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魔法学園編
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「フフッ!もう、やだ~!」
今日も、レティナの楽しげな声が中庭に響き渡る。貴族の淑女にはあり得ない程に口を開けて楽しげに笑う姿に、周囲の女生徒達は眉を顰めヒソヒソと話し合っている。そんな彼女達を、レティナは見下した様に嗤う。
(うわぁ~…その顔はヤバいよ)
周りには取り巻きの青年達がいるのに、よくあんな醜い顔が出来るものだ。心の醜さが現れている。普通なら、あの表情を見たら百年の恋も覚めてしまうだろう。だが、魅了されている彼等には何も思わないらしい。
ーーしかし、魅了から解放されているヨハンは違う。
(あっ…ヨハン様、物凄くドン引きしてる)
今までの様に、レティナの取り巻きの振りをしているヨハン。レティナの見下し嗤う表情を見たヨハンは、態度は全く変わらないが目がドン引きしていた。
そんなヨハンを遠巻きに見ていると、近くの女生徒達の話が聞こえて来た。
「何故、あんな人がこの学園に入れたの?」
「いくら魔力があったとしても、あんな品の無い人が由緒あるこの学園にいるなんて…」
「それより、テオ様達は何であんな品の無い女を気に入ってるの?あの女、学園に来る前にも何人もの男性と付き合っていたって噂があるのよ」
「まぁっ!それじゃあまるで娼婦みたいだわ!」
「どうやら、男好きみたいらしいしね」
「しっ!こんな話をテオ様達に聞かれたら大変よ?前に聞かれた生徒は、テオ様達に怒鳴られたらしいわよ」
「テオ様達、一体どうされたのかしら?前は、とても優しい方達だったのに…」
残念そうに話す女生徒達。
魅了された彼等の名誉の為にも、一刻も早く今回の件を解決しなければ。
「………ん?」
その時、レティナの制服の裾からピンクの宝石の付いたブレスレットが覗いた。その瞬間、アリアはそのブレスレットが魅了の魔道具である事に気が付いた。
(み~つけた)
今まで、アリアは一度もブレスレットの存在に気が付かなかった。恐らく、ある条件の元に高度な隠蔽魔法がかけられていたのだろう。条件付きの魔法は、威力が高くなる。
(今になって気付いたって事は、恐らく一度でも魅了が解除され無い限り、魅了の魔道具の存在に気付かないって条件で隠蔽魔法がかけられてたのかな)
これ程の隠蔽魔法を、唯の人間がかけられるとは到底思わない。
これ程の魔法をかけられるのはーー。
(魔族…)
どうやら、今回の事件には魔族が関わっている様だ。
今日も、レティナの楽しげな声が中庭に響き渡る。貴族の淑女にはあり得ない程に口を開けて楽しげに笑う姿に、周囲の女生徒達は眉を顰めヒソヒソと話し合っている。そんな彼女達を、レティナは見下した様に嗤う。
(うわぁ~…その顔はヤバいよ)
周りには取り巻きの青年達がいるのに、よくあんな醜い顔が出来るものだ。心の醜さが現れている。普通なら、あの表情を見たら百年の恋も覚めてしまうだろう。だが、魅了されている彼等には何も思わないらしい。
ーーしかし、魅了から解放されているヨハンは違う。
(あっ…ヨハン様、物凄くドン引きしてる)
今までの様に、レティナの取り巻きの振りをしているヨハン。レティナの見下し嗤う表情を見たヨハンは、態度は全く変わらないが目がドン引きしていた。
そんなヨハンを遠巻きに見ていると、近くの女生徒達の話が聞こえて来た。
「何故、あんな人がこの学園に入れたの?」
「いくら魔力があったとしても、あんな品の無い人が由緒あるこの学園にいるなんて…」
「それより、テオ様達は何であんな品の無い女を気に入ってるの?あの女、学園に来る前にも何人もの男性と付き合っていたって噂があるのよ」
「まぁっ!それじゃあまるで娼婦みたいだわ!」
「どうやら、男好きみたいらしいしね」
「しっ!こんな話をテオ様達に聞かれたら大変よ?前に聞かれた生徒は、テオ様達に怒鳴られたらしいわよ」
「テオ様達、一体どうされたのかしら?前は、とても優しい方達だったのに…」
残念そうに話す女生徒達。
魅了された彼等の名誉の為にも、一刻も早く今回の件を解決しなければ。
「………ん?」
その時、レティナの制服の裾からピンクの宝石の付いたブレスレットが覗いた。その瞬間、アリアはそのブレスレットが魅了の魔道具である事に気が付いた。
(み~つけた)
今まで、アリアは一度もブレスレットの存在に気が付かなかった。恐らく、ある条件の元に高度な隠蔽魔法がかけられていたのだろう。条件付きの魔法は、威力が高くなる。
(今になって気付いたって事は、恐らく一度でも魅了が解除され無い限り、魅了の魔道具の存在に気付かないって条件で隠蔽魔法がかけられてたのかな)
これ程の隠蔽魔法を、唯の人間がかけられるとは到底思わない。
これ程の魔法をかけられるのはーー。
(魔族…)
どうやら、今回の事件には魔族が関わっている様だ。
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