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第2章

No.202

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(何だろう。何だかとても温かい感じがする…)

そう思いながら、真琴はゆっくりと目を開ける。すると、羽の生えた6歳程の両手サイズの生き物が視界に入って来た。

「えっ…?」
『あっ、起きた!おはよう!』
「おっ、おはよう…」

一番最初に話しかけて来た赤い髪の男の子。その顔に、何処か見覚えがあった。

「………もしかして、ひー君?」
『うん!久しぶりだね、真琴!』

最後に見た時よりも驚く程に成長している。しかも、言葉もスムーズに話せる様になっている。

(目の前の男の子が精霊のひー君なら……)

真琴は、他の子供達に視線を向ける。

「みーちゃん?」
『そうよ!』

水色の髪の女の子が、パチンとウィンクをする。

「ふー君?」
『ふぁ~、眠い…』

緑色の髪の男の子が、欠伸をしながら真琴の座るソファーの肘立てに寝転ぶ。

「ひかりちゃん?」
『うん!真琴、会いたかったわ!』

金髪の髪をした女の子が、おっとりとした笑顔を浮かべて真琴の膝に座る。

「つー君?」
『そうだよ』

茶色の男の子は、片手をひらひらと振る。この中で、一番落ち着いた雰囲気だった。

「やー君」
『…久しぶり』

黒髪の男の子は、それだけを言って直ぐに真琴の影に座る。

「本当に、皆んな何だ…」

真琴の身体に消えて以来、一度も見ることも無かった命の恩人である精霊達。その彼等の成長した姿を見て、真琴は自分のことの様に嬉しい気持ちが込み上げて来るのが分かった。

「皆んな、成長したんだね。凄くかっこいいし、可愛くなったね」

その言葉に、眠そうにしているふー君以外の精霊達は照れた様に笑った。そうして、嬉しそうにひー君が話し出す。

『僕達がこんなに成長出来たのは、真琴のお陰だよ!』
「私の?」
『真琴の中にいた時、真琴の記憶を見たんだ。とても幸せな記憶ばかりだったよ』

ひー君の言葉に続く様に、今度はみーちゃんが話し出す。

『それに、真琴が番の側で毎日幸せでしょ?その真琴の純粋な幸福感が、私達をここまで成長させてくれたのよ!』
「………つまり、皆んなは私の幸福感を糧に成長したって事?」
『うん、そうだよ。真琴のお陰で、僕達はこんなにも早く成長出来たんだ』

そう言って、つー君が真琴に笑いかける。

『私達が成長しただけじゃ無く、真琴の命も助かったのよ。嬉しい事だらけだわ!』

そう言って、ひかりちゃんが嬉しそうに話す。

「えっ?命も助かった…?」

真琴は、ひかりちゃんのその言葉にビックリして聞き返す。

(私、何処か悪かったの?)

そう思った時、バタンッ!と大きな音を立てて部屋の扉が開く。驚いて入り口を見ると、そこには顔を硬らせたアルフォンスやリディア、ステインがいた。

「………その話、詳しく聞かせてもらおうか」

そう言ったアルフォンスの声は、酷く震えていた。





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