彼女の秘密！

需要は大切

ローズマリー先生の長い話もようやく終わった。

（なんか…疲れた）

初日の今日は特にすることも無くこれで終わりだ。この学園は全寮制なので皆自分の寮に帰る事になる。

（部屋に戻って寝よ）

帰ろうとカバンを持ち立ち上がった瞬間。

バンっ！

「此処だ！（ね！）」

扉が勢い良く開いたと思ったらそこには脳筋男ハイドと美少女ミアが立っていた。

「いた！おいリリア・バーンズっ！俺としょう…ぶはっ！」
「リリアちゃ～ん！会いたかったっ！」
「ミア…ぐふっ！」

なんということでしょう。
ハイドがこちらを指差し近づいて来たと思ったら隣にいたミアがハイドを片手で押しのけてこちらに走って近付いて来た。そのまま私を抱きしめたのはいいのだが。

（ちっ…力強っ！）

この小柄な体のどこにこんな力があったのか。凄い力で私を抱き締めるミア。まるで蛇が獲物をじわじわと締め付け息の根を止める様だ。

「ミア、リリアちゃんに会いたくて来ちゃった！今朝はありがとうね」
「どういたしまして。そ…それよりミア、そろそろ離して。しっ…死ぬ」
「あっ！ごめんね！」

ミアは慌てて私を離す。

（っは～！マジで死ぬかと思った！）

「ミア、力が強くて。ごめんね？苦しかったよね？」
「ん～。私は平気」

そう私は…だ。
ミアに押しのけられたハイドは壁にめり込む様な形で壁とこんにちはしている。

（美少女が怪力とか…。需要が無いだろっ！）