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第1章
No.128
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その後は大変だった。
喜びに満ちたアルフォンスに寝室に連れ込まれそうになった所をリディアさんに助けられたり、2人が付き合う事を何処かから聞いたバンラートが仕事を放り出して屋敷に突入し、それを追いかけて怒り狂ったドランが近衛騎士を引き連れてやって来たり。
「つ、疲れた…」
そう言って、真琴はソファーにぐったりと座った。
すると、そんな真琴を労わるようにリディアは紅茶を淹れる。
「お疲れ様です。どうぞ、疲労によく効く紅茶です」
「……ありがとうございます」
カップに口を付けると、ふわりと良い匂いがする。一口飲むと、身体の芯から温まる。
「美味しい」
ホッとする優しい味だ。
(これから、どうなるんだろう…)
帰る方法を探す事、それは今までと変わらない。
だが、今までと違う事。それは、アルフォンスと付き合うという事だ。
(きっと、今まで通りにはいかないだろうな…)
アルフォンスと付き合う。
それは、この世界の事…貴族社会の事を知るという事。それに伴ってやる事、覚える事は沢山あるだろう。
(だけど、どんなに大変でもアルフォンスさんと一緒に居るって自分で決めたんだからっ!)
自分で決めたのだ。
やれる事は、どんな事でもやる!
「よしっ」
(真琴、ファイト!)
新たに決意を固め、自分にエールを送る。
「ふふっ」
そんな真琴を見て、リディアは微笑ましくなる。
そうして、これからも真琴を支えて行こうと決意した。
***
「アルッ!良かったな!」
「……ありがとう。だが、離れろ」
ギュッと抱き付くバンラートを、アルフォンスは押し退ける。顔を押し退けられてもバンラートは笑顔だ。
「陛下。アルフォンス団長にくっ付いている暇があるなら仕事をして下さい」
未だにアルフォンスに抱き付こうとするバンラートを、ドランは引きずり執務机に押し付ける。
「何だよ、ドラン!もう少し、アルと話を…」
「陛下。別の大切な話があるでしょう?」
「あっ、そうだった!」
すると、バンラートは国王の顔付きになりアルフォンスを見た。
「…アルフォンス。マコの精霊の話をした事は覚えているな?」
「はい」
「その事で、隣国に怪しい動きがある」
隣国ファウアーム。
ドラゴニール国…というより、殆どの国と冷戦状態の国。人間至上主義で、獣人は穢れた種族であり人間こそがこの世界の真の支配者だと考えている国である。世界を人間だけの物にする為に、獣人を消す為に長い間お伽話に伝わる存在の精霊を探している。
「今は、マコの事や精霊の事は知られていない。だが、いつこの事がバレるか分からない為に油断は出来ない。アルフォンスも気を付けろ」
「わかりました」
(今度こそ、真琴を守ってみせる)
そう、アルフォンスは心に強く誓ったのだった。
喜びに満ちたアルフォンスに寝室に連れ込まれそうになった所をリディアさんに助けられたり、2人が付き合う事を何処かから聞いたバンラートが仕事を放り出して屋敷に突入し、それを追いかけて怒り狂ったドランが近衛騎士を引き連れてやって来たり。
「つ、疲れた…」
そう言って、真琴はソファーにぐったりと座った。
すると、そんな真琴を労わるようにリディアは紅茶を淹れる。
「お疲れ様です。どうぞ、疲労によく効く紅茶です」
「……ありがとうございます」
カップに口を付けると、ふわりと良い匂いがする。一口飲むと、身体の芯から温まる。
「美味しい」
ホッとする優しい味だ。
(これから、どうなるんだろう…)
帰る方法を探す事、それは今までと変わらない。
だが、今までと違う事。それは、アルフォンスと付き合うという事だ。
(きっと、今まで通りにはいかないだろうな…)
アルフォンスと付き合う。
それは、この世界の事…貴族社会の事を知るという事。それに伴ってやる事、覚える事は沢山あるだろう。
(だけど、どんなに大変でもアルフォンスさんと一緒に居るって自分で決めたんだからっ!)
自分で決めたのだ。
やれる事は、どんな事でもやる!
「よしっ」
(真琴、ファイト!)
新たに決意を固め、自分にエールを送る。
「ふふっ」
そんな真琴を見て、リディアは微笑ましくなる。
そうして、これからも真琴を支えて行こうと決意した。
***
「アルッ!良かったな!」
「……ありがとう。だが、離れろ」
ギュッと抱き付くバンラートを、アルフォンスは押し退ける。顔を押し退けられてもバンラートは笑顔だ。
「陛下。アルフォンス団長にくっ付いている暇があるなら仕事をして下さい」
未だにアルフォンスに抱き付こうとするバンラートを、ドランは引きずり執務机に押し付ける。
「何だよ、ドラン!もう少し、アルと話を…」
「陛下。別の大切な話があるでしょう?」
「あっ、そうだった!」
すると、バンラートは国王の顔付きになりアルフォンスを見た。
「…アルフォンス。マコの精霊の話をした事は覚えているな?」
「はい」
「その事で、隣国に怪しい動きがある」
隣国ファウアーム。
ドラゴニール国…というより、殆どの国と冷戦状態の国。人間至上主義で、獣人は穢れた種族であり人間こそがこの世界の真の支配者だと考えている国である。世界を人間だけの物にする為に、獣人を消す為に長い間お伽話に伝わる存在の精霊を探している。
「今は、マコの事や精霊の事は知られていない。だが、いつこの事がバレるか分からない為に油断は出来ない。アルフォンスも気を付けろ」
「わかりました」
(今度こそ、真琴を守ってみせる)
そう、アルフォンスは心に強く誓ったのだった。
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