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第1章
No.46
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「~でな?その時、俺は思ったんだよ!あぁ、この男は信頼出来るって。アルと俺は一生に一度会えるか会えないかの奇跡の出会いを果たしたんだ!」
(つらい…)
何が1番つらいかって言えば、バンラート様の話が終わらない事だ。
(そりゃあ、寿命の長い竜人の人はその分想い出は多いだろうけど…)
まさか、それを一気に話すつもりだろうか?
正直、私の知らないアルフォンスさんの話を聞くのは面白い。だが、それを20分も聞くのは…。
何より、今ちょうどバンラート様とアルフォンス様の運命の出会いが終わった所だ。
(出会いの話が終わるまでに、20分…)
さわりの部分でこれ程時間を有したのだ。今現在に至るまで、どれ位の時間が必要なのだろう。
(………今日中に終わるの?)
リディアさんに至っては、耳栓をして立ったまま読書をしていた。どうやら、バンラート様がアルフォンスさんの話をするのは初めてでは無いらしく、既に対策を立てていた。
不敬罪にならないのか心配したが、バンラート様はアルフォンスさんの事を話すのに夢中で気が付いていない。
「~だったんだ!ちゃんと、聞いてるか?」
「はい、聞いてます」
「そうか。でな?それでーー」
時折、話を聞いているか聞いてくるのもやめて欲しい。
そんな事を思いながら、遠い目をしていると…。
「…様!」
「こ……来て……だろ!」
「こ…らの……です!」
誰かの怒鳴り声と、走る足音が近付いて来る。
「はっ…!この気配は!」
急に話す事をやめたバンラート様が、勢いよく立ち上がり扉を見る。
ーーバタン!!
「陛下!!」
その瞬間、勢いよく開いた扉と共に怒った顔をしたアルフォンスさんが叫びながら入って来た。
(アルフォンスさんっ!)
その時、アルフォンスさんがいつもより輝いて見えた。これで、漸く地獄の様に長いアルフォンス愛を聞かずに済む。
「アルっ!何で此処がわかったんだ?はっ!やっぱり、俺とアルは見えない絆で繋がってーー」
「馬鹿な事を言うな!!あれ程、彼女を紹介しろと騒いでたんだ。嫌でも居場所がわかる!」
感動するバンラート様を他所に、アルフォンスさんは何処か疲れた様な顔をする。そして、ゆっくりとした動作で私に顔を向ける。
「………すまない。陛下が迷惑をかけたな」
「おい、アル。いつもの様に、バンラートと呼んでくれ!」
「黙れ、馬鹿。帰ったら宰相にみっちり仕事を押し付けてもらうからな」
「なっ!?」
絶望をその顔に宿すバンラート様。
アルフォンスさんは、そんな事を気にせず私に話しかける。
「無理を言って屋敷にいてもらってるのに、この馬鹿のせいで更に迷惑をかけた」
「…………いえ、大丈夫です」
間がかなり空いてしまったのは、許して欲しい。
「ほら見ろ!マコも、こう言ってるじゃ無いか!」
「黙れ!これは、気を使ってそう言っただけだ!いい歳した大人が自分の歳の半分にも満たない女性に気を使わせるな!」
そう言って、「早く帰るぞ!」と怒鳴るアルフォンスさんに引っ張られバンラート様は部屋を出て行く。
出て行く際、「また来る」と声を出したバンラート様をアルフォンスさんが叱る声が廊下から聞こえてきた。
「ふぅ…」
「漸く、お帰り頂けましたね」
いつの間にか、耳栓を外したリディアさんが側に立っていた。
正直、こうなる事が分かっていたなら教えて欲しかった。そんな気持ちでジト目でリディアさんを見るが、綺麗にスルーされてしまった。
そんなこんなで、色々あった1日が過ぎて行った。
(つらい…)
何が1番つらいかって言えば、バンラート様の話が終わらない事だ。
(そりゃあ、寿命の長い竜人の人はその分想い出は多いだろうけど…)
まさか、それを一気に話すつもりだろうか?
正直、私の知らないアルフォンスさんの話を聞くのは面白い。だが、それを20分も聞くのは…。
何より、今ちょうどバンラート様とアルフォンス様の運命の出会いが終わった所だ。
(出会いの話が終わるまでに、20分…)
さわりの部分でこれ程時間を有したのだ。今現在に至るまで、どれ位の時間が必要なのだろう。
(………今日中に終わるの?)
リディアさんに至っては、耳栓をして立ったまま読書をしていた。どうやら、バンラート様がアルフォンスさんの話をするのは初めてでは無いらしく、既に対策を立てていた。
不敬罪にならないのか心配したが、バンラート様はアルフォンスさんの事を話すのに夢中で気が付いていない。
「~だったんだ!ちゃんと、聞いてるか?」
「はい、聞いてます」
「そうか。でな?それでーー」
時折、話を聞いているか聞いてくるのもやめて欲しい。
そんな事を思いながら、遠い目をしていると…。
「…様!」
「こ……来て……だろ!」
「こ…らの……です!」
誰かの怒鳴り声と、走る足音が近付いて来る。
「はっ…!この気配は!」
急に話す事をやめたバンラート様が、勢いよく立ち上がり扉を見る。
ーーバタン!!
「陛下!!」
その瞬間、勢いよく開いた扉と共に怒った顔をしたアルフォンスさんが叫びながら入って来た。
(アルフォンスさんっ!)
その時、アルフォンスさんがいつもより輝いて見えた。これで、漸く地獄の様に長いアルフォンス愛を聞かずに済む。
「アルっ!何で此処がわかったんだ?はっ!やっぱり、俺とアルは見えない絆で繋がってーー」
「馬鹿な事を言うな!!あれ程、彼女を紹介しろと騒いでたんだ。嫌でも居場所がわかる!」
感動するバンラート様を他所に、アルフォンスさんは何処か疲れた様な顔をする。そして、ゆっくりとした動作で私に顔を向ける。
「………すまない。陛下が迷惑をかけたな」
「おい、アル。いつもの様に、バンラートと呼んでくれ!」
「黙れ、馬鹿。帰ったら宰相にみっちり仕事を押し付けてもらうからな」
「なっ!?」
絶望をその顔に宿すバンラート様。
アルフォンスさんは、そんな事を気にせず私に話しかける。
「無理を言って屋敷にいてもらってるのに、この馬鹿のせいで更に迷惑をかけた」
「…………いえ、大丈夫です」
間がかなり空いてしまったのは、許して欲しい。
「ほら見ろ!マコも、こう言ってるじゃ無いか!」
「黙れ!これは、気を使ってそう言っただけだ!いい歳した大人が自分の歳の半分にも満たない女性に気を使わせるな!」
そう言って、「早く帰るぞ!」と怒鳴るアルフォンスさんに引っ張られバンラート様は部屋を出て行く。
出て行く際、「また来る」と声を出したバンラート様をアルフォンスさんが叱る声が廊下から聞こえてきた。
「ふぅ…」
「漸く、お帰り頂けましたね」
いつの間にか、耳栓を外したリディアさんが側に立っていた。
正直、こうなる事が分かっていたなら教えて欲しかった。そんな気持ちでジト目でリディアさんを見るが、綺麗にスルーされてしまった。
そんなこんなで、色々あった1日が過ぎて行った。
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