ちょっとハッとする話

狼少年

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研究、勉強、努力、怠る結果は明らかに

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SNSで今話題の『ジャッジマン』が派手なスーツ姿でグラウンドに白い境界線を引いている。

「はい!!これが今の貴方達、妖怪さんの現状です。」

「おいおいおい!!そりゃねぇぇぜ ジャッジマンさんよ!!」

妖怪総大将のぬらりひょんが、そうで無い妖怪達の怒りを露わにし言い寄った。

「いえいえ……これは公平なジャッジですよ。ぬらりひょんさん」

「見て見て下さい。ほら」とジャッジマンは
胸ポケットから情報機器。そう、我等の友達スマートな奴を取り出し。画面を光らす。

「んーー眩しい……なんだいそれは?」
 と ぬらりひょん。

「これですか??やはりわからないのですねぇ……明らかに勉強不足ですよ。そうですね……妖怪さん達にわかりやすく説明しますと 電話です」

「馬鹿を言っちゃいけねぇぜ!!ジャッチマンさんよぉぉ
 電話?!それが??
 線は何処に繋がっているんだい?線は??」

「線?線などもう必要無いのですよ。電波という物がありましてね。私達の声はそれに乗って遠く離れた世界の裏側まで届くのです」

「電波だぁ??そんなモノ何処にあるってんだい??」

ジャッチマンは目の前で小さく両手を広げ、
「ほら ココに」「何処にだい?」
「ほら ココですよ。。この目に見えない空気中に電波というモノはあるのです」

ぬらりひょんは疑心に満ちた眼差しをジャッジマンへと向ける。

「火の玉とか幽霊みたいなもんかい?」

「まぁそうですね妖怪さん達の解釈ではそんな感じになるのでしょうか……
 さらにそれだけではありませんよ。この電話はカメラにもなります。更に新聞にもなるのです」

「そんな馬鹿な」とぬらりひょん。

ジャッジマンは首を横に振り
サヨナラ野球場に集まった数多くの妖怪達を前に さぁさぁとさぁさぁと

             ジャッジ執行の時間です!!

「何千年もの間 人に寄り添い……
人に恐怖を与えて来た貴方達ですが……
少しばかり勉強と努力が足りなかったみたいですね……
令和の子供達は貴方達を怖がるどころか
貴方達の名前すら知らない……
悲しい限りですね……では……
さようなら…」

待ってくれと縋る妖怪達を尻目に、ジャッジマンは高らかに宣言する。

   「ジャッジ執行!!」

妖怪達の悲鳴が夜空高くに響き渡ると、そうで無い無名の妖怪達は次々と消えて行く。

そうであるジャッジマンが引いた境界線は

【この先 人の記憶の片隅にでも残れるか残れないかの境界線】

そうで無い。残れない。知らない。要らない。さようなら。残れなかった側の妖怪達は哀れ無惨に存在さえも消されて行くのだ。

恐ろしきジャッジマンの能力よ!!

明日は何処で何をジャッジするのであろうか。

もしかしたら 明日は私の存在価値をジャッジしに現れるかもしれない。


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