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魔法学園編
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「本日より一週間、特別教師として君達に教える事になったアリア先生です」
「アリアです。一週間と言う短い時間ですが、よろしくお願いします」
アリアは10歳程の子供達の前で、担任のダダン先生の横で挨拶をする。
「「よろしくお願いします!」」
元気に挨拶をする幼い子供達の中に、グフィムが言っていた弟であるルークも居た。グフィムから話を聞いていたのだろう。ルークは、小さく頭を下げた。
「では、アリア先生には魔法基礎学を教えてもらう事になります。皆さん、よく話を聞いて自身の力にして下さいね」
「「はい!」」
(本当、みんな素直で可愛いな~)
アリアの授業はまだなので、ダダン先生と共に教室を出る。流石、貴族の子息達の通う由緒あるオルフェイア魔法学園。王城の様に煌びやかな建物だ。
「アリア先生、私は他の授業があるので此処で失礼します。アリア先生は、この後は?」
「今日の授業は午後からなので、これから学園内を見て回ろうかと思ってます」
一週間と短い時間しか学園に居ないのだ。
普段、関係者以外入れない学園内の散策くらい良いだろう。
「そうですか、では失礼します。また午後に」
「はい」
そう言って去って行くダダン先生を見送ってから、アリアは学園内を散策する。
ーー十分後。
「………ここ、何処だろう?」
アリア・ダングスマン、22歳。
只今、迷子です。
(いやいや、この学園が広過ぎるのが悪いのよ!)
誰かに道を聞こうにも、人っ子一人居ない。
(どうしよう…)
途方に暮れて、立ち尽くしているアリアに突然声がかけられた。
「アリア先生…?」
「っ!ルーク殿下!」
勢いよく振り向くと、其処には不思議そうな顔をしたルーク殿下がいた。グフィムと同じ赤髪に青の瞳のルークだが、今のアリアには救いの天使に見えた。
「どうしたんですか?こんな所で…」
「べ、別に…学園内を散策してただけです!」
迷子だとは言いづらいアリアは、迷子の部分だけ伏せて説明する。
「そうなんですね」
そんなアリアの言葉を素直に信じたルーク。
素直なルークに、居た堪れない気持ちになったアリアは話を逸らす。
「ルーク殿下は何故ここに?」
アリアの質問に、ルークはその愛らしい表情を曇らせた。
「…?」
「………アリア先生は、グフィム兄上から話を聞いて来てくれたんですよね?」
「はい」
「………じゃあ、あれを見てください」
そう言って、ルークは廊下の窓を指さした。アリア達のいる場所は二階の為、視線を下に向ける。
ーーすると其処には、複数の青年に囲まれた一人の少女がいた。
「アリアです。一週間と言う短い時間ですが、よろしくお願いします」
アリアは10歳程の子供達の前で、担任のダダン先生の横で挨拶をする。
「「よろしくお願いします!」」
元気に挨拶をする幼い子供達の中に、グフィムが言っていた弟であるルークも居た。グフィムから話を聞いていたのだろう。ルークは、小さく頭を下げた。
「では、アリア先生には魔法基礎学を教えてもらう事になります。皆さん、よく話を聞いて自身の力にして下さいね」
「「はい!」」
(本当、みんな素直で可愛いな~)
アリアの授業はまだなので、ダダン先生と共に教室を出る。流石、貴族の子息達の通う由緒あるオルフェイア魔法学園。王城の様に煌びやかな建物だ。
「アリア先生、私は他の授業があるので此処で失礼します。アリア先生は、この後は?」
「今日の授業は午後からなので、これから学園内を見て回ろうかと思ってます」
一週間と短い時間しか学園に居ないのだ。
普段、関係者以外入れない学園内の散策くらい良いだろう。
「そうですか、では失礼します。また午後に」
「はい」
そう言って去って行くダダン先生を見送ってから、アリアは学園内を散策する。
ーー十分後。
「………ここ、何処だろう?」
アリア・ダングスマン、22歳。
只今、迷子です。
(いやいや、この学園が広過ぎるのが悪いのよ!)
誰かに道を聞こうにも、人っ子一人居ない。
(どうしよう…)
途方に暮れて、立ち尽くしているアリアに突然声がかけられた。
「アリア先生…?」
「っ!ルーク殿下!」
勢いよく振り向くと、其処には不思議そうな顔をしたルーク殿下がいた。グフィムと同じ赤髪に青の瞳のルークだが、今のアリアには救いの天使に見えた。
「どうしたんですか?こんな所で…」
「べ、別に…学園内を散策してただけです!」
迷子だとは言いづらいアリアは、迷子の部分だけ伏せて説明する。
「そうなんですね」
そんなアリアの言葉を素直に信じたルーク。
素直なルークに、居た堪れない気持ちになったアリアは話を逸らす。
「ルーク殿下は何故ここに?」
アリアの質問に、ルークはその愛らしい表情を曇らせた。
「…?」
「………アリア先生は、グフィム兄上から話を聞いて来てくれたんですよね?」
「はい」
「………じゃあ、あれを見てください」
そう言って、ルークは廊下の窓を指さした。アリア達のいる場所は二階の為、視線を下に向ける。
ーーすると其処には、複数の青年に囲まれた一人の少女がいた。
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