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十話 解決

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私たちは、依頼者のいる村まで向かった。村までは、一時間ほどかかるところにあった。行ったこともないので私は転移魔法が使えなかった。私はアズサと話しながら歩いていた。

「依頼者の村遠いね」

アズサが弱音を吐く。私はそんなことを言っていたら村には永遠につかないぞ。と思い言う。

「しょうがないよ。近辺の村がアンクルセントから遠い場所にあるから」

そう言うと、アズサは腕を頭の裏に組んで空を見上げていた。私は、人の話を聞いていないのかと思いながらアズサの方を見る。

何も話さないまま三十分ほど経った。気まずい空気のまま歩いているとなんだか空気が悪い。そう思った私はアズサに話題を振る。

「アズサって、あの森にずっといたの?」

そう言うと、アズサは少し歩く速度を落として言う。

「…いやあの森にはずっとはいない…」

歯切れ悪くてアズサが言う。私はそこに引っかかった。

「ずっとはいなかったんだね?」

「…そうね…」

アズサの声のトーンは段々と落ちていった。私はアズサに対して言う。

「じゃぁ、昔は違うところにいたんだよね?」

アズサは頷いた。私はそうなのかと思いながら歩いた。途切れ途切れのお話をしていると…村へ着いた。

私はアズサに言う。

「依頼者のところ行こうか」

「もう夕方じゃない」

アズサは、少し不満げに言った。私たちは依頼者の住所が書いたある場所へと行った。外見は他の家とは変わらなかった。私は呼び鈴を鳴らす。すると、中から男の声が聞こえた。

「どちら様でしょうか?」

出てきたのは、年老いたおじいさんだった。私はおじいさんが疑問そうにこちらを見てくるので言う。

「私たちは、あなたの依頼で来た冒険者です」

そう言うと、おじいさんは慌て出して言う。

「あぁーすみません。冒険者様。こんな失礼な態度をとってしまい…さぁさぁ中へお入りください」

おじいさんは手招きをして私たちを中へ入れようとしている。私はアズサに先に入るようにやったが…
先に入れと手で言われてしまい私は先に入った。中は、おしゃれでおじいさんが一人で住んでいるとは思わなかった。

「おじいさんの名前は…?」

私は座りながら言った。すると、おじいさんはお茶を入れながら言った。

「わしの名前ですか…わしの名前はグランです。」

グランは名前を言って机にお茶を出してきた。私は会釈で感謝をした。グランはやがて椅子に座って言う。

「冒険者様。早速本題なのですが…アガルベアーを討伐してくれるのでしょうか?」

そう言われて、私は大きく頷いた。グランは笑みをこぼしながら言う。

「それでは、場所をお伝えするので討伐を…」

そう言いながら、どこかへ行ってしまった。帰って来たと思ったら紙を持って帰って来た。紙に地図を書いてくれた。その地図を私たちは提示された。私は言う。

「グランさん。今日はもう遅いので…すみませんが明日でよろしいでしょうか?」

そう聞くと、グランは一瞬不満そうな顔をしたが窓の外の景色を見て言う。

「そうですな…他の場所で泊まりますかな?」

そう聞かれて、私はアズサと相談する。

「どうする?」と私は言う。

「どうするって…ここに泊まるの?」

「いや、ここはグランさんが一人暮らししてるし迷惑はかけられない…」

「じゃぁ、空き家とかあるか聞いてみる?」

「いいじゃない」

私たちの話し合いは終わり、結論を言う。

「グランさん…空き家とかないですか!」

私は大きな声で言った。グランは頭を少し掻いて言う。

「うーむ…ちょっと離れた場所にあった気がするな」

そう聞いて私たちは玄関へ向かおうとする。すると、グランが言う。

「気をつけて行くんじゃ…おやすみ」

そう言われて、私たちは笑顔で返してその場所へと行った。
家は、まぁまぁ綺麗で食材も村の人がくれた。なんとか生きてける場所だった。

ー次の日ー
私たちは家の外へ出てアガルベアーの討伐の準備をしているとグランがきて言う。

「冒険者様…本当に討伐してくれるのですか?」

そう聞かれて私は自信満々に言う。

「はい、必ず討伐して来ます」

そう言い、私たちはグランが書いた地図を持って森へ入って行った。森へ入ると薄暗い奇妙な雰囲気が漂っていた。

私は、アズサに言う。

「ねぇ…なんかこの森怖くない?」

「そんな怖くねぇって私がいた森よりかは安全よ」

そう言いながら、アズサは私の肩を叩きながら笑った。私は、少し恥ずかしい気持ちになった。
地図の場所に辿り着いて私たちは周りを見渡す。

「ここが例の場所か」

「そうみたいね」

「なんだか、開けた場所だな」

そう言うアズサに私は頷いた。私は疲れたので地面に座り込む。すると、アズサが言う。

「どうしたんですか?疲れたんですか…しょうがないですね」

そう言いながらアズサも座ろうとしたが、アズサは座るのを途中でやめた。

「なんだか…獣の気配を感じる…」

私が立とうとした時、アズサは手を私の前において言う。

「ダメ!立たないで」

そう言われて、私は少し浮いていたお尻を地面につけた。その数秒後…

前からもう突進してくるクマがいた。そう…これが私たちの討伐目標のアガルベアーだった。


アズサは、もう突進してくるクマに対して避けようと回避行動に移るが…
アズサは止められずに木に勢いよくぶつかる。私はアズサの方に行って言う。

「大丈夫?」

アズサは、お腹の辺りを摩りながら言う。

「ダメかもしれない…」

「ダメって言うな」

そう言い私はアズサを励ます。私はアズサを気にしながらアガルベアーの討伐をすることにした。戦力は一対一の真剣勝負。

私はまず視界が悪いと思い周りの木々を燃やす。

火の粉ファイヤー

視界が良くなり、私はアガルベアーが来る場所に検討をつけた。すると、アガルベアーは私目掛けて突進してくる。私は、一歩踏み出した。

そして…

雷神雷雷サンダーボルト

そう言いながら私は魔法を打った。それを受けたアガルベアーは体が痺れて動けなくなっていた。私はその動けなくなったクマの心臓を剣で貫いた。

それをみていたアズサが言う。

「…すごいわね…私も戦力になれたら…」

そう言いながら、アズサは目を瞑った。私はアズサに応答を求めるが反応はない。私は心配しながら回復魔法を打った。



村へ戻り、依頼者に討伐の証を見せて依頼者から報酬をもらった。
アンクルセントへ戻ったらギルドに報告。討伐の証を見せて私たちはギルドを去った。

転移魔法でテオたちのいる家に帰り…アズサを休ませた。少し動ける程度まで回復魔法で行けたが…あとはアズサ自身で治してもらうしかなかった。

私は、外の出てポツリと言う。

「…ここにいてはダメだな…旅に出ようかな」

なんだか、誰かに聞かれていた気がしたが…気のせいだと思うのだった。
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