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第2章
No.151
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ーーコツコツコツ
アルフォンスが階段を下りるたび、硬く冷たい石が足音を辺りに響かせる。
階段を下りると、目の前に鉄で出来た扉が現れる。
その両隣には、騎士が2人扉の警護に当たっていた。2人の騎士は、アルフォンスが現れると直ぐに敬礼をする。
「団長、お疲れ様です!」
「お疲れ。話は聞いているか?」
「はい!例の囚人は、1番奥の牢に居ます。陛下より、この時間は団長以外通すなとの指示があります」
「そうか」
奥の牢は、アルフォンスが暴走仕掛けて入れられていた場所だ。あそこには、重要人物などが入れられる。一つだけ隔離された様に作られた牢は、大声を出しても誰にも聞こえない。そこでなら、何を話しても誰にも知られる事は無い。
(陛下に感謝だな)
真琴や精霊の事は、上層部だけが知るトップシークレットだ。いずれバレるだろうが、今では無い。
「それじゃあ、暫く囚人と話して来る。その間、警備を引き続きよろしくな」
「「はっ!」」
そうして、持たされたランプと共に暗い地下牢に入る。バタンと背後で重い扉の閉まる音がする。
(行くか)
そうして、目的の場所へ足を動かす。
現在、この地下牢に居るのは例の囚人だけだ。
その為、奥の牢に着くまで聞こえるのはアルフォンスの呼吸音と足音、それに所々にある蝋燭に灯る火の音だけだ。
ーーコツコツ……コツ。
漸く、目的の場所に到着し足を止める。
太い鉄格子の奥は暗闇に包まれていた。
だが、その暗闇の奥から微かに人の気配がする。
(どんな奴だろう…)
そう思いながら、手に持っていたランプを前にかざす。すると、ランプの灯りに奥に居た人物が浮かび上がる。
元々は黒かったであろう髪は、汚れて灰色に見える。目元は髪に覆われ見えないが、その奥から強い視線を感じる。全体的に細っそりとして見えるが、服の下の身体は鍛えられていると感じる。何処か不思議な雰囲気の旅装束を着たその男は、地面に座り込み壁に背を預けこちらを見ていた。
「………」
「………」
暫くの間、お互い無言で睨み合う。
最初に動いたのは、男の方だった。
「………お前は誰だ」
その声は、意外と若い。
恐らく、三十代前半位だろうか?だが、それも人間の場合だ。長寿の種族だと、アルフォンスの様に見た目では正確な年齢は分からない。
「俺は、ドラゴニール王国騎士団団長アルフォンス・サザーランドだ。お前の名は何だ」
己の身分を明かし、男に名を尋ねる。
「何故、お前から精霊の愛し子の気配がする…?」
だが、男はアルフォンスの問いには答え無い。
ーー「愛し子」
それは恐らく真琴の事だ。
つい先程まで一緒に居た真琴の気配を察した男。
(間違いない。この男は、ファウアームの者だ)
アルフォンスは、そう確信した。
何故ならファウアームの人間は、獣人達の様に匂いでなく個人の気配を感知する事が出来ると言われているからだ。
アルフォンスが階段を下りるたび、硬く冷たい石が足音を辺りに響かせる。
階段を下りると、目の前に鉄で出来た扉が現れる。
その両隣には、騎士が2人扉の警護に当たっていた。2人の騎士は、アルフォンスが現れると直ぐに敬礼をする。
「団長、お疲れ様です!」
「お疲れ。話は聞いているか?」
「はい!例の囚人は、1番奥の牢に居ます。陛下より、この時間は団長以外通すなとの指示があります」
「そうか」
奥の牢は、アルフォンスが暴走仕掛けて入れられていた場所だ。あそこには、重要人物などが入れられる。一つだけ隔離された様に作られた牢は、大声を出しても誰にも聞こえない。そこでなら、何を話しても誰にも知られる事は無い。
(陛下に感謝だな)
真琴や精霊の事は、上層部だけが知るトップシークレットだ。いずれバレるだろうが、今では無い。
「それじゃあ、暫く囚人と話して来る。その間、警備を引き続きよろしくな」
「「はっ!」」
そうして、持たされたランプと共に暗い地下牢に入る。バタンと背後で重い扉の閉まる音がする。
(行くか)
そうして、目的の場所へ足を動かす。
現在、この地下牢に居るのは例の囚人だけだ。
その為、奥の牢に着くまで聞こえるのはアルフォンスの呼吸音と足音、それに所々にある蝋燭に灯る火の音だけだ。
ーーコツコツ……コツ。
漸く、目的の場所に到着し足を止める。
太い鉄格子の奥は暗闇に包まれていた。
だが、その暗闇の奥から微かに人の気配がする。
(どんな奴だろう…)
そう思いながら、手に持っていたランプを前にかざす。すると、ランプの灯りに奥に居た人物が浮かび上がる。
元々は黒かったであろう髪は、汚れて灰色に見える。目元は髪に覆われ見えないが、その奥から強い視線を感じる。全体的に細っそりとして見えるが、服の下の身体は鍛えられていると感じる。何処か不思議な雰囲気の旅装束を着たその男は、地面に座り込み壁に背を預けこちらを見ていた。
「………」
「………」
暫くの間、お互い無言で睨み合う。
最初に動いたのは、男の方だった。
「………お前は誰だ」
その声は、意外と若い。
恐らく、三十代前半位だろうか?だが、それも人間の場合だ。長寿の種族だと、アルフォンスの様に見た目では正確な年齢は分からない。
「俺は、ドラゴニール王国騎士団団長アルフォンス・サザーランドだ。お前の名は何だ」
己の身分を明かし、男に名を尋ねる。
「何故、お前から精霊の愛し子の気配がする…?」
だが、男はアルフォンスの問いには答え無い。
ーー「愛し子」
それは恐らく真琴の事だ。
つい先程まで一緒に居た真琴の気配を察した男。
(間違いない。この男は、ファウアームの者だ)
アルフォンスは、そう確信した。
何故ならファウアームの人間は、獣人達の様に匂いでなく個人の気配を感知する事が出来ると言われているからだ。
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