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魔法学園編

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ーー昼休み。

生徒達は、鐘の音と共に席を立ち元気よく食堂に向かう。そんな生徒達の中に、探していた人物を見つけたアリアは、背後からその人物に声をかけた。

「ダダン先生」
「おや、アリア先生、お疲れ様です。これからお昼ですか?」
「お疲れ様です。実は、ダダン先生に少しお話がありまして…」
「話ですか?」

アリアの言葉に、不思議そうに首を傾げるダダン。

(う~ん…。この姿だけを見ると、全く女たらしには見えないよ。むしろ、人の良さそうに見えるのに…)

「人は見かけによらない」とは、よく言ったものだ。ルークを含む生徒達がダダンの裏の顔を知ったら、人間不信になりそうだ。

「えっと、此処じゃちょっと…」

そう言って、ダダンを少し離れた場所にある誰も居ない空き教室に連れて行く。中に入り、ダダンが逃げ出さないよう扉の前にアリアが立つ。

「それで?話とは何ですか?」
「先ずは、これを見てください」

そう言って、アリアは例の報告書をダダンに差し出す。最初は不思議そうに見ていたが、直ぐにダダンは顔色を変える。そうして最後まで読み終えたダダンは、静かにアリアに尋ねた。

「………それで?何が望みですか?」

(へぇ~。取り乱すかと思ったのに冷静だな)

そんな思いが顔に出ていたのだろう。
ダダンは、グイッと前髪をかき上げて嗤った。

「これだけ正確に調べられてるんだ。今更喚いても仕方ないだろ?それに、秘密ってのはどんなに隠してもいつかバレるもんだしな」

(潔いけど、反省の色無し…)

報告書にあった通り、その素顔は色気の滲み出るかなりのイケメンであった。喚かずにすんなりと認める潔さは良いが、反省の色一つないのは減点対象だ。

「反省して無いんですか?」
「何を?女遊びの事か?そもそも、反省する様な人間なら最初からしねーよ」

(確かに)

言ってる事はまともだが、やってる事はクズ過ぎる。ある意味、本能に忠実な人間と言えるだろう。

「でもまさか、会って二日目のアリア先生にバレるとはね。……で、俺を呼びた目的を聞こうか。金か?権力か?………それとも、俺に惚れちゃった?」

最後、ニヤリと笑いながら色気を垂れ流すダダン。普通の女性なら、その色気にコロッと落ちたかも知れない。

ーーしかし、アリアには効かない。

何故なら、カイルという規格外のイケメンが常に側にいるのだから!

確かに、ダダンは色気のあるイケメンだ。
だが、カイルには数段劣る。

「私に色仕掛けしても無駄ですよ」

そうキッパリと言ったアリアに対して、ダダンは驚いの表情と共に言った。

「えっ!………もしかして、アリア先生ってその年でもう枯れてるの?女捨て過ぎじゃない?」

その言葉に、予定より更に過酷な仕事をさせようと強く誓うアリアであった。









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