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第8章 優しくさようなら
2話 女子高生
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クラスでは、どうも、そんなに好かれている感じではなかった。そのうえに、この前まで25歳の男性だから、女子高生にすぐに溶け込むことができず、ボッチになっちゃう時間が多かったわ。
もともと、本を読むのは好きだったし、前の生活では忙しくて、本を読む時間をそれほど作れなかったから、学校で休憩時間とかは、1人で席に座り、本を読んで過ごしていたわ。
休み時間の時も、授業中も、窓から校庭をよく見ていた。砂埃もまう中で、トラックを走っていくのが見えたけど、なんとなく人生と一緒だなぁって。一緒にスタートするけど、実力の差もあるし、やる気の違いもあるもんね。遅い人は、1周遅れで走ってる。
校庭の木も、若葉から緑が濃くなり、生い茂るという感じの季節になってきた。今年は特に暑く、校庭に出ても木陰にいないと死んじゃいそう。6月なのに、どうしてこんなに暑いの。でも、木々は、陽の光をいっぱいに浴びて楽しそうね。
たくましく成長しようと頑張っている木の下で、私は、ハンカチを敷いて座り、テニスで汗いっぱいの部活とかを、なんとなく見ていた。
なんか、みんな、今を生きてるなぁって。あの子なんて、コーチがボールを右、左って投げて、それを打つためにコートを全力で走ってる。すごいなぁ。私は、昔、高校の時はどうだったかしら。あまり記憶がない。
日差しが強過ぎるわね。木々は緑なのに、見える光景は全てが真っ白に見えて、光の中にいるみたいで眩しいし、空気がゆらゆらしてる。熱中症にならないように校舎に戻ろっと。
そんな姿をみかねてか、担任の先生からクラブ活動をした方がいいと言われ、もう7月なのでどうかとは思ったんだけど、入ってみることにしたの。そして、これまでしたことがないことをしようとクッキング部に入ってみた。
途中で、変な時期に入ったのに、みんなは、暖かく迎えてくれた。そして、アップルパイとか、フルーツタルトとか、オムライスとかを作ったの。こんなふうにできるんだって、結構、驚きがあり、面白くて、楽しく過ごせたわ。また、仲良くできる友達もできた。
「次回は、何を作る?」
「そうね、聖奈は、何か作りたいものある?」
「え、突然だから、どうしよう。春巻きとか好きなんだけど、作れるのかしら。」
「春巻き、美味しいよね。やってみようよ。みんなどう思う?」
「賛成。」
「賛成。」
「じゃあ、次回は、春巻きね。私、作り方調べて、みんなに伝えるから、食材は、分担して買ってこよう。」
「わかった。」
「私の意見を聞いてくれて、ありがとう。」
「当然じゃないの。これからも、よろしくね。」
5人しかいない部だったし、みんな食べることが好きな集まりだったから、アットホームで仲良しだった。でも、クラスでは相変わらず、誰も話しかけてくれなかったの。というより、なんか私が陰気な雰囲気って、怖がられていたのかもしれない。
女性どうしって、なんかみんな笑い合って楽しそうと思っていたけど、結構、関係って難しいのね。私には、あまり近寄ってこないからいいけど、横で見てると、陰で噂流したり、笑いながら相手をけなしたりとか、結構、陰険な感じ。
特に、仲良しグループとは別のグループの人と関係は持ちにくそうで、だからか、そのグループから外されると孤独になっちゃう。だから、グループのリーダーの女性に気をつかって過ごしているみたい。そんなの仲良しじゃないのに。
あからさまにマウンティングしてくる人もいたわ。なんか、前は、女性に憧れというか、仲良しっていうイメージを持っていたけど、なんか、嫌な感じに変わっていったかな。
朝は、みんな、おはようって挨拶してるけど、私には誰も挨拶してくれない。こんなもんかなって感じで、慣れちゃったけど。でも、そんなこと親にいうと心配するから、クッキング部での楽しいことばかりを話していたわ。
そして、夏休みになり、親と、イギリス旅行に行った。前の生活では海外には行ったことがなかったので、結構、楽しめた。お城とか、宮殿とか、見たことなかったけど、中世ヨーロッパって感じの風景には感激した。また、これまで美術館とか行ったことなかったけど、大英博物館にも行って、すごいなって感じたわ。
でも、パスポートを作った時に、本当に女性になっちゃったんだなぁて思った。当然なんだけど、写真見て、誰もが16歳の女子高生だって疑わない。なんか、昔の自分がいなくなっちゃったようで、少し悲しいかな。
そして、2学期が始まった。
もともと、本を読むのは好きだったし、前の生活では忙しくて、本を読む時間をそれほど作れなかったから、学校で休憩時間とかは、1人で席に座り、本を読んで過ごしていたわ。
休み時間の時も、授業中も、窓から校庭をよく見ていた。砂埃もまう中で、トラックを走っていくのが見えたけど、なんとなく人生と一緒だなぁって。一緒にスタートするけど、実力の差もあるし、やる気の違いもあるもんね。遅い人は、1周遅れで走ってる。
校庭の木も、若葉から緑が濃くなり、生い茂るという感じの季節になってきた。今年は特に暑く、校庭に出ても木陰にいないと死んじゃいそう。6月なのに、どうしてこんなに暑いの。でも、木々は、陽の光をいっぱいに浴びて楽しそうね。
たくましく成長しようと頑張っている木の下で、私は、ハンカチを敷いて座り、テニスで汗いっぱいの部活とかを、なんとなく見ていた。
なんか、みんな、今を生きてるなぁって。あの子なんて、コーチがボールを右、左って投げて、それを打つためにコートを全力で走ってる。すごいなぁ。私は、昔、高校の時はどうだったかしら。あまり記憶がない。
日差しが強過ぎるわね。木々は緑なのに、見える光景は全てが真っ白に見えて、光の中にいるみたいで眩しいし、空気がゆらゆらしてる。熱中症にならないように校舎に戻ろっと。
そんな姿をみかねてか、担任の先生からクラブ活動をした方がいいと言われ、もう7月なのでどうかとは思ったんだけど、入ってみることにしたの。そして、これまでしたことがないことをしようとクッキング部に入ってみた。
途中で、変な時期に入ったのに、みんなは、暖かく迎えてくれた。そして、アップルパイとか、フルーツタルトとか、オムライスとかを作ったの。こんなふうにできるんだって、結構、驚きがあり、面白くて、楽しく過ごせたわ。また、仲良くできる友達もできた。
「次回は、何を作る?」
「そうね、聖奈は、何か作りたいものある?」
「え、突然だから、どうしよう。春巻きとか好きなんだけど、作れるのかしら。」
「春巻き、美味しいよね。やってみようよ。みんなどう思う?」
「賛成。」
「賛成。」
「じゃあ、次回は、春巻きね。私、作り方調べて、みんなに伝えるから、食材は、分担して買ってこよう。」
「わかった。」
「私の意見を聞いてくれて、ありがとう。」
「当然じゃないの。これからも、よろしくね。」
5人しかいない部だったし、みんな食べることが好きな集まりだったから、アットホームで仲良しだった。でも、クラスでは相変わらず、誰も話しかけてくれなかったの。というより、なんか私が陰気な雰囲気って、怖がられていたのかもしれない。
女性どうしって、なんかみんな笑い合って楽しそうと思っていたけど、結構、関係って難しいのね。私には、あまり近寄ってこないからいいけど、横で見てると、陰で噂流したり、笑いながら相手をけなしたりとか、結構、陰険な感じ。
特に、仲良しグループとは別のグループの人と関係は持ちにくそうで、だからか、そのグループから外されると孤独になっちゃう。だから、グループのリーダーの女性に気をつかって過ごしているみたい。そんなの仲良しじゃないのに。
あからさまにマウンティングしてくる人もいたわ。なんか、前は、女性に憧れというか、仲良しっていうイメージを持っていたけど、なんか、嫌な感じに変わっていったかな。
朝は、みんな、おはようって挨拶してるけど、私には誰も挨拶してくれない。こんなもんかなって感じで、慣れちゃったけど。でも、そんなこと親にいうと心配するから、クッキング部での楽しいことばかりを話していたわ。
そして、夏休みになり、親と、イギリス旅行に行った。前の生活では海外には行ったことがなかったので、結構、楽しめた。お城とか、宮殿とか、見たことなかったけど、中世ヨーロッパって感じの風景には感激した。また、これまで美術館とか行ったことなかったけど、大英博物館にも行って、すごいなって感じたわ。
でも、パスポートを作った時に、本当に女性になっちゃったんだなぁて思った。当然なんだけど、写真見て、誰もが16歳の女子高生だって疑わない。なんか、昔の自分がいなくなっちゃったようで、少し悲しいかな。
そして、2学期が始まった。
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