ちょっとハッとする話

はい！！アクション！！どうぞそのままに。

今日は皆さんに残念なお知らせがあります。

実は今から皆さんには実演部隊として死んでもらう事になりました。

駆け出しの新人映画監督が　エキストラ達に向けて今ここで死ぬ事を事後報告する。

は？なにそれ？騒ぎ出すエキストラ達は放っておいて、

「はい！！カメラ回して！！」

よーーーい！！

『アクション！！！』

3年A組の教室のドアを　金髪青眼の水着の美女が勢いよくフリンジブーツで蹴り破る。
ガシャーーンと、見ると、彼女のボンキュボンの素晴らしい身体のラインから伸びた肢体には、自動小型機関銃。

『タッタッタッタッタッタッタッタッタッ』

と弾ける。弾ける。弾け飛ぶ。

頭も顔も腕も脚も半身もがれて弾け飛ぶ。
騒ぎ？？騒ぎどころじゃ無いですね……
悲鳴？？悲鳴どころじゃないですね……
狂気？？そうですね。これは狂気です。

狂気の渦が3年A組の教室に渦巻いて、生徒役のエキストラ達はなす術無く撃ち抜かれていく。
飛び散る血があちらこちらに、
天井、壁、床、机、椅子に黒板にスプラシュだ。

『タッタッタッタッタッタッタッタッタッ』

弾ける銃弾は生徒役達を全員撃ち抜いても飽き足らず、止まる事をやめない。
もがく者にはトドメを、泣き叫ぶ者には終わりを、コト切れた者には更なる仕打ちの様に亡き骸を弄ぶ。

『はい！！！カット！！！』

駆け出しの新人映画監督はカメラを見直し、
この画は演技じゃ撮れ無いと御満悦のようだ。

え？何？映画のタイトル？？
知ってどうするの？？
え？何？？観てみたい？？

そんなの無理に決まってるじゃないですか。完成なんてする訳無い。
新人映画監督も主演のパツキン美女もカメラマン、音声さん、その他諸々……
全員纏めて死刑囚です。

今頃冷たい独房の中でただただひたすら私を待つのみ。