猫にまつわる三択人生の末路

怪しい来訪者

質問４－C

　平和な日常という物は、あっという間に壊される。

　ガシャーン！！！

　大きな音と共に崩れる窓ガラス。
　わ、大家さんに叱られる。
　ていうか、これ警察に連絡して良い案件だよな！！！


「待って！！　話を聞いて！！　バステト！！　バステトを高村光太郎に渡すわけにはいかないの！！」

窓から侵入した美少女は、大いに焦っている。

「それは俺のセリフだ！！　樋口一葉！！」

ドアチェーンを引き千切って入ってくるイカツイ男。

　すげえな、お前ら。
　ここは二階だし、そんな窓から侵入ってどうやったんだ。
　ドアチェーンって、お前みたいな怖い奴から逃げるための物だろ？それを引き千切るなよ。
　まて、まずお前らの名前がオカシイ！！　なんだその文学的な名前は！！
　さては偽名か？　どういうことだよ。


「この女の見た目に騙されるな。」

「騙されて、お願い！！」

　ちょっと意味が分かりません？
　とりあえず、チェーン代と窓ガラス代は、それぞれ請求させてもらうからな。

　落ち着いて話をしてみることにした。


　◆高村光太郎の話まとめ
　高村光太郎は、探偵。依頼者の飼い主に頼まれて、黒猫を探していた。
　黒猫バステトを見つけて、それを飼い主に返すのが、仕事。
　飼い主の名前は、飼い主の希望により言えない。
　この樋口一葉は、バステトを手に入れて、依頼主から金を強請り取ろうとしている悪党。
　猫は、その樋口一葉に誘拐されて、逃げ出したところを、あなたに助けられたのだろう。

　◆樋口一葉の話のまとめ
　樋口一葉は、高校生。飼い主の娘の友達。黒猫バステトを友達に頼まれて探していた。
　この高村光太郎の言うことは、真っ赤な嘘。
　高村光太郎こそが、悪党。猫を攫った張本人で、バステトは賢く逃げ出したに違いない。
　この黒猫は、友達にとって幸運の女神。
　すぐに返してあげたい。
　


　〇質問５　さあ、どっちを信じようか？

　A、そんなの美少女一葉に決まっているでしょう！！　可愛いは正義！！　→質問５－Aへ
　B、窓をぶち破ってきた奴は信用ならないな。ここは高村光太郎でしょう！　→質問５－Bへ
　C、え、ヤバイ。どっちも変質者だろ？　信用ならん。ひとまず逃走だ！！　→質問５－Cへ