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出会い編
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しおりを挟む「すいませんでしたっ!」
朝起きて部屋を出ると、部屋の前で土下座をしたカイルが大声で叫ぶ。
「ふぁっ!?」
欠伸をしながら部屋を出た瞬間の真下からの不意打ちに、女性とはあるまじき声が出てしまった。
(ヤバッ、変な声出た!!…えっ、それより何事?)
相変わらず、手本の様な綺麗な土下座をしているカイル。どうやら、先程の声の事は気になっていない様だ。
「…えーと、どうしたの?」
「手合わせであっさりと気絶し師匠に運ばせた挙句、夜食の準備や洗濯を取り込む事も出来なかった!師匠の手を煩わせてしまい、本当にすいませんでした!」
真面目すぎる。
途中はまるで完璧主義の主夫の様な台詞だ。
「気にし過ぎだよ」
「いえ、俺は未熟でした。これからは師匠を煩わせる事のない様、精進します」
(本当に真面目すぎる)
勇者とは、皆がこんなに真面目なのだろうか?
これは、アリアが何を言っても無駄だろう。
「あー、頑張れ?」
「はい!」
そのまま2人で下に降りる。
「そういえば、昨日の夜は何を食べたんですか?」
「昨日?昨日は、貯蔵庫にあった干し肉齧ったよ」
下準備した食材があったが、料理スキルほぼ皆無のアリアには何を作ればいいか分からず、目に入った干し肉をそのまま食べたのだ。
「それは食事とは言いません。師匠、そんな偏った食事だと成長しませんよ?」
そう言って、カイルはアリアの胸をチラリと見る。
「なっ!?」
「大丈夫です。俺が完璧な食事を作りサポートしますので、まだまだ成長します」
「もう成長しませんけど!?MAXですけど何か?!」
「何ですって!?ですが、師匠の年齢的には…」
(………ちょっと待て)
「……あのさ?私の事、何歳だと思ってるの?」
「15~17歳位だと」
「…これでも歴とした22だからね」
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「22…?しかし、それにしては胸が慎ましく…」
「ほっとけ!!」
真剣に考えるカイルを怒鳴る。
(確かに慎ましいけど!それでも谷間が出来るくらいはあるし!!)
…寄せて上げてだが。
「ふんっ!」
アリアは、カイルを無視して階段を下りる。
「師匠っ!待って下さい!」
ドスドスと音を立てて降りるアリアを、カイルは
慌てて追い掛ける。しかし、アリアはカイルを完全に無視した。
そうして、その日は一日中アリアはカイルとは口を一切利かなかった。
アリアは、結構繊細なのだ。
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