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メリッサの警告
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とにかく、準備はすすめている。
シロノの友人のロージイとメリッサには、何かあったら知らせてくれるように頼んだし、アスナの近辺には、フランネが注意してくれている。
ある日、フランネが相当なショックを受けて帰ってきた。
「俺……並雑魚だった……」
アスナの手帳を見たらしい。
「兄貴は、ちょいムズなのに、どうして俺は並雑魚なんだ! リンネと一緒だなんて!」
もがきのたうつフランネ。
「お前が雑魚でない訳がないだろう!」
嬉しそうなマキノ。これでフランネがちょいムズや、難だとしたら、落ち込んでいたことだろう。
「うるせえ、チョロ雑魚のくせに! 俺の方が、ちょっとは上だ」
フランネが言い返す。
これがかの有名なドングリの丈くらべ。
寮室で暴れまわる二匹の雑魚。
ちょっと話し合いにならないから、静かにしてほしい。どうせこの部屋には、雑魚しかいないのだ。
「おい!」
部屋の入り口で誰かが声をかける。
「女子から、マキノへ手紙だ!」
渡してくれたのは、見知らぬ先輩。寮の入り口で、手紙を預かったのだそうだ。
クソッと悪態をつきながら、先輩は去っていった。
可愛いピンク色の封筒に、ラブレターか何かだと思ったのだろう。
「見ろ~! 俺の方が人気はあるんだ!」
喜ぶマキノ。悔しがるフランネ。
あ、いや。たぶん違う。
大半の者は、それは違うと察するだろう?
「なんだ。メリッサだ」
そりゃそうでしょ? どうしてそれ以外と思った?
開けば、書かれていたのは、『今年のプロムでアスナが何かを企んでいる』という内容だった。
『アスナの取り巻きが話しているのを聞きました。今年のプロムで、アスナはシロノ様に罪をなすりつけるための何かをするのだと、女子トイレで申しておりました。今年のプロムには、私が、従兄弟のジョーイと参加しますが、もし本当に何かあった場合、わたくし一人では、どうしようもありません。お力添えを願えませんでしょうか? メリッサ』
と書かれていた。
メリッサとしても、聞きかじった内容で、どうにも本当に企みがあるのか? 具体的に何をやるのか? 想像もつかずに、困っているようだった。
「フランネ、何か聞いていますか?」
リンネが聞けば。
「いいや? 何だろう?」
と、フランネが首をかしげる。女子だけで進められている計画ということだろうか?
「では、メリッサの勘違いということも考えられますが、気になりますね」
リンネの言葉に、皆、首を縦に振る。
気になる。
「でもな。俺達は、今年のプロムに参加できる訳もないし」
マキノがため息をつく。
「あ……参加出来るかもしれない」
俺は、とある人を思い出した。
シロノの友人のロージイとメリッサには、何かあったら知らせてくれるように頼んだし、アスナの近辺には、フランネが注意してくれている。
ある日、フランネが相当なショックを受けて帰ってきた。
「俺……並雑魚だった……」
アスナの手帳を見たらしい。
「兄貴は、ちょいムズなのに、どうして俺は並雑魚なんだ! リンネと一緒だなんて!」
もがきのたうつフランネ。
「お前が雑魚でない訳がないだろう!」
嬉しそうなマキノ。これでフランネがちょいムズや、難だとしたら、落ち込んでいたことだろう。
「うるせえ、チョロ雑魚のくせに! 俺の方が、ちょっとは上だ」
フランネが言い返す。
これがかの有名なドングリの丈くらべ。
寮室で暴れまわる二匹の雑魚。
ちょっと話し合いにならないから、静かにしてほしい。どうせこの部屋には、雑魚しかいないのだ。
「おい!」
部屋の入り口で誰かが声をかける。
「女子から、マキノへ手紙だ!」
渡してくれたのは、見知らぬ先輩。寮の入り口で、手紙を預かったのだそうだ。
クソッと悪態をつきながら、先輩は去っていった。
可愛いピンク色の封筒に、ラブレターか何かだと思ったのだろう。
「見ろ~! 俺の方が人気はあるんだ!」
喜ぶマキノ。悔しがるフランネ。
あ、いや。たぶん違う。
大半の者は、それは違うと察するだろう?
「なんだ。メリッサだ」
そりゃそうでしょ? どうしてそれ以外と思った?
開けば、書かれていたのは、『今年のプロムでアスナが何かを企んでいる』という内容だった。
『アスナの取り巻きが話しているのを聞きました。今年のプロムで、アスナはシロノ様に罪をなすりつけるための何かをするのだと、女子トイレで申しておりました。今年のプロムには、私が、従兄弟のジョーイと参加しますが、もし本当に何かあった場合、わたくし一人では、どうしようもありません。お力添えを願えませんでしょうか? メリッサ』
と書かれていた。
メリッサとしても、聞きかじった内容で、どうにも本当に企みがあるのか? 具体的に何をやるのか? 想像もつかずに、困っているようだった。
「フランネ、何か聞いていますか?」
リンネが聞けば。
「いいや? 何だろう?」
と、フランネが首をかしげる。女子だけで進められている計画ということだろうか?
「では、メリッサの勘違いということも考えられますが、気になりますね」
リンネの言葉に、皆、首を縦に振る。
気になる。
「でもな。俺達は、今年のプロムに参加できる訳もないし」
マキノがため息をつく。
「あ……参加出来るかもしれない」
俺は、とある人を思い出した。
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