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20章

アールスローン戦記Ⅱ 来訪者2

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【 ART 出入り口 】

出入り口が開くとグレイゼスとハイケルが入って来て グレイゼスが言う
「そう言えば お前とは 長い付き合いだが 国防軍でもARTでも こうして一緒に出隊するって言うのは 初めてだな?ハイケル?」
ハイケルが言う
「国防軍でもARTでも お前は非戦闘員のサポート所属 そして 俺は戦闘員の中でも最前線を行く機動隊員の所属だ 双方の所属に置かれる 始業時間が異なる以上 出隊時間も異なる事は当然だ」
グレイゼスがIDを取り出して言う
「それはそうかもしれないが …なら尚更?何で今日は その非戦闘員のサポート所属の早い始業時間の俺と その俺から1時間遅い始業時間のお前が 一緒に来てるんだ?って 俺はそいつを聞いているんだよ?分からないかなぁ?ハイケル君?」
ハイケルがIDを手に持って言う
「そうならそうと言え と、言った所で お前には分からないと言う事は お前とは 長い付き合いだ 従って 俺は分かっている」
グレイゼスが不満気に言う
「…相変わらず 可愛くないのっ ハイケル君!」
ハイケルが言う
「可愛くないのは結構だが それはそうと お前は早くそちらのIDを通せ お前の出隊予定時間に間に合わなくなるぞ グレイゼス」
グレイゼスが一瞬呆気に取られてから苦笑して言う
「…そう言う 仲間想いな所は 可愛いんだけどな?…と?おや?」
ハイケルが言う
「そちらは 否定はしたくは無いのだが 可愛いと言われる事は 否定をしたい …それで?どうかしたのか?グレイゼス?」
グレイゼスが苦笑してからメンバーボードを示して言う
「ああ、昨日は それこそ強制退去の時間まで残っていた 元国防軍所属の隊員の皆と違って …正直 割と薄情だと思ってしまっていたんだが どうやら それは俺の間違えだったみたいだ 見ろよ ハイケル?元国防軍のお前が見て分かるか知れないが 今 このARTのトップから直々に ARTを任されている俺が出隊する それ以前の この出隊メンバーをさ?」
ハイケルがメンバーボードの点灯している名前を見てから言う
「…俺はこのARTのメンバーを全て把握している訳では無いのだが 俺の知る範囲に置いて 現在このメンバーボードから出隊を確認出来るメンバーに 元国防軍所属の隊員の名前は存在しない …と言う事は?」
グレイゼスが言う
「それが分かるなら十分だろ?今点灯しているメンバーは 元政府警察GPT及び 彼らのサポート隊員たちの名前だ 彼らは皆 昨日は終業時間に訓練やその他業務を終えて 直ぐに退館して行ったんだ それを俺は 彼らの上官に当たる ラミリツ隊長が居ない事を理由に さっさと業務を切り上げたのだと思い込んでいたのだが 違ったよ 彼らは俺ら元国防軍の連中が遅くまで残る事を見越して 逆に早い時間は自分たちが備えようと 勤務時間を調整して居たんだ」
ハイケルが言う
「時間を調整して?それは 何故だ?わざわざその様な作戦を決行せずとも 何らかの問題が発生すれば 当直の隊員が 緊急招集を…」
ハイケルが気付く グレイゼスが言う
「ああ、このARTは国防軍と政府の両方の力を得てはいるが ARTと言う組織は この本部が1つだけだ そうとなれば 緊急招集を掛けたとしても 国防軍や政府警察の各駐屯地とは違って 各地から集まる仲間の集合には相応の時間を有してしまう だから彼らは 指示を受けなくとも 最低限自分たちで 補えられる方法を実行したんだろう …大したものだよ 本当に」
ハイケルが言う
「そうか ではそちらは ラミリツ隊長へ対する 元政府警察の隊員たちの 想い …か?」
グレイゼスが呆気に取られてから微笑して言う
「お?言うじゃないか?ハイケル?」
ハイケルがグレイゼスを見て言う
「俺は お前の使用した言葉を 編集再生しただけだが?」
グレイゼスが言う
「そうだとしても いつの間にか 編集能力も上がってる 上出来だぞ?ハイケル君!」
ハイケルが言う
「…そうか なら良いのだが しかし やはり問題が発生した」
グレイゼスが言う
「うん?何かあったのか?」
ハイケルが言う
「俺がそちらの 編集再生を行っている間に」
グレイゼスが言う
「その間に?」
ハイケルが言う
「非戦闘員のサポート所属の早い始業時間の お前の始業時間が 経過してしまったが そちらは問題ではないのか?グレイゼス?」
グレイゼスが衝撃を受け IDスキャン装置の時間を見て悲鳴を上げて言う
「あぁあーっ!す、過ぎたぁっ!?」
グレイゼスがIDをスキャンすると IDスキャン装置から音声が発せられる
『ART司令塔主任マスターグレイゼス中佐 設定出隊時間への無断遅刻を確認しました 警告1を発令します』
グレイゼスが頭を抱えて言う
「無遅刻無欠席が当然とされる司令塔の俺が…っ しかも ARTトップから ARTを任されている この状態のこの時に…っ!?」
ハイケルが言う
「…やはり 問題だったのか…?」
ハイケルがIDを通すと メンバーボードのハイケルの名前が点灯する

【 ART 司令塔 】

モニターにメンバーボードが表示されていて 出隊メンバーの名前が点灯する グレイゼスが微笑して言う
「これで 本日の出隊予定メンバーは 全員出隊 遅刻者も… 俺を除けば 0名…」
グレイゼスが苦笑して言う
「いくら出隊時間は自己申告制とは言え 普段は何人かは居るのに 今日は…」
オペ子Aとオペ子Bが話していて言う
「今日は中佐が遅刻だなんて 珍しいね?」 「うんうん… って言っても たったの1分18秒の遅刻だけどね?そもそも 規定出隊時間からは1時間前なんだし?」
オペ子Aがコンソールを操作して言う
「ART隊員 本日の出隊予定者の出隊を 全て確認しました!異常ありません!」
グレイゼスが苦笑して言う
「ああ、ご苦労さん」
モニターのメンバーボードの表示が消される

【 神の国 】

ラミリツが驚いて言う
「えぇえっ!?逃がしちゃったのぉおっ!?」
村長が困りながら言う
「は、はい…」
アースがラミリツをたしなめて言う
「大きな声を出すな」
ラミリツがアースへ向いて言う
「だ、だってっ!?脅迫強盗未遂の犯人をっ!?何の対処もしないで逃がしちゃうだなんてっ!?また 同じ事をされたら どうす…っ!?」
アースがラミリツの頭を押さえ付けて言う
「黙って居ろ」
ラミリツが嫌がって言う
「あぁっ 駄目っ 抑えないで…っ」
ラミリツがアースの手から逃れる 村長が言う
「また同じ事がされた時には 再び アーク様の御慈悲を頂けます様 村民一同 これからも上様や上上様をお慕いし 農作業や牧畜に励ませて頂きますので…」
ラミリツが呆気に取られて言う
「何言って…っ!?大体 今回だって…っ! ンンッ!」
アースがラミリツの頭を抑え付けて 微笑して言う
「そちらであるならば この村は 貴方方がお慕いするアーク様に お守りを頂けるだろう これからも 変わらずに」
村長が微笑して言う
「はい」
アースが言う
「我々がこちらを訪れたのもきっと 貴方方のアーク様のお導きだ そして 我々は 貴方方の ご好意の下 一夜の休息を頂けた 感謝する」
ラミリツが呆気に取られアースを見ると 村長がアースへ向き祈りの手を合わせて言う
「こちらこそ 貴方様方と その貴方様方をお導き頂きましたアーク様へ 村民一同を代表して 改めて御礼を申し上げます どうか 貴方様方の行く先々にも アーク様のお導きがありますように」
アースが言う
「有難う 貴方方と この村に アーク様の祝福が続く事を願っている」
村長が微笑して軽く頭を下げる アースが村長へ背を向けると ラミリツの首根っこを掴んで小声で言う
「さぁ 行くぞっ」
アースがラミリツを連れて立ち去る ラミリツが衝撃を受けて嫌がって言う
「あぁっ だから そこ掴まないでったらっ …ちょっと 嫌っ!メイヴィンっ!?」
アースが衝撃を受けつつ立ち去る 村長が微笑して見送ると立ち去る

アースがラミリツを引きながら横目に村長の様子を伺っている ラミリツがアースを見て言う
「もうっ  離してったらっ!?」
アースが手を離す ラミリツが疑問して言う
「え?あれ…?」
アースが言う
「どうやら上手く撒いた様だ」
ラミリツが言う
「上手くって?」
隊員Cが言う
「ハブロス司令官って 演技派ッスよね?」
アースが言う
「高位富裕層の連中を相手にするのなら この程度の演技は当然だ」
隊員Cが苦笑して言う
「そのハブロス司令官も 高位富裕層だってんだから つまり 高位富裕層の世界って…」
ラミリツが言う
「そんな事より 村を出ちゃって良かったの?てっきり… 村の先へ向かうのかと思ってたんだけど?」
アースが言う
「我々の最終目的地は お前の言う通りで間違いは無いのだが あのワンス村の村民はアークや上様、上上様と言った 彼らの村の先に存在する者らの事を敬っている そうとなれば その彼らにとっては得体の知れない我々が 彼らの村を抜けて向う訳には行かない」
ラミリツが気付いて言う
「あ… それじゃ さっきのは それで僕らも アークを敬っている様に 見せ掛けていたって事?」
アースが言う
「そう言う事だ 得体の知れない我々であっても その我々も また 彼らと同じ神を敬っているとなれば 少なからず 警戒は解かれるだろう?その上で 村を出て行ったとなれば あの者が言っていた通り 我々はアークから 彼らへ与えられた 守りの兵士とでも 思われるかもしれない」
ラミリツが言う
「それは… うん… そうかもしれないけど?じゃぁ それで どうするの?村への対処は良いとしても 僕らの その 最終目的地へは?村を出ちゃったら そっちへは行けないじゃない?」
アースが言う
「そちらは大した問題では無い 確かに 時間は無駄になるが こちらのワンス村で 事無きを得られさえすれば」

サウス村

アースが言う
「神に守られている村を抜ける事が叶わなければ 神に捨てられた村から向えば良いだけだ」
アースたちの近くを村人たちが素通りする 隊員Cが衝撃を受け怯える ラミリツが村人を横目に言う
「そっか この村なら 僕らの事を アークや 上様とか上上様って人に 告げ口されてしまうって事も 無いって事ね?」
アースが歩みを進める ラミリツと隊員Cが追う 村人たちがアースたちを回避して素通りする中 アースが言う
「ともすれば 第3ブロックへ向う者を 報告する程度の機能が添加されているかとも 考えてはいたが… アークもベガも所詮は神の名を語るだけの存在 魂を失った彼らの身へ それほど高度な判断を 行わせるには至らなかったか …もしくは この先に それを必要としないだけの備えがあるのか」
アークが第3ブロックへ至る門の近くで身を潜める ラミリツが続くと隊員Cが慌てて身を隠す ラミリツが高い門を見上げ周囲を見てからアースへ言う
「なら ここまでは良いとして あの門の先へは …どうやって行くの?」
アースが言う
「方法は考えてある ここまで来てしまえば 後は タイミングを見計るまでだ」
アースが左目に意識を集中させる ラミリツが強い意思を向ける 隊員Cが不安そうに周囲を見渡している

【 ART 司令塔 】

オペ子Aが言う
「定時連絡 ART各部隊 本日出隊部隊 ART1第一訓練所にて通常通り異常なし ART2第二訓練所にて通常通り異常なし」
グレイゼスが連絡を聴きながら思う
(本日のART業務は どちらさんも問題なし… 技術開発部門も 昨日で必要マシーナリーを揃え 今度はスペアのマシーナリーを用意しようとは言っても 今までとは違って…)
グレイゼスがコンソールを操作すると 作業場で作業員たちが楽しそうに雑談を交えて作業をしている様子が見える グレイゼスが微笑して思う
(作業を楽しむ余裕も出て来た)
オペ子Bが言う
「定時連絡 ART各サポート部門 技術開発部門、作業予定通り異常なし 施設管理部門、通常通り異常なし」
グレイゼスがコンソールを操作すると 第一訓練所の様子が表示される ART1マシーナリーたちが訓練をしている ハイケルが隊員たちの様子を見ている グレイゼスが思う
(ART1は サキシュ隊員こと マスターラキンゼス隊員が欠けているとは言え)
モニターの中で隊員Bがハイケルの下へやって来て喜んで報告をしている ハイケルが頷いている グレイゼスが微笑して思う
(どうやら こちらも問題なし 大丈夫の様だ …そして ART1が大丈夫となれば)
グレイゼスがコンソールを操作するとモニターに第二訓練所の様子が表示される モニターの中でART2マシーナリーたちが訓練を行っている グレイゼスが間を置いてから苦笑して言う
「うーん…?」
グレイゼスが思う
(ART2の方も… こちらは 隊長が不在とは言え 傍目には 特に問題はない様に見えるが …国防軍出身のART1とは違って 政府警察のART2の皆さんの様子は 俺には分かり辛いからな?…まぁ 大丈夫だとは思うんだけど)
グレイゼスが苦笑して言う
「一応 後で 直接話を聞いて 確認して置くか?」
グレイゼスが思う
(実は ちょっと苦手なんだけどな…?ラミリツ隊長は兎も角 彼らは…)
グレイゼスが顔を左右に振って思う
(あぁっ いやいやっ …そう言うのはいけないよな?このARTに居る隊員は 皆仲間なんだし?今は特に …ハブロス司令官が居ないとなれば 必要時には その彼らへ俺が指示を出して 一緒に戦わなければならないんだ)
グレイゼスが頷いて言う
「うん なら やっぱり…」
グレイゼスがモニターを見ながら思う
(後で 様子を確認するついでに これを切欠に 少し雑談でも…?)
オペ子Aの声が聞こえる
「…さっ …ゅうさっ ちゅう…っ!?」
ラキンゼスの声が聞こえる
「マスターグレイゼスっ!」
グレイゼスがハッとして顔を上げると 周囲で警報が鳴り響いている グレイゼスが驚いて呆気に取られると 思わず言う
「な、何だっ!?どうしたっ!?」
オペ子Aが言う
「中佐っ!緊急事態発生ですっ!」
グレイゼスが慌てて コンソールを操作しながら言う
「じ、事態はっ!?」
オペ子Bが言う
「ART本部前に 戦力ランクSランク 及び 気性ランクSランクの 襲撃者を確認!対象は…っ」
ART本部に轟音が轟く オペ子たちが思わず悲鳴を上げる
「「キャァッ!」」
グレイゼスがハッとして慌てて言う
「ART本部防御シールド展開っ!いやっ 戦力ランクSランクなら…っ」
ラキンゼスがコンソールを操作しながら言う
「もうやってるよっ!ART本部 防衛シールド 対アウター仕様シールドへ変更完了っ!どうだこれならっ!?」

【 ART 出入り口前 】

攻撃がシールドに弾かれる 攻撃者が舌打ちをして言う
「チッ… それなら…っ」

【 ART 司令塔 】

オペ子Aが言う
「ART本部 対アウター仕様シールドへの衝撃を確認!」
オペ子Bが言う
「シールド損傷率 0.1%!」
グレイゼスが言う
「防衛は十分だな!襲撃者情報を再提示!」
オペ子Aが言う
「了解っ!戦力ランクは SランクよりAランクへ修正 気性ランクは変化無しSランク!襲撃者情報ヒット!対象は!」

【 ART 出入り口前 】

巨大剣が肩に担がれ 攻撃者が叫ぶ
「おらぁー 出て来いー!」

オペ子Aが言う
『ログウェルン ファーストクラスター ウィルシュ と断定!』

ウィルシュが叫ぶ
「クソムカ付く 司令官ーっ!!」
ペリーテが喜んで奇声を発する
「ピュッポポッポロー!」

オペ子Aが言う
『それから 付随する 謎の生命体 ペリーテ と断定!』

ペリーテが衝撃を受け 怒って言う
「ピュポッ!?ピュポロポロポポーッ!」
ウィルシュが疑問して言う
「うん?どうした?ペリーテ?」

グレイゼスが叫ぶ
『なぁあーっ!?』

【 ART 司令塔 】

メインモニターに映っているウィルシュが言う
『ここに居るんだろっ!?分かってんだぞーっ!出て来ねぇってんならーっ!』
ペリーテが喜んで言う
『ピュッポロッポポー!』
オペ子Aが言う
「ART本部 対アウター仕様シールドへの衝撃を確認!」
オペ子Bが言う
「シールド損傷率 0.15%!」
ラキンゼスが衝撃を受けて言う
「ちょっと増えたっ!?」
グレイゼスが頭を抱えて困って言う
「あぁ~ 確かに こちらですけど?ここですけど?確かに お探しの そちらさんの居場所は ここで間違いないんだが…っ!?」
グレイゼスが思う
(ど、どうするっ!?居ないと言って 追い帰すか!?いやっ 言った所で 追い帰って もらえるものか!?…とは言え)
メインモニターに映っているウィルシュが言う
『どうしたーっ!この帝国の司令官ー!この前の落とし前 きっちり付けてやるっつってんだーっ!出て来いーっ!』
ペリーテが喜んで言う
『ピュッポロッポポー!』
メインモニターに映っているウィルシュが巨大剣を構える オペ子Aが言う
「襲撃者ウィルシュに 再び エネルギー上昇反応!ART本部へ向けての襲撃 …来ますっ!」
外部音声スピーカーから轟音が聞こえる オペ子Aが言う
「ART本部 対アウター仕様シールドへの衝撃を確認!」
オペ子Bが言う
「シールド損傷率 0.19%!」
ラキンゼスが衝撃を受けて言う
「また増えてるっ!?」
オペ子Aがグレイゼスへ振り返って言う
「中佐っ!このままではっ!」
グレイゼスが言う
「ああっ 分かってるっ しかし…!? …っ …なら 仕方が無いっ!」
サブモニターにハイケルが映って言う
『こちらART1 戦闘準備は完了している 出動命令はまだか?』
サブモニターにシュナイゼルが映って言う
『こちらART2 戦闘準備は完了しております いつでも』
グレイゼスが言う
「…っ よし!ではっ!ART…っ!」

【 ART 出入り口前 】

周囲の出動装置が上昇する ウィルシュが巨大剣に力を込めていた状態から反応して言う
「…お?出てきやがったな!?待たせやがって!」
ペリーテが言う
「ピュポロッポピッ?」
ウィルシュが疑問して言う
「あ?居ないって?何が?」
ペリーテが言う
「ピュポ」
ウィルシュが疑問してから正面を見て言う
「うん?」
出動装置が上昇し終えると Mハイケルが一歩出て言う
「最初に言って置く」
ウィルシュがMハイケルへ向いて気合を入れて言う
「おうっ!何だっ!?」
Mハイケルが言う
「ハブロス司令官は 現在 出張中だ」
ウィルシュが衝撃を受けて言う
「…は?」
ペリーテが言う
「ピュッポロ?」

グレイゼスの声が聞こえる
『ART2は現状待機!』
シュナイゼルの声が聞こえる
『…はっ!ART2 了解…』
隊員Aが苦笑して言う
「どうなるんだ?これ…?」
サブモニターに映っている隊員Fが苦笑して言う
『う、うーん…』
サブモニターに映っている隊員Bが疑問して言う
『えー?』

ウィルシュが呆気に取られて言う
「しゅ… 出張中って…」
ペリーテが言う
「ピュポ?」
ウィルシュがペリーテへ言う
「…つまり 居ねぇんだってよ?建物の中に…」
ペリーテが衝撃を受けて言う
「ピュポーッ!?」
ウィルシュが言う
「…いや 嘘とも思えねぇし… …な、ならっ!」
Mハイケルが言う
「従って 後日 アポイントメントを取った上で 再度 ご来アールスローン…」
ウィルシュが衝撃を受けて言う
「ざけんな こらーっ!」
ペリーテが楽しんで言う
「ピュポポッ ポポーッ!」

【 神の国 】

ラミリツがアースのタブレットを見て居て言う
「…確かに 通信機とかに見えるものは 持ってないみたいだけど…?」
アースが他方を見ながら言う
「そちらも去る事ながら 所持品からも 相応の科学技術を… 少なくとも通信技術ほどの物は 持ち合わせて居ないものと推測される」
ラミリツがタブレットに映っている兵士の姿を再確認して言う
「…うん そうだね?この腰に備えている武器も 暗くてよく見えないけど 鉄の棒…?まさか 棍棒では無いと思うけど …それに 良く見ると ベルトに見える物も バックルなんかが無くて 縛って止めているみたい?」
アースが言う
「下位の者が住む土地と その上に立つ者が住む土地 その境界の警備に用いる兵士だ 本来であるならば 少なくとも 通常の警備の者よりも上位の装備を用いる筈 そして 現状その者の所持品や服装がそれと言う事は 恐らく こちらの門の先に存在する土地は そちらのレベルであるものと推測がなされる …と言う事だ 準備は良いか?マスターラキンゼス隊員?」
隊員Cが少し離れた場所で衝撃を受けて言う
「と言う事の 準備ってーっ!?」
ラミリツがアースを見て言う
「それは そうなのかもしれないけどさ…?本当に その作戦で大丈夫なの?ハブロス司令官?」
アースが言う
「マスターラキンゼス隊員には ナノマシーンラキンゼスが付いている そうとなれば ”大丈夫だ 問題ない”」
隊員Cが言う
「それ俺が言うべき台詞ですからっ でもって 俺自身には何の装備も無しでってっ!?」
ラミリツが隊員Cの小銃を手に持って居て言う
「いくらナノマシーンがあるからって 武器ぐらいは持っていた方が良いと思うんだけど?」
アースが言う
「彼に必要なものは 敵に見付かった際に必要とされる武器ではなく 見付からない様に必要とされる スピードだ そうとなれば 通常の武器の中に置いても 比較的重量のある 小銃は所持しない方が良い マスターレベルの素早い身動きを取る際にも そちらを所持していては 障害ともなりかねない」
ラミリツが隊員Cを見て言う
「え?でも… その マスターレベルの素早い身動きは 取られないかもしれないんだし… ねぇ?ART1のサッちゃん隊員?」
隊員Cが言う
「そうですよっ!?俺は 最低限のマスターにして ART1のサッちゃん隊員なんですから!?そんな マスターレベルの作戦とか マジで無理…!」
アースが視線を強めて言う
「よしっ タイミングは間近だっ カウント行くぞ 5秒前っ!3、2…!」
隊員Cが衝撃を受けて言う
「ちょっ!?速っ!?そんな マジで 無…っ!」
アースが言う
「…1!今だっ!行けっ!ラキンゼスっ!命令だっ!」
アースが手を振りかざすと 隊員Cの体が飛び出して行く 隊員Cが悲鳴を上げて言う
「無理ですってっ ハブロス司令官ーっ!?マジでぇえーーっ!」
隊員Cが壁の直前でジャンプして目に見えない速度になって 壁を上がって消えて行く ラミリツが呆気に取られて言う
「き… 消えたっ!?…あ、ううんっ 違うっ 動体視力が 途中から追い着かないスピードに…?」
アースが言う
「後は 先に伝えた作戦の通りに あちらの第3ブロック内の状況を偵察 可能であれば 我々を招き入れる …そちらが難しいとの判断の際には 再び 彼がこちらへ戻り 彼が確認を行った内部の状況を 我々へ伝達する」
ラミリツが言う
「普通に考えれば 偵察するだけでも難しい事だけど」
アースが微笑して言う
「マスターの実力を持ってさえすれば 敵に見付かる心配などはまず有りはしない 増して彼は身体補佐能力のマスターだ 更には 偵察とは言っても あちらの門の先にある 周囲の様子を確認すると言う その程度の任務ならば こちらの作戦が失敗すると言う事態は まず あり得な…」
警報が鳴り響く ラミリツとアースが衝撃を受ける ラミリツが言う
「…ねぇ?ひょっとして?」
アースが表情を顰めてから言う
「…い と、言いたかったのだが 流石は 最低限のマスターか… この私の完璧な作戦を 失敗させてくれるとは」
ラミリツが言う
「作戦失敗!?なら どうするの!?僕らじゃ この門を越えられないしっ!?」
アースが言う
「そして マスターの彼が戻って来られないとは …これは完全に予定外だ」
ラミリツが衝撃を受けて言う
「えぇえっ!?予定外ってっ!?それじゃ アイツは どうするのさっ!?ハブロス司令官っ!?」

【 ART 司令塔 】

メインモニターに映っているウィルシュが叫ぶ
『出張中ってんなら 待っててやるから 今 直ぐに呼び戻せっ!あのムカ付く司令官の野郎を ぶっ潰す為にっ 俺が ドンだけ苦労して ここまで来たかってっ!?』
ペリーテが騒ぐように言う
『ピュポポッポポーッ!』
Mハイケルが言う
『生憎だが ハブロス司令官の出張先は 通信の類が繋がらない場所だ ついでに いつ帰還するのか… 更には 帰還出来るのかも 不明だ』
ウィルシュが衝撃を受けて言う
『あぁあっ!?通信が繋がらないっ!?オマケに 帰還出来るか不明って…っ!?』
ペリーテが疑問して言う
『ピュポォ~?』
Mハイケルが言う
『必要と在れば 我々が お前の連絡先を確認し ハブロス司令官の帰還が確認された際には そちらへ連絡をしても構わないが?』
ウィルシュが呆気に取られて言葉を失う
『え?あ… そっちからって …んな事 言われても こっちは… …』
ペリーテが疑問して言う
『ピュポ~…?』
オペ子Aが言う
「襲撃者 気性ランクの低下を確認 SランクよりAランクへ… いえ Bランク… 位でしょうか?中佐?」
グレイゼスが苦笑して言う
「え?あ、う… う~ん… そ、その位… かなぁ?」
オペ男Aとオペ男Bが呆れて言う
「何か… 微妙だな…?」 「ああ… これって 襲撃じゃなくて …来客 なのか?」
グレイゼスが苦笑して言う
「あ、いやっ!?皆さんっ!?気を抜かずに!?警戒状態ですよぉ~っ!?」

【 神の国 】

第3ブロック内

隊員Cが物陰に隠れていて周囲を見ながら言う
「な、なんで警報が…?俺… 誰にも 見付かってねぇんだけど…?それに…」
隊員Cが視線を細めて集中して思う
(どう見ても この状態は…)
隊員Cが言う
「俺に向けての 警報じゃ… 無い?」
隊員Cの横後方にある 境界門が轟音と共に爆破される 隊員Cが衝撃を受けて言う
「なぁああ!?何だぁあーっ!?敵襲ーっ!?…ってっ!?あ、あ、あれはーっ!?ハ、ハハハ…ッ!?」
隊員Cの視線の先 大破した門の中心にアースがローブを纏って立ちはだかっている 隊員Cが思う
(ハブロス司令官ーーっ!?)
隊員Cが慌てて思う
(ちょっ!?何考えているんすかーっ!?折角 俺が 偵察に入ったって言うのにっ!?それこそ マスターレベルで敵に見付からない様に 上手く隠れていたって言うのにっ!?それを 何で!?そんな 正面突破的な作戦を…っ!?)
周囲に居た第3ブロックの人々が驚き顔を向けている アースが堂々としながら思う
(…うん?…どうやら)
アースが静かに視線を向けると 視線の先で隊員Cが慌てている アースが思う
(マスターラキンゼス隊員は 発見されては居なかったのか?…では?この警報は…?)
第3ブロックの人々がアースの前に跪いて祈りながら口々に言う
「アーク様っ!?」 「アーク様だっ!」 「おぉー アーク様っ!」

第3ブロック外 物陰

ラミリツが物陰から様子を見て居て呆気に取られて思う
(…え?何?どうなってるの?…強行突破するなんて言うから どうなる事かと思ったけど…っ 何で?どう言う事!?あの人たちの様子は!?)
ラミリツが視線を向ける

第3ブロック内

ラミリツの視線の先に居る アースが人々へ静かに言う
「この騒がしき響き… 何事か…?」
第3ブロックの人々が申し訳無さそうに言う
「は、はいっ 申し訳御座いません この警報は…っ」 「この地区ではなく 隣の…っ 恐らく 第2地区で 何か問題が起きました様でっ!」
アースが思う
(隣の第2地区で…?そうか そう言う事だったのか)
隊員Cが呆気に取られて言う
「あ、あの… 羽根…っ!?や、やっぱ 本物なのかっ!?ハブロス司令官は あの帝国の皇帝と同じっ!?て、天…っ!?」
アースが視線を逸らして小声で言う
「…チッ タイミングをしくじったな…っ」
隊員Cが呆れて思う
(…し?いや、やっぱ ちげぇか… …いやっ!?それならっ!また演技だって言うのならっ ちょっ それ聞こえますってっ!?ハブロス司令官っ!)
第3ブロックの人々が言う
「こちらの第1地区は アーク様のご慈悲の下 何事も異常は無く 長い年月を過ごさせて頂いております」 「アーク様…っ」 「我らのアーク様…っ!」

第3ブロック外 物陰

ラミリツが物陰から見詰めながら思う
(詳しい事は教えてもらえなかったけど ハブロス司令官は 何とかなるから 大丈夫だって… 作戦があるって言うから 僕は言われた通り ここで待機してるけど …でも ホント どうなってるの?何で あの人たちは ハブロス司令官の事を 受け入れて…?って言うか 彼らの様子 まるで 自分たちの目の前に アークでも見てるみたいに?)

第3ブロック内

アースが思う
(不審者の侵入があったと言われた際の 台詞は考えていたのだが そちらが無く それ所か マスターラキンゼス隊員は見付かっていなかった上に 別の地区の警報だったと言われては …さて どうするか?)
アースが静かに周囲を見渡してから言う
「…なれば その方らと共に この地に生きし者 救う事 我が定めと在る …その方」
アースが第3ブロックの人々の1人へ視線を向ける 視線を受けた住民1がハッとして言う
「は、はいっ アーク様!」
アースが言う
「この響きの元とある その場所へ 我を導くが良い かの災い 我が力にて 伏してぞ進ぜよう」
第3ブロックの人々が驚き歓声を上げて言う
「おおーっ アーク様がっ!」 「我らがアーク様が!」
アースが住民1を見る 住民1がハッとして言う
「は、はいっ!では 第2地区へ ご案内を致しますっ!」
住民1が道へ躍り出る アースが思う
(よし… これで…)
アースがチラッと隊員Cを見てから住民1に続く 隊員Cが閃いて言う
「あ!あれはっ!?」
隊員Cが思う
(俺に付いて来い って言ってるんだよな!?だったら 次は… あの物陰に!)
隊員Cが第3ブロック内の物陰を意識すると 体がさらわれるように他方へ飛んで行く 隊員Cが慌てて言う
「って!?あらぁーっ 逆方向ー!?」

第3ブロック外 物陰

ラミリツがハッとして思う
(何か来るっ!?)
ラミリツが思わず剣を構えようとすると 隊員Cが現れる ラミリツが衝撃を受け慌てて言う
「ってっ!?何だ アンタじゃないっ!?びっくりしたぁ!?」
隊員Cが慌てて言う
「俺も めっちゃビックリしましたぁあー!?」

【 ART 出入り口前 】

ウィルシュが困りながら考えて思う
(何とかここまで来たって言うのに…っ 今度 改めて遠征が許可されるのなんて 何時になるか分からねぇ…っ それに ここで成果が出せなかったら 今度こそ…っ!?)
ペリーテが疑問してウィルシュを見て言う
「ピュポ~?」
ウィルシュが顔を上げると言う
「…ならっ」
ウィルシュが巨大剣を構え直して言う
「あの司令官の野郎が居ねぇって言うならっ 野郎の力である お前らをぶっ潰して 奴の力を奪うっ!…それで良い筈だっ!」
ペリーテが喜んで言う
「ピュッポッポー!」
Mハイケルが言う
「了解 戦うと言うのなら 相手になるっ!」
Mハイケルが2丁銃を構えて言う
「ART1!戦闘態勢へ移行 ターゲット ログウェルン ファーストクラスター ウィルシュ!及び 正体不明生物 ペリーテだ!」
ART1隊員たちが言う
「「了解!少佐ぁー!」」
ペリーテが衝撃を受け怒って言う
「ピュポピュポッポポーッ!!」

【 ART 司令塔 】

オペ子Aが言う
「襲撃者 ログウェルン ファーストクラスター ウィルシュ 気性ランクの上昇を確認!暫定Bランクより Sランクへ!」
ラキンゼスが言う
「正体不明生物 ペリーテも 暫定 同じく!」
メインモニターに映っている ペリーテが衝撃を受け怒って言う
『ピュポッ!?ピュポッポッポポーッ!』
グレイゼスが言う
「了解!以降は 両者をターゲットと識別 名称は略称を用いる!ART1!ターゲットからの襲撃に備え 必要時には反撃を許可する!」
サブモニターのMハイケルが言う
『ART1 了解!ターゲットからの 襲撃を待つっ!』
グレイゼスが衝撃を受け呆れて言う
「あ、いや… そんな期待して 待ってくれなくても良いんだが…」
メインモニターの中で ウィルシュが巨大剣を構える オペ子Aが言う
「ターゲット ウィルシュに 再び エネルギー上昇反応!攻撃目標… ART1ー01号機と推測!」
グレイゼスが反応して言う
「ターゲットからの攻撃が来るぞ!回避と同時に反撃だ!ターゲット ウィルシュを 撃破しろ!ハイケル!」
周囲の隊員たちが衝撃を受けて言う
「「えっ!?」」
グレイゼスがハッとして言う
「あ…っ」
Mハイケルが言う
『了解 グレイゼス』
隊員Aの慌てた声が聞こえる
『げ、撃破ですかっ!?中佐…?』
隊員Fの声が聞こえる
『あれ?拘束するんじゃ…?』
隊員Iの声が聞こえる
『良いのかな?確か ターゲットの撃破命令は 組織の最高責任者命令だったと 思ったんだけど…?』
隊員Bの声が聞こえる
『えー?』
Mハイケルが言う
『私がターゲット・ウィルシュを撃破する ART1は総員 その私の援護しろ』
ART1隊員たちが言う
『『りょ、了解 少佐ぁー!』』
オペ子Aが言う
「ターゲットの攻撃を確認っ!ART1-01号機の回避を確認!」
ラキンゼスが言う
「ART1-01号機の発砲を確認っ!両手撃ち連射の為 カウント省略~!」
オペ子Bが言う
「ART1総員 01号機のサポート 援護射撃の開始を確認!発砲 複数連射の為 カウント省略ですっ!」
グレイゼスが困って言う
「あ~っ いやっ あの…っ」
ラキンゼスが言う
「こりゃもう キャンセルは利かないだろ?マスター?」
グレイゼスが頭を抱えて言う
「お、俺とした事が~っ!?今朝の遅刻と言い… な、何で…!?」
オペ子Aがグレイゼスを横目に見てから密かにコンソールを操作しながら微笑して言う
「マスターグレイゼス中佐の 規律違反を確認っ」
グレイゼスが観念して言う
「それは登録してくれなくて良いからっ」
オペ子Aが驚いて言う
「し、失礼しましたっ!?」
ラキンゼスが悪戯っぽく言う
「マスターは地獄耳だから 気を付けろ?」
オペ子Aが微笑して言う
「…はいっ」
グレイゼスが怒って言う
「そこー!元マスターもっ マスターの秘密漏洩は禁止!」
ラキンゼスが言う
「へいへい~ っと?それはそうと あいつらのサポートは してやら無くて平気なのか?」
グレイゼスが苦笑して言う
「ふっふ~ん?な~に!我らがART1の隊長を甘く見てくれるなよ?ライム大尉?一度は勝利した相手だ それなら ハイケルにとっては 敵じゃない!何て言ったって アイツは それこそ 1度対戦した相手には 絶対に負けないと言う能力の持ち主!その名も 悪魔の…っ!」
オペ子Aが言う
「ART1-01号機のダメージ増加を確認っ!」
ラキンゼスが言う
「ART1-01号機 物理ダメージ及び精神的ダメージ65%を確認!」
グレイゼスが衝撃を受けて言う
「はいぃい!?」

【 ART 出入り口 】

グレイゼスの声が聞こえる
『ど、どうしたんだっ!?ハイケルっ!?』
Mハイケルが膝を着き Mハイケルが言う
「状況 不明だ…っ 体が重い 回避及び攻撃が …間に合わないっ」
グレイゼスが言う
『何っ!?どう言う事だっ!?ART1-01号機のデータ解析!同時に映像解析 周囲情報解析だ!急げ!』
オペ子Aとオペ子Bが言う
『『了解!中佐!』』
Mハイケルが顔を上げると ウィルシュが笑んで言う
「へへっ」
ペリーテが喜んで言う
「ピュッポポッポー!」
ウィルシュが巨大剣を構える グレイゼスが言う
『ART1!総員 1号機を援護っ!』
M隊員Bが言う
「了解!中佐ぁー!くーらえー!」
M隊員Bが手榴弾を投げ付ける ウィルシュが向って来た手榴弾へ手を向けて意識を向けると 手榴弾の勢いが止まり ウィルシュが巨大剣でバッティングして言う
「おーらよ!お返ししてやるぜっ!」
M隊員Bが自分へ戻って来る M隊員Bの中 隊員Bが驚いて言う
「えーっ!?そんなーっ!?」
Mハイケルが言う
「回避だっ!バイスン隊員!」
M隊員Aが向って来て 隊員Aが叫ぶ
「バイちゃんっ!」
M隊員AがM隊員Bを突き飛ばす 手榴弾が爆発して M隊員AとM隊員Bが吹っ飛ばされて地面へダイブする Mハイケルが言う
「アラン隊員!バイスン隊員!」
オペ子Bの声が聞こえる
『ART1-02号機 及び 03号機 物理的ダメージ23% 神経的ダメージ18%を確認!損傷ランクBランク 戦闘可能!』
隊員Aが表情を顰めつつ言う
「いってててぇ~ 痺れたぁ… …無事か?バイちゃん!?」
サブモニターに映る 隊員Bが言う
『う、うん… ありがと アッちゃん…』
隊員Aが苦笑する Mハイケルがホッとしてからウィルシュへ向く M隊員Nがサブマシンガンを手に 隊員Nが言う
「ART1の要 バイちゃん隊員とアッちゃん隊員の ビフォアーバーストショットが 破られるなんてっ」
サブモニターに映っている隊員Vが言う
『こりゃ… ひょっとして マジじゃねぇか?アニキが居ない俺たちだけで 勝てるのかっ!?』
M隊員Nが言う
「やべぇ… ひょっとして やべぇんじゃねぇえかっ!?これっ!?」
ウィルシュがにやりと笑んで言う
「さぁ この前の落とし前 キッチリ付けてやるぜっ 倍返しでなっ!?」
ウィルシュが巨大剣を構えて言う
「行くぜ!ペリーテっ!」
ペリーテが喜んで力を終結して言う
「ピュポポッポー!」
M隊員Vが言う
「けどっ やるっきゃねぇえっ!?やるっきゃねぇよっ!?これっ!?」
Mハイケルが言う
「ART1!私を援護しろ!」
ART1隊員たちが言う
「「了解!少佐ぁーっ!」」
Mハイケルが2丁銃を構える ART1マシーナリーたちがメインアームを構える

【 神の国 】

周囲の住宅から 人々が 家の内外からアースを見詰めている 住民1が道を進んで立ち止まると振り返る アースがゆっくりと歩いて向う 近くの物陰にマスタースピードでラミリツと隊員Cが現れると ラミリツが言う
「ハブロス司令官 一体 何処へ向かおうとしているんだろう?あの住民は…?」
隊員Cが言う
「あの… さっきの会話では ハブロス司令官は あの人へ この警報の下だとか言う 第2地区って所へ 案内しろって命令してましたけど?」
ラミリツが言う
「第2地区?警報の下へって… なら そこへ行ってどうするの?大体 この警報って… あっ 離れちゃうね?それじゃ次は… あの辺りっ!」
ラミリツが道の先にある物影を示して隊員Cの腕に掴まる 隊員Cが言う
「は、はい それじゃ また… あの場所へ向おうって思えば… 行ける筈っ!?」
隊員Cが意識を向ける 間を置いて 動かない隊員Cが疑問して言う
「あれ?行かねぇ?」
ラミリツが言う
「何やってるんだよっ 早くっ!ハブロス司令官から 離れちゃうじゃないっ!?」
隊員Cが慌てて言う
「そ、そうは言われましてもっ!?」
アースが横目にラミリツたちを気にしてから歩みを進めると 住民1が地区境の門を開くロープを引いている ゆっくりと門が開かれて行く アースが門前で一度立ち止まると 門が開き切り 住民1がやって来て言う
「こ、こちらの先が 第2地区で御座います!アーク様…っ」
アースが周囲を一瞥してから静かに頷くと門を抜け立ち止まると言う
「これより先へは 我のみぞ参る その方 大儀であった 下がりて 再び門を閉じよ」
住民1が言う
「はいっ 勿体無いお言葉を有難う御座いますっ 我らがアーク様っ どうか 第2地区の者たちをもっ アーク様のお力の下に お救い下さいっ!」
住民1がアースへ畏まる アースが住民1へ向く 住民1がハッとしてアースの顔を見ると アースが微笑して静かに頷く 住民1がその神々しさに目を奪われるとハッとして慌てて言う
「で、ではっ 私はお言い付けの通りにっ!」
住民1が急いで門の内側へ戻ると 門のロープの下へ行き閉門を始める ラミリツがハッとして言う
「門が閉じられちゃうよっ!?早くっ!」
ラミリツが隊員Cの腕を引く 門が閉じられる

第2地区 物陰

ラミリツが閉じられた門を見てホッとして言う
「危なかったぁ… ホント ギリギリだったね?」
隊員Cが困惑しながら言う
「ラ、ラララ ラミリツ隊長っ!?今っ 俺のナノマシーン使いませんでしたっ!?」
ラミリツが隊員Cへ向いて言う
「え?僕が?」
隊員Cが言う
「何かっ!?さっき一瞬 全身の血液が そっちに引っ張られたみたいな!?血の気が引くと言うより マジ 持ってかれたみたいな感触がぁ…っ!?」
ラミリツが疑問して言う
「そんな事言われても?僕は唯…」

アースが周囲と後方ラミリツたちの様子を見て思う
(こちらは直接 警報の場所である影響か 人々は皆 建物の奥へと身を潜めている これなら…)
アースが袖から左腕を覗かせると そこへ見えていた刺青が消える アースが思う
(…よし これで)
アースが素早く周囲を確認すると物陰へ向い走る

ラミリツが言葉を続けている
「ハブロス司令官の近くに行かなきゃって 思ってただけだけど?…って、それより ハブロス司令官は…?…あっ」
アースが合流するとローブを外して言う
「当初の作戦とは異なったが 第2ブロックへの侵入作戦は成功だ」
ラミリツが言う
「ハブロス司令官っ!?一体どうなってるのっ!?何で あの人たちは ハブロス司令官を…っ!?」
隊員Cが呆れて言う
「あの… ハブロス司令官?そもそも 最初の作戦は…?俺 ちゃんと 隠れてましたけど?それなのに 正面から突っ込んでくるなんて?しかも…」
アースが言う
「では 早速 次なる作戦を開始するぞ ラミリツ隊長 マスターラキンゼス隊員」
ラミリツが言う
「ってっ!?だから…っ!?」
隊員Cが呆れて言う
「聞いてねぇし… いや、もう駄目だ この人… 流石は…」
アースが言う
「まずは この警報の元となっている そちらが何であるのかの確認を行う そちらを確認する事で 少なくとも この国に置いての脅威の程度を 推し量る材料となるだろう」
ラミリツが言う
「うん そうだね 僕らとは感覚とか習慣が違うから その確認は必要かも?」
隊員Cが頷いて言う
「なるほど…」
アースが物陰から顔を出し 周囲を伺いつつ通りへ向いて言う
「警報が鳴らされると言う事は 事故か事件か… どちらにせよ 必要な人材には動きが見られる筈 そうとなれば その者の動きを… 魂の光を探せば良い 何処だ…?」
アースが意識を集中させると左腕に刺青が浮かび上がる ラミリツがアースの下から同じく顔を出し周囲を見ながら言う
「なら ハブロス司令官は そっちを集中して探して?僕が周囲を警戒して置くから …マスターラキンゼス隊員は 後ろを宜しく!」
隊員Cが目の前に見える光の翼に表情を引きつらせつつ言う
「りょ… 了解… ラミリツ隊長…」
隊員Cが後ろへ向くと横目に後方を見て言う
「…やっぱ 見えてねぇんだわ?なら 俺だけに…?いや むしろ… …ラミリツ隊長だけが 見えてねぇんだよな?他の連中には… さっきの住民の連中には見えてたみたいだし… 何で…?」
隊員Cが首を傾げてから後方警戒をする

【 ART 出入り口前 】

Mハイケルが言う
「後衛部隊っ!構わず撃てー!」
M隊員NとM隊員VとART1マシーナリーたちが言う
「「了解 少佐ぁーっ!」」
ART1マシーナリーたちが乱射する 銃弾がウィルシュへ向うが ウィルシュが手を振るうと 銃弾が全て止まりその場に落下する 隊員Aが驚いて言う
「駄目だっ!やっぱりっ!?」
隊員Nが呆気に取られて言う
「ど、どうなってるんだよっ!?さっきから ずっと…っ!?」
ウィルシュが笑んで巨大剣を掲げる ペリーテが喜んで言う
「ピュッポポー!」
ペリーテが巨大剣へ炎を纏わせる Mハイケルがハッとして言う
「ART1 総員 回避だっ!」
ウィルシュが巨大剣を振り下ろすと 火炎波が発生する ART1マシーナリーたちが回避する中 他方で小銃を構えていたM隊員Fが目を光らせて言う
「今だっ!ショットっ!」
M隊員Fが小銃を放つと 銃弾がウィルシュの後方へ向う ウィルシュがハッとして振り返ると巨大剣の刀身で防ぐ 隊員Fが表情を顰めて言う
「クッ!防がれたっ!」
ウィルシュが笑むと 巨大剣を振り上げM隊員Fへ向う 隊員Fがハッとして 操縦桿を操作して言う
「狙われたっ!?回避を…っ!…なっ!?」
Mハイケルが叫ぶ
「回避だ!フレッド隊員っ!」
隊員Fが呆気に取られて思う
(動かない…っ!?)
M隊員Bがハッとして言う
「フッちゃんっ!?回避ーっ!」
隊員Fがメインモニターに迫って来るウィルシュの姿に息を飲むと ウィルシュの側面からM隊員Iが体当たりする 隊員Fがハッとして言う
「イリアス隊員っ!?」
ウィルシュが吹っ飛ばされつつ体勢を立て直して着地をすると言う
「…チッ」
M隊員FがM隊員Iへ言う
「助かったよ 有難う イリアス隊員っ!」
M隊員Iの中 サブモニターに映る隊員Fへ 隊員Iが苦笑して言う
「危ない時は お互い様だろ?」
モニターの中の隊員Fが微笑して頷く 隊員Iがメインモニターへ向くと表情を強める ウィルシュが周囲を見渡すと言う
「よし… 準備運動は十分だ ここからは…!」
ウィルシュが巨大剣を構える Mハイケルの中ハイケルの意識が表情を強める

【 ART 司令塔 】

ハイケルの声が聞こえる
『ART司令塔っ!こちらART1!応援を要請する!』
グレイゼスがコンソールを操作しながら言う
「こちらART司令塔 ART1 状況はこちらでも把握している だが 応援はまだ出せない 今そちらの異常を解析しているが もう少しだけ堪えてくれ ART2を出した所で 現状のままでは…っ」
グレイゼスが思う
(…とは言え 出さなくても同じか!?何故 銃撃が失速する!?ART1のマシーナリーたちも 明らかに動きが制限されているっ!?これらの現象は 何故…っ!?)
グレイゼスの視線の先 モニターの中で複数のウィンドウが開き 様々な映像が映っている グレイゼスが顔を上げて言う
「空間情報やエネルギー反応っ その他 異常を示すデータは見付かったかっ!?」
オペ子Aが言う
「空間情報 ターゲット反撃時の異常出力は 検出されません」
オペ子Bが言う
「エネルギー反応 ターゲット反撃時の異常出力 反応なし!」
グレイゼスが表情を強めて言う
「どう言う事だ?明らかに目に見えての変化があると言うのに 空間情報にもエネルギー反応にも 出力の変化が無い!?そんな事が…っ!?」
ラキンゼスが言う
「ART1-01号機 物理ダメージ75%を確認!負傷ランクDランク!」
グレイゼスがハッとする オペ子Aが言う
「ART1-01号機!搭乗者保護の為 緊急停止 戦闘不能!」
グレイゼスが言う
「しまったっ ハイケル!無事かっ!?」

【 ART 出入り口前 】

ラキンゼスの声が聞こえる
『ART1-01号機 意識接合は損傷0.3秒前に 切断済み!』
オペ子Aの声が聞こえる
『ART1-01号機神経的ダメージ65%のまま変化無し!負傷ランクAランク 戦闘可能!…しかしっ』
Mハイケルのコックピットが内側から射撃され コックピットが蹴破られハイケルが身を乗り出すと言う
「こちらART1隊長っ マシーナリーを失ったっ グレイゼス!スペアだっ!急げっ!」
グレイゼスの声が聞こえる
『スペアは用意してある しかし、後の作戦を見越し そちらは型落ち 以前のART1マシーナリーを出す それで もう少し時間を稼いでくれ』
ART1旧マシーナリーが1機 マシーナリー出動装置で上げられる ハイケルが言う
「了解 …対策を急げ 長くは持たないぞっ」
ハイケルがART1旧マシーナリーへ向う グレイゼスが言う
『ART司令塔 了解 対策を急ぐ』
ハイケルがコックピットへ乗り込むと頷く コックピットが閉まるとMハイケルが起動する

【 神の国 】

ラミリツが走って来て物陰へ身を潜めると周囲を見てから視線を先へ向ける 視線の先物陰に アースと隊員Cが突然現れる ラミリツが気付くと周囲を確認して その場所と自分の間にある物影を見付け言う
「直接は遠い なら… うんっ 一度 あそこへ…!」
ラミリツが周囲を確認してから中間地点の物影へ向う

アースの目が複数の魂の光を見ている 隊員Cが呆れていると眼前に光の羽根が舞っている 隊員Cが呆れたまま言う
「…だから いくら俺に見えたって 見えねぇ人も居るんじゃ 突っ込むに 突っ込めねぇし…」
ラミリツが走って来て周囲を見てから言う
「やっと 追い付いたよ!…目的地は まだ?先なの?」
ラミリツがアースの後姿を見てから隊員Cへ向く 隊員Cが言う
「さぁ…?俺に聞かれましても?」
ラミリツがアースの背へ向く 隊員Cがラミリツの様子を見ながら言う
「…目の前にあっても 視線を向けねぇんだもんな…?ありゃ 完璧に…」
ラミリツが疑問して言う
「え?目の前に…?」
ラミリツが自分の目の前のアースの背を見てからその横から前方を伺う 隊員Cが衝撃を受けてから言う
「…やっぱ 見えてねぇんだ?」
ラミリツがハッとして言う
「ううんっ!僕にも見えたよ!」
隊員Cがハッとして言う
「えっ!?マジっすかっ!?」
ラミリツが視線を鋭くして言う
「あの建物だよね?壁が壊れてるっ …それも ついさっき壊されたって感じっ だから 警報はアレで間違いないよね!?ハブロス司令官!?」
隊員Cが衝撃を受け 呆れて言う
「いや… そっちじゃなくて… …って え!?目的地に 着いてたんすかっ!?」
ラミリツが呆れて言う
「…知らなかったの?自分が連れて来て置きながら?」
隊員Cが言う
「いえ だって… 俺は連れて来たと言うか 連れて来させられたって 言いますか …まぁ そんな感じなもんで?」
ラミリツが呆れて言う
「そんなんで良く これだけの距離を 隠れて行けるよね?マスターって やっぱ 変なの?」
隊員Cが苦笑して言う
「は、はぁ… …何か 微妙に 否定出来ませんけど」
アースが顔を向けないまま言う
「大丈夫だ 問題ない ラミリツ隊長が言う程の 変なマスターは 少なくとも現状のARTに置いては マスターラキンゼス隊員が 唯一だ」
隊員Cが衝撃を受けて言う
「それ大丈夫じゃないですしっ 問題で…!ってか 変なマスターって 俺だけなんっすかっ!?マジで!?」
ラミリツが微笑して言う
「何だ 良かった ホッとしたよ?」
隊員Cが言う
「いやっ 良く無いでしょっ! って 自分で突っ込むのもなんですけどっ?大体 そんな俺を連れて来て 良かったんっすかっ!?この任務!?」
ラミリツが言う
「大丈夫だよ だって ハブロス司令官が一緒だもん 何とかなるって?」
隊員Cが呆れて言う
「それってっ!?…って …もう そうっすね?何か 俺も その根拠の無い 大丈夫が 分かって来ましたよ…」
隊員Cが落ち込む ラミリツが言う
「それで 状況は?ハブロス司令官… あっ!?」
アースがラミリツを押し込んで言う
「隠れろっ」
ラミリツと隊員Cがハッとして身を下げると 馬車が走り去る ラミリツと隊員Cが馬車を視線で追うと アースが閉じていた目を開いて言う
「あちらの壁の崩れた建物内に居た 弱い魂の光を持った者たちが14名… 姿を確認出来なかった者も居たが 恐らく全員が女性だろう 先程の馬車に乗せられていた」
ラミリツが反応して言う
「え?それじゃっ!?」
ラミリツが馬車を見ると 馬車が第2ブロックへの門へ向かって行く ラミリツが言う
「弱い魂の光を持って…?それに 馬車に乗せられて …って 事は つまり 連れ去られたって事?」
アースが言う
「断言は出来兼ねるが 様子を見た限りでは そちらの解釈で間違いは無いだろう」
ラミリツが言う
「それじゃ その女性たちは?何で?」
アースが言う
「さぁな?そちらは 考えた所で意味を成さない そして 今の問題はそちらではなく…」
ラミリツが言う
「そんなっ!?無理やり連れてかれたって 言うんならさっ!?」
ラミリツが身を乗り出す アースが言う
「落ち着け ラミリツ隊長 ここは アールスローンではなく 我々は今 他国に居る それも 我々よりも強い力を持つ その者が統べる国に居るのだぞ?」
ラミリツが言う
「それは…っ …そうだけどっ」
アースが言う
「だが 同じ人間として 救えるものならば 救いたいと… それは 私も 同じ想いだ しかし 今は この国の為にも 事を荒立てる訳には行かない」
ラミリツが反応して視線を落すと手を握り悔しさを抑える 隊員Cが呆気に取られてからアースを見る アースが言う
「本当に この国の人々を 守りたいと思うのならば 時には 引く事も必要だ ラミリツ隊長」
ラミリツが視線を馬車へ向けると 馬車の小窓から女性が壁の崩れた建物へ視線を向けている その悲しげな表情にラミリツが言う
「…人々を守る為に 犠牲になるかもしれない人を 見過ごさなくちゃいけないだなんて …あの女性は 何を見ていたんだろう?」
ラミリツが女性の見ていた建物へ視線を向ける アースがラミリツの視線を追って言う
「何をとは?」
ラミリツが言う
「何か… 強い想いを持って ずっと見詰めていたの あの建物の方を…」
アースが言う
「あの建物内には もう 誰も居ない筈だが…?」
アースが建物内の魂を見ると 一瞬呆気に取られて言う
「…うん?もう1人?」
ラミリツと隊員Cが反応して ラミリツが言う
「え?」
アースが目を細めて言う
「1人… 残されていたのか?人の魂が1つ… な…っ!?ラミリツ隊長!?」
ラミリツが飛び出して向って行く 隊員Cが驚いて言う
「いっ!?行っちゃうのかよっ!?」
ラミリツが建物の崩れた壁の先へ向う

ラミリツが走りながら思う
(この国の人々を守りたければ 堪えなきゃいけない …今 僕らの事が この国の …あのベガと言う者や アークたちに気付かれてはいけない …分かってるっ …だけど?もし?今の僕に助けられる 誰かが居るのならっ!?)
ラミリツが壁の内側へ向おうとすると 内側から誰かが出て来る ラミリツがハッとして言う
「あっ!」
誰かが言う
「きゃっ!?」
ラミリツが思う
(この人がっ!?)
ラミリツが直前で止まるが相手が向かって来ていた為にぶつかると ラミリツがハッとして相手が倒れそうになるのを助けて言う
「失礼っ お怪我は… …えっ!?」
ラミリツが思う
(まさかっ!?何で…っ!?)
ラミリツが相手の顔を見て驚くと言う
「マ… マリアさんっ!?」
マリアが一瞬ビクッとしてから 顔を上げ驚いて言う
「ラミリツさんっ!?」
ラミリツが驚いて思う
(本物っ!?間違いない!)
ラミリツが言う
「マリアさんがっ!?何故 こんな所にっ!?」
マリアが呆気に取られつつ言う
「あ、あのっ 私は 実は…っ!?」
衛兵Aの声が聞こえる
「誰だっ!?」
衛兵Bの声が聞こえる
「どうした?誰かいたのか?」
ラミリツとマリアがハッとして ラミリツが思う
(しまったっ!他にも…!?…いや 戻って来たのか!?どうする!?マリアさんも居るのなら…っ …ここは もうっ!?)
ラミリツがマリアの前に出て言う
「マリアさん 下がって下さいっ!」
ラミリツが剣を構える マリアが慌てて言う
「は、はい…っ」
ラミリツが視線を強めると 通路の先から衛兵たちが現れる

【 ART 出入り口前 】

周囲から埋め尽くすほどの銃弾がウィルシュへ向って来る ウィルシュが意識を向けると 全ての銃弾の速度が失速する ART1隊員たちが驚き言う
「またかっ!?」 「クソッ!どうなってる…っ!」
ウィルシュが巨大剣で一掃すると 銃弾たちが元来た方へ跳ね戻って行く 隊員Aが言う
「それよりもっ!」
隊員Bが言う
「回避ーっ!」
ART1マシーナリーたちが全員地へ伏せると銃弾たちがその上を過ぎ去って周囲の木々や壁に命中する M隊員Nが顔を上げ 視線の先で壁にめり込んでいる銃弾を見て言う
「あ… 危ねぇ所だった… …なっ!?ヴェイちゃん隊員?」
M隊員Nが顔を向けると 隣で伏せているM隊員Vが顔を向けて言う
「お、おう… よっ!?」
M隊員Vの頭に倒れた樹木がヒットする M隊員Nが衝撃を受けて言う
「おぉおおうっ!?ヴェイちゃん隊員っ!?無事かっ!?」
M隊員Vが頭を抑えつつ言う
「お、おうよー…っ 頭部には神経接合はねぇから 痛かねぇけど 最高にカッコ悪ぃぜ…」
隊員Nが苦笑して言う
「お、おうよ… それはそうだけど 良かっ…」
隊員Bの声が聞こえる
「少佐ぁーっ!」
M隊員NとM隊員Vが顔を上空へ向けると Mハイケルが上空へジャンプしていて両手銃を構えている M隊員Nが言う
「おおーっ!少佐ぁっ!?あの一瞬で!?」
M隊員Vが言う
「俺と違って 最高にカッコイイぜ 少佐ぁ!そのままー!」
M隊員Nが身を乗り出して言う
「今度こそ ハデにキメてくれーっ!少佐ぁーっ!」
Mハイケルがセンサー類の表示を見ながら思う
(ターゲットとの距離 照準 その他センサーや システムに置かれても この体勢から放つ銃弾は確実に奴を捕らえる …予定だ しかしそれが…っ)
Mハイケルが両手銃を放つが ウィルシュが顔を上げると 全ての銃弾がその目前で失速する Mハイケルの中ハイケルの意識が思う
(やはり 駄目か…っ!?)
ウィルシュが巨大剣を構える Mハイケルがハッとすると ウィルシュの巨大剣が振るわれる直前に ジェットエンジンを噴射して 巨大剣の打撃を回避する ART1マシーナリーたちが感激して言う
「おおっ!?あれはっ!?」 「新しい技だっ!?」 「本来の落下衝撃緩和装置を利用して 敵からの攻撃を回避したっ!?」 「流石 少佐ぁーっ!」
Mハイケルが着地すると空かさず 両手銃をウィルシュへ向ける M隊員Vが言う
「キマってるぜ 少佐ぁ…っ」
M隊員Nが言う
「カッコ良かったっ…!なぁっ!?バイちゃん隊員っ!?」
M隊員NとM隊員Vが顔を向けた先 M隊員Bの中 隊員Bが表情を厳しくしている サブモニターに映っている隊員Nが呆気に取られて言う
『バ、バイちゃん隊員…?』
隊員Bが言う
「少佐の攻撃が…っ 全部当たらないなんて… そんなの…っ カッコ悪いよーっ!」
サブモニターの隊員Nが驚き 隊員Nのサブモニターに映っている隊員Vが呆気に取られて言う
『…あ、あの バイちゃん隊員が…?』

【 ART 司令塔 】

サブモニターに映る 隊員Aが表情を悔しめて言う
『ART1の総攻撃も 少佐の攻撃さえ通じない… これじゃ どうしたらっ!?』
司令塔隊員たちが皆必死に情報詮索を行っている グレイゼスが自身の詮索作業に悔やむと顔を上げて言う
「誰かっ!?有益な情報は得られたかっ!?」
隊員たちが表情を悔やませオペ男たちが顔を見合わせ 互いに顔を左右に振る グレイゼスが焦りを抑えて オペ子Bへ向いて言う
「出力再検出結果はっ!?」
オペ子Bが言う
「ターゲット攻撃時と防衛時に置ける 周囲発生エネルギー解析完了 やはりどちらにも 出力変化は確認出来ません!」
グレイゼスが視線を下げ悔やんで言う
「ターゲットが ロストテクノロジーを使用している事は 間違いないんだ…っ そうとなれば その力を放つ時には 必ず 空間情報に強いエネルギー数値の出力が感知される それを捕らえ解析して無効化する事さえ出来れば ART1を用いた通常戦闘へ移行する事が出来るっ …しかし それが 解析所か 捕らえる事も出来ないんじゃ…っ!?これでは…っ」
隊員たちが顔を見合わせ オペ子Bが顔を向けると疑問する オペ子Bの視線の先 オペ子Aが視線を自身の膝元へ向けている オペ子Bが疑問してオペ子Aの視線の先を見ると気付く オペ子Aが膝上で両手で持っている黒い封書を見詰めてから顔を上げ コンソールを操作する

【 ART 第二訓練所 】

ART2隊員がコンソールの前に居る モニターには 出入り口前と司令塔の映像が映っている シュナイゼルが言う
「敵前に居るART1はもちろん 司令塔のマスターグレイゼス主任も 苦戦を強いられているか…」
ART2隊員が言う
「副隊長っ!?我々は このまま待機で 良いのでしょうかっ!?」
ART2隊員が言う
「我々ART2も出動し 以前の様に ART1と共に戦った方が宜しいではっ!?」
シュナイゼルが一瞬考えてから言う
「…そちらの判断は 現在 このARTを任されている マスターグレイゼス司令塔主任が 判断を下される …我々はARTの仲間として 現在のARTの司令担当である 彼の命に従わなければならない」
ART2隊員が言う
「そちらは… そうかもしれませんが しかし このままでは …彼らART1だけでは 奴は倒せません!そうとなればっ!?」
ART2隊員が言う
「そうですっ ここまでの司令塔の様子からしても 現状は得体の知れ無い力を前に 打つ手無しと言った所ですっ それならば…っ」
ART2隊員たちが言う
「副隊長っ!?」 「シュナイゼル副隊長っ!?」
ART2隊員が言う
「せめて 1言だけでもっ 我々ART2も 出動したいとっ!させて欲しいと マスターグレイゼス司令塔主任へ 進言を行っては如何でしょうっ!?シュナイゼル副隊長からの お言葉であれば 彼も従わない訳には…!」
シュナイゼルが言う
「そちらは 許されないっ」
ART2隊員たちが反応する

【 ART 司令塔 】

オペ子Aの視線の先 モニターに第二訓練所の様子が映っている オペ子Aのヘッドホンにシュナイゼルの声が聞こえる
『我々は ARTの仲間となったっ そうとなれば 階級も名誉も有って無い物と同じ 全ては ハブロス司令官の最初のご命令の通りに 我々は同じ位の仲間として 共に在らねばならない …そして それは 我々の隊長 ラミリツ・エーメレス・攻長隊長の思想も同じだ 我々の正義は 例え離れて在ろうとも 常に隊長の信念に従い それを信じ貫き通す事だ!』
ART2隊員たちが言う
『シュナイゼル副隊長…』 『はい 分かりましたっ …いえ 了解ですっ!』 『了解っ!副隊長っ!』 『了解っ!』 『了解っ 副隊長っ!』
シュナイゼルが頷いて言う
『うむっ』
オペ子Aが意を決し ラストオーダーを持つ指に力を入れると 一度胸に押し付けてから言う
「…っ 中佐っ!」
グレイゼスが顔を向けて言う
「どうしたっ!?何か情報を見付けたかっ!?」 

【 神の国 】

衛兵Aと衛兵Bが現れると 衛兵Bがマリアを見て一瞬驚いてからラミリツへ向き直り警戒する マリアが反応する 衛兵Aがマリアを見てから驚いて言う
「積み残しか!?数は数えられていた筈だが!?」
衛兵Bが顔を逸らして言う
「どうせなら アンナが残されて居たら良かったのに…」
衛兵Aが身を翻して言う
「直ぐに第2ブロックの方へ連絡を!」
ラミリツの声が響く
「止めろ!」
衛兵Aが驚いて身動きを止める ラミリツが抜刀した刀身を衛兵Aの首へ向けていて言う
「彼女の事は誰にも知らせるなっ!ここで見た事を 誰にも伝えないと言うのなら 貴方へ危害は与えない しかし 出来ないと言うのなら…っ!」
ラミリツが刀身を衛兵Aの首へ近付ける 衛兵Aが怯えて言う
「な、何だ お前は…っ!?第2ブロックの守衛にも お前の様な奴は見た事が…っ」
ラミリツが言う
「こちらの詮索はするな 今は自分の命が掛かっているんだ 私の言う事を 聞かないと言うのならっ!」
ラミリツが間合いを詰める 衛兵Aが怯え後ず去って言う
「む、無理だ…っ」
ラミリツが視線を強めて剣を近付ける 衛兵Aが怯えて言う
「も、もちろんっ!命は惜しいっ しかし…っ 今ここで 上様の下へ送る筈だった者を 見逃したりなんかしたら…っ」
ラミリツが言う
「見なかった事にすれば良い 彼女を残している事に気付かなかったのは 貴方だけでは無いだろう?」
ラミリツがちらっと衛兵Bを見る 衛兵Bが呆気に取られている 衛兵Aが言う
「…駄目だっ 見てしまった 俺は知ってしまったっ そうとなれば…っ アーク様には全てを見透かされるっ どの道同じだっ 俺はもう…っ!」
衛兵Aが怯えて強く目を閉じる ラミリツが呆気に取られて言う
「アークに…?」
衛兵Bが驚いて言う
「ア… アーク様っ!?」
衛兵Aが驚き目を開くと ラミリツの後ろを見て 怯えて言う
「ひぃっ!?」
ラミリツがハッとすると後方に気配を感じる ラミリツが一瞬焦って思う
(アークがっ!?)


続く
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