体の関係を結んで、最終的にリスクが大きいのは女性だ。勿論、アルフォンスは責任を取るつもりがある。………と言うか、責任を取る気満々である。だが、それでも恐怖や不安を持つのは母親となる女性の本能だろう。生まれて来る我が子を本当に護れるか、育てていけるかと言う母親としての本能。

(大丈夫だ。俺は、真琴の気持ちが追い付くまで何時迄も待つさ)

もう、18年も待ったのだ。
真琴の気持ちが決まるまで待つ事など、アルフォンスにとって簡単な事だ。

そう思いながら、アルフォンスはまた真琴にキスをする。出来るならば、早く心が決まる事を願って…。

(アルフォンスさん、やめて!!こんな場面、誰かに見られたら恥ずかしくて死んじゃうよーー!!)

(そんなに慌てなくても大丈夫だ。今すぐ抱きはしないさ。……だけど、もう少しだけ触れさせてくれ)

この瞬間、二人の気持ちは全然通じ合っていなかった。誰かに見られる事を恐れる真琴と、この場で抱かれる事に不安を感じていると思っているアルフォンス。気持ちが通じ合わない二人の攻防は、部屋の掃除に来たメイドが顔を赤くし倒れた事で漸く終わりを告げたのだった。


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