裏切りの剣士

ハルン

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かつての仲間達

帰還

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手合わせで私がメリオさんに勝って実力を示した為、騎士団のみんなに認められ歓迎された。実力主義の騎士団に認められ嬉しいと素直に思う。

「これでマリアは正式にうちの騎士団の仲間だ。王都に着いたら騎士寮の空いている部屋を用意する。ゆっくりしてくれ。次の日から騎士として訓練を開始する。分からないことがあったら私や周りの奴らに遠慮なく聞いてくれ。
「はい。ありがとうございます。」

団長の後ろから返事をする。

(騎士団に入れた。これで情報が手に入りやすくなった。皆んなにもいつか会うことになるはず。…アイツにも。もう二度とあんな事はさせない。)

眉間にしわを寄せ考えていると団長から声が掛かった。

「おいおい、そんな難しい顔をして美人が台無しだぞ?そんなことよりマリア見てみなさい。あれが王都だ。」

私達がいる少し高い丘の下。そこから王都が見えた。

「手前の木造や石造りの建物が平民たちが多く暮らす場所。その次の大きな屋敷が見える場所が貴族達の住む場所。その1番奥の城が王族たちの住むロベルト城だ。」

昔の記憶とは違う場所が多い。だが確かに面影を残すその場所はかつての王都だった。

(…帰って来たんだ。)

王都を見下ろしながら幸せだった頃の記憶を思い出していた。

「第1騎士団総勢25名任務より帰還した!」

王都の門の前で団長が声を出すとその大きい門が重い音を立ててゆっくりと開いていった。
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