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異世界転生

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とりあえず、お城まで案内され部屋の中のベットに座らされてお母さんとお父さんらしき人が目の前に立ってコソコソと話していた。私は何が起きているのかわからずボーっとしているとお母さんが言った。

「……本当に記憶がないの?」

心配そうに言うお母さんに私は言う。

「うん。全くない。あなたたちは私の両親?」

二人は少し驚きながらも頷いた。そして、お父さんらしきガタイのいい人は私の隣に座って言った。

「……アリフィア……本当にないのか……」

私の肩に優しく手を置きながら言った。だが、私にはこの世界のこの体の記憶は一切ない。だから、首を横に振る。すると、お父さんらしき人は肩を落としてそのままの勢いのまま部屋を出て行ってしまった。

部屋の取り残されたのは私とお母さんとメイドの人。
末うと、お母さんは一言言ってから出て行った。

「記憶を取り戻したら言って」

そう言い残し、お母さんは出て行った。そして、部屋に残ったのはメイドの人と私。
メイドの人は気まずいのか、私と目を合わせにこない。私はメイドの前まで行きメイドに言った。

「……どうしたの?」

私は話しかけると、メイドは肩をビクッとさせてから話した。

「……なんでございましょうか。アリフィア様」

仕事を全うしようと定型文を言ってくるが、私はメイドの顔をガシッと両手で優しく包み込み言った。

「あなた……最近ちゃんと寝てる?」

私の質問にメイドの人は少し黙りながらも言った。

「……一応休んではいます……」

そして、再び沈黙が訪れた。私はメイドから離れて、ベットに再び座った。座っている隣にポンポンと手で合図すると、メイドの人は言った。

「……なんでございましょうか?紅茶でしょうか?」

私は、勘が悪いなと思いながら言った。

「隣に座って」

その言葉にメイドは少し躊躇していた。
私は来ないメイドに叩く回数を多くした。すると、メイドはゆっくりとした足取りで落ちらに近づいてくる。

ものすごい近い距離なのにメイドは20秒かけて来て座った。
メイドは戸惑いっている様子であった。そんなメイドに私は言った。

「寝なさい」

メイドは驚きながら言った。

「いえいえ……そんなことできません。」

「いいから」

そう言い、私は無理やりメイドの頭を膝に置いた。
メイドはすぐに起きあがろうとしてくるが……

「ダメ!いいから寝てて!」

私は少し強く言うとメイドはしょうがなく頭を膝の上に置いた。
私はメイドに対して言った。

「寝ていいわよ」

始めは少し困惑していたメイドだったが……目を瞑ればすぐに寝てしまった。


これでやっと一人の時間ができた。

私は今の状況を整理する。

・転生したと思ったが、前世の体ではなく夜逃げ中の王都の第一王女の体だったこと。

・第一王女の記憶など一切ない

・この状況をどうすればいいのか

まず、第一王女だったことは……まぁ慣れるしかない。問題は次だ。

記憶がないと言うこと。お母さんとお父さんの名前を一切知らない。そして、この一族は何か特別なことがあることは確か……お母さんとお父さんは何かに対して落胆していた。

記憶を失ったことで、何かを失ったに違いない。
とそんなことを考えていると……部屋のドアが開いた。誰だろうと頭の中で思っていると入って来たのはお母さんだった。

お母さんはびっくりした様子でこちらを見ていた。
お母さんは多分怒るだろう。だから、私はお母さんに対して人差し指を口に当てて「静かにして!と合図した。

お母さんも空気を読めない人ではないようであった。
お母さんは静かに近づいて言った。

「どうしたの?この状況は」

私は小声でお母さんの耳元で言った。

「メイドの子が疲れてそうだったから寝させた」

「どうして!?」

お母さんはびっくりした様子でこちらを見る。私は言った。

「人も、働きすぎると……倒れるんだよ?この人は働きすぎ……だから寝させた」

「あなたは一応第一王女という身分よ?なぜそんなあなたがメイドなんかを……」

「だって……人がいなくなったら悲しいじゃん」

私の言葉を聞いてお母さんは驚いていた。お母さんは驚きを隠しながら言った。

「……あなた変わったわね……」

「?」

クエスチョンマークを頭に浮かべながら私は言った。

「……で何の用ですか?」

「あなた……今日は十歳の誕生日だから何がいいかなって」

私は初めて聞いた。今日が誕生日ということに。私は「少し考える」とお母さんに伝え考えた。

お母さんは静かにドアを閉めてどこかに行ってしまった。

私は数時間……考えるのだった。


ー数時間後ー


私は考えた結果……

『お祭りを開こう』

という結論に至った。
やはり、この国の第一王女として色々な人と関わりなければ非常時に大変であり、信頼や支持などを獲得するのも大切だと思ったからだ。

すると、膝で眠っていたメイドが起きて寝ぼけた顔をしながら言った。

「おはようございます……」

「おはよう」

「何時間寝ておりましたか?」

「わからないけど……あなたの寝顔は可愛かったわよ」

わたしがいうとメイドは少し照れた顔をしながら言った。

「それは……どうもありがとうございます」

メイドは部屋を出ようとしているので私はメイドの対して言った。

「眠くなったらここに来なさい。お母様にも怒られない特別な場所だから……私がいる時限定だけどね……あと、あなたが眠っている間にお母様が二回ほど来てその時に頭の休暇を申請したわ」

私の大量の情報量にメイドは困惑していた。メイドは少し大きな声で言った。

「休暇ですか……!?それは……それは……ありがとうございます!」

メイドは元気な顔をして出て行った。
久々に人の嬉しそうな顔を見たなと思った。

そして、王族は特別な力を持っていることがわかった。

それは……『魔法』というものだった。

庶民には使えない特別なもの。


そして、私アリフィアはみんなから嫌われていることもわかった。

私は立ち上がり、数時間ぶりの廊下の空気を吸うのだった。
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