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1章
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この世界の人々は、昔から魔王の脅威に怯えていた。魔王と言う存在が、いつ何処で、どの様に誕生したのかは誰も知らない。ある日、突然現れ自身を魔王と名乗り魔獣を操り世界を手に入れようとした。
ーー魔獣。
それは、普通の動物とは違い血の様な赤い瞳を持ち黒いモヤを纏った人を無差別に襲う異形の生き物の事を言う。魔獣とは別に、異形の姿を持ちながら理由無く人を襲わない生き物の事は魔物という。魔獣は、この魔物が何らかの理由で凶暴化したものを指す。
そんな魔獣を従えて、魔王は幾つもの国々を襲う。人々の必死の抵抗も虚しく、魔王はどんどん周囲の国々を侵略していった。そんな事が何年も続き、人々の心は終わらぬ戦いと、いつ死ぬか分からない恐怖に疲れ切っていた。
そんな時だった。
1人の青年が立ち上がったのは。
青年は故郷を魔獣に滅ぼされ復讐を誓い戦いの日々を送っていた。そうして、魔王に蹂躙された様々な国や村を見ているうちに強く思う様になった。
『このままでは、人々の心が絶望に折れてしまう。今、彼等に必要なのは彼等を導き希望となれる強い象徴だ。』
青年は魔王を倒す事を人々に約束した。それは村を滅ぼされた青年の復讐でもあったが、何より悲しむ人々を守る為に。青年は旅の途中に出会った仲間と共に魔王に戦いを挑んだ。そうして激しい激闘の末に、青年は魔王を倒した。
人々は心から青年に感謝し、彼を勇者と呼んだ。
勇者はその後、仲間と共に魔獣の残党を倒し続けた。しかし、いくら勇者達が倒し続けても何処かで突然生まれる魔獣。不審に思った勇者達は、魔王を倒した決戦の地ーー魔王城に向かった。
魔王城は、かつて激しい激闘で崩壊したままだった。………だが、王座の前に黒い何かが浮いていた。勇者達が警戒する中、その何かは勇者達に向けて唐突に話し出す。
ーー我、終わらぬ生を持つものなり。例え肉体が滅びようともこの魂は未来永劫消える事は無い。いつの世か我は再び蘇る。この世界を手に入れるまで我は必ず戻ってくる。
そうして黒い何かは消えていった。
勇者はこの事を皆に隠さず伝えた。人々はまたあの絶望がやって来るのかと恐怖に怯えた。その時である。勇者が静かな、しかし力強い声で言った。
ーー例えこの先、魔王が再び現れ世界を恐怖に陥れたとしても怯える事はない。魔王が蘇れば、必ず新たな勇者が人々の中から現れるだろう。強い力と心を持ち人々を助ける私達の勇者が。
100年後。
再び蘇った魔王と、新たに誕生した勇者との戦いが始まった。
ある時は魔王が。
またある時は勇者が勝った。
その戦いは、終わる事なく今も続いている。
ーー魔獣。
それは、普通の動物とは違い血の様な赤い瞳を持ち黒いモヤを纏った人を無差別に襲う異形の生き物の事を言う。魔獣とは別に、異形の姿を持ちながら理由無く人を襲わない生き物の事は魔物という。魔獣は、この魔物が何らかの理由で凶暴化したものを指す。
そんな魔獣を従えて、魔王は幾つもの国々を襲う。人々の必死の抵抗も虚しく、魔王はどんどん周囲の国々を侵略していった。そんな事が何年も続き、人々の心は終わらぬ戦いと、いつ死ぬか分からない恐怖に疲れ切っていた。
そんな時だった。
1人の青年が立ち上がったのは。
青年は故郷を魔獣に滅ぼされ復讐を誓い戦いの日々を送っていた。そうして、魔王に蹂躙された様々な国や村を見ているうちに強く思う様になった。
『このままでは、人々の心が絶望に折れてしまう。今、彼等に必要なのは彼等を導き希望となれる強い象徴だ。』
青年は魔王を倒す事を人々に約束した。それは村を滅ぼされた青年の復讐でもあったが、何より悲しむ人々を守る為に。青年は旅の途中に出会った仲間と共に魔王に戦いを挑んだ。そうして激しい激闘の末に、青年は魔王を倒した。
人々は心から青年に感謝し、彼を勇者と呼んだ。
勇者はその後、仲間と共に魔獣の残党を倒し続けた。しかし、いくら勇者達が倒し続けても何処かで突然生まれる魔獣。不審に思った勇者達は、魔王を倒した決戦の地ーー魔王城に向かった。
魔王城は、かつて激しい激闘で崩壊したままだった。………だが、王座の前に黒い何かが浮いていた。勇者達が警戒する中、その何かは勇者達に向けて唐突に話し出す。
ーー我、終わらぬ生を持つものなり。例え肉体が滅びようともこの魂は未来永劫消える事は無い。いつの世か我は再び蘇る。この世界を手に入れるまで我は必ず戻ってくる。
そうして黒い何かは消えていった。
勇者はこの事を皆に隠さず伝えた。人々はまたあの絶望がやって来るのかと恐怖に怯えた。その時である。勇者が静かな、しかし力強い声で言った。
ーー例えこの先、魔王が再び現れ世界を恐怖に陥れたとしても怯える事はない。魔王が蘇れば、必ず新たな勇者が人々の中から現れるだろう。強い力と心を持ち人々を助ける私達の勇者が。
100年後。
再び蘇った魔王と、新たに誕生した勇者との戦いが始まった。
ある時は魔王が。
またある時は勇者が勝った。
その戦いは、終わる事なく今も続いている。
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