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第2章
No.29 可愛い女の子
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「大丈夫ティア?」
「うん、だいじょうぶ。ありがとう、バロンくん」
(可愛いなぁ)
ニコリと俺に笑いかけるティアは、とても可愛い。
俺が初めてティアを見た時、なんて可愛い女の子だろうと思った。陽の光を受けて艶やかに輝く黒い髪。ギルバートさんと同じ綺麗な緑の瞳。小さな身体で一生懸命動く様はまるで小動物だ。正直、こんなに可愛い女の子を見たのは生まれて初めてだ。
「ティア、これもおいしいよ!」
「ありがとう、クリス。…!ほんとうだ!おいしい!」
クリスと2人、幸せそうにお菓子を頬張る姿は最高に可愛い。
「…そろそろ父さん達の所に戻ろうか」
広場の時計を見ると、父さん達との集合時間が迫っていた。
「わかった。あっ!そうだ、バロンくん」
「ん?」
ティアを振り返ると一生懸命背伸びして、手に持ったお菓子を俺に差し出していた。
「このおかし、ほんとうにおいしいんだよ!」
「本当?…ん、美味しいね」
腰を屈めティアの持つお菓子を一口食べる。丁度いい甘さが口一杯に広がる。
「でしょ?」
そう言って笑うティアの頬が少し赤い。
「もしかして…あぁ、やっぱり。ティア、少し身体が熱いよ。興奮して疲れが出たのかな。もう、父さん達の所に戻るよ」
触った頬が熱をもっていた。病弱なティアは、あまりにも興奮したり、疲れたりするとこうして少し熱を出してしまう。
(さっきの子が原因かな)
思い出すのは、先程ティアを悪役令嬢呼ばわりした知らない女の子。俺やクリスの名前を知っていて、正直言って気持ち悪かった。
(帰ったら父さん達に報告だな)
きっと、ティア命のギルバートさんは怒ってあの子を仕留めに行きそうだ。それを必死に止めるのはきっと父さん。
(でも、俺も賛成だ)
ティアをまるで目の敵にする様に罵った。それは俺にとって許せることでは無い。
「バロンくん?どうしたの?」
「ん?あぁ、ごめんね。行こうか」
「うん。ほら、クリス」
「ん!」
ティアを傷付ける奴は許さない。
「うん、だいじょうぶ。ありがとう、バロンくん」
(可愛いなぁ)
ニコリと俺に笑いかけるティアは、とても可愛い。
俺が初めてティアを見た時、なんて可愛い女の子だろうと思った。陽の光を受けて艶やかに輝く黒い髪。ギルバートさんと同じ綺麗な緑の瞳。小さな身体で一生懸命動く様はまるで小動物だ。正直、こんなに可愛い女の子を見たのは生まれて初めてだ。
「ティア、これもおいしいよ!」
「ありがとう、クリス。…!ほんとうだ!おいしい!」
クリスと2人、幸せそうにお菓子を頬張る姿は最高に可愛い。
「…そろそろ父さん達の所に戻ろうか」
広場の時計を見ると、父さん達との集合時間が迫っていた。
「わかった。あっ!そうだ、バロンくん」
「ん?」
ティアを振り返ると一生懸命背伸びして、手に持ったお菓子を俺に差し出していた。
「このおかし、ほんとうにおいしいんだよ!」
「本当?…ん、美味しいね」
腰を屈めティアの持つお菓子を一口食べる。丁度いい甘さが口一杯に広がる。
「でしょ?」
そう言って笑うティアの頬が少し赤い。
「もしかして…あぁ、やっぱり。ティア、少し身体が熱いよ。興奮して疲れが出たのかな。もう、父さん達の所に戻るよ」
触った頬が熱をもっていた。病弱なティアは、あまりにも興奮したり、疲れたりするとこうして少し熱を出してしまう。
(さっきの子が原因かな)
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「バロンくん?どうしたの?」
「ん?あぁ、ごめんね。行こうか」
「うん。ほら、クリス」
「ん!」
ティアを傷付ける奴は許さない。
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