30 / 45
一章
三十話 ダフトへ
しおりを挟む
私は目を覚ました。アズサに抱きつかれて状況を理解できていなかった。アズサは私が起きたのを気づいたのか私の顔を見て言う。
「エマ…本当に心配したんだから…」
アズサの涙が私の頰に落ちてくる。私は腕を動かして涙を拭き取ろうとしたが抱きつかれていてそもそも動かなかった。
アズサの裏にはアズサのお兄さんが見ていた。私はすごく恥ずかしい気持ちになった。
「アズサ…ゴメン心配かけて…もうこんなことはしないから」
私は言いながら彼女の背中を叩いた。すると、彼女は抱きつくのを段々弱めてくれた。私はやっと腕が動かせて涙を拭き取った。
裏で、見ていたアズサのお兄さんが呆れた顔で見る。お兄さんにとっては赤の他人と妹が再会している図を見て感動するはずかないか…と心の中で思ってしまった。
「なぁ…アズサもう森の入り口に戻らないと…」
「わかってる!お兄ちゃんは先に行ってていいから」
「お兄ちゃん…うぅ…初めて聞いたぜ…」
アズサのお兄さんは違うところで感動していた。涙を流しながらアズサのお兄さんは行ってしまった。
「立てる?」
「立てるわ…ありがとう」
私は、アズサの手を借りながら立った。アズサは私の背中を払ってくれて笑顔でこちらを見る。
「さぁ行きましょう」
アズサは手を差し出して来た。私はその手を取り手を繋ぎながら私たちは森の入り口…元にいた場所へと戻った。先に行っていたお兄さんが待っていた。
「お兄さん…迷惑をかけました」
私は、お兄さんに会って早々お辞儀をして謝った。すると、お兄さんは痰が絡まったのかガラガラ声で言う。
「いやいや…そんな謝らないでいいから…逆にこっちが強引に行かせようとしていたのが悪かった」
お兄さんは、頭を掻きながら言った。私は頭を上げてお兄さんに笑顔を見せて言う。
「それでは…お互い様ってことでいいですかね?」
「そうだな…」
「兄さんキモい」
突然二人の会話に割り込んできたアズサ。私はびっくりするがお兄さんは慣れているのか顔色変えずに言った。
「あぁ…そうかそうかキモいのか…」
「そうキモい…そんな女の子に対してニアニア…ねぇエマもキモいよね?」
アズサが急に同情を求めて来てびっくりしたがここで違うことを言ってもなんだか空気読めないやつだと思われるから私は頷くしかできなかった。
すると、アズサのお兄さんは泣き崩れた。それほど、精神的ダメージが受けたのだろう。
お兄さんは膝まついて俯いていた。
それを見て何も言わないアズサ。私は不思議に思った。
私は、アズサの耳元で言った。
「ねぇ?アズサ、お兄さん放置でいいの?」
「いいのいいの、あんな兄貴はほっとけばそのうち治るから」
そう言いながら、夕食の準備をしていた。私は辺りを見渡した。草原の方を見ると真っ暗なところもあれば所々に夕日が差し込んでいるところもあった。
木々は生えている森を見ると太陽が眩しく感じた。
私は、アズサの手伝いをした。
「アズサ、ここに薪を置いておくね~」
「あっありがとう。助かるわ~」
前のアズサとは違く、なんだか優しいなぁと感じた。その後も薪を拾いに拾い続けてやがて…
「エマ…」
「何?」
「あなた…集めすぎよ…薪」
「えっ…?」
アズサが見る方向を見ると確かに薪が積み上がっていた。私は夢中になると周りの目が見えなくなるタイプだと実感した。
「あぁ~ごめんやりすぎちゃった」
「まぁ大丈夫!行けるさ!」
突然、テンション下がっていたお兄さんが急に話し始めた。私は驚いてお兄さんを見る。すると、お兄さんは親指を立ててグッドとやっていた。
「そうですか…」
私は戸惑いを隠しながらも言った。すると、アズサが私の方に近づいて来て言う。
「エマ!ご飯できたよ!」
その笑顔は素敵だった。私は、その笑顔に見惚れながら言った。
「わかった~今行くね~」
アズサの料理は抜群に美味しかった。お兄さんはなぜか残飯処理班となっていた。なんだか、かわいそうな感じだった。そして、私たちは広がって寝た。星空を見ているとアズサが私の方を見て言う。
「星空ってこんな綺麗だったけ?」
「そうだよね…まじまじと星空を観察したことなかったわ」
エルフでも長生きをしていても星空をマジマジと見たことがないんだと思った。私は、それで会話が途切れて目を瞑った。すると、魔法にかかったかのように眠りに落ちた。
ー次の日ー
朝起きると頭が痛かった。私は頭を抑えながら起き上がると…
「エマどうしたの?」
「ちょっと頭が痛くて…」
そう言うと、アズサはおでこと私のおでこを合わせて来た。すると、アズサのおでこは冷たかった。
「あなた、すごい熱じゃない…」
アズサは大声で言った。すると、寝起きのお兄さんが言う。
「それは、魔力不足かもしれないな」
あくびをしながら言った。私は疑った。自分は魔力不足などなったことがない…と思ったが今なっている。
アズサは私の腕を引っ張って近くの茂みまで連れて行かれた。
「何よいきなり!」
私が少し大きな声で言うと、アズサが静かにと人差し指を立てて合図してくる。
「目瞑ってて」
私はアズサに言われてそっと目を閉じた。すると、私の唇に何かが近づいてくる。
次の瞬間、唇に柔らかい温かいものが当たった。
「ん…!」
私は思わず声を出してしまう。唇にあたっている時間は10秒ほどだったが長く感じた。
それは、そっと離れていき目を開けると恥ずかしがっているアズサがいた。
「アズサ…」
「エマ…」
「私の初めて奪ったね」
「私のもよ」
私たちは…人生で初めてキスと言うものをしたのだった。
私たちは、騎乗位でしたので周りから見たら何をしているんだと言う体形であった。
私たちは、数秒間見つめあって視線を逸らした。そして…
「いつまでこの状態でいるの?」
「あ、あ、ゴメン」
アズサは謝りながらどいた。なんだかさっきまでの頭痛が無くなった。これが、魔力の口渡しの効果かと思った。
私たちは戻り片付けをする。お兄さんは草原の方を見ていた。
「俺は、もうここでお別れだな」
「じゃぁな兄さん元気で」
私たちは、片付けが終わりダフトへ向かおうとしたがお兄さんは止める。
「なんか、反応薄くね…?一応お前の兄なんだけど?三十年くらい会ってないけど」
「それが何か?」
アズサは冷たい反応で兄を捌いていた。私は見て兄弟がいるとこんな感じなのかと思った。
私たちは、アズサのお兄さんを無視してダフトへ向かった。
ダフトへは昼ごろまで歩いてやっとついた。
ダフトは確かに貴族が住み街だと思った。それは、街の門からだった。
「何よこの豪華さ…」
アズサが言葉を失うのも仕方がない。なぜなら、門が金色と水色で出来ていたからである。
「まぁ…私たちでも馴れるでしょ…」
そう言い私たちは、門の中へと足を踏み入れるのだった。
「エマ…本当に心配したんだから…」
アズサの涙が私の頰に落ちてくる。私は腕を動かして涙を拭き取ろうとしたが抱きつかれていてそもそも動かなかった。
アズサの裏にはアズサのお兄さんが見ていた。私はすごく恥ずかしい気持ちになった。
「アズサ…ゴメン心配かけて…もうこんなことはしないから」
私は言いながら彼女の背中を叩いた。すると、彼女は抱きつくのを段々弱めてくれた。私はやっと腕が動かせて涙を拭き取った。
裏で、見ていたアズサのお兄さんが呆れた顔で見る。お兄さんにとっては赤の他人と妹が再会している図を見て感動するはずかないか…と心の中で思ってしまった。
「なぁ…アズサもう森の入り口に戻らないと…」
「わかってる!お兄ちゃんは先に行ってていいから」
「お兄ちゃん…うぅ…初めて聞いたぜ…」
アズサのお兄さんは違うところで感動していた。涙を流しながらアズサのお兄さんは行ってしまった。
「立てる?」
「立てるわ…ありがとう」
私は、アズサの手を借りながら立った。アズサは私の背中を払ってくれて笑顔でこちらを見る。
「さぁ行きましょう」
アズサは手を差し出して来た。私はその手を取り手を繋ぎながら私たちは森の入り口…元にいた場所へと戻った。先に行っていたお兄さんが待っていた。
「お兄さん…迷惑をかけました」
私は、お兄さんに会って早々お辞儀をして謝った。すると、お兄さんは痰が絡まったのかガラガラ声で言う。
「いやいや…そんな謝らないでいいから…逆にこっちが強引に行かせようとしていたのが悪かった」
お兄さんは、頭を掻きながら言った。私は頭を上げてお兄さんに笑顔を見せて言う。
「それでは…お互い様ってことでいいですかね?」
「そうだな…」
「兄さんキモい」
突然二人の会話に割り込んできたアズサ。私はびっくりするがお兄さんは慣れているのか顔色変えずに言った。
「あぁ…そうかそうかキモいのか…」
「そうキモい…そんな女の子に対してニアニア…ねぇエマもキモいよね?」
アズサが急に同情を求めて来てびっくりしたがここで違うことを言ってもなんだか空気読めないやつだと思われるから私は頷くしかできなかった。
すると、アズサのお兄さんは泣き崩れた。それほど、精神的ダメージが受けたのだろう。
お兄さんは膝まついて俯いていた。
それを見て何も言わないアズサ。私は不思議に思った。
私は、アズサの耳元で言った。
「ねぇ?アズサ、お兄さん放置でいいの?」
「いいのいいの、あんな兄貴はほっとけばそのうち治るから」
そう言いながら、夕食の準備をしていた。私は辺りを見渡した。草原の方を見ると真っ暗なところもあれば所々に夕日が差し込んでいるところもあった。
木々は生えている森を見ると太陽が眩しく感じた。
私は、アズサの手伝いをした。
「アズサ、ここに薪を置いておくね~」
「あっありがとう。助かるわ~」
前のアズサとは違く、なんだか優しいなぁと感じた。その後も薪を拾いに拾い続けてやがて…
「エマ…」
「何?」
「あなた…集めすぎよ…薪」
「えっ…?」
アズサが見る方向を見ると確かに薪が積み上がっていた。私は夢中になると周りの目が見えなくなるタイプだと実感した。
「あぁ~ごめんやりすぎちゃった」
「まぁ大丈夫!行けるさ!」
突然、テンション下がっていたお兄さんが急に話し始めた。私は驚いてお兄さんを見る。すると、お兄さんは親指を立ててグッドとやっていた。
「そうですか…」
私は戸惑いを隠しながらも言った。すると、アズサが私の方に近づいて来て言う。
「エマ!ご飯できたよ!」
その笑顔は素敵だった。私は、その笑顔に見惚れながら言った。
「わかった~今行くね~」
アズサの料理は抜群に美味しかった。お兄さんはなぜか残飯処理班となっていた。なんだか、かわいそうな感じだった。そして、私たちは広がって寝た。星空を見ているとアズサが私の方を見て言う。
「星空ってこんな綺麗だったけ?」
「そうだよね…まじまじと星空を観察したことなかったわ」
エルフでも長生きをしていても星空をマジマジと見たことがないんだと思った。私は、それで会話が途切れて目を瞑った。すると、魔法にかかったかのように眠りに落ちた。
ー次の日ー
朝起きると頭が痛かった。私は頭を抑えながら起き上がると…
「エマどうしたの?」
「ちょっと頭が痛くて…」
そう言うと、アズサはおでこと私のおでこを合わせて来た。すると、アズサのおでこは冷たかった。
「あなた、すごい熱じゃない…」
アズサは大声で言った。すると、寝起きのお兄さんが言う。
「それは、魔力不足かもしれないな」
あくびをしながら言った。私は疑った。自分は魔力不足などなったことがない…と思ったが今なっている。
アズサは私の腕を引っ張って近くの茂みまで連れて行かれた。
「何よいきなり!」
私が少し大きな声で言うと、アズサが静かにと人差し指を立てて合図してくる。
「目瞑ってて」
私はアズサに言われてそっと目を閉じた。すると、私の唇に何かが近づいてくる。
次の瞬間、唇に柔らかい温かいものが当たった。
「ん…!」
私は思わず声を出してしまう。唇にあたっている時間は10秒ほどだったが長く感じた。
それは、そっと離れていき目を開けると恥ずかしがっているアズサがいた。
「アズサ…」
「エマ…」
「私の初めて奪ったね」
「私のもよ」
私たちは…人生で初めてキスと言うものをしたのだった。
私たちは、騎乗位でしたので周りから見たら何をしているんだと言う体形であった。
私たちは、数秒間見つめあって視線を逸らした。そして…
「いつまでこの状態でいるの?」
「あ、あ、ゴメン」
アズサは謝りながらどいた。なんだかさっきまでの頭痛が無くなった。これが、魔力の口渡しの効果かと思った。
私たちは戻り片付けをする。お兄さんは草原の方を見ていた。
「俺は、もうここでお別れだな」
「じゃぁな兄さん元気で」
私たちは、片付けが終わりダフトへ向かおうとしたがお兄さんは止める。
「なんか、反応薄くね…?一応お前の兄なんだけど?三十年くらい会ってないけど」
「それが何か?」
アズサは冷たい反応で兄を捌いていた。私は見て兄弟がいるとこんな感じなのかと思った。
私たちは、アズサのお兄さんを無視してダフトへ向かった。
ダフトへは昼ごろまで歩いてやっとついた。
ダフトは確かに貴族が住み街だと思った。それは、街の門からだった。
「何よこの豪華さ…」
アズサが言葉を失うのも仕方がない。なぜなら、門が金色と水色で出来ていたからである。
「まぁ…私たちでも馴れるでしょ…」
そう言い私たちは、門の中へと足を踏み入れるのだった。
0
お気に入りに追加
716
あなたにおすすめの小説
通称偽聖女は便利屋を始めました ~ただし国家存亡の危機は謹んでお断りします~
フルーツパフェ
ファンタジー
エレスト神聖国の聖女、ミカディラが没した。
前聖女の転生者としてセシル=エレスティーノがその任を引き継ぐも、政治家達の陰謀により、偽聖女の濡れ衣を着せられて生前でありながら聖女の座を剥奪されてしまう。
死罪を免れたセシルは辺境の村で便利屋を開業することに。
先代より受け継がれた魔力と叡智を使って、治療から未来予知、技術指導まで何でこなす第二の人生が始まった。
弱い立場の人々を救いながらも、彼女は言う。
――基本は何でもしますが、国家存亡の危機だけはお断りします。それは後任(本物の聖女)に任せますから
私、パーティー追放されちゃいました
菜花
ファンタジー
異世界にふとしたはずみで来てしまった少女。幸いにもチート能力があったのでそれを頼りに拾ってもらった人達と働いていたら……。「調子に乗りやがって。お前といるの苦痛なんだよ」 カクヨムにも同じ話があります。
聖女はこの世界に未練がない
菜花
ファンタジー
ある日、聖女として異世界に呼ばれた理穂。けれど、召喚された先ではとっくに聖女がいると言われた。だがそれは偽者らしく、聖女なら出来るはずの瘴気の浄化は不十分だった。見るに見かねて理穂は聖女の仕事を始めるが、偽聖女周りの人間には疑われて暴言まで吐かれる始末。こんな扱いされるくらいなら呼ばれない方が良かった……。でも元の世界に帰るためには仕事はしないといけない。最後には元の世界に戻ってやる!あんたらは本物の聖女を疑った人間として後世に語られるがいいわ!カクヨムにも投稿しています。
烙印を理由に婚約破棄。その結果ステータスALL1000の魔導師になりまして
流雲青人
ファンタジー
生まれながらに魔力を一切持たずに生まれたエデンは直ぐに跡取り失格の烙印を押されてしまう。幼い頃は気にしなかった烙印だが、成長していくのにつれ次第にその烙印を気にするようになっていく。性格も暗くなり、笑顔を見せなくなったエデンだったが婚約者が出来、エデンの人生は大きく変わった。
だがある日突然その悲劇は起こった。
「君との婚約を取り消したい」
婚約者からまさかの婚約破棄
その悲しさのあまり、エデンに本来目覚める筈のなかった魔力が目覚める。しかしそれは平均ステータスの300を大きく上回る、ALL1000のステータスだった。
こうして最強の力を手に入れたエデンは家を飛び出し、のんびり自由に生きていく……筈だった。 という物語。
題名変更しました
題名について考えてくれた皆さん、本当にありがとうございましたm(*_ _)m
※3月24日、完結しました
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
幼馴染みを寝取られた無能ですが、実は最強でした
一本橋
ファンタジー
「ごめん、他に好きな人が出来た」
婚約していた幼馴染みに突然、そう言い渡されてしまった。
その相手は日頃から少年を虐めている騎士爵の嫡男だった。
そんな時、従者と名乗る美少女が現れ、少年が公爵家の嫡男である事を明かされる。
そして、無能だと思われていた少年は、弱者を演じていただけであり、実は圧倒的な力を持っていた。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる