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暗殺者引退
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ラインは翌日、警察署長の元へ行った。
「どうした、暫く仕事はないぞ」
ラインははっきりした声で言った。
「暗殺業引退しようと思う」
署長は不思議そうな顔をして理由を尋ねた。
「何故?」
「恨みを買うような仕事をしているとミーナにいつか危害が及ぶかもしれないからな」
「お前・・・その娘が絡むと随分人間らしくなるな・・・」
「どうとでも。今日はその報告に来たんだ」
そう言うとラインは部屋から出て行こうとした。
「ライン、幸せにな」
署長がそういうとラインは後ろを向いたまま片手をあげ振ってみせた。
「ミーナか・・・凄い娘だな。あの悪魔を更生できるのか」
署長とラインが出会ったのはちょうど5年前だった。15歳だった彼を5年間育ててみたが悪魔のような歪みきった心を治すことなどできなかった。
そもそも感情というものを持ち合わせていないようにも感じた。
そんな彼が一人の女の為に暗殺業をやめてまっとうな仕事に就く気らしい。
(・・・やっていけるんだろうか?)
正直署長はそう思ったがあえて口には出さなかった。
「ただいま、ミーナ」
嬉しそうにラインが帰ってきた。
「・・・おかえり。どこへ行っていたの?」
ミーナがそう問うと意外な答えが返ってきた。
「暗殺業辞めてきた」
「え?」
「昔のような俺になればまた好きになってくれるんだろう?」
(誰もそこまで言っていないが・・・)
「・・・そうね。人殺しは好きじゃないわ」
ラインはそれを聞くとじゃれつくようにミーナに抱きついた。
「わ!」
ミーナは椅子から転げ落ちそうになった。
すかさずラインが助け起こした。
二人とも目が合い、見つめあい自然とキスをした。
ラインが嬉しそうに笑っている。
(懐かしい)
気がつくとミーナはラインと一緒に微笑みあっていた。
「頭の中ではまだ混乱しているけど今のラインは好き・・・みたい」
そういうとラインは顔を赤くした。
こんなラインの姿を見ることができるのは自分だけなのだとミーナは知っている。
ラインはきっとミーナの為に暗殺業をやめてきたのだ。
ミーナにはそれがしっかり伝わっていた。
「ねぇ、もう逃げないからこの鎖外してくれない?」
「うーん・・・もう少しこのままでいたいんだけど」
うなりながらラインが言った。
「どうして!?好きだと言ったじゃない」
「まだ、安心できないから。それに独占していたいから」
満足そうに堂々と独占宣言をされてしまった。
ラインの歪んだ愛情はまだまだミーナを困らせそうだ。
「どうした、暫く仕事はないぞ」
ラインははっきりした声で言った。
「暗殺業引退しようと思う」
署長は不思議そうな顔をして理由を尋ねた。
「何故?」
「恨みを買うような仕事をしているとミーナにいつか危害が及ぶかもしれないからな」
「お前・・・その娘が絡むと随分人間らしくなるな・・・」
「どうとでも。今日はその報告に来たんだ」
そう言うとラインは部屋から出て行こうとした。
「ライン、幸せにな」
署長がそういうとラインは後ろを向いたまま片手をあげ振ってみせた。
「ミーナか・・・凄い娘だな。あの悪魔を更生できるのか」
署長とラインが出会ったのはちょうど5年前だった。15歳だった彼を5年間育ててみたが悪魔のような歪みきった心を治すことなどできなかった。
そもそも感情というものを持ち合わせていないようにも感じた。
そんな彼が一人の女の為に暗殺業をやめてまっとうな仕事に就く気らしい。
(・・・やっていけるんだろうか?)
正直署長はそう思ったがあえて口には出さなかった。
「ただいま、ミーナ」
嬉しそうにラインが帰ってきた。
「・・・おかえり。どこへ行っていたの?」
ミーナがそう問うと意外な答えが返ってきた。
「暗殺業辞めてきた」
「え?」
「昔のような俺になればまた好きになってくれるんだろう?」
(誰もそこまで言っていないが・・・)
「・・・そうね。人殺しは好きじゃないわ」
ラインはそれを聞くとじゃれつくようにミーナに抱きついた。
「わ!」
ミーナは椅子から転げ落ちそうになった。
すかさずラインが助け起こした。
二人とも目が合い、見つめあい自然とキスをした。
ラインが嬉しそうに笑っている。
(懐かしい)
気がつくとミーナはラインと一緒に微笑みあっていた。
「頭の中ではまだ混乱しているけど今のラインは好き・・・みたい」
そういうとラインは顔を赤くした。
こんなラインの姿を見ることができるのは自分だけなのだとミーナは知っている。
ラインはきっとミーナの為に暗殺業をやめてきたのだ。
ミーナにはそれがしっかり伝わっていた。
「ねぇ、もう逃げないからこの鎖外してくれない?」
「うーん・・・もう少しこのままでいたいんだけど」
うなりながらラインが言った。
「どうして!?好きだと言ったじゃない」
「まだ、安心できないから。それに独占していたいから」
満足そうに堂々と独占宣言をされてしまった。
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