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閑話2
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ある小さな村に奴隷として子供の獣人1人が居ました。その獣人はある日、人間の奴隷商人に攫われこの村に売られた子供でした。
朝から晩まで村人達の命令に従い働き時に暴力を受け日々を過ごして居ました。
『いつか此処から逃げ出して自由になるんだ。』
そんなある夜。
獣人の元に数人の村人がやって来て彼を痛めつけ始めました。その日の暴力は一段と酷く、死んでしまうと思った彼は村人に初めて反撃をしました。しかし、首輪のせいで直ぐに身体が動けなくなりもうダメかと思ったその時。
外から悲鳴が聞こえ何かが壊れる音が聞こえてきた。村人が慌てて外に出て行き自分も出ると其処は火の海だった。それは自分と同じくひどい扱いを受けていた人間の少女がやった事だった。
『君もこれで自由だよ。』
少女は彼の首輪を外し自由にしてくれた。
彼はその時、思ったのだ。
『彼女のそばに居たい。』
燃え盛る炎の中、熱風に髪を揺らしながら堂々と立っている少女に彼は心を奪われた。そして彼は少女について行った。
彼はまだ知らない。
数十年後に目の前で大切な己の主人を目の前で殺され絶望する事を。
朝から晩まで村人達の命令に従い働き時に暴力を受け日々を過ごして居ました。
『いつか此処から逃げ出して自由になるんだ。』
そんなある夜。
獣人の元に数人の村人がやって来て彼を痛めつけ始めました。その日の暴力は一段と酷く、死んでしまうと思った彼は村人に初めて反撃をしました。しかし、首輪のせいで直ぐに身体が動けなくなりもうダメかと思ったその時。
外から悲鳴が聞こえ何かが壊れる音が聞こえてきた。村人が慌てて外に出て行き自分も出ると其処は火の海だった。それは自分と同じくひどい扱いを受けていた人間の少女がやった事だった。
『君もこれで自由だよ。』
少女は彼の首輪を外し自由にしてくれた。
彼はその時、思ったのだ。
『彼女のそばに居たい。』
燃え盛る炎の中、熱風に髪を揺らしながら堂々と立っている少女に彼は心を奪われた。そして彼は少女について行った。
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数十年後に目の前で大切な己の主人を目の前で殺され絶望する事を。
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