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異世界召喚の様ですPart3
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「ようこそ、起こし下さいました。異世界の勇者様!」
その言葉を聞いて、俺は思わず目を開けた。
すると、そこは薄暗い部屋だった。目の前には神官の様な服を着た人達。そして、俺の立っている足元には光る魔法陣。
「此処は、貴方様の居た世界ではありません。今、この国ダファールは滅亡の危機に瀕しています。我が国には古から伝わる伝説があります。『我が国が滅亡の危機に陥る時、異界より黒き瞳と髪を持つ聖なる勇者を召喚せよ。その勇者、大いなる正しき力によって国を救うだろう』。…我々は、その伝承を元に貴方様をこの世界に召喚しました。お願いでございます。どうか何卒、貴方様のお力でこの国をお救い下さい」
そこまで聞いて、俺は確信した。
(俺の時代、キターーっ!!)
俺は、引き篭もりだ。
高校には、4日前から行ってない。学校にも行かずに、家である事に備えている。
『俺は、いつか異世界を救う男だ!』
そう思う様になったのは、幼馴染の話を聞いてからだ。
『私、異世界によく召喚されるんだよね』
始めは、遂に頭がイっちゃったのかと思った。
それか、遅れてやって来た暗黒時代かだ。
最初は、笑い飛ばした。
だが、8回目の異世界召喚の話を聞く頃には「もしかして…」と思う様になっていた。
そして4日前、通称12回目の召喚話を聞いて俺は思った。
ーー本当にマジな話だわ
鬱病になる一歩手前状態の幼馴染を見て俺は確信した。
『でも、そんなに何回も***が召喚されるなんて…。強運の持ち主だよな』
『強運じゃないよ、呪われてんの。***も同じ状況になったらそんな事思えなくなるから』
それを聞いて、俺は思った。
『それって、俺の時代じゃんっ!!』
ヒロインと一緒に召喚される幼馴染。
ファンタジー小説では、定番中の定番だ。
(こうしちゃいられないっ!!色々と準備しないと!)
この男は、重度の隠れ中二病だったのだ。
幼馴染の言っていた通りの状況に陥り、俺は心の中で本気で幼馴染に感謝した。
幼馴染のお陰で、俺は色んな準備をしておけたからだ。
幼馴染の話に出て来た神官長と同じ特徴のある爺さんがベラベラと話し続けている。
「神官長、勇者様は召喚出来たの?」
「王女!」
そんな声と共に神官達の後ろからとんでもない美人が現れた。サラサラの金の髪にアイスブルーの瞳。
「まぁっ!この方が伝承の勇者。…なんて素敵なの」
俺を見た美人がそう言い、俺の右手を両手で取り胸元近くで握り締める。。
「私は、この国の第ニ王女フローラと申します。素敵な異界の勇者様、貴方のお名前を私に教えて下さいませんか?」
うっとりとした顔で聞いてくる王女に俺は口を開いた。
(マジか!!)
まさかの第ニ王女。
やはり、幼馴染の召喚された世界と同じ様だ。
第一、第二王子達は、どうでも良い。だが、第一王女は、どうなったのだろう…?
「俺は、勇者クロノスっ!」
「クロノス…様と言うお名前なのですね。貴方にお似合いの素敵なお名前ですわ」
そうだろう、そうだろう。
俺に相応しい名前だろう。
「まぁな」
俺は、興奮に息を荒くした。。
これからは、夢の勇者としてのハーレムライフが…。
『んなわけ無いだろ、馬鹿が』
「!?」
いきなり聞こえてきた幼馴染の声に、俺は驚く。
『おばさんが、滅茶苦茶怒ってるよ』
幼馴染の声が辺りに響き渡ると足元の魔法陣が光りだす。
「なっ!?」
驚く彼らを目尻に、俺はその場から転移した。
***
「全くっ!あんたって子は!!いつまでもお花畑な脳みそしてないで、早く現実を見なさいっ!!それに、何これ!全教科平均36点?こんなだから、脳みそお花畑なのよ!これからは、週4で駅前の塾に通いなさい!わかったわね!」
「……はい」
その言葉を聞いて、俺は思わず目を開けた。
すると、そこは薄暗い部屋だった。目の前には神官の様な服を着た人達。そして、俺の立っている足元には光る魔法陣。
「此処は、貴方様の居た世界ではありません。今、この国ダファールは滅亡の危機に瀕しています。我が国には古から伝わる伝説があります。『我が国が滅亡の危機に陥る時、異界より黒き瞳と髪を持つ聖なる勇者を召喚せよ。その勇者、大いなる正しき力によって国を救うだろう』。…我々は、その伝承を元に貴方様をこの世界に召喚しました。お願いでございます。どうか何卒、貴方様のお力でこの国をお救い下さい」
そこまで聞いて、俺は確信した。
(俺の時代、キターーっ!!)
俺は、引き篭もりだ。
高校には、4日前から行ってない。学校にも行かずに、家である事に備えている。
『俺は、いつか異世界を救う男だ!』
そう思う様になったのは、幼馴染の話を聞いてからだ。
『私、異世界によく召喚されるんだよね』
始めは、遂に頭がイっちゃったのかと思った。
それか、遅れてやって来た暗黒時代かだ。
最初は、笑い飛ばした。
だが、8回目の異世界召喚の話を聞く頃には「もしかして…」と思う様になっていた。
そして4日前、通称12回目の召喚話を聞いて俺は思った。
ーー本当にマジな話だわ
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『でも、そんなに何回も***が召喚されるなんて…。強運の持ち主だよな』
『強運じゃないよ、呪われてんの。***も同じ状況になったらそんな事思えなくなるから』
それを聞いて、俺は思った。
『それって、俺の時代じゃんっ!!』
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幼馴染の言っていた通りの状況に陥り、俺は心の中で本気で幼馴染に感謝した。
幼馴染のお陰で、俺は色んな準備をしておけたからだ。
幼馴染の話に出て来た神官長と同じ特徴のある爺さんがベラベラと話し続けている。
「神官長、勇者様は召喚出来たの?」
「王女!」
そんな声と共に神官達の後ろからとんでもない美人が現れた。サラサラの金の髪にアイスブルーの瞳。
「まぁっ!この方が伝承の勇者。…なんて素敵なの」
俺を見た美人がそう言い、俺の右手を両手で取り胸元近くで握り締める。。
「私は、この国の第ニ王女フローラと申します。素敵な異界の勇者様、貴方のお名前を私に教えて下さいませんか?」
うっとりとした顔で聞いてくる王女に俺は口を開いた。
(マジか!!)
まさかの第ニ王女。
やはり、幼馴染の召喚された世界と同じ様だ。
第一、第二王子達は、どうでも良い。だが、第一王女は、どうなったのだろう…?
「俺は、勇者クロノスっ!」
「クロノス…様と言うお名前なのですね。貴方にお似合いの素敵なお名前ですわ」
そうだろう、そうだろう。
俺に相応しい名前だろう。
「まぁな」
俺は、興奮に息を荒くした。。
これからは、夢の勇者としてのハーレムライフが…。
『んなわけ無いだろ、馬鹿が』
「!?」
いきなり聞こえてきた幼馴染の声に、俺は驚く。
『おばさんが、滅茶苦茶怒ってるよ』
幼馴染の声が辺りに響き渡ると足元の魔法陣が光りだす。
「なっ!?」
驚く彼らを目尻に、俺はその場から転移した。
***
「全くっ!あんたって子は!!いつまでもお花畑な脳みそしてないで、早く現実を見なさいっ!!それに、何これ!全教科平均36点?こんなだから、脳みそお花畑なのよ!これからは、週4で駅前の塾に通いなさい!わかったわね!」
「……はい」
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