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第2章

No.194

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ーートントン。

「マコ様、旦那様がお帰りになりました」

そう言って、リディアが真琴の部屋の扉をノックしてから部屋の外から声をかけてくる。

昼間、ルイザに魔法を教えてもらった真琴。教えに熱の入ったルイザと共に、暗くなり実家から帰って来たリディアに呼ばれるまで夢中になっていた。

その後、出かけたと言うアルフォンスは帰って来ず、仕方なく1人で夕食を食べてを食べた。食べ終えた後、お風呂に入り今まで部屋で今日学んだ魔石の事を復習していた。リディアに、アルフォンスが帰って来たら教えて欲しいと頼んで置いたのだ。

「今行きますっ!」

待ちに待ったアルフォンスの帰宅の知らせに、思わず大きな声が出る。急いで身なりを軽く整えて扉を開ける。すると、リディアが薄いショールを差し出して来る。

「マコ様、こちらを。玄関は、少し肌寒いですから」
「ありがとうございます」

ショールを肩にかけると、直ぐに玄関に向かう。知らず知らずの内に、その足が駆け足になる。そんな真琴を、リディアは微笑ましげに見つめながら続く。そうして、玄関ホールに着くと階段下に愛しい彼がいた。

「アルフォンスさんっ!」
「真琴」

真琴の声に、アルフォンスは上を向く。そうして、最愛の女性の姿を見て美しく笑う。荷物を側に立っているルドルフに預けると、真琴の元へやって来た。

「まだ起きていたのか」
「はい。………どうしても、アルフォンスさんに会いたくて」
「……っ!」

その言葉に、アルフォンスは頬を赤く染め息を詰まらせる。

(本当に、会いたかった…)

今日、一人で夕食を食べた時とても寂しかった。何時もなら、目の前にアルフォンスがいて楽しく笑い合いながら食事をする。だが、今日はアルフォンスが居なかった。一緒に食事をしたステインやリディア達メイド達が色々な話をしてくれて、楽しかった。…だが、やはり心の何処かが「寂しい」と訴えていた。

「………俺も、君に会いたかった」

アルフォンスは、そう言って真琴をギュッと抱き締める。そうして、ハァ~っと深く息を吐いた。

「お疲れですか?」
「…まぁな。ちょっと面倒事を起こした奴等に、ドランがキレてな…」

「凄く疲れた」と言いながら、アルフォンスは真琴に頬擦りして甘えてくる。

「真琴は、今日の魔法の練習はどうだった?楽しかったか?」
「はいっ!ルイザさんに、『才能がある』って褒められました。それに、水の魔法で小さな雨を降らして遊んだんです!それからーー」

今日あった出来事を、目をキラキラさせて楽しそうに話す真琴。そんな彼女を、アルフォンスは愛おしげに見つめ、時々頷きながら真琴を然りげ無く談話室にエスコートする。そんな二人を、屋敷の使用人達は温かい目で見つめる。

そうして真琴の話は、真琴が疲れて眠りに付くまで続いたのだった。

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