51 / 87
チカチカと黄色いライトを
しおりを挟む
一台のタクシーが、人里離れた山道を登っていく。煌々と光るヘッドライトの光が、木々が途切れる度に光の筋となって山間を照らしていた。
「お客さん~~本当にこっちであってますか??」
随分と山道を走ったのか、心配になったタクシー運転手が、後部座席の酔っ払ったサラリーマン風の客に再度確認している。
「はに?はに?もーーえ?2時??
ひじ??ハハハッあっココ
亀の瀬かぁ。。きたらどんつき右にやぁ」
サラリーマン風の男はなかなかの泥酔状態だが、時系列の単語から、土地柄の名称まで、ソレなりに話しながらも、呂律は回っていなかった。
「
ウィッ……オップッ……」
「ちょっと!!ちょっと!!お客さん!!
気持ち悪いの??え?吐くの??
吐くの??」
タクシー運転手は慌てて車を停車し、えづく男性客を路肩へと誘導する。
「オロオロオロオロオロ~~」
あーー汚い汚いと……
タクシー運転手は車内に戻り、水を持って来ては男性客へと渡す。
「あぁありがとねぇ……」と男性客。
その時、タクシー運転手は男性客の吐瀉物をしっかりと確認しておけば良かったのだ。
「あぁ少しはぁぁ楽になったわ」と言うその男は
この先どんつきを右に行けば村に着くからと言った。
「そうですか……こんな山奥に村が……」
タクシー運転手はまたその男を乗せて村に向けて走り出す。
どんつきを右に曲がれば、
そこは人喰い亡者達が住む村だ。
路肩の吐瀉物に混じった目ん玉が
タクシーの方向指示器の点滅ライトを
ジッと見つめていた。
「お客さん~~本当にこっちであってますか??」
随分と山道を走ったのか、心配になったタクシー運転手が、後部座席の酔っ払ったサラリーマン風の客に再度確認している。
「はに?はに?もーーえ?2時??
ひじ??ハハハッあっココ
亀の瀬かぁ。。きたらどんつき右にやぁ」
サラリーマン風の男はなかなかの泥酔状態だが、時系列の単語から、土地柄の名称まで、ソレなりに話しながらも、呂律は回っていなかった。
「
ウィッ……オップッ……」
「ちょっと!!ちょっと!!お客さん!!
気持ち悪いの??え?吐くの??
吐くの??」
タクシー運転手は慌てて車を停車し、えづく男性客を路肩へと誘導する。
「オロオロオロオロオロ~~」
あーー汚い汚いと……
タクシー運転手は車内に戻り、水を持って来ては男性客へと渡す。
「あぁありがとねぇ……」と男性客。
その時、タクシー運転手は男性客の吐瀉物をしっかりと確認しておけば良かったのだ。
「あぁ少しはぁぁ楽になったわ」と言うその男は
この先どんつきを右に行けば村に着くからと言った。
「そうですか……こんな山奥に村が……」
タクシー運転手はまたその男を乗せて村に向けて走り出す。
どんつきを右に曲がれば、
そこは人喰い亡者達が住む村だ。
路肩の吐瀉物に混じった目ん玉が
タクシーの方向指示器の点滅ライトを
ジッと見つめていた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
りこの怖いはなし
月見こだま
ホラー
本文は全て実話を元にしたフィクションです。どこまでが本当なのか、信じるのかはこれを読んでいるあなた次第です。さて、まずは全ての物語の中心となっていただく少女をご紹介しましょう。
少女の名は神田りこ。十一歳の誕生日を迎えたばかりです。
彼女は田舎のごく平凡な家庭の次女として生を受けました。六歳上に姉、三歳上に兄がいますが、その中で彼女が一番『母方』の血を濃く受け継いでしまったようです。
今回紹介するのは、彼女が体験したほんの少しだけ怖いお話。
***更新予定
4話→18日0時
5話→19日0時
6話→20日0時
7話→21日0時
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結済】昼と夜〜闇に生きる住人〜
野花マリオ
ホラー
この世の中の人間は昼と夜に分けられる。
昼は我々のことである。
では、夜とは闇に生きる住人達のことであり、彼らは闇社会に生きるモノではなく、異界に棲むモノとして生きる住人達のことだ。
彼らは善悪関係なく夜の時間帯を基本として活動するので、とある街には24時間眠らない街であり、それを可能としてるのは我々昼の住人と闇に溶けこむ夜の住人と分けられて活動するからだ。そりゃあ彼らにも同じムジナ生きる住人だから、生きるためヒト社会に溶け込むのだから……。
【死に文字】42文字の怖い話 【ゆる怖】
灰色猫
ホラー
https://www.alphapolis.co.jp/novel/952325966/414749892
【意味怖】意味が解ると怖い話
↑本編はこちらになります↑
今回は短い怖い話をさらに短くまとめ42文字の怖い話を作ってみました。
本編で続けている意味が解ると怖い話のネタとして
いつも言葉遊びを考えておりますが、せっかく思いついたものを
何もせずに捨ててしまうのももったいないので、備忘録として
形を整えて残していきたいと思います。
カクヨム様
ノベルアップ+様
アルファポリス様
に掲載させていただいております。
小説家になろう様は文字が少なすぎて投稿できませんでした(涙)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる