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翌朝、ハインツが部屋にやってきた。
朝に来るなんて珍しい・・・。
「どうしたの?こんなに朝早くから」
ハインツは言いにくそうに言った。
「今日から日中私と行動を共にしてくださいませんか?」
(ハインツに同行しろって事?)
暫く奈々は考えた。
(昨日のような事がありまたベルが怪我をするより一緒にいた方がいいのかもしれない・・・)
「わかたわ。すぐに用意をするから部屋の外で待っていて」
奈々はまだ寝巻のままだった。
いつも特にやることがないのでゆっくり起きていた。
今日もそのつもりだったからまだ着替えていなかった。
(ハインツ・・・心配してくれてるのかな?)
奈々は一瞬ときめいた。
しかし、すぐそれを否定した。
とにかく早く着替えて、ハインツの元に行かなくては。
今日のドレスは何色にしよう。
今日は薄い水色のドレスにしよう。
ドレスを選びボタンを留めた。
そうして、近くにあった鞄に薬箱を一応入れた。
何があるかわからないから持っていこうと思ったのだ。
ベルはいまだに目を覚まさない。
ゆっくり休ませてあげた方がいいだろう。
(私のせいでひどい怪我をしたんだし・・・)
そう思いながらハインツの元へ行った。
「ハインツ。おまたせ」
「いいえ、大丈夫です。今日もドレスがよくお似合いですよ。奈々」
そう微笑まれ奈々はドキッとした。
好きになんてならないと決めた相手に一度ならず二度もときめいてしまった。
(美形なのが悪いのよ・・・)
誰だって美形の男に言い寄られればときめくものだろう。
(この感情に特別な意味はない)
そう言い聞かせなければ奈々は・・・ハインツを好きになってしまいそうになる。
紳士な態度。優雅な身のこなし。綺麗な顔。
ハインツに欠点が見つからない。
(少しでもそういう欠点があれば嫌いになる口実になるのに・・・)
奈々はそう思った。
ハインツを見つめていると目が合った。
「奈々?どうかしましたか?」
「何でもない」
奈々は即座に返事をした。
すっと手を差し出された。
「奈々少し怖い思いをさせるかもしれませんが行きましょうか」
奈々は手を取り言った。
「落下するのね・・・?」
ハインツは苦笑いして頷いた。
「きゃぁぁあぁあ!!」
昨日も落下を体験したがやはり怖い。
奈々はハインツに抱きついた。
その様子にハインツは驚いていた。
しかし、その事には触れなかった。
地にハインツの足がつき、ようやく落下から解放された。
「はぁ、怖かった」
「すみません。怖い思いをさせてしまって」
(でも昨日より怖くなかった・・・どうしてだろう・・・)
奈々は不思議に思った。
「奈々、私の仕事はこの世界の見回りです」
「見回り・・・?」
見回りの簡単な説明を受けた奈々は驚いた。
もうそれは魔法のいきなのではと思た。
作物の急成長、雨を降らせる、諍いを止めるなど他にもいろいろあるらしい。
(世界を守るのも楽じゃないのね・・・)
「そう、ハインツ。頑張ってね」
そういって奈々は微笑んだ。
ハインツは顔を赤らめた。
目があいぱっと顔を背けられた。
奈々はハインツの顔をもう一度見ようと彼の向いたほうに行ってみた。
やはり顔が真っ赤になっている。
「ハインツが照れてるの初めて見た」
そう言って笑うとハインツは奈々にキスをした。
「こうしていれば顔が赤いのを見ることが出来ないでしょう?」
奈々の唇にハインツの唇が重なる。ゆっくりと口を開かされ口腔内にハインツのざらついた舌が入ってくる。強弱をつけ吸われる。二人の唾液が混ざり合いくちゅくちゅと音を立てながらキスが続く。
「んんっ、はぁ、ハ・・・イン・・・ツ」
「奈々」
ハインツは奈々の名を切なげな声で呼んだ。
奈々は下腹部に熱が溜まっていくのを感じた。
(や、なにこれ・・・)
自分の体の変化に戸惑い、ハインツの分厚い胸板に手を置き押しのけた。
「怒りましたか?奈々?」
「・・・」
奈々は黙ったままだった。
奈々は自分の感情に戸惑っていた。
昨日エミューにキスされたとき激しい嫌悪感があった。
けれど、ハインツにキスされたときには嫌悪感はなかった。
より何かを求める自分がいた。
「奈々?」
琥珀色の瞳が奈々を見据えている。
「・・・怒ってない」
そう短く言うとハインツは安心したような表情を浮かべた。
そんなハインツの顔を見ると落ち着かなくなる。
(あんなに嫌がっていた行為なのにどうして・・・)
ハインツは奈々を横抱きにすると空を飛んだ。
高い場所から世界に異変がないか見ているらしい。
この世界はハインツによって守られていることを実感した。
「今日は異変はなさそうですね」
「いつも異変があるわけじゃないの?」
「いつもではありません」
二人が会話をしているとしたからハインツを呼ぶ声がした。
ハインツは下へ降りていった。
「どうかしたんですか?」
「いや、お前さんが女を抱いているのが見えたから、挨拶しようと思って」
どうやらこの世界の住人の一人らしい。
「ああ、そういう事ですか。この方は奈々さんです」
「は、初めまして。奈々です」
「俺は木こりのノースというものだ。宜しく」
ノースは熊耳で大柄の男だった。
そう言ってノースは奈々に手を差し出した。
その手は傷だらけだった。
「少し待ってください」
奈々はその手を取って、持ってきた薬箱から水と薬と包帯を取り出し手当をした。
ハインツとノースはその様子に驚いていた。
ノースは小声でハインツに言った。
「なかなかいい女を連れてきたじゃねぇか」
「・・・」
ハインツは黙ったままだった。
こうして今日の見回りは終わった。
ハインツは城についても少し不機嫌そうだった。
奈々はその理由がわからなかった。
朝に来るなんて珍しい・・・。
「どうしたの?こんなに朝早くから」
ハインツは言いにくそうに言った。
「今日から日中私と行動を共にしてくださいませんか?」
(ハインツに同行しろって事?)
暫く奈々は考えた。
(昨日のような事がありまたベルが怪我をするより一緒にいた方がいいのかもしれない・・・)
「わかたわ。すぐに用意をするから部屋の外で待っていて」
奈々はまだ寝巻のままだった。
いつも特にやることがないのでゆっくり起きていた。
今日もそのつもりだったからまだ着替えていなかった。
(ハインツ・・・心配してくれてるのかな?)
奈々は一瞬ときめいた。
しかし、すぐそれを否定した。
とにかく早く着替えて、ハインツの元に行かなくては。
今日のドレスは何色にしよう。
今日は薄い水色のドレスにしよう。
ドレスを選びボタンを留めた。
そうして、近くにあった鞄に薬箱を一応入れた。
何があるかわからないから持っていこうと思ったのだ。
ベルはいまだに目を覚まさない。
ゆっくり休ませてあげた方がいいだろう。
(私のせいでひどい怪我をしたんだし・・・)
そう思いながらハインツの元へ行った。
「ハインツ。おまたせ」
「いいえ、大丈夫です。今日もドレスがよくお似合いですよ。奈々」
そう微笑まれ奈々はドキッとした。
好きになんてならないと決めた相手に一度ならず二度もときめいてしまった。
(美形なのが悪いのよ・・・)
誰だって美形の男に言い寄られればときめくものだろう。
(この感情に特別な意味はない)
そう言い聞かせなければ奈々は・・・ハインツを好きになってしまいそうになる。
紳士な態度。優雅な身のこなし。綺麗な顔。
ハインツに欠点が見つからない。
(少しでもそういう欠点があれば嫌いになる口実になるのに・・・)
奈々はそう思った。
ハインツを見つめていると目が合った。
「奈々?どうかしましたか?」
「何でもない」
奈々は即座に返事をした。
すっと手を差し出された。
「奈々少し怖い思いをさせるかもしれませんが行きましょうか」
奈々は手を取り言った。
「落下するのね・・・?」
ハインツは苦笑いして頷いた。
「きゃぁぁあぁあ!!」
昨日も落下を体験したがやはり怖い。
奈々はハインツに抱きついた。
その様子にハインツは驚いていた。
しかし、その事には触れなかった。
地にハインツの足がつき、ようやく落下から解放された。
「はぁ、怖かった」
「すみません。怖い思いをさせてしまって」
(でも昨日より怖くなかった・・・どうしてだろう・・・)
奈々は不思議に思った。
「奈々、私の仕事はこの世界の見回りです」
「見回り・・・?」
見回りの簡単な説明を受けた奈々は驚いた。
もうそれは魔法のいきなのではと思た。
作物の急成長、雨を降らせる、諍いを止めるなど他にもいろいろあるらしい。
(世界を守るのも楽じゃないのね・・・)
「そう、ハインツ。頑張ってね」
そういって奈々は微笑んだ。
ハインツは顔を赤らめた。
目があいぱっと顔を背けられた。
奈々はハインツの顔をもう一度見ようと彼の向いたほうに行ってみた。
やはり顔が真っ赤になっている。
「ハインツが照れてるの初めて見た」
そう言って笑うとハインツは奈々にキスをした。
「こうしていれば顔が赤いのを見ることが出来ないでしょう?」
奈々の唇にハインツの唇が重なる。ゆっくりと口を開かされ口腔内にハインツのざらついた舌が入ってくる。強弱をつけ吸われる。二人の唾液が混ざり合いくちゅくちゅと音を立てながらキスが続く。
「んんっ、はぁ、ハ・・・イン・・・ツ」
「奈々」
ハインツは奈々の名を切なげな声で呼んだ。
奈々は下腹部に熱が溜まっていくのを感じた。
(や、なにこれ・・・)
自分の体の変化に戸惑い、ハインツの分厚い胸板に手を置き押しのけた。
「怒りましたか?奈々?」
「・・・」
奈々は黙ったままだった。
奈々は自分の感情に戸惑っていた。
昨日エミューにキスされたとき激しい嫌悪感があった。
けれど、ハインツにキスされたときには嫌悪感はなかった。
より何かを求める自分がいた。
「奈々?」
琥珀色の瞳が奈々を見据えている。
「・・・怒ってない」
そう短く言うとハインツは安心したような表情を浮かべた。
そんなハインツの顔を見ると落ち着かなくなる。
(あんなに嫌がっていた行為なのにどうして・・・)
ハインツは奈々を横抱きにすると空を飛んだ。
高い場所から世界に異変がないか見ているらしい。
この世界はハインツによって守られていることを実感した。
「今日は異変はなさそうですね」
「いつも異変があるわけじゃないの?」
「いつもではありません」
二人が会話をしているとしたからハインツを呼ぶ声がした。
ハインツは下へ降りていった。
「どうかしたんですか?」
「いや、お前さんが女を抱いているのが見えたから、挨拶しようと思って」
どうやらこの世界の住人の一人らしい。
「ああ、そういう事ですか。この方は奈々さんです」
「は、初めまして。奈々です」
「俺は木こりのノースというものだ。宜しく」
ノースは熊耳で大柄の男だった。
そう言ってノースは奈々に手を差し出した。
その手は傷だらけだった。
「少し待ってください」
奈々はその手を取って、持ってきた薬箱から水と薬と包帯を取り出し手当をした。
ハインツとノースはその様子に驚いていた。
ノースは小声でハインツに言った。
「なかなかいい女を連れてきたじゃねぇか」
「・・・」
ハインツは黙ったままだった。
こうして今日の見回りは終わった。
ハインツは城についても少し不機嫌そうだった。
奈々はその理由がわからなかった。
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