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第1章
No.45
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(えっ…と)
これは、どういう状況だろう。
目の前には、THE 王様!っていう金髪に青い目の見た目の男性が、先程からニコニコと紅茶を片手に笑みを浮かべて私を見ている。
「陛下、護衛の者はどうなさったんですか?」
私の背後に控えていたリディアさんが、目の前の王様に話しかける。
「ん?あぁ、面倒くさいから撒いてきた」
(…それって、大丈夫なの?)
リディアさんの質問に、あっけらかんと答える王様。この国のトップが、護衛を撒いてもいいのだろうか?
「はぁ…。護衛を撒くのは、おやめ下さいとあれ程ドラン兄様が言ってるでは無いですか」
「いや~、だってドランって心配性だろ?直ぐに護衛を増やすんだもん。ごつい男ばっかに囲まれると、精神的に疲れるんだよねぇ」
知らない名前の人物が出て来て、リディアさんを見る。それに気が付いたリディアさんが説明してくれる。
「ドラン兄様は、私の従兄弟です。ミルフォード公爵なんですよ」
「そそっ!そして、この国の怖~い宰相なんだよ。い~っつも俺に大量の仕事を運んで来る悪魔!」
(この国のトップの王様なんだから、仕事が多いのは当たり前なのでは?)
力強く、いかに宰相が恐ろしいか身振り手振りで話す王様。リディアさんは、それを呆れた様な目で見ている。どうやら、この話は何回も聞いた事があるらしい。
それから10分後。
「………それで?今日は、わざわざ護衛を撒いてまで一体何の御用があっていらっしゃったんですか?」
宰相の悪口…もとい、日頃の鬱憤を吐き出し何処か満足そうな王様に、少しげっそりとしたリディアさんが尋ねる。
「ん?そうだった!今日は、アルフォンスの番いの君を見に来たんだよ」
「私…ですか?」
アルフォンスの番。
久し振りに、その言葉を聞いた。
「そうそう。俺は、この国の王バンラートだ。気軽にバンラートと呼んでくれ」
「初めまして、真琴と言います。マコと呼んで下さい、陛下」
気軽に呼んでほしいと言われたが、国のトップの王様を一般市民である私が軽々しく呼べる訳がない。
「陛下じゃ無くて、バンラートと呼んでくれ!そうでなければ、返事をしないからな」
そう言って、そっぽを向く見た目30代前半の大人の男性。色気のあるアルフォンスさんと違って、如何にもクールです!って見た目をしているのに中身が子供の様だ。
「陛下、子供じゃ無いんですから」
「………」
「……はぁ」
リディアさんが注意しても、王様はそっぽを向いたままだ。それを見たリディアさんは、深い溜息を吐く。
(でも、だからって気軽にバンラートなんて呼べないよ…)
どうすれば良いか困ってしまった。
だが時折、チラチラと視線をこちらに寄越す王様に遂に根負けした。
「………………バンラート…様」
呼ぼうと思ったが、最後に様を付けてしまった。
「…まぁ、それで許してやろう」
少し不満そうだが、納得してくれたバンラート様。
そうして、身体を前のめりにしながら話し出した。
「俺は、アル…アルフォンスのたった1人のかけがえの無い親友なんだ!」
バンラート様は、アルフォンスさんの親友の部分をやけに強調して話す。
「俺とアルの出会い。そう、あれはーー」
そう言って、一体何処で息継ぎしてるんですか?と質問したくなる程、ノンブレスでアルフォンスさんの事を話し出すバンラート様。
(長い…。それに、よく噛まないなぁ)
20分程経っても終わらない話でわかった事は、バンラート様がアルフォンスさんをとっても大好きだという事だ。
これは、どういう状況だろう。
目の前には、THE 王様!っていう金髪に青い目の見た目の男性が、先程からニコニコと紅茶を片手に笑みを浮かべて私を見ている。
「陛下、護衛の者はどうなさったんですか?」
私の背後に控えていたリディアさんが、目の前の王様に話しかける。
「ん?あぁ、面倒くさいから撒いてきた」
(…それって、大丈夫なの?)
リディアさんの質問に、あっけらかんと答える王様。この国のトップが、護衛を撒いてもいいのだろうか?
「はぁ…。護衛を撒くのは、おやめ下さいとあれ程ドラン兄様が言ってるでは無いですか」
「いや~、だってドランって心配性だろ?直ぐに護衛を増やすんだもん。ごつい男ばっかに囲まれると、精神的に疲れるんだよねぇ」
知らない名前の人物が出て来て、リディアさんを見る。それに気が付いたリディアさんが説明してくれる。
「ドラン兄様は、私の従兄弟です。ミルフォード公爵なんですよ」
「そそっ!そして、この国の怖~い宰相なんだよ。い~っつも俺に大量の仕事を運んで来る悪魔!」
(この国のトップの王様なんだから、仕事が多いのは当たり前なのでは?)
力強く、いかに宰相が恐ろしいか身振り手振りで話す王様。リディアさんは、それを呆れた様な目で見ている。どうやら、この話は何回も聞いた事があるらしい。
それから10分後。
「………それで?今日は、わざわざ護衛を撒いてまで一体何の御用があっていらっしゃったんですか?」
宰相の悪口…もとい、日頃の鬱憤を吐き出し何処か満足そうな王様に、少しげっそりとしたリディアさんが尋ねる。
「ん?そうだった!今日は、アルフォンスの番いの君を見に来たんだよ」
「私…ですか?」
アルフォンスの番。
久し振りに、その言葉を聞いた。
「そうそう。俺は、この国の王バンラートだ。気軽にバンラートと呼んでくれ」
「初めまして、真琴と言います。マコと呼んで下さい、陛下」
気軽に呼んでほしいと言われたが、国のトップの王様を一般市民である私が軽々しく呼べる訳がない。
「陛下じゃ無くて、バンラートと呼んでくれ!そうでなければ、返事をしないからな」
そう言って、そっぽを向く見た目30代前半の大人の男性。色気のあるアルフォンスさんと違って、如何にもクールです!って見た目をしているのに中身が子供の様だ。
「陛下、子供じゃ無いんですから」
「………」
「……はぁ」
リディアさんが注意しても、王様はそっぽを向いたままだ。それを見たリディアさんは、深い溜息を吐く。
(でも、だからって気軽にバンラートなんて呼べないよ…)
どうすれば良いか困ってしまった。
だが時折、チラチラと視線をこちらに寄越す王様に遂に根負けした。
「………………バンラート…様」
呼ぼうと思ったが、最後に様を付けてしまった。
「…まぁ、それで許してやろう」
少し不満そうだが、納得してくれたバンラート様。
そうして、身体を前のめりにしながら話し出した。
「俺は、アル…アルフォンスのたった1人のかけがえの無い親友なんだ!」
バンラート様は、アルフォンスさんの親友の部分をやけに強調して話す。
「俺とアルの出会い。そう、あれはーー」
そう言って、一体何処で息継ぎしてるんですか?と質問したくなる程、ノンブレスでアルフォンスさんの事を話し出すバンラート様。
(長い…。それに、よく噛まないなぁ)
20分程経っても終わらない話でわかった事は、バンラート様がアルフォンスさんをとっても大好きだという事だ。
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