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第2章

No.89 N令嬢

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「はぁはぁ…っ」

「大丈夫ですか?此処で少し休憩しますか?」

「っ!いえ、大丈夫です。まだ歩けます」

「無理はしないで下さいね。俺の任務は、貴女を無事に目的地に連れて行く事ですから」

「はい。………あの」

「何ですか?」

「本当に…本当にビルを。私が言う通りにしたら、彼を助けてくれるんですよね?」

「勿論です。あの人は、約束を違える人じゃないですから」

「………何で、何であの人は私達を助けてくれるんですか?私には、何も返せるモノが無いのに」

「俺にもよくわかりません。…俺は、あの人の指示に従うまでですからね」

「そう…ですか」

「っと、そろそろ目的地に着きます。着いたら何があっても俺がさっき言った通りに動いて下さいね」

「わかりました」

「そうだ、忘れる所だった。コレを飲んで下さい」

「…これは?」

「あの人から預かった薬です。安心して下さい。身体に害は無いそうです」

「でも…」

「この薬が、今回の計画の要だそうです。コレを飲まないと、今回の計画は失敗する可能性があるんですよ」

「…わかりました」

ーーゴクン

「…あぁ、ちゃんと飲みましたね。それでは行きましょう」
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