学生時代の恋

えりー

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恋か憧れか

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高校時代の時私には好きな人がいました。その人はとても優しく強い人でした。
色々助けてもらいました。
登校拒否をおこして家に閉じこもった時も毎日やってきてくれました。
どうしてこんなに惹かれるのだろうといつも不思議に思っていました。
恋なのか憧れなのか正直わたしには区別がつきませんでした。
ただ会えない日は寂しくて一日がとても長く感じました。
会える日はあっという間に時間が過ぎていき心が満たされていました。
抱きしめられると暖かくて心地よいものでした。
その人に抱きしめられた日は天にも昇るような気持ちになりました。
抱きしめられると白檀の香りと紙石鹸の香りがしました。
でもいつも世話を焼いてくれていたから単なる刷り込みの感情だったのかもしれません。それでもその人を独占したいと願っていました。
私のことだけを見て知ってそばにいてほしいと思ってしまいました。だでもそれを悟ったのか距離を置かれるようになりました。
私はどうしていいかわからなくなりました。
ただただ好きで気を引いて抱きしめてもらいたい、触れてもらいたいだけなのに・・・。
その人から受けた距離を置くという拒絶は少しずつ私の心を壊していきました。
ある日何の考えもなくカッターナイフで自分の手を切ってしまった時のことです。
あまりの心地よさに驚きました。
一瞬でもその人のことを忘れることができたのです。
いけないことと分かっていても軽いリストカットが習慣になったころ、その人とまた少しだけ仲良くなっていました。
その人は手にまかれた包帯を見つけ、どうしたかと聞いてきました素直に言えるわけもなく黙っているとその人は私を机の上に押さえつけ包帯をはずしました。すると一瞬驚いた顔をして醜いものでも見る顔になりました。
そしてこう言いました。
「こんなことを続けるなら、もうしっしょにいたくない」
そういわれ自分はなんてバカなことをしていたのかと反省しました。
それでもそのつらさを紛らわすように見えないところを切り付けつようになりました。
親にも知られ、すごく悲しまれてしまいました。
間違えたことをしているのにそれを心地よいと感じてしまう自分が情けなかったです

でも止める方法がわかりませんでした。ほかにいやなことを忘れるすべを知らなかったのです。
そして体育の時間着替えているときにその人に傷が増えているの知られてしまいました。
その人は悲しそうな顔をして私の元から去っていきました。
何とかめなくちゃと努力するようにしようと思いました。
リストカットをやめるため精神科にかかり、色々な治療を受け完治するまでに5か月くらいかかりました。
リストカットをしなくなるとまたその人と仲よくできるようになりました。

自傷行為は一度癖になると抜けにくく、簡単にやめられないということを学びました。
そして大切な人を傷つけてしまう行為なのだとも知りました。
もう二度としないと心に決めたことをその人に伝えると今まで見たことのない顔で笑ってくれました。とてもきれいな笑顔でした。
彼女は私の恩人です。
出会って15年以上が経過し思い出となってしまいましたがいまでも彼女が忘れられません。
今でも連絡はたまに取りますがお互い忙しく会うことはありません。

ーこの気持ちが恋だったのか、憧れだったのかー
そしてもし私が男なら告白してよかったのだろうかと今更どうしようもないことを考えてしまいます。

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