彼女の秘密！

男side

四人が去った後、何処からともなく黒いパーカーの男が現れた。

「今回はあんまり集まらなかったなぁ」

そうしてゆっくりと歩き出しある場所で立ち止まる。其処にはリリアの血が地面に染みていた。男はゆっくりとその地面を撫でる。

「…どうして貴女は」

地面に爪を立てる。爪の間に土が入るが気にしない。

あの人の願いは今も昔も変わらない。

「ほんと…。いい加減諦めたらいいのに」

その願いを叶える事は難しいと本人も分かっているくせに。それなのにあの人の願いは一度も変わる事がない。

「何故僕は、貴女と同じに慣れないのだろう」

もっと早くあの人と同じになれたなら。そうしたらあの人と二人で何時迄も一緒に入れるのに。あの人にとっての唯一無二の存在になりたい。その為にも…。

「使わせてもらうね」

男が地面から手を離す。
その手の中には赤い小さな丸い形の石があった。それはあの人の血。男は愛おしそうにその石に口付けを落とす。

男は暫くの間、四人が去った方を眺めたのちその場を後にした。