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No.39

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ティミア(その他1名)と出かけた日から1週間が経った。その間、サーシャとティミアは何度も手紙のやり取りをしていた。

ある時の手紙。

***

サーシャへ。

今日は、お兄様と二人で乗馬の練習をしたの。
前世では馬に乗ったどころか触ったことも無かったから、初めて近くで見てその大きさにビックリしたよ!ビックリし過ぎて腰を抜かした私自身より、お兄様の慌て様に凄く笑っちゃった!
………こうして、誰かとお手紙のやり取りが出来るなんて凄く信じられない。
これも全部、サーシャのお陰ね!
私と友達になってくれて、本当にありがとう。

ティミアより

***

またある時の手紙。

***

ティミアへ。

この間の手紙、とても面白かったわ。
私も、乗馬は今世が初めてだけど中々性に合ってたみたい。今では、一人で軽く走らせる事が出来る様になったわ。ティミアも、直ぐに乗れる様になるわ。そうしたら、二人で遠出するのも良いわね。
………私も、友達と手紙のやり取りが出来る事がとても嬉しいわ。これからもよろしくね。

追伸 ティミアの周りをガダルが飛び交うかも知れないけど安心してね。ティミアは、私が守るから!

サーシャより

***

「虫?…何の事だろう?もしかして、蚊みたいな刺す虫が居るのかな?」

この手紙を読んだ時、ティミアはそんな事を思ったのだった。

***

「ふぅ~。よし、今日の手紙はこんなものかな」

そう言って、今し方書き終わった手紙に封をする。因みに、これまでの手紙は全て日本語で書いている。前世での出来事も書いたりするのだ。万が一にも誰かに手紙を読まれた時、前世の話を読まれたら…。

(絶対に、頭の可笑しな子供だと思われるわね)

そんな事を思いながら、手紙に小さな白い花を添える。そうして、手元のベルを鳴らすとサーシャより何歳か歳上の茶色い髪のメイドが入って来た。

「サーシャ様、お呼びですか?」

彼女は、サーシャ専属のメイドリラ。
この家の執事長セバスチャンと、メイド長アン夫婦の双子の子供の妹の方である。因みに、兄であるリオはアラン付きの専属執事である。

「この手紙を出しておいて」
「かしこまりました。そうだ、お嬢様」
「何?」
「明日、大切な来客があるらしく…。旦那様が、明日は家に居る様にとの事です」
「わかったわ」

それにしても、珍しいと思った。
今まで、来客があるからといって「家にいる様に」と言われた事がないからだ。

(多分、家族全員で出迎えないといけない相手か知り合いって事よね…)

そんな事を思いながら、今日の乗馬の練習に向かったのだった。


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