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第1章
No.121
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「じゃあ、彼女は遂に団長の番になったんですね!」
ハロルドがそう言った途端。
アルフォンスは、ゆっくりと顔を曇らせた。
「………いや、番になっていない」
「え?」
番になっていない?
どう言う事だろうと、疑問に思う。
(番の相手も好きだと言ったんだろう…?)
つまり、両想い。
それなのに、番いになって居ないとはどう言う事だろう。
「だって、番の方も団長を好きだと言ったんですよね?それなら……」
首を横に振りながら、アルフォンスは静かに話し出した。
「確かに、真琴は俺の事を好きだと言ってくれた。……だが、言っただけだ。元の世界に帰る事を諦めた訳じゃ無い」
「元の世界って………!!」
(此処が、彼女の本来居るべき元の世界じゃ無いかっ!!)
最後まで声に出さず、ハロルドは心の中で叫ぶ。
すると、その声が聞こえたかの様にアルフォンスは否定する。
「ハロルド、違う…違うさ。確かに、真琴はこの世界で生まれた。だが、その後の18年間を…大切な家族と過ごしたのは、此処じゃ無い別の世界だ。真琴にとっては、あの世界こそが本当の世界だ」
「団長……」
その時のアルフォンスの表情は、下を向いていてよく分からなかった。
ハロルドは、そんなアルフォンスを見てとても悲しくなった。
(何故、この2人はこんなに沢山の遠回りとすれ違いをするんだろう…)
何故、アルフォンスばかりこんなに辛い思いをするのだろう。ハロルドは、居るかどうかも分からない神を恨んだ。
「………だがな、ハロルド」
その時、不意にアルフォンスが顔を上げて口を開いた。
「もう俺は、後悔ばかりするのはやめたんだ。これからは、もっと真琴に好きになって貰える様に努力するし、真琴が帰れる方法を必死に探す。そうして、帰る方法が見つかった時に最後に彼女に選んで貰える様にするさ。いや、してみせる」
そう言って、アルフォンスはとても力強い表情と声で話す。
その姿は、皆が憧れる国の英雄アルフォンス・サザーランドだった。
「………俺も、団長の手伝いをします。彼女の帰る方法を調べます。だから、団長は彼女の心を捕まえる事に専念して下さい」
「ハロルド、お前…」
アルフォンスは、少し驚いた様にハロルドを見つめる。そしてーー。
「………ありがとう」
少し泣きそうな表情で…、でも嬉しそうに笑った。
そんなアルフォンスを見て、ハロルドも嬉しそうに笑った。
ハロルドがそう言った途端。
アルフォンスは、ゆっくりと顔を曇らせた。
「………いや、番になっていない」
「え?」
番になっていない?
どう言う事だろうと、疑問に思う。
(番の相手も好きだと言ったんだろう…?)
つまり、両想い。
それなのに、番いになって居ないとはどう言う事だろう。
「だって、番の方も団長を好きだと言ったんですよね?それなら……」
首を横に振りながら、アルフォンスは静かに話し出した。
「確かに、真琴は俺の事を好きだと言ってくれた。……だが、言っただけだ。元の世界に帰る事を諦めた訳じゃ無い」
「元の世界って………!!」
(此処が、彼女の本来居るべき元の世界じゃ無いかっ!!)
最後まで声に出さず、ハロルドは心の中で叫ぶ。
すると、その声が聞こえたかの様にアルフォンスは否定する。
「ハロルド、違う…違うさ。確かに、真琴はこの世界で生まれた。だが、その後の18年間を…大切な家族と過ごしたのは、此処じゃ無い別の世界だ。真琴にとっては、あの世界こそが本当の世界だ」
「団長……」
その時のアルフォンスの表情は、下を向いていてよく分からなかった。
ハロルドは、そんなアルフォンスを見てとても悲しくなった。
(何故、この2人はこんなに沢山の遠回りとすれ違いをするんだろう…)
何故、アルフォンスばかりこんなに辛い思いをするのだろう。ハロルドは、居るかどうかも分からない神を恨んだ。
「………だがな、ハロルド」
その時、不意にアルフォンスが顔を上げて口を開いた。
「もう俺は、後悔ばかりするのはやめたんだ。これからは、もっと真琴に好きになって貰える様に努力するし、真琴が帰れる方法を必死に探す。そうして、帰る方法が見つかった時に最後に彼女に選んで貰える様にするさ。いや、してみせる」
そう言って、アルフォンスはとても力強い表情と声で話す。
その姿は、皆が憧れる国の英雄アルフォンス・サザーランドだった。
「………俺も、団長の手伝いをします。彼女の帰る方法を調べます。だから、団長は彼女の心を捕まえる事に専念して下さい」
「ハロルド、お前…」
アルフォンスは、少し驚いた様にハロルドを見つめる。そしてーー。
「………ありがとう」
少し泣きそうな表情で…、でも嬉しそうに笑った。
そんなアルフォンスを見て、ハロルドも嬉しそうに笑った。
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