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第1章
No.122
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「いや~、すまないな。つい気が急いでな。……それで?アルの番になる覚悟が出来たのか?」
ひとしきり謝った後、真剣な表情でバンラート様にそう聞かれ、私は戸惑った。
(確かに、もう誤魔化しようが無い程に私はアルフォンスさんは好き。でも……)
それでも、家族の元に帰る事を諦められない。
「私は……」
何か言わなければと口を開くが、その先が出てこない。…….当たり前だ。その先の覚悟や決意が出来ていないのだから。
(私は、どうしたいんだろう…)
先程、アルフォンスに告白した。
それは、紛れも無い己自身の気持ち。
なのに、私は迷っている。未だに、己がどうしたいかさえ決められない。
(私、最低だ…)
アルフォンスの気持ちに応えておいて、番になる事の覚悟が出来ないのだから。
「………一先ずその事は後にして、マコ様に誘拐された時の事を聞きましょう。陛下もマコ様も宜しいですか?」
「あぁ」
「あ、はい…」
下を向いてしまった私を気遣ってか、ドラン様が優しくそう聞いてくる。
「では、辛いとは思いますが最初から話してもらえますか?」
「わかりました」
そうして、私は誘拐された時の事を話し始めた。
***
「ーーこれが全てです」
時間はかかったが、見た事聞いた事全てを話し終えた。
「………陛下」
「あぁ」
最後まで、口を挟まず聞いていたバンラートとドラン。聞き終えた後、険しい顔をしたドランはバンラートに声をかける。バンラートも難しい顔で頷き返す。そうして、ジッと真琴を見て口を開く。
「マコ。本当に、精霊を見たんだな?」
「はい。でも、いつのまにか姿が見えなくなってて…」
そうなのだ。アルフォンスに助けられた時はいた精霊達は、いつの間にか姿が見えなくなっていたのだ。
「そうか。…まさか、本当に精霊が存在するとは」
「陛下、この事が隣国に知れたら…」
「あぁ。面倒な事になるな」
真剣な表情で話し合う2人を見て、真琴は不安になる。
「……真琴。精霊の事を俺たちの他に、誰かに喋ったか?」
「いいえ。アルフォンスさんにも話してません」
「そうか…」
バンラートは、その言葉を聞いてドランと目を合わせた後、再び真琴を見つめる。
「マコ、これはドラゴニール国の王として命じる。マコが精霊を見た事は誰にも言うな。アルフォンスには、俺から話す。いいか?決して誰にも話すな」
「……はい」
私には、そう返事する以外無かった。
(バンラート様が、王として命じるなんて言うなんて…。それに、アルフォンスさんの事もアルフォンスって呼んだ…)
つまり、それ程までに精霊が見えたと言う事は、この国にとって一大事なのだろう。
「すまない、急用が出来た。今日は、もう帰ってゆっくり休め。じゃあな」
「それでは、失礼します」
そう言って、早々に2人は部屋を出て行った。
「………本当に、今日は疲れたなぁ」
部屋に1人になって、私はようやく身体の力を抜いた。
ひとしきり謝った後、真剣な表情でバンラート様にそう聞かれ、私は戸惑った。
(確かに、もう誤魔化しようが無い程に私はアルフォンスさんは好き。でも……)
それでも、家族の元に帰る事を諦められない。
「私は……」
何か言わなければと口を開くが、その先が出てこない。…….当たり前だ。その先の覚悟や決意が出来ていないのだから。
(私は、どうしたいんだろう…)
先程、アルフォンスに告白した。
それは、紛れも無い己自身の気持ち。
なのに、私は迷っている。未だに、己がどうしたいかさえ決められない。
(私、最低だ…)
アルフォンスの気持ちに応えておいて、番になる事の覚悟が出来ないのだから。
「………一先ずその事は後にして、マコ様に誘拐された時の事を聞きましょう。陛下もマコ様も宜しいですか?」
「あぁ」
「あ、はい…」
下を向いてしまった私を気遣ってか、ドラン様が優しくそう聞いてくる。
「では、辛いとは思いますが最初から話してもらえますか?」
「わかりました」
そうして、私は誘拐された時の事を話し始めた。
***
「ーーこれが全てです」
時間はかかったが、見た事聞いた事全てを話し終えた。
「………陛下」
「あぁ」
最後まで、口を挟まず聞いていたバンラートとドラン。聞き終えた後、険しい顔をしたドランはバンラートに声をかける。バンラートも難しい顔で頷き返す。そうして、ジッと真琴を見て口を開く。
「マコ。本当に、精霊を見たんだな?」
「はい。でも、いつのまにか姿が見えなくなってて…」
そうなのだ。アルフォンスに助けられた時はいた精霊達は、いつの間にか姿が見えなくなっていたのだ。
「そうか。…まさか、本当に精霊が存在するとは」
「陛下、この事が隣国に知れたら…」
「あぁ。面倒な事になるな」
真剣な表情で話し合う2人を見て、真琴は不安になる。
「……真琴。精霊の事を俺たちの他に、誰かに喋ったか?」
「いいえ。アルフォンスさんにも話してません」
「そうか…」
バンラートは、その言葉を聞いてドランと目を合わせた後、再び真琴を見つめる。
「マコ、これはドラゴニール国の王として命じる。マコが精霊を見た事は誰にも言うな。アルフォンスには、俺から話す。いいか?決して誰にも話すな」
「……はい」
私には、そう返事する以外無かった。
(バンラート様が、王として命じるなんて言うなんて…。それに、アルフォンスさんの事もアルフォンスって呼んだ…)
つまり、それ程までに精霊が見えたと言う事は、この国にとって一大事なのだろう。
「すまない、急用が出来た。今日は、もう帰ってゆっくり休め。じゃあな」
「それでは、失礼します」
そう言って、早々に2人は部屋を出て行った。
「………本当に、今日は疲れたなぁ」
部屋に1人になって、私はようやく身体の力を抜いた。
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