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鵺の訪問
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鵺は以前、興味本位でみくるを呼んだ。
しかし会ってみると本気で欲しくなった。
会いたいと思うようになっていた。
みくるが愛おしくて堪らなくて気持ちが抑えられなくなった。
「会いに行くとするか・・・」
鵺は着物を上に羽織、空間を切り裂いてみくるの家にやってきた。
そして八代の結界に触れ、あっという間にガラス細工を壊すみたいにパリンっと割りその割れ目から家に入った。
そもそも邪な思いは抱いていないので結界を壊す必要はなかったがわざと結界を壊した。
八代への嫌がらせだった。
異変に気が付いた八代は警戒態勢に入った。
「みくる!鵺の気配がする!!この部屋から絶対出るなよ!?」
「うん!」
そう言うと八代はみくるを置いて部屋から去って行った。
廊下を走って玄関まで来た八代は自ら玄関を開けた。
「やぁ、こんばんは」
「・・・何の用だ・・・」
八代は怒りを露わにしている。
それとは正反対に余裕の表情を浮かべて優雅に微笑んでいる鵺。
2人の相性は最悪だろう。
「私は、ただ愛おしいみくるに会いに来ただけだよ」
「・・・愛おしいだと?」
信じがたい言葉だった。
妖が人間に本気で恋をしている。
「みくるはもう俺のものだ」
「へぇ、もう契りでも交わしたのかな?」
その言葉に八代は頭に血が上った。
「そんな事しなくても想いは通じ合っている!」
「だが、彼女からあの霊力を取り除かなくてはいけないことくらいわかっているよね?」
そう、みくるに負担をかけず霊力を取り除く方法は抱く事しかない。
そんな事言われなくても分かっている。
でもなかなかみくるに手が出せない。
あの屈託なく笑う顔を見ていると抱きたくても抱けない。
「君が抱かないのなら私が抱こうかと思っている」
「霊力が目当てか?」
「私はもう妖たちとの争い事にも何の興味もない。ただみくるが欲しいだけだよ」
そう言い鵺はにっこりと笑ってみせた。
「上がらせてもらうよ」
「ちょっと待てよ!!勝手に上がるな!」
鵺は八代の制止を振り切ってみくるの居る部屋の戸を開けた。
「・・・鵺・・・」
あからさまにみくるが警戒すると鵺は言った。
「今日はみくるに会いに来ただけだ。少し話があってね」
「話って?」
「おい!そいつはまだ何も知らないんだ!話すな、鵺」
八代は鵺に掴みかかった。
しかし呆気なく八代は吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。
「みくるの霊力を取り除く方法があるんだ」
「え・・・、そんな事出来るの?」
「出来るよ。簡単な事だ、俺たちのどちらかに抱かれればいい」
一瞬呼吸を忘れてしまったみくるだった。
「もちろん、君たちが両想いなのは知っているよ」
「じゃあ、引き下がってくれませんか?」
みくるは控えめに言った。
しかし、鵺は諦めてくれそうにない。
「私にはまだ早い話だと思います・・・」
「もう16歳だろう?体の準備は出来ているんじゃないかな?」
そう言われかぁっと顔が熱くなるのを感じた。
「くっ・・・。」
壁に叩きつけられた八代が意識を取り戻した。
「精神的には幼いかもしれないが体は大人と変わらないだろう」
「・・・それ以上余計な事を言うな!」
「余計かどうか判断するのは君ではなくみくるだよ」
そう言いながらまた優雅に微笑みを浮かべた。
「私は・・・八代がいいです」
「こうなることは分かってたんだ」
「じゃあ何故わざわざ教えてくれたの?」
「みくるが欲しかったからだ」
「え・・・?」
みくるは戸惑た。
その姿は愛らしく鵺の瞳に映った。
鵺はみくるを抱きしめこう告げた。
「みくるの事は諦めるよその代り君に時々会いに来てもいいかな」
「はい」
みくるはこうして霊力を無くす方法を知った。
しかし会ってみると本気で欲しくなった。
会いたいと思うようになっていた。
みくるが愛おしくて堪らなくて気持ちが抑えられなくなった。
「会いに行くとするか・・・」
鵺は着物を上に羽織、空間を切り裂いてみくるの家にやってきた。
そして八代の結界に触れ、あっという間にガラス細工を壊すみたいにパリンっと割りその割れ目から家に入った。
そもそも邪な思いは抱いていないので結界を壊す必要はなかったがわざと結界を壊した。
八代への嫌がらせだった。
異変に気が付いた八代は警戒態勢に入った。
「みくる!鵺の気配がする!!この部屋から絶対出るなよ!?」
「うん!」
そう言うと八代はみくるを置いて部屋から去って行った。
廊下を走って玄関まで来た八代は自ら玄関を開けた。
「やぁ、こんばんは」
「・・・何の用だ・・・」
八代は怒りを露わにしている。
それとは正反対に余裕の表情を浮かべて優雅に微笑んでいる鵺。
2人の相性は最悪だろう。
「私は、ただ愛おしいみくるに会いに来ただけだよ」
「・・・愛おしいだと?」
信じがたい言葉だった。
妖が人間に本気で恋をしている。
「みくるはもう俺のものだ」
「へぇ、もう契りでも交わしたのかな?」
その言葉に八代は頭に血が上った。
「そんな事しなくても想いは通じ合っている!」
「だが、彼女からあの霊力を取り除かなくてはいけないことくらいわかっているよね?」
そう、みくるに負担をかけず霊力を取り除く方法は抱く事しかない。
そんな事言われなくても分かっている。
でもなかなかみくるに手が出せない。
あの屈託なく笑う顔を見ていると抱きたくても抱けない。
「君が抱かないのなら私が抱こうかと思っている」
「霊力が目当てか?」
「私はもう妖たちとの争い事にも何の興味もない。ただみくるが欲しいだけだよ」
そう言い鵺はにっこりと笑ってみせた。
「上がらせてもらうよ」
「ちょっと待てよ!!勝手に上がるな!」
鵺は八代の制止を振り切ってみくるの居る部屋の戸を開けた。
「・・・鵺・・・」
あからさまにみくるが警戒すると鵺は言った。
「今日はみくるに会いに来ただけだ。少し話があってね」
「話って?」
「おい!そいつはまだ何も知らないんだ!話すな、鵺」
八代は鵺に掴みかかった。
しかし呆気なく八代は吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。
「みくるの霊力を取り除く方法があるんだ」
「え・・・、そんな事出来るの?」
「出来るよ。簡単な事だ、俺たちのどちらかに抱かれればいい」
一瞬呼吸を忘れてしまったみくるだった。
「もちろん、君たちが両想いなのは知っているよ」
「じゃあ、引き下がってくれませんか?」
みくるは控えめに言った。
しかし、鵺は諦めてくれそうにない。
「私にはまだ早い話だと思います・・・」
「もう16歳だろう?体の準備は出来ているんじゃないかな?」
そう言われかぁっと顔が熱くなるのを感じた。
「くっ・・・。」
壁に叩きつけられた八代が意識を取り戻した。
「精神的には幼いかもしれないが体は大人と変わらないだろう」
「・・・それ以上余計な事を言うな!」
「余計かどうか判断するのは君ではなくみくるだよ」
そう言いながらまた優雅に微笑みを浮かべた。
「私は・・・八代がいいです」
「こうなることは分かってたんだ」
「じゃあ何故わざわざ教えてくれたの?」
「みくるが欲しかったからだ」
「え・・・?」
みくるは戸惑た。
その姿は愛らしく鵺の瞳に映った。
鵺はみくるを抱きしめこう告げた。
「みくるの事は諦めるよその代り君に時々会いに来てもいいかな」
「はい」
みくるはこうして霊力を無くす方法を知った。
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