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第1章
No.96
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アルフォンス率いる騎士団は、竜になり森の上を飛んでいた。
<団長!あそこを!>
しばらく飛んでいると、ハロルドが念話で話しかけてきた。竜の姿の声帯だと人語は話せない。だがら、竜の姿の時は念話を使って会話をする。
ハロルドの示した方を見ると、森の中にぽっかりと木の無い場所があり、そこに一軒の小さな屋敷が建っていた。
(あれか)
目的の場所を確認したアルフォンスは、背後を飛んでいる騎士達に指示を出す。
<ハロルドは、数人の部下を連れて屋敷の周りを警戒しろ。あの蛇獣人の事だ。必ず何か仕掛けてくる筈だ>
<了解>
<残りの者は、俺と共に屋敷内に囚われている彼女を救出。そして、今回の首謀者であるダンブレア男爵及び令嬢を捕縛する。使用人も誰1人として逃すな>
<<<はっ!>>>
威勢の良い返事を聞いて頷くと、アルフォンスは大きく息を吸った。
ーーそして。
「グルァァァァァァーーッ!!」
大きく鋭い威嚇の咆哮を上げた。
本来なら、相手に居場所がバレて人質などの被害者の身に危険が及ぶ。だが、竜の威嚇の咆哮は違う。種族として頂点に君臨する竜人の本気の咆哮は、聞いた相手に畏怖を抱かせ身体の自由を少しの間だけ奪う。
しかも、アルフォンスは番を奪われ怒り狂っている。そんな、アルフォンスの本気の咆哮は本来の咆哮よりも効果があるだろう。
優秀な自身の右腕は、その瞬間を無駄にはしない。何人かの部下を引き連れ急降下して森の中に入って行く。それを視界に入れながら、残りの部下と共に屋敷に飛んで行く。
真下に屋敷が来ると、アルフォンス達は人型に戻る。重力に従って、地面に向かって落ちている間に身体を丸め体制を整える。そうして、地面にクレーターができる程の勢いで着地したと同時に、地面を強く踏みしめて一気に屋敷に向かって走り出した。
勢い良く加速しているアルフォンス達にとって、鍵の閉まっているだけの扉など紙切れに等しい。勢い良く扉を破り屋敷内に入った。
屋敷の中にいた使用人達は、先程のアルフォンスの咆哮で腰を抜かしている者や、失神している者が殆どだった。3人の部下に使用人の捕縛を。2人の部下には、男爵と令嬢の捕縛を。アルフォンスは、残りの1人と共に真琴の匂いがする地下室へと向かった。
(真琴っ!どうか、無事でいてくれ!!)
そうして、見えてきた地下室の扉を蹴破る勢いで開けた。湿った匂いと冷たい空気。それに、愛しい番の香りと、ほんの少しの血の匂い。
(っ!真琴!)
必死に地下室を隅から隅まで見渡す。
だが、そこには血に濡れた縄があるだけで、愛しい番である真琴の姿は無かった。
<団長!あそこを!>
しばらく飛んでいると、ハロルドが念話で話しかけてきた。竜の姿の声帯だと人語は話せない。だがら、竜の姿の時は念話を使って会話をする。
ハロルドの示した方を見ると、森の中にぽっかりと木の無い場所があり、そこに一軒の小さな屋敷が建っていた。
(あれか)
目的の場所を確認したアルフォンスは、背後を飛んでいる騎士達に指示を出す。
<ハロルドは、数人の部下を連れて屋敷の周りを警戒しろ。あの蛇獣人の事だ。必ず何か仕掛けてくる筈だ>
<了解>
<残りの者は、俺と共に屋敷内に囚われている彼女を救出。そして、今回の首謀者であるダンブレア男爵及び令嬢を捕縛する。使用人も誰1人として逃すな>
<<<はっ!>>>
威勢の良い返事を聞いて頷くと、アルフォンスは大きく息を吸った。
ーーそして。
「グルァァァァァァーーッ!!」
大きく鋭い威嚇の咆哮を上げた。
本来なら、相手に居場所がバレて人質などの被害者の身に危険が及ぶ。だが、竜の威嚇の咆哮は違う。種族として頂点に君臨する竜人の本気の咆哮は、聞いた相手に畏怖を抱かせ身体の自由を少しの間だけ奪う。
しかも、アルフォンスは番を奪われ怒り狂っている。そんな、アルフォンスの本気の咆哮は本来の咆哮よりも効果があるだろう。
優秀な自身の右腕は、その瞬間を無駄にはしない。何人かの部下を引き連れ急降下して森の中に入って行く。それを視界に入れながら、残りの部下と共に屋敷に飛んで行く。
真下に屋敷が来ると、アルフォンス達は人型に戻る。重力に従って、地面に向かって落ちている間に身体を丸め体制を整える。そうして、地面にクレーターができる程の勢いで着地したと同時に、地面を強く踏みしめて一気に屋敷に向かって走り出した。
勢い良く加速しているアルフォンス達にとって、鍵の閉まっているだけの扉など紙切れに等しい。勢い良く扉を破り屋敷内に入った。
屋敷の中にいた使用人達は、先程のアルフォンスの咆哮で腰を抜かしている者や、失神している者が殆どだった。3人の部下に使用人の捕縛を。2人の部下には、男爵と令嬢の捕縛を。アルフォンスは、残りの1人と共に真琴の匂いがする地下室へと向かった。
(真琴っ!どうか、無事でいてくれ!!)
そうして、見えてきた地下室の扉を蹴破る勢いで開けた。湿った匂いと冷たい空気。それに、愛しい番の香りと、ほんの少しの血の匂い。
(っ!真琴!)
必死に地下室を隅から隅まで見渡す。
だが、そこには血に濡れた縄があるだけで、愛しい番である真琴の姿は無かった。
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