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第2章 総攻撃
1話 戦場
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「起きろ。敵がきた。出撃するぞ。」
何がなんだかわからないまま、ライフルのような武器を渡され、外に出た。
そこは、銃声が鳴り響く戦場。初めてみる光景に呆然とした。
ビルが倒壊したのか、一面、瓦礫の山で、砂埃で前が良く見えない。
ただ、その中で、武器が放たれる音だけが響いている。
焼けるように暑い。砂埃ばかりなのに、ギラギラする太陽ははっきりと見える。
喉はすでにカラカラで、嫌な味のねばねばしたつばを飲み込む。
200mぐらい先だろうか、100体ぐらい、異様な生き物が見える。
頭から細くて伸び縮みする触覚のようなものが2本出ている生き物だ。
どうも、これが敵で、私たちを殺そうとしていることだけは分かった。
迫ってくる敵に向けて撃ちまくった。熱くて、汗が額から溢れる。
ライフルのような武器からは、ビームのようなものがでて、近未来の武器かもしれない。
「あわてるな。無駄にエネルギーを使うと、打てなくなるぞ。狙いを定めて撃て。」
目の前の敵はどんどん迫ってくる中で、そんな余裕はない。
でも、この武器が使えなくなったらと思い、狙いを定めて撃ってみた。
何発かは敵に当たり、倒れた。
敵も味方も次々と死んでいき、死しか感じられない時間が過ぎた。
「B地区で敵を壊滅したらしい。目の前の敵は撤退していくぞ。」
「我々も撤収だ!」
私は、地下に向かうドアから避難所に戻った。
避難所は、小さな窓から光が入ってくるだけで、薄暗い。
打ちっぱなしのコンクリートの壁は湿っている。
小さな電球が、その場だけを照らし、一緒にいる男性たちの息だけが聞こえた。
あとは静寂の空間。
何が起こったんだろう?
身体が別人の男性になっている。なんで?
私は、さっきまで、死と隣り合わせの時間で気づかなかった。
私は、女子高に通う普通の女の子。
普通と言っても、クラスでは、いじめられていて、誰も話しかけてくれない。
机とかにはマジックのいたずら書きが絶えない。生きているのが辛い。
でも、私が悪いの。私なんて、この世の中で、生きてる価値なんてないんだと思う。
毎朝、つらくて起きられないし、起きても、色がない世界。
そういえば、今は6月だっけ。学校に行くまでの風景とか、どうだったかな。
心がない灰色の人たちが私の横を通り過ぎていく。
私は、本当に生きているのかしら。亡霊なのかもしれない。
でも、昨晩、寝て、起きたら、男性になって戦っていた。
なにが起こってるんだろう?
目の前には、リーダーらしい40代の男性と、30代ぐらいの男性が3人がいる。
そして、高校生ぐらいの男性が15人ほどいて、みんな汗と泥にまみれ、息が乱れている。
「若者たち、はじめての戦闘、怖かっただろう。よく分かっていないが、あいつらは宇宙からきて、地球を占領しようとしている。若者は生き延びてもらいたいが、ここでも、もう20代後半より上の人たちはほとんど殺されてしまった。だから、君たちにも戦ってもらわないと、もう戦力はない。申し訳ない。」
「でも、武器のビームがあたったら、敵も死んでましたよね。そんなに強くはないんですね。」
「そうだが、世界の主要都市には核のような武器がおとされ、大量に殺された。ここのような人口が少ないところがゲリラ線で戦っているが、ここも駄目なら、もう人類に未来はない。」
時計をみると、2025年9月となっている。
私が暮らしていた時から、たった1年ちょっと後みたい。
「俺は東京で、奥さんと2人の子供と幸せに暮らしていたが、甲府に営業に来ている時に東京は灰となって、家族を失った。その頃を取り戻したいが、もう無理だ。少なくとも、今、生きている人達を守らないと。みんなで、頑張ろう。」
リーダーは涙を流し、家族の写真を握りしめていた。
家族思いのいいパパだったんだと思う。
そして、食料を配りながら、一人ひとりを励ましていた。
こんな優しい人、これまで私は見たことがないし、初めて男性を頼もしいと感じた。
そんなことを考えて、傷だらけのリーダーの顔をずっと見ていた。
周りの話しも聞きながら、なんとなく状況は分かってきた。
そして、横にいる男性が話しかけてきた。
「木村、東京で暮らしていた、お前の親も亡くなったんだってな。残念だったな。でも、彼女を守らないと。」
「彼女?」
「とぼけるなよ。カフェで女からパフェを一緒に食べないかと誘ってきた、あの彼女だよ。女から誘われるなんて、みっともないけどな。でも、この前、写真見たけど、美人じゃないか。もう、やったのか。羨ましいな。彼女の親も東京で死んだんだろ。1人ぼっちになった彼女のためにも死ぬなよ。」
「ああ。」
よくわからなかったけど、話しは合わせておいた。
そんな中で、横で喧嘩が始まった。
「お前が、とろとろしてるから危ないんだよ。もっと、しっかりしろよ。」
「お前こそ、邪魔して。俺だって、精一杯やっているんだよ。」
「何、ごまかしてるんだよ。」
殴り合いが始まったのを見て、リーダーが制した。
「仲間で喧嘩してどうするんだ。そんな力あったら、敵を倒せ。そろそろ寝て、次の戦闘に備えるぞ。」
私は、疲れて、安全だと思った途端、脱力感が襲い、その場で寝てしまった。
何がなんだかわからないまま、ライフルのような武器を渡され、外に出た。
そこは、銃声が鳴り響く戦場。初めてみる光景に呆然とした。
ビルが倒壊したのか、一面、瓦礫の山で、砂埃で前が良く見えない。
ただ、その中で、武器が放たれる音だけが響いている。
焼けるように暑い。砂埃ばかりなのに、ギラギラする太陽ははっきりと見える。
喉はすでにカラカラで、嫌な味のねばねばしたつばを飲み込む。
200mぐらい先だろうか、100体ぐらい、異様な生き物が見える。
頭から細くて伸び縮みする触覚のようなものが2本出ている生き物だ。
どうも、これが敵で、私たちを殺そうとしていることだけは分かった。
迫ってくる敵に向けて撃ちまくった。熱くて、汗が額から溢れる。
ライフルのような武器からは、ビームのようなものがでて、近未来の武器かもしれない。
「あわてるな。無駄にエネルギーを使うと、打てなくなるぞ。狙いを定めて撃て。」
目の前の敵はどんどん迫ってくる中で、そんな余裕はない。
でも、この武器が使えなくなったらと思い、狙いを定めて撃ってみた。
何発かは敵に当たり、倒れた。
敵も味方も次々と死んでいき、死しか感じられない時間が過ぎた。
「B地区で敵を壊滅したらしい。目の前の敵は撤退していくぞ。」
「我々も撤収だ!」
私は、地下に向かうドアから避難所に戻った。
避難所は、小さな窓から光が入ってくるだけで、薄暗い。
打ちっぱなしのコンクリートの壁は湿っている。
小さな電球が、その場だけを照らし、一緒にいる男性たちの息だけが聞こえた。
あとは静寂の空間。
何が起こったんだろう?
身体が別人の男性になっている。なんで?
私は、さっきまで、死と隣り合わせの時間で気づかなかった。
私は、女子高に通う普通の女の子。
普通と言っても、クラスでは、いじめられていて、誰も話しかけてくれない。
机とかにはマジックのいたずら書きが絶えない。生きているのが辛い。
でも、私が悪いの。私なんて、この世の中で、生きてる価値なんてないんだと思う。
毎朝、つらくて起きられないし、起きても、色がない世界。
そういえば、今は6月だっけ。学校に行くまでの風景とか、どうだったかな。
心がない灰色の人たちが私の横を通り過ぎていく。
私は、本当に生きているのかしら。亡霊なのかもしれない。
でも、昨晩、寝て、起きたら、男性になって戦っていた。
なにが起こってるんだろう?
目の前には、リーダーらしい40代の男性と、30代ぐらいの男性が3人がいる。
そして、高校生ぐらいの男性が15人ほどいて、みんな汗と泥にまみれ、息が乱れている。
「若者たち、はじめての戦闘、怖かっただろう。よく分かっていないが、あいつらは宇宙からきて、地球を占領しようとしている。若者は生き延びてもらいたいが、ここでも、もう20代後半より上の人たちはほとんど殺されてしまった。だから、君たちにも戦ってもらわないと、もう戦力はない。申し訳ない。」
「でも、武器のビームがあたったら、敵も死んでましたよね。そんなに強くはないんですね。」
「そうだが、世界の主要都市には核のような武器がおとされ、大量に殺された。ここのような人口が少ないところがゲリラ線で戦っているが、ここも駄目なら、もう人類に未来はない。」
時計をみると、2025年9月となっている。
私が暮らしていた時から、たった1年ちょっと後みたい。
「俺は東京で、奥さんと2人の子供と幸せに暮らしていたが、甲府に営業に来ている時に東京は灰となって、家族を失った。その頃を取り戻したいが、もう無理だ。少なくとも、今、生きている人達を守らないと。みんなで、頑張ろう。」
リーダーは涙を流し、家族の写真を握りしめていた。
家族思いのいいパパだったんだと思う。
そして、食料を配りながら、一人ひとりを励ましていた。
こんな優しい人、これまで私は見たことがないし、初めて男性を頼もしいと感じた。
そんなことを考えて、傷だらけのリーダーの顔をずっと見ていた。
周りの話しも聞きながら、なんとなく状況は分かってきた。
そして、横にいる男性が話しかけてきた。
「木村、東京で暮らしていた、お前の親も亡くなったんだってな。残念だったな。でも、彼女を守らないと。」
「彼女?」
「とぼけるなよ。カフェで女からパフェを一緒に食べないかと誘ってきた、あの彼女だよ。女から誘われるなんて、みっともないけどな。でも、この前、写真見たけど、美人じゃないか。もう、やったのか。羨ましいな。彼女の親も東京で死んだんだろ。1人ぼっちになった彼女のためにも死ぬなよ。」
「ああ。」
よくわからなかったけど、話しは合わせておいた。
そんな中で、横で喧嘩が始まった。
「お前が、とろとろしてるから危ないんだよ。もっと、しっかりしろよ。」
「お前こそ、邪魔して。俺だって、精一杯やっているんだよ。」
「何、ごまかしてるんだよ。」
殴り合いが始まったのを見て、リーダーが制した。
「仲間で喧嘩してどうするんだ。そんな力あったら、敵を倒せ。そろそろ寝て、次の戦闘に備えるぞ。」
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