上 下
19 / 32
2章

アナザーゲートキーパーズ 『墓荒らし』

しおりを挟む
病院

ユウヤがゆっくりと目を開き白い天井を見渡してから思う
(…ここは?)
ユウヤの視界に 輸血の点滴が落ちる様子が見えると ユウヤが思う
(あれは… そうか 俺…)
リョウタの声が聞こえる
「ユウヤさんっ!?」
ユウヤが声の方へ視線を向けると リョウタが悲痛な表情でユウヤを見下ろしている ユウヤが微笑して言う
「リョウタ君」
リョウタが表情を明るめ 安堵と自責の念に辛そうにしながら言う
「よ、良かっ… 良かった…っ!ユウヤさんっ 俺っ…!ユウヤさんまで…っ」
ユウヤが思う
(俺まで…?それは…)
リョウタが涙を堪えると ユウヤがリョウタを見て微笑して言う
「怪我は… 治ったかい?リョウタ君?」
リョウタが一瞬呆気に取られてから ぐっと涙を堪えるが堪えきれずに泣きながら言う
「…はいっ …俺はっ …けどっ 俺 止めようと…っ これ以上は駄目だって…っ 頭では分かっていたのにっ 止められなくて…っ それで…っ!」
リョウタが服の袖を使って涙を擦り取る ユウヤが苦笑して言う
「ああ… いや、しょうがないよ?吸血衝動に 駆られ… ちゃっていたんだろ?それは 君たちの大先輩でも 結構 大変だったから… な?だからさ?」
ユウヤが苦笑して リョウタへ手を向けて言う
「だから もう…」
リョウタがユウヤを見る ユウヤが苦笑して言う
「そんなに 心配してくれてたって 分かったから …もう 自分を責めなくて良い しょうがない事だよ 失敗は 誰にもあるって… それに 皆が… 仲間が助けてくれただろ?今回だって…」
リョウタがユウヤを見て言う
「皆が…?」
ユウヤが苦笑して言う
「うん 出来れば もう一歩 早ければ… だけど これからは きっと 大丈夫だ それに、俺だって もう、大丈夫… …うっ」
ユウヤが起き上がろうとして脱力すると リョウタが慌てててユウヤの肩を支えて言う
「あっ ユウヤさんっ 無理しないで!医者が 後一歩で やばかったって…っ!」
ユウヤが言う
「後一歩で…?」
ユウヤが苦笑して思う
(そうだったのか… それなら 今度の時は もっと… もう2、3歩 早く 止めてもらえる様に 頼んでおこうかな?)
ユウヤが苦笑して笑う
「は… はは… それなら 次の時は もう2、3歩って… ん?…リョウタ君?」
ユウヤが言葉の途中で疑問してリョウタを見る リョウタはユウヤを見詰めていた状態から表情を落として言う
「…の時も 今回みたいに… 俺が… 病院に連れて行けば」
ユウヤが気付いて思う
(病院に?それは… なら やっぱり?)
リョウタが言う
「父さんを 助ける事が 出来たのかも しれなかった…っ!」
ユウヤが言う
「リョウタ君…」
リョウタが言う
「ユウヤさん 俺… 自分がヴァンパイアになったって事を 最初に 父に伝えたんです それで …俺は 死ぬつもりでした 弁護士の息子が ヴァンパイアになったなんて そんな事 知られたら…っ 父も 母さんも… 妹たちにだって 迷惑になる …だから って… けど、父は ”何か方法があるんじゃないか”って」
ユウヤが反応する リョウタが悲しそうに言う
「それが分かるまで 生き続けろって言いました…っ きっと 見付かる それまでは 何があっても生き続けろって だから… けど、その時 俺はもう耐えられなくてっ 血を吸わないで居る事が 限界だったんです…っ それで 無理だって答えたら そうしたら 父は…」
ユウヤがリョウタを見て言う
「お父さんは 何て?」
リョウタが言う
「”私の息子を殺す事は 何があっても許さない”って 親父は 俺に 言いました それで…っ」
ユウヤが言う
「自分の血を… 吸えと?」
リョウタが涙を堪えて頷く ユウヤが言う
「そうか… そうだったのか」
ユウヤが思う
(それで…)
リョウタがうつむいて言う
「俺… 怖かったんです… 俺のせいで…っ 俺が やった…って …思ったら 怖くなって …だけどっ 吸い取ってしまった血を 戻す事も出来ない もう 間に合わないと思ったら…っ それで…っ」
ユウヤがリョウタを見詰める リョウタがユウヤへ向いて言う
「ユウヤさん… 俺 父親の血を吸って… そのまま …逃げ出したんです」
ユウヤが思う
(そう言う事だったのか…)
リョウタが言う
「最初はすぐに 病院へ連れて行こうと思いました けど…っ 既に 失血性ショック症状が出ていて…っ もう間に合わないって それに… もし 俺が病院へ連れて行ったら 俺がヴァンパイアだと言う事が…っ それで… それで… どうしたら良いか分からなくなって… うぅ…っ ごめんなさい… ごめんなさい…っ 俺が…っ 俺が父さんを…っ」
リョウタが涙を流す ユウヤが表情を落としリョウタの肩を抱いて言う
「分かった リョウタ君… 辛かったね けど、もう 良いんだ… お父さんだって きっと…」
ユウヤが思う
(リョウタ君のお父さんは 自分に出来るを探したんだ それで 目の前で苦しむ 自分の息子を前にしたら …俺だって きっと …例え 結果が 同じだったとしても)
ユウヤが言う
「お父さんは リョウタ君を 助けたかったんだよ だから… お父さんの意思は 俺が継ぐから …これからも 俺に力を貸してくれないか?リョウタ君?」
リョウタが弾かれたように顔を上げユウヤを見る ユウヤが微笑して頷く リョウタが泣きながら微笑して言う
「…はいっ!ユウヤさんっ!」
ユウヤが思う
(俺は 必ず見付け出さなければいけない… その方法を… リョウタ君のお父さんの為にも …そして 今度こそ 助けるんだっ 俺の仲間たちを!…ヴァンパイアの皆をっ!)

翌日 警察署

ユウヤが意を決して言う
「お早う御座います!」
ユウヤがフロアへ入って行くと ユーノスとAJが顔を上げ AJが慌てて言う
「ユウヤ先輩っ!?」
ユウヤが自分の席に向かいつつ AJへ向いて言う
「ああ、お早うAJ 昨日はありがとな?家まで来てくれたんだって?今朝 妻に聞いたよ」
AJが苦笑して言う
「はい ユーノス警視に ユウヤ先輩の家の場所を聞いて… それで もし 居なかったら 俺…っ」
AJが一度周囲を気にしてから 小声で言う
「A校のアジトへ… 行くつもりでした ユウヤ先輩 あいつらに捕まっちゃってるんじゃないかって…っ けど… 調子が悪くて 家で休んでるって聞いたんで…」
ユウヤが一瞬反応してから苦笑して言う
「あ… うん そうなんだ その…」
ユウヤが思う
(リマには ただの体調不良で誤魔化せたけど A校のアジトへ行った事が知られているAJには 流石に隠し通せない…か?とは言っても その調子が悪くなった理由の方は A校のヴァンパイアが原因… では無いんだけど)
ユウヤが服の上から首を押さえると AJが気付いて言う
「もしかして ですけど?やっぱ?ヴァンパイアに吸われちゃったんですか?それで?」
ユウヤがハッとして自分が首を押さえていることに気付くと 苦笑して言う
「あ、ああ… 実は… そうなんだ けど…」
AJが怒って声を上げる
「やっぱりっ!だから 言ったんスよっ!俺らも一緒に行くってっ!」
フロアの人々が驚いて顔を向ける ユウヤが驚き呆気に取られた状態から 周囲を見ると 周囲の人々が気付き視線を逸らす ユウヤが苦笑してからAJへ向き直ると AJが真剣な面持ちでユウヤを見詰めている ユウヤが思う
(AJ… 本気で 俺を 心配してくれていたんだな…?)
ユウヤが気を取り直して言う
「ああ… ありがとうAJ 俺を心配してくれて」
AJが言う
「当たり前じゃないッスかっ?滅茶苦茶心配しましたよっ ユウヤ先輩に何かあったら 1人で行かせた 俺の責任だって…っ!マジ本気で!心配しましたっ!それに ユーノス警視だって!」
ユウヤが気付きユーノスへ向く ユーノスがユウヤの視線に気付くと苦笑して頷く ユウヤが苦笑して思う
(そうか… そうだよな?このご時世に 1人でパトロールに出た俺が 戻って来なかったとなれば)
ユウヤが席を立ってAJへ言う
「分かった 本当に心配をかけて ごめんな?AJ 悪かったよ それから ユーノス警視にも 改めて挨拶をして来るから」
AJが苦笑して言う
「はい そうッスね… あ、けど俺も… あの… サーセン… いや、すみませんでした ちょっと 言い過ぎた かも…?」
ユウヤが微笑して言う
「いや?ありがとう 先輩想いな後輩を持てて 俺は嬉しいよ?」
AJが一瞬驚いて言う
「へ?」
ユウヤが軽く微笑して言う
「それじゃ」
ユウヤがユーノスの下へ向かう AJがユウヤの背を視線で追いつつも頬を染めて言う
「お… 俺が…?」
AJが視線を泳がせると ヴァンパイアAが顔を出して言う
「何 照れてんだよ?見てて チョー恥じぃんだけど?」
AJが衝撃を受けて言う
「うっ!?うるせぇよっ!?ヴァンパイアっ!」
ヴァンパイアAが言う
「あ~ 恥じぃ 恥じぃ?」
AJが赤面して怒って言う
「だ、だだだだだっ!大体 お前らヴァンパイアが…っ」

ユウヤがユーノスのデスクの前に立って言う
「ユーノス警視 昨日は申し訳ありませんでした 連絡にも寄らずに 勝手に自宅へ帰ってしまいまして」
ユーノスが言う
「いや、体調不良と言う事であれば 仕方が無い 病院へは行ったのか?」
ユウヤが言う
「はい、病院で治療を受けてから 一度 署へ戻るつもりだったのですが…」
ユウヤが思う
(輸血を受けたとは言え 結局 俺は 自分の足で立つ事も出来なくて リョウタ君に支えられて家へ戻ったんだ あの状態じゃ… それに リョウタ君は現在捜索願いが出されている少年の1人だ その彼と一緒に ここへ来る事なんて出来なかった訳で…)
ユウヤが言う
「…すみません」
ユウヤの手が無意識に首へ向かおうとする ユウヤがハッと気付いて手を戻して思う
(…あっ まずい また 無意識に手が …ちょっと 傷が痛むせいで その話になると つい…)
ユーノスが言う
「…吸血された傷が痛むのかね?」
ユウヤが驚いてユーノスを見る ユーノスが苦笑して言う
「これでも私は 長年ヴァンパイアと関わっていた警官だ 若く経験の浅いヴァンパイアほど 獲物に傷を負わせ そして 一度 牙を立てた獲物を 取り逃がす事も多い …例の少年ヴァンパイアたちと 関わって来たのだろう?」
ユウヤが呆気に取られた状態から 観念して言う
「は、はい… … …しかしっ!その…っ」
ユウヤが意を決して言う
「これは 襲われたのではなくて その… 俺の仲間になってくれた ヴァンパイアにお礼として… しかし、ユーノス警視の仰る通り 彼はまだ未熟なヴァンパイアなので 少し… 多く吸われてしまいまして それで…」
ユウヤが首を押さえて苦笑する ユーノスが苦笑して言う
「…そうか ユウヤ巡査らしいと言えば それまでだが …余り無茶はするなよ?」
ユウヤが苦笑して言う
「はい、有難う御座います」
ユーノスが言う
「それで?本当に大丈夫なのか?体調は?」
ユウヤが言う
「はい 少し貧血ですが それ以外に外傷などはありませんので」
ユーノスが言う
「そうか では… 今日の所は 署内で事務処理など軽い業務を…」
ユウヤが言う
「あ、いえっ ユーノス警視 実は」
ユーノスが疑問すると ユウヤが気を取り直して言う
「今日、これから 捜索願いの出されている学生たちの親御さんらへ 改めて事情聴取を行いたいのですが 許可を頂けますか?」
ユーノスがユウヤから書類を受け取り確認してからユウヤへ言う
「ふむ… そうと言うのであれば そちらは構わないが 捜索願いの出されている学生たちと一言に言っても多いが 候補は絞られているのか?」
ユウヤが言う
「はい、B校の学生たちの親御さんらへ…」
ユーノスが疑問して言う
「B校の?ユウヤ巡査には A校の学生やその周囲の管轄を任せていた筈だが?」
ユウヤがハッとして言う
「え…?あっ!?は、はいっ それは…っ!」
ユウヤが思う
(しまったっ!元々俺は A校の管轄だったのに B校の担当だったAJから彼らのアジトの話を聞いて それで 俺はB校のリョウタ君たちと知り合った …けど、その事を ユーノス警視に話すとなれば 結果として 現在捜索願いの出され居ている学生たちの… ヴァンパイアたちの隠れ家を 知らせる事になってしまう…っ どうするっ!?)
ユウヤが言う
「えっと…っ 俺…っ いや、自分が受け持ったA校の学生たちの事も気になりますが 自分の相方のAJ巡査のB校の方が 捜索願いの出されている学生が多い様なので…っ 今日の所は 2人で!そちらを優先してみようかとっ!?」
ユーノスが書類を取り出し確認して言う
「ふむ なるほどな…?確かに こちらの学校からの捜索願いは 多く出されているからな?数を優先すると言うのも悪くは無いが…」
ユウヤが気を取り直して言う
「それから ユーノス警視 彼らの親御さんらから話を聞く際には 先日警視から伺った例の 招待状の話も聞いてみようと思うのですが」
ユーノスが言う
「うん?ああ、そうだな?招待状を受け取っていたのか否かを聞いておくのは 今後の捜査にも役に立つだろう」
ユウヤが思う
(14年前までは貴族が居た あの城へ 現行ヴァンパイアとなった彼らが 呼ばれていたと言う事が分かれば そして あの貴族たちの手によって…っ!)
ユウヤがふと気付いて言う
「…って?あの… ユーノス警視?ちなみに どう言った状態が 通常なのでしょうか?招待状を受けて 向かった城では 一体 何が…?」
ユウヤが思う
(そうだ 城からの招待状は ユーノス警視も35年前に ご自分の息子さん宛ての物を受け取ったと言っていた それなら)
ユウヤが言う
「警視も 息子さんを連れて 城へ向かわれたのですよね?」
ユウヤが思う
(しかし、ユーノス警視の息子さんは ヴァンパイアにはならなかった… それは何故だ?貴族の城へ向かっても 人によってはヴァンパイアにはならなかった…?)
ユーノスが言う
「そうだな、だが 招かれた城で 何があったのか… もしくは 何をされたのかは 私には分からんのだよ」
ユウヤが疑問して言う
「え?分からない?」
ユーノスが言う
「ああ、私は扉の外で待たされて居たんだ 息子だけを 城のメイドへ預けた状態で」
ユウヤが言う
「それでは…っ」
ユウヤが思う
(それでは B校の彼らの親御さんから 話を聞いたとしても 彼らがヴァンパイアにされた理由へは 繋がらないかもしれない)
ユーノスが言う
「時間はどれほどだったか …気持ちの上ではとても長いものだったが それでも実際は15分程度だった 再び そのメイドが現れ 息子を私へ返し …それだけだったよ」
ユウヤが言う
「それだけ… ですか?では 何か他には?戻された息子さんの状態などは!?」
ユーノスが言う
「ああ、何しろ 兼ねてより ヴァンパイアが居ると 噂がされていた城だ 私も返された息子の首や体を確認したが 吸血痕などは無かったし 何かを注射されたような痕なども無かった」
ユウヤが呆気に取られてから言う
「そう… でしたか…」
ユウヤが首に手を当てながら思う
(ヴァンパイアの吸血痕はもちろん 注射やその他の痕も無かったとなれば… うん?では それこそが ヴァンパイアにされなかったと言う状態なのか?それなら 城へ連れて行った親御さんたちから 返された子供たちの状況を改めて確認すれば そこに何か証拠があるという可能性も!?)
ユーノスが言う
「だからこそ 私も アニータさんから詳しい話を聞きたかったのだが 今はこの街はもちろん 他の街に置いても 城へ仕えていた者へ連絡を取られないかと 調べを進めている所だ 見付かれば 再び ユウヤ巡査へも知らせよう」
ユウヤが言う
「はい 有難う御座います…」
ユウヤが思う
(…いや 何だか申し訳ないな?ユーノス警視は 俺へも情報を提供してくれると 言ってくれているのに 俺は…)
ユウヤが視線を落とすと ユーノスが苦笑して言う
「捜査の為に 仕方無しと 情報を伏せる事は必要な事だ 話せる時に 伝えてくれれば それで良い」
ユウヤが驚いてユーノスを見る ユーノスが微笑して言う
「ユウヤ巡査の働きに 私も期待をしているからな?」
ユウヤが微笑して言う
「はいっ!有難う御座います!頑張りますっ!」
ユウヤが思う
(なんだ 俺の悩みなんて とっくに気付かれていたのか それ所か俺を信用して 期待までしてくれている)
ユーノスが頷いて言う
「うむ」
ユウヤが微笑して思う
(よしっ そうとなれば!)
ユウヤが敬礼して立ち去りながら思う
(俺は俺のやり方で 精一杯やろう!俺に期待してくれている ユーノス警視の為にもっ!)

ユウヤが席へ戻ると荷物を取る AJが気付いて言う
「ユウヤ先輩?どっか行くんスか?」
ユウヤが気付いて言う
「うん、これからすぐ B校の…」
AJが立ち上がりながら言う
「それなら 俺も同行しますよっ!?それから アイツもっ!」
簡易応接ソファに寝転んでいたヴァンパイアAが 片目を開けて言う
「んあ?どっか行くのか?」
ユウヤが言う
「いや、今行くのは その彼らの親御さんの所だから」
AJが言う
「親御さんの?」
ユウヤが言う
「ああ 彼らの親御さんへ 聞き取り調査へ行って来るだけだ だから 今回は心配は無いから」
AJが言う
「そうは言っても 奴らに関係する所に行くんッスから そうとなれば アイツは連れて行かなくても 俺は行きますよ!?」
ユウヤが思う
(え?困ったな… 本当は 俺1人で行きたいんだけど AJには B校の皆の事は 話してないもんな?)
ユウヤが苦笑して言う
「…いや、そうは言っても AJのその書類の山は まだ終わらないだろう?」
ユウヤが書類の山を示すと AJが言う
「戻ってから やりますっ!」
AJが装備を整え始める ユウヤが言う
「けど… えっと…」
ヴァンパイアAが言う
「おい?結局 行くのか 行かないのか ハッキリしろよ?」
AJが言う
「どっちにしても お前は留守番!」
ヴァンパイアAが不満そうに言う
「はぁあっ!?留守番って…?お前が行くってぇなら 俺も行くぜ?」
AJが言う
「え?付いて来たって 何も面白い事なんて無いぞ?そこでそのまま エロ本でも読んでる方が 面白いだろ?」
AJがヴァンパイアAの手にある本とテーブルに置かれているエロ本の山を示す ユウヤが苦笑して思う
(ここ一応 警察署なんだけどな…?)
ヴァンパイアAが手にしていた本を放りながら言う
「こいつは 戻ってからヤル!」
AJが言う
「え!?…んじゃ えっと…?」
ヴァンパイアAがAJの下へ向かいながら言う
「大体 俺がここに居るのだって お前の近くに居る事が目的だってぇのに その お前が居なくて 俺がここで留守番してるんじゃ 意味がねぇだろ?」
AJが呆気に取られて言う
「え?何?お前そんなに俺の事が好きだったのか?悪いけど 俺 そっちの趣味とかねぇから?」
ヴァンパイアAが衝撃を受けて言う
「んな訳ねぇだろっ!?馬鹿っ!」
AJが言う
「じゃあ 何だよ?」
ヴァンパイアAが言う
「だから お前は 俺の…っ!」
ユウヤが呆気に取られていた状態から苦笑して言う
「そうだよな?大切な自分の獲物が 他のヴァンパイアに襲われたら 困るもんな?」
AJが言う
「え?それって…?ユウヤ先輩?」
ヴァンパイアAが笑んで言う
「そう!そう言う事だ 流石 分かってんじゃねぇか?センパイ?」
ユウヤが思う
(ヴァンパイアが考える事は 同じだ… 彼らにとっての獲物とは…)
AJが疑問して言う
「え?つまり…?」
ヴァンパイアAが言う
「つまり お前に何かあったら 俺の飯が減っちまうだろ?だから 他のヴァンパイアに食われねぇ様に 見張ってるんだよ?」
ユウヤが思う
(飯… なのか?じゃぁ その為に?人間に戻りたいと思うリョウタ君たちとは違って 他のヴァンパイアにとっての人間は やっぱり それだけの存在なのか?)
ユウヤが苦笑すると ヴァンパイアAが唇を舐める AJが言う
「それはそうでも 俺を見て 飯って言うなよっ ヴァンパイアっ!」
ヴァンパイアAが言う
「るせぇっ!」
ユウヤが苦笑する

車内

AJが言う
「えっ!?B校の奴らと!?」
ユウヤが言う
「うん… 俺も仲間にしてもらった って言うのかな?だから 今日は…」
ユウヤが思う
(出来れば 隠して置きたかったけど AJは俺の相方だし それに これ以上はもう 隠し通す事は出来ない …AJにはヴァンパイアの相棒が居る 俺がこれからB校の皆と会えば 俺の体には きっと彼らヴァンパイアの匂いが付く …それに気付かれて 変な誤解を招く位なら)
ユウヤが言う
「だから これからは必要があれば また彼らの下へ行く事もあるから… 俺から 彼らの匂いなんかがしても 気にしないでくれ …な?えっと… ヴァ、ヴァンパイア君?」
ヴァンパイアAが言う
「は?匂い?」
ユウヤが言う
「うん ヴァンパイアは嗅覚も優れているだろう?それで… えっと 臭いと言っても ヴァンパイアだけが分かる 香水の様なものだって言ってたけど?」
ヴァンパイアAが疑問しながらユウヤの匂いを嗅いで言う
「はぁ?香水ねぇ…?クンクン… ふん…?分かんねぇけど まぁ 良いや アンタが何処の誰に吸われ様が 俺には関係ねぇし?」
ユウヤが衝撃を受け苦笑して言う
「うっ… そ、そう?それなら まぁ…?」
ユウヤが思う
(それじゃ 俺がAJへ暴露した意味も無かったって事か…?は…はは…)
ユウヤが気を取り直して言う
「…ま、まぁ 良いか?…で、話を戻すけど 俺がこれから向かう先は 既にヴァンパイアとなっている事が確認されている 彼らの親御さんたちの所で 俺は… ユーノス警視から聞いた 少し特別な事を聞かなくてはいけないんだ それで… 悪いけど そこへは2人を連れて行く事は」
ユウヤが思う
(いくらAJでも 俺の事なら兎も角 ユーノス警視から口止めされている事まで 教える訳には行かないからな…?)
AJが言う
「分かりました!それじゃ 俺らはその間は… 俺らだけで パトロールでもして置きますんで ユウヤ先輩は 行って来て下さいッス」
ユウヤがAJを見る AJが微笑して一度ユウヤを見る ユウヤが苦笑して言う
「…悪いな?俺としては 本当は話したいんだけど… あ、後 B校の彼らとの話は そのユーノス警視にも話していない事だから…」
AJが言う
「分かってますって!ユウヤ先輩!俺らを信頼して 教えてくれたんでしょう?だったら それを不意になんてしませんって!…な?ヴァンパイア?」
ユウヤが衝撃を受ける ヴァンパイアAが不満そうに言う
「はぁ?良く分かんねぇけど 俺には カンケーねぇし?」
ユウヤが苦笑して言う
「そうだよな?君は 君の獲物である AJを守る為に 同行しているだけだもんな?」
ヴァンパイアAが言う
「まぁな?後は 暇潰しによ?」
ユウヤが苦笑して言う
「ひ、暇潰し…」
ユウヤが思う
(俺たちが今携わっている事件は ある意味 人類の存亡に関わるほどの重大事件だと思うんだけど それに 暇潰しで…)
ユウヤが苦笑して言う
「ま、まぁ… 良っか…?」
パトカーが1件の家の前の近くに止まり ユウヤが降りると 発車する ユウヤが建物をを見上げてから歩いて向かう

少女A宅

室内に通されたユウヤが言う
「御忙しい所 申し訳ありません 自分は…」
母親が振り向いて言う
「それで 娘の消息は まだ掴めていないのですか?先日も あの子の行きそうな場所に 心当たりは無いかとのお話を 他の警察の方と致しましたが?」
ユウヤが気付いて思う
(他の警察の…?そうか この地域の担当の誰かが 話を聞きに来ていたんだな?知らなかった… けど、ここは一先ず)
ユウヤが言う
「…はい 申し訳ありません メルス街警察一同 一刻でも速く発見をと 日々捜索を行っておりますが… 生憎」
ユウヤが思う
(本当は俺だけは 彼らの居場所を知っている …だけど 他の警察は知らないとなれば 今は こうと答えるのが通常である筈だ)
母親が不安げに息を吐いて言う
「…そうですか」
ユウヤが思う
(自分の子供が行方不明となれば どれだけ胸が痛いかは 同じ子供を持つ親としては分かるつもりだ けど… 今は仕方が無い)
ユウヤが気を取り直して言う
「…そこで、そちらの捜索をより進める為にも 1つお伺いしたい事があるのですが 宜しいでしょうか?」
母親が言う
「はい… と、申しましても あの子の事で私の分かる事は もう全て警察の方にお話致しましたが?」
ユウヤが言う
「では もし、重複してしまいましたら 申し訳ありません 少し古い話になるのですが 娘さんが2歳頃の事です」
母親が疑問して言う
「え?あの子が2歳の頃?」
ユウヤが言う
「はい、その頃には まだこの街にも 貴族が… メルス城にナラーシャナラーシャ公爵と言う貴族が居た頃です …覚えていらっしゃいますか?」
母親が言う
「ええ もちろんです それに あの子が2歳の頃と言うと 丁度 その侯爵が退治された頃ですわ」
ユウヤが言う
「はい そうですね?しかし、同時にその頃に 娘さん宛てに 公爵からの… 城への招待状が 届いていたかと思うのですが…っ どうでしょう?」
母親が言う
「招待状…?」
母親が少し考えてから言う
「…ああ、そう言えば ありましたわね?」
ユウヤが反応して思う
(受け取っていたっ!?それじゃ やっぱり それで…っ!?)
ユウヤが言う
「ではっ …娘さんを 城へ連れて行ったのですねっ!?」
ユウヤが思う
(そして 城の貴族に…っ!?もしくは…っ!)
母親が言う
「いいえ?」
ユウヤが驚き呆気に取られて言う
「…えっ?」
母親が言う
「その前に ゲートキーパーズが 侯爵を退治して下さいましたから」
ユウヤが言う
「あ…っ そうでしたか… では… 娘さんを連れて行っては… …いない?」
ユウヤが思う
(その前に 俺たちが…?それなら…?)
母親が言う
「ええ、招待状は受け取りましたが あの子を お城へは連れて行かずに済みました」
ユウヤが呆気に取られて言う
「そ、そんな…?それじゃ どうして?」
母親が言う
「え…?」
ユウヤがハッとして言う
「あっ い、いえっ 失礼しましたっ!…えっと それでは…っ」
ユウヤが思う
(どう言う事だ…っ!?)

少女B宅

ユウヤが驚いて言う
「連れて行っていないっ!?」
母親が言う
「ええ 連れて行っていません 招待状の日時の数日前に 侯爵が捕まりましたから 侯爵の居ない城へ招待状を持って行ったとしても 歓迎して下さる筈のその侯爵様が居ないのでは 意味が無いでしょう?招待状には侯爵のお名前がありましたし?」
ユウヤが言う
「そ、そうですか それは… そうですね?」
ユウヤが思う
(彼女も招待状を受け取っていたが 城へは向かわなかった …それでは!?)

少年B宅

母親が言う
「ええ まったく!ゲートキーパーズだか何だかのお陰で 折角のご招待が 不意になってしまったのよ!?」
ユウヤが苦笑して言う
「す、すみませんでした…」
母親が言う
「ええ?何ですって?」
ユウヤがハッとして言う
「ああっ いえっ!?何でも…っ つ、つい…」
ユウヤが思う
(俺がそのゲートキーパーズのメンバーだったって事は 伏せて置こう… これは 必要な事 として…?)
母親が言う
「それでも 万が一と言う事もありますから?招待状の日時には 私は あの子を連れて行ったのだけど 門前で警察に追い返されてしまいましたわっ もうこの城には 誰も居ないって… もしかしたら 後一歩で あの子が あの城の主になっていたかもしれなかったと言うのに 本当に残念ですわっ!」
ユウヤが呆気に取られてから苦笑して言う
「あの城の主に…?いや それは」
ユウヤが思う
(無いと思うんだけどな…?)
母親が言う
「はい?何ですのっ!?」
ユウヤが慌てて言う
「あっ い、いえっ!…で、では」

ユウヤが家から出て来ると 一息ついて言う
「ふぅ…」
ユウヤが思う
(結局 貴族の城で何をしていた… されていたのかは 分からなかった …にしても あの城へ呼ばれた事を 喜んでいた人も居たんだな?…ゲートキーパーズの活躍は当時も極秘裏にされていた けど手段やアノ事は兎も角として 貴族を退治した事に関してだけを言えば 俺は 正義の味方だと思っていたのだけれど…)
ユウヤが苦笑して言う
「まさか 14年以上経った今になって 責められるなんてな?はは…」
ユウヤが資料を取り出しながら言う
「さて… 次は…?」
ユウヤが見ている資料の文字がぼやける ユウヤが疑問して思う
(あれ?文字が…?いや?視界が?)
ユウヤが辺りを見ると周囲の景色がぼやけて回転する ユウヤが表情をしかめて近くの壁で身を支えると 手で顔を覆いながら思う
(まずいな… やっぱりまだ調子が悪いみたいだ 昨日からずっと気になっていた事を確認出来たと思ったら 気が抜けたのか?けど、まだ何も解決していない… むしろ 謎は深まって… もっと調べないといけないのに…)
ユウヤがその場にしゃがみ込むと 遠くからパトカーがやって来て ユウヤの近くに止まると AJが慌てて駆け寄って来て言う
「ユウヤ先輩っ!」
ユウヤが顔を向け 苦笑して言う
「あ、ああ… 有難う AJ それじゃ 次は11番ストリートの…」
AJが怒って言う
「何言ってるんスかっ!?顔色真っ青ッスよ!家へ送りますから 今日はもう 休んで下さい」
ユウヤが言う
「いや、本当に… もっと調べなくちゃいけないんだ 解明すると思っていた事が むしろ逆の答えが返って来てしまって… これをハッキリさせないと… 休むに休めないんだよ」
ユウヤが思う
(リョウタ君たちの為にも… 早く 俺が…)
AJが言う
「城への招待状の話ならっ 俺が 代わりに聞いて来ますからっ!」
ユウヤが驚いてAJを見る AJが苦笑して言う
「…すみません 何か協力したいと思って… ユウヤ先輩が 親御さんたちに何を聞いているのか …あいつの耳を使って 聞いてもらっちゃいました」
ユウヤが顔を向けると ヴァンパイアAがぷいっと顔を背ける ユウヤが苦笑して言う
「そうか… 分かった」
AJが言う
「勝手な事して すみません… けど 俺 絶対に 他の連中には言いませんしっ あいつにも言っちゃ駄目だって言って有ります!もし言ったら もう餌はやらないからってっ だから 大丈夫ですからっ!」
ユウヤが苦笑して言う
「うん それなら… きっと大丈夫だな?それに… ごめんな?俺の方こそ AJに隠していて…」
AJが苦笑して言う
「そんなの構わないッスよ 俺は まだまだ ひよっ子ですから… ユウヤ先輩に信頼してもらえるように もっと 頑張りますよ!」
ユウヤが微笑する AJが微笑を返した後 ユウヤへ肩を貸して車へ連れて行く

ユウヤの家

ユウヤがベッドに寝ている その部屋のドアを閉めて リマが振り返って言う
「もう… だから無理だって言ったのに… ごめんなさいね AJさん?昨日は心配を掛けて 家まで来てもらった上に 今日は今日で 送り届けさせちゃって」
AJがハッとして 慌てて言う
「あ!い、いえっ!その…っ 心配はしましたけどっ ユウヤ先輩は 俺の尊敬する 大先輩ッスからっ 俺に出来る事でしたら 何でもっ!」
リマが微笑して言う
「うふっ 貴方の様な後輩が 一緒に居てくれるなら 私も安心だわ?…彼、昔から 何でも一人で抱え込んで 無理しちゃうから 心配していたの 今回もまた ヴァンパイアに関係する事件でしょ?だから 無茶をするんじゃないかって…」
AJが言う
「あ~… 確かに 今回の事件には ユウヤ先輩 すげぇ 気合入ってますよね?それまでは~ どちらかと言えば 警察官のお手本的な… 真面目っちゃ真面目なんだけど… なんっつーか… 何処か冷めた感じでした けど…」
リマが疑問して言う
「けど?」
AJが微笑して言う
「今は 傍から見ても すげぇって思います やる事も それを やり遂げちゃう事も… だからっ 俺も 何でも良いから 手伝いたいって… マジで思ってます!」
リマが微笑して言う
「ありがとう AJさん」
AJがハッとして頬を赤らめると慌てて言う
「…って、てて って言ってもっ!?俺 今までが全然 不真面目だったんでっ 手伝おうにも 何したら良いのかって… あ!ああっ!そ、そうだった!聞き込みに行くんだったっ!ユウヤ先輩の代わりに!」
リマが軽く笑って言う
「ふふ…っ それじゃ AJさん 彼の代行を よろしくね?…頑張って?」
AJが敬礼して言う
「はいっ!AJ巡査 行って参りますっ!」
リマが微笑して言う
「気を付けてね?」

AJが家を出ると 家の外に居たヴァンパイアAが言う
「顔 すっげ~ 赤ぇ~けど?」
AJがパトカーのドアを開けながら言う
「るっせ~よっ ほっとけっ」
ヴァンパイアAが助手席に入りながら言う
「はぁ?もしかして あのセンパイの女に 惚れてるとか?」
AJが顔を赤らめて言う
「リマさん… マジで美人だからなぁ… 昨日に続いて2回目だけど ホント緊張しちゃうよ…」
ヴァンパイアAが呆気に取られて言う
「美人っつっても BBAだろ?何しろ あのパイセンの相手なんだからよ?」
AJが言う
「ばーか 知らないのか?ユウヤ先輩の奥さんである リマさんは 元モデルで この街で一番の美女って言われてたんだぜ?確かに 俺やお前よりずっと年上だけどさ?噂通り… いや、それ以上だって!」
ヴァンパイアAが言う
「…へぇ?そんな美人なのか?…この女より?」
ヴァンパイアAがエロ本を見せる AJが言う
「断然上!」
ヴァンパイアAがエロ本を見て言う
「マ、マジかよっ!?…なんだよ 俺も 付いて行けば良かった…っ」
AJが言う
「そのリマさんに 頑張ってね?って言われたもんな!?頑張んなきゃなぁあっ!」
AJが車のエンジンを掛ける AJが後部座席で寝転がりながら言う
「あ~ けど この女より良い女だったら 俺 耐え切れなくて …吸っちまうかもな?そうなると 面倒だから やっぱ行かなくて正解だったぜ」
AJが気付いて言う
「うん?…そうか?もしかして?…それで?」
ヴァンパイアAが疑問して言う
「あぁ?」
AJが苦笑して言う
「いや、ユウヤ先輩が 気合入っている理由さ?もしかして… 愛する奥さんを ヴァンパイアの牙から 守る為ー!…だったりして?」
ヴァンパイアAが言う
「はぁ…?まぁ そうなのか?だとしたら 俺が吸い付いたりしたら 今度こそ あのヴァンパイア殺しの薬でやられるかもな?…止めとこ」
AJがヴァンパイアAをチラッと見て言う
「その前に… んな事したら マジ2度と 餌はやらねぇからな?ヴァンパイア」
ヴァンパイアAが苦笑して言う
「だったら 無理やりにでも 吸い取ってやるぜ?」
AJが言う
「俺にだって 手段はある …ヴァンパイアは死んだ人間の血は吸わないんだろ?」
ヴァンパイアAが一瞬驚いてAJを見る AJが言う
「ユウヤ先輩ほどじゃなくても それくらいの覚悟は 俺にだってあるんだよ」
ヴァンパイアAがAJを見る AJは正面を向いたまま運転している ヴァンパイアAが密かに苦笑してから言う
「…へぇ?…見直した」
AJが聞こえずに疑問して言う
「え?何だって?」
ヴァンパイアAが呆れた様子で言う
「似合わねぇって言ったんだ!」
AJが衝撃を受けて言う
「あっ!この野郎っ!言ったなぁ!?人の決意をっ!」
AJとヴァンパイアAが笑う

意識の中

少女Aの母親が言う
『いいえ?』
ユウヤが驚き呆気に取られて言う
『…えっ?』
母親が言う
『その前に ゲートキーパーズが 侯爵を退治してくれましたから』

ユウヤが驚いて言う
『連れて行っていないっ!?』
少女Bの母親が言う
『ええ 連れて行っていません 招待状の日時の数日前に 侯爵が捕まりましたから…』

少年Bの母親が言う
『ええ まったく!ゲートキーパーズだか何だかのお陰で 折角のご招待が 不意になってしまったのよ!?それでも 万が一と言う事もありますから?招待状の日時には 私は あの子を連れて行ったのだけど 門前で警察に追い返されてしまいましたわっ』

ユウヤが思う
(彼らは3人とも 城からの招待状は受け取っていたけれど 城には行って居なかった… いや、行ったとしても 門前で警察に追い返された… つまり、貴族やその貴族と共に居たであろう ヴァンパイアとは接触していなかった)

少女Aの母親が言う
『ヴァンパイアに?…いいえ 私は会った事はありませんわ もちろん 子供も… 丁度 先日、夫とも ヴァンパイアは見た事も無かった という話をした所ですわ』

少女Bの母親が言う
『ええ ありません …それはもちろん 私の意識のありませんでした 幼少の頃と言うのは分かりませんよ?それでも あの子に関しては 女の子でしたからね?余計 外へ出す時には気を付けていましたから 貴族やヴァンパイアの目に触れないようにと…』

少年Bの母親が言う
『ヴァンパイアに?さぁ どうかしら?少なくとも私は認識していませんでしたわ …大体 それほど多くのヴァンパイアが 本当に14年前までには居たのかしら?』

ユウヤが思う
(それ所か 彼らの親御さんたちも 完全にとは言い切れなくとも ヴァンパイアとは接触していなかった… 分からない それじゃ どうして?彼ら 少年少女たちが 突然ヴァンパイアになってしまったんだ?現状 確認が取られているヴァンパイアは皆16歳から17歳… 何故 15歳や18歳は居ない?)
ユウヤが思う
(ヴァンパイアや貴族が居たのは14年前までだ それは間違いない 貴族の多くは皆ゲートキーパーズの活躍で捕らえられ そしてヴァンパイアは… あの作戦で 殲滅させた …居なくなったんだ 1人残らず …それなら もう人間の子供を ヴァンパイアにする事は出来ないはず …ん?いや 何故?…そもそも どうやって 人間をヴァンパイアにしていたんだ?その方法は…?)

ユウヤの意識の中 ユーノスが書類をデスクへ置いて言う
『残念ながら ラウンスターク家の元貴族たちへの面会は叶わなかった』
ユウヤが言う
『そんなっ!?何故ですか!?事は 我々人間の存亡を賭ける程の 自体だと言うのにっ!?』
ユーノスが言う
『うむ、恐らく その認識が 上の者には無いのだろう』
ユウヤが言う
『え…?』
ユーノスが言う
『警察のトップ辺りともなるとな?そう言った事には 興味を向けられなくなるらしい』
ユウヤが呆気に取られて言う
『”そう言った事には”って?それ以上の事なんて 何かあると言うんですかっ!?』
ユーノスが苦笑して言う
『そうだな?そうと思うのが 私やユウヤ巡査の限界なのだろう …もしくは 彼らも以前までは そうであったのだろうか…?権力とは恐ろしいものだ』
ユウヤが言う
『理解出来ません』
ユーノスが苦笑してから言う
『ああ、それで良い つまり …我々だけで 調べ上げる他に無いのだよ ユウヤ巡査』
ユウヤが視線を強める

ユウヤが思う
(現行 拘留所や警察上層の息の掛かっている場所に居る 元貴族の彼らから その方法は確認出来ない ユーノス警視は引き続き アニータさんの様な 元城抱えの一般市民を探すと言っていた… 俺は…?俺はどうしたら良い?俺に出来る事は…?)
ユウヤの意識に ゲートキーパーズの仲間たちの姿が見え ユウヤが表情を苦しめて思う
(あの頃に戻れたら…っ 人間の仲間と一緒に ヴァンパイアの仲間も居た …それは 今も同じになった けどっ だけど…っ)
ユウヤの意識にヴィンの姿が映り微笑する ユウヤが思う
(ヴィン… 教えて下さい あの城では何が行われていたのですか?俺はどうしたら?…なんて 今 貴方に聞けたら どんなに楽だっただろう?俺はずっと 貴方に頼っていた その貴方を裏切った後でも ずっと… しかし 今はもう どんなに助けを求めたくても …いや 俺はまだ 甘えている つくづく情けない こんな俺じゃ もし 今 貴方に会ったとしても 貴方はもう…)
ヴィンが微笑する ユウヤが思う
(…いや もしかしたら… また助けてくれるのかな?ヴィンはとても優しいヴァンパイアだった そして…)

ユウヤが苦笑して言う
『ヴィンは 凄いですね?とても 俺ら人間には 敵いそうにありません…』
ヴィンが苦笑して言う
『そうでもないさ 私も元は 電波障害の謎を解こうとしていた 唯の人間だった』

ユウヤが思う
(その人間だった貴方はどうして…?あぁ… 本当に あの時に聞いて置けばと 何 度嘆いても これが…)

ヴィンが言う
『ああ… 人であろうと ヴァンパイアであろうと 何も変わらない 結果が全てだ …と、それに気付いた時には 遅かったな …私は失敗だった』
ユウヤが呆気に取られて言う
『え…?失敗?』

ユウヤが思う
(俺も… 失敗だった そして… もう…)

ヴィンがユウヤを見て苦笑する ユウヤが言う
『そんな …どうしてですか?ヴィンは色々な薬を作れたり 今回の様に 同じ能力を持ったヴァンパイアの力を抑える事だって出来て…っ それに…』
ユウヤがハッとして言う
『そ、そうですよ!ディークを!彼を助ける時だってっ ヴィンの知識や技術で…っ!そのお陰で!』

ユウヤがハッとする

ヴィンが言う
『ああ、彼は しばらく休ませれば ヴァンパイアとして力を取り戻す …そうだな ユウヤがいつか 必要とした時にでも 起しに行くと良いだろう』

ユウヤが目を覚まして言う
「彼を 起こしに!?」
ユウヤが思う
(そうだっ ディークはっ!?)
ユウヤがベッドを飛び出す

夕刻 ユウヤの家の前

パトカーが止まっていて AJが驚いて言う
「えぇえっ!?今度は 飛び出して行っちゃったんッスかぁあっ!?」
リマが苦笑して言う
「そうなのよ 本当に突然…」
AJが呆気に取られた後 困って言う
「えっと… そ、それじゃぁ?何処へ行ったのか?…なんて事も?」
リマが言う
「ええ、言葉を交わす間も無く 大急ぎで行っちゃったものだから」
AJが困りながら言う
「はぁ~ そうッスか… そんな状態じゃ 何処へ向かったのかの 検討も付かないッスよね?うん?…もしかして またB校の連中の所か?」
リマが言う
「本当に 何処へ行っちゃったのかしら?…スコップなんて持って?」
AJが呆気に取られて言う
「は?スコップ?」

墓地

所々で墓参りをしている人々が居る ユウヤが一角を見て思う
(確か あの辺りだ… …けど)
ユウヤが周囲を見渡して思う
(流石に 人が居る状態じゃ 墓を掘り返す訳には行かないよな?いくら警官の格好でも 墓荒らしか何かと 勘違いされる可能性もあるから もっと人が減ってから…)
ユウヤが言う
「…にしても?」
ユウヤが思う
(今日はやけに 墓参りをする人が多い様な気がするけど …気のせいか?今って 特に そんな時期と言う事も無かったよな?)
ユウヤの近くを墓参りの男女が通る ユウヤが思わずスコップを隠して身を潜めると 墓参りの女が手を合わせながら言う
「ご先祖様… どうかお願いします 例え… 例え あの子がヴァンパイアになってしまったのだとしても 警察には見付からない様に… どうか どうか… うぅ…」
ユウヤが反応して身を潜めて伺う 墓参りの男が言う
「何言ってるんだ お前 アイツがヴァンパイアなんかに なっている筈が無いだろう?それに… もし そうとなってしまったなら 警察から逃れるなんて事は出来ないさ 警察が本気になれば また14年前の様に 人間を安全な場所へ隔離して ヴァンパイアだけを殲滅させるだろう そうとなれば…」
ユウヤが表情を落とす 墓参りの女が言う
「そんな事になったら 今度は私行かないわっ あの子と一緒にっ 死んだ方がマシよっ!」
墓参りの男が言う
「何言ってるんだっ アイツは帰って来るっ もちろん… 人間のままでだっ」
墓参りの女が蹲って泣きながら言う
「だってもう…っ 警察は見付からなかった学生は ヴァンパイアになったものと見做して …討伐するってっ!」
ユウヤが驚いて言う
「なっ!?」
ユウヤが思う
(どう言う事だっ!?)
ユウヤがスコップを捨てて走り去る スコップが倒れた音に 墓参りの男女が振り返り走り去るユウヤの後姿に疑問する

警察署

ユウヤが急いでフロアへ入って来る AJが振り向き言う
「あっ!ユウヤ先輩っ!良かった 来てくれたんッスね!?」
ユウヤがAJへ向いて言う
「AJ!ユーノス警視は!?」
ユウヤが周囲を見渡すと AJが言う
「はいっ!そのユーノス警視からっ!…大変な事になりましたよっ ユウヤ先輩!」

取調室

ユーノスが言う
「では そうと言う事で 今後は…」
扉が開かれユウヤが飛び込んで来て言う
「ユーノス警視っ!?どう言う事ですかっ!?現在行われている 失踪者の捜索を打ち切ると言うのはっ!?それに!この資料はっ!?」
ユウヤがハッとする ユウヤの視線の先 取り調べ室内には沢山の警察官が居る ユーノスが苦笑して言う
「戻ったか ユウヤ巡査」
ユウヤがユーノスへ向くと ユーノスが言う
「ユウヤ巡査が居ない間に決定された事なのだが 詳しい事はAJ巡査から聞いているか?」
ユウヤが言う
「この出生届の少年少女たちを 皆 ヴァンパイアになった者と見做し 討伐対象とすると!?」
ユウヤが思う
(確かに 彼らは皆 ヴァンパイアになってしまっているっ …しかし そうとなった 詳しい理由も調べずに 討伐するだなんてっ!?)
ユーノスが苦笑して言う
「その前に 捜索願いの出されていた学生たちの一部が 今日の午前中に保護された そして、そちらの少年少女たちは 紛う事無く人間であり …その彼らは ヴァンパイアとなった学生らに 脅されたが故に 失踪していたと言う事実も 聞いているか?」
ユウヤが驚いて言う
「えっ!?脅されて…っ!?」
ユウヤが思う
(…まさかっ!?)
ユーノスが言う
「そうだ 人間の彼らは 学生たちが島のアジトと呼んでいる場所や ヴァンパイアとなった学生らの事を 秘密にすると言う事が条件で 他校のヴァンパイアから守ってやると 脅迫されていたそうだ」
ユウヤが言う
「そんな…っ」
ユーノスが言う
「更に言うのであれば 人間の彼らは 自分たちが 口外する事によって 自分の家族や友人が 同校のヴァンパイアから 襲われるのではないかと言う恐怖があり 自宅へは戻られなかったとの事だ」
ユウヤが言う
「それで 今まで…?」
ユウヤが思う
(それが理由だったのか?”匿っている”って話だったけど …あのリョウタ君たちが 自分たちの仲間の人間の学生たちを そんな風に…っ?いや、彼らはそんな恐喝や取引などでは無くて 純粋に 守ってあげようとしていたんじゃないのか!?そうじゃなければ 俺のような奴を受け入れる事だって無かった筈で…っ そもそも!)
ユウヤが言う
「し、しかしっ 保護の対象から外れた彼らが!…仮に もし本当にヴァンパイアになっていたのだとしても それは 彼らの意思ではない筈ですっ!それに そうとなれば 俺たち警察は 彼らを助ける為の手段を探すべきであって 断じて討伐などと言う事はっ!?」
ユウヤが思う
(そうだっ 彼らはヴァンパイアになってしまった それは 彼らにとっても不本意な事でっ 彼らは俺たちへ 助けを求めているも同然なのに それをっ!?)
ユウヤがユーノスへ向いて言う
「それに ユーノス警視だって アニータさんの話を聞いたではありませんかっ!?俺たち人間はっ!」
ユーノスが僅かに反応してから一度顔を逸らし 警察官らへ向いて言う
「では 諸君への話は以上だ 予定通り 装備を整え街中の巡回パトロールへ向かってくれ ヴァンパイアを確認した際には …直ちに討伐を!」
警官たちが敬礼して言う
「はっ!」
警官たちが部屋を出て行く ユウヤが言う
「ユーノス警視っ!?」
警官たちが部屋を出て行くと扉が閉まり ユーノスが一息吐いて言う
「ユウヤ巡査 言いたい事は分かる しかし これは上の決定なんだ」
ユウヤが言う
「”上の” と言う事はっ 以前も言っていた 警察トップの…っ!?」
ユーノスが言う
「ああ 私からも アニータさんの話は伝えてみたが 具体的な証拠が一切無い事から 取り合ってはもらえなかった… それに 城への招待状や この出生届の整理番号なども…」
ユーノスが出生届の資料をデスクへ置いて言う
「最も こちらの出生届に関しては 整理番号の112番までの者に関しては 無事保護がなされた事から後の 113番以降の者は ヴァンパイアの疑いが有りと言う そちらの参考資料にはなったが… 結論を言えば 重要なのは 実際に城へ向かったかどうかだ」
ユウヤが言う
「え?…あ、確かに?」
ユウヤが思う
(俺が確認を取った3名は 城へ向かったけれど その時には…)
ユーノスが言う
「出生届の整理番号112番より以前の子供たちは その殆どが 貴族からの命令である 招待状に従い 城へ子供を連れて行っていた しかし 中には 招待状を無視し 城へ子供を連れて行かなかったと言う親も居たんだ …そして ユウヤ巡査」
ユウヤが言う
「はい?」
ユーノスが言う
「その連れて行かなかった子供は 112番より以前の者であるにも関わらず ヴァンパイアとなった事が確認された」
ユウヤが驚き目を見開いて言う
「そんなっ!?では…っ!?」
ユウヤが思う
(俺が確認をした 3名を含む 城へ向かわなかった者が!?城に居た 貴族やヴァンパイアに 会わなかった彼らが ヴァンパイアになったっ!?)
ユーノスが言う
「答えは記された つまり あの城では 人間をヴァンパイアにしていたのではなく …人間をヴァンパイアに ”しない為の何らかの処理” が、行われていたと言う事だ」
ユウヤが言う
「あの貴族たちが…っ!?」
ユウヤが思う
(あの私利私欲に飢えていた 貴族たちが 人間の子供たちへ …ヴァンパイアにしない為の処理を 行っていたと言うのかっ!?)
ユーノスが言う
「今 私や私と志を同じくしてくれている 他の街を含む刑事たちが 全力で 城に仕えていた者を探している …あの頃の貴族たちは 我々は接触は出来ないからな?代わりに彼らに仕えていた その者たちが 方法を知っていると言う事に賭けて… しかし、それを調べる間にも 街を守るべき 我々警察官は ヴァンパイアの被害から 人々を守らねばならない」
ユウヤが言う
「待って下さいっ だからと言って 彼らヴァンパイアを退治しようと言うのはっ …ユーノス警視も聞いた筈です!アニータさんは 人間とヴァンパイアは共に生きるべきであると!」
ユーノスが言う
「そのヴァンパイアが 我々人間を襲っている現状では もはや退治をするしか無いだろう?」
ユウヤが一瞬言葉を失ってから 言う
「…そ、それは」
ユーノスが言う
「現に この数週間で ヴァンパイアの吸血被害によって 命を失った人間の数は 14年前のあの頃と同等に…っ いや、それ以上の被害が出ている」
ユウヤが驚いてから困って言う
「そ… それは… しかしっ 彼らが生きるには 人間の助けが必要なんですっ それで… だから 人を襲ってしまうだけであって…」
ユウヤが思う
(しかし、彼らヴァンパイアは 吸血衝動を抑え切れなければ 人間の命を奪ってしまう… それは 俺だって知っている事だ)
ユウヤがユーノスを見上げて言う
「彼らを助ける方法は無いのでしょうか?既にヴァンパイアとなってしまった 彼らを…っ」
ユーノスが言う
「ユウヤ巡査の気持ちは分かるが これが 今の人間の我々警察が出来る 精一杯の事だ …苦しい事だが 諦めてくれ そして 今度こそ我々と共に…」
ユウヤが言う
「”人間の” 警察が出来る 精一杯の?…それならっ!」
ユウヤが走って取調室から出て行く ユーノスが呼ぶ
「ユウヤ巡査っ!」

墓地

夕日が沈む中 今も残る人々が視線が向ける先で ユウヤが必死にスコップで墓を掘っている 人々が表情を歪める ユウヤが思う
(もう なりふり構ってなんか居られないっ!早く調べないとっ また…っ また俺は!仲間を助けられないっ!俺の仲間を…っ!リョウタ君たち ヴァンパイアの仲間をっ!)
ユウヤが懸命に墓を掘っている 人々が言う
「墓荒らしか…?」 「でも 警察みたいだし…?」
人々がユウヤを 訝しく見ながらも立ち去る



スコップの先が棺に当たる ユウヤがハッとして思う
(…あったっ!)
ユウヤが周囲の土を退かす 棺の周囲の土が退かされると ユウヤが言う
「よし… これで…」
ユウヤが息を切らせつつ 改めて棺を見て思う
(14年前のヴァンパイア殲滅作戦では 建物の中はもちろん 地下室や密室の中に居たヴァンパイアも皆 息絶えていた …けど 土の中は?蓋がされた棺の中で 更に土の中に埋められていた この状態なら?アウターの脅威を逃れて 彼は …生きているかもしれない!?)
ユウヤが言う
「…ディーク」
ユウヤが近くの地面にスコップを突き刺して思う
(どうか 生きていてくれ 今 俺に答えを教えられるのは きっと …親父の相方であったヴァンパイア …俺の家族でもあった ヴァンパイアのっ!)
ユウヤが棺に向かおうとすると C高のヴァンパイア1が言う
「…へぇ?ケーサツが墓荒らしなんて 世も末って奴?」
ユウヤが驚いて振り返ると ハッとして思う
(…そうか うかつだった ここは…っ この場所はっ!)
振り返ったユウヤの視線の先 C校のヴァンパイアたちが ユウヤを囲っていて不適に笑う ユウヤが思う
(彼ら C校の島… C校のヴァンパイアたちの 縄張りだ…っ!)
C高のヴァンパイア2が言う
「お巡りさん?こんな明るい月明かりの夜に 俺らの島で何してるのかなぁ?墓荒らしは 犯罪だぜ?ケーサツに突き出しちゃうぞ~?」
C高のヴァンパイアたちが笑う ユウヤが言う
「…見ての通り 俺は その警察だし これは 事件の捜査の為に必要な事だから もし 署へ通報したとしても 俺が捕まる様な事は無い それより 君たちこそ 危険なんじゃないか?今日から警察は 君たちへ対して 本格的な武力の施行が決定された …だから 余り 騒ぎは起さない方が良い 下手をすれば」
C高のヴァンパイア3が言う
「下手をすればぁ?」
C高のヴァンパイアたちが悪笑んでユウヤを囲う ユウヤがリボルバーへ手を伸ばしながら思う
(俺は 今 こんな所で やられる訳には行かない 負ける訳にはっ …だけど)
ユウヤが表情をしかめる ユウヤの手がリボルバーのグリップに触れる ユウヤが思う
(相手は多数 そして 恐らく彼らの殆どがヴァンパイアだ リボルバーの残りの銃弾じゃ足りない …そもそも 人間の俺が1人じゃ 最初から勝ち目は無い この場から逃げ出す事だって…?)
ユウヤが視線を後方のディークの棺へ向けるが C高のヴァンパイアたちが行く手を遮っている ユウヤが思う
(俺の行動を読んでいるのか?俺とディークの間を遮る数の方が多い そうとなれば ここはもう 一か八かっ 正面突破で逃げるしかないっ 出来れば 彼らの様に リョウタ君たちがやった様に 相手を上手く かく乱して …よしっ!)
ユウヤがリボルバーを抜いて構えて言う
「この銃は ヴァンパイア殺しの銃だ!怪我をしたく無ければっ」
C高のヴァンパイア1が言う
「ヴァンパイア殺しの?…へぇ?そんな銃まであったのか てっきり 昔みたいに人間だけ匿って ヴァンパイアを殺すのかと思ったけど …じゃ ないんなら…?」
C高のヴァンパイア1が一瞬消える ユウヤが一瞬驚くと次の瞬間 ユウヤのリボルバーを持つ手が衝撃を受け ユウヤが悲鳴を上げる
「ああっ!?」
リボルバーがユウヤの手から落ちる ユウヤがハッとして思う
(しまったっ!)
C高のヴァンパイア1が銃を踏み同時にユウヤの首を絞める ユウヤが悲鳴を上げる
「ぐっ…!」
C高のヴァンパイア1が言う
「残念でした~?人間の動きなんて ヴァンパイアの目から見れば 超スロー そんな人間の銃にヤられる ヴァンパイアなんて どんな馬鹿だ?」
C高のヴァンパイアたちが笑う ユウヤが表情を苦しめつつ C高のヴァンパイア1の手を掴み C高のヴァンパイア1を見て思う
(このヴァンパイアに 吸い殺されるのかっ!?俺は…っ まだ やらなければいけない事が あるのに…っ こんな所で…っ)
C高のヴァンパイア1が苦笑して言う
「心配するなよ?オッサン 俺らはこう見えても 美食家って奴?オッサンの血を吸うほど 飢えちゃ居ないし 正直 気持ち悪ぃ だから 選ばせてやるよ?このまま首を絞められて殺されるか それとも…?」
C高のヴァンパイア2が近くへ来て言う
「俺らが喜ぶような 若くて良い女を連れて来る為の 俺らの下僕になるか…?クククッ… ケーサツなら 丁度良いと思うけどな?」
C高のヴァンパイアたちが笑う ユウヤが一瞬呆気に取られた後 表情を怒らせて言う
「…ざ… けるなっ 仮にも警官である俺が そんな事に手を貸すなんて…っ」
ユウヤが視線を下げ C高のヴァンパイア1が踏みつけているリボルバーを見てから C高のヴァンパイア1を睨み直して言う
「殺されたって やるものかっ!」
C高のヴァンパイア1が言う
「へぇ?あっそ?」
C高のヴァンパイア1が踏みつけていたリボルバーを蹴ってC高の人間1の足元へ送る C高の人間1がリボルバーを拾い上げ 執拗に触りながら言う
「ヴァンパイア殺しの銃?リボルバーなんだぁ~?か~こいい~!え?なに?これ俺が貰って良いの?」
ユウヤが怒って言う
「触るなっ!それに…っ!」
C高のヴァンパイア1がユウヤの首に掛けた手の力を強める ユウヤが思わず声を出す
「ぐぅっ!」
C高のヴァンパイア1が鼻で笑って言う
「はっ!何言ってるんだよ?俺らの下僕になるくらいなら 死ぬんだろう?だったら 銃なんて もう 必要ないし それに… そんなアンタは 俺らにも必要ないんだよ …死ねよ?」
C高のヴァンパイア1がユウヤの首を絞める ユウヤが呼吸を塞がれ苦しんで言う
「うっ!」
ユウヤが思う
(駄目だ ビクともしないっ)
ユウヤがC高のヴァンパイア1の手を掴んでいる手を震わせる C高のヴァンパイア1がニヤリと笑む C高の人間1が言う
「後で その制服もな!?ケーサツなら 人さらいも すげー楽になりそうだしさ!?」
C高のヴァンパイア2がC高の人間1へ言う
「良い女連れて来いよ?次は俺だからな?」
C高の人間1が言う
「まかせとけって!とびっきりのを女を 調達して来てやるよ!」
C高のヴァンパイア3が言う
「ついでに 俺にもな?なんなら 5、6人いっぺんにでも良いぜ?」
C高のヴァンパイアたちが笑う ユウヤが表情をしかめ薄れる意識の中で思う
(このままでは… 人間も… ヴァンパイアも…っ 駄目だ… その2つは 一緒に… 共存しなければいけないのに… 仲間と して… … だから…)
ユウヤが服の上から試験管へ手を向ける C高のヴァンパイア1が疑問する ユウヤが途切れそうになる意識の中で言う
「ヴィン…」
声が聞こえる

「私の獲物から その汚い手を 離してもらおうか?」

C高のヴァンパイア1が疑問すると ユウヤが閉じかけた目を開いて思う
(…え?)
鋭い打撃音で C高のヴァンパイア1の腕が折られると 悲鳴を上げる間も無く C高のヴァンパイア1が殴り飛ばされる ユウヤが驚き目を見開いて思う
(”私の獲物から”…っ!?)
ユウヤの横に白い人影が立ち C高のヴァンパイア1の手から離れたユウヤの肩を抱き止める ユウヤが驚きゆっくりと横を向くと そこに居るヴィンが C高の人間1へ言う
「それと そちらのリボルバーは 私の獲物が大切にしているもの ヴァンパイアの下僕へと成り下がった人間が 触れて良い物では無い 直ちに返却し給え」
C高の人間1が呆気に取られたまま 殴り飛ばされたC高のヴァンパイア1とヴィンを交互に見て言う
「え?え?え?…えっと えっと…っ!?」
ヴィンがC高の人間1を見下す C高の人間1がヴィンの牙に気付くと怯え 慌ててユウヤの下へ駆け寄ると言う
「おおお…っ お返しします…っ!」
ユウヤが呆気に取られたまま 差し出されたリボルバーを受け取ると C高の人間1が悲鳴を上げながら逃げ去る
「うわぁあ~!助けてぇーっ!」
ヴィンが苦笑して言う
「ふっ… 彼は通常の人間 ただ、少々 生に対し貪欲な …とは言え それこそが本来の人間として 在るべき姿であるとも言える 従って… どうか 彼の所業を許容して欲しい …ユウヤ?」
ユウヤがヴィンを見上げて言う
「ヴィン…?」
ヴィンがユウヤを見て微笑する ユウヤが苦笑して言う
「そう… ですね?それは… 彼も人間として 生きるのに 精一杯であったと言う事は… 同じ人間である 俺にも分かります…」
ユウヤが思う
(例え その為に 罪の無い人間を… 彼らヴァンパイアの好物であるのだろう 若い綺麗な女性を さらっていたのだとしても… それは…)
ヴィンが微笑して言う
「結構 それでこそ 私のユウヤだ」
C高のヴァンパイア1が折られた腕を押さえながら立ち上がって言う
「…クソッ まさか ヴァンパイアの味方が隠れていたなんて 予想外だった」
ヴィンが言う
「ふむ?確かに 人目に付かぬ様にと 身を潜めてはいたが 人間であるならまだしも 一応 ヴァンパイアであるのだろう 諸君が気付かなかったとは滑稽だな?その上 非力を 数で補う事 それ自体は 通常であれば 有効ではあるが 残念ながら ヴァンパイアとしては正しい選択では無い 現に それだけの人数で居ながらも 私の存在に気付かなかったと言う事が 正にその現れ …ヴァンパイアの力は 個で有る事で 必要として 生態としての力を 向上させる」
C高のヴァンパイアたちが呆気に取られて顔を見合わせてから C高のヴァンパイア2が苦笑して言う
「…は?なんだ?こいつもヴァンパイアみてぇだけど 唯の説教臭ぇオッサンじゃねぇか?…ヤっちまおうぜ?俺らの島で 邪魔なんだよ!」
ヴィンが軽く笑って言う
「フフ… 唯の説教臭ぇオッサンか?面白い 私をその様に揶揄した者は 君が初めてだが やはり間違っている ヴァンパイアにとって年齢を重ねる事は 人間が年齢を重ねる事とは 真逆の意味を持つ …つまり人間は生まれた際が 最も細胞の活性が活発であり その生命に置いての無限の可能性を秘めているのだが その活性は年齢を重ねる事により死滅し 更には その間に培われた能力さえ ある時を境に減少し やがては失われて行く… しかし、ヴァンパイアは 人間からヴァンパイアへ移行するに当たり 体内の細胞は再び活性を行い増殖し 無限の可能性を取り戻す 即ち ヴァンパイアは年齢を重ねる事で 自身の能力を限りなく 上昇させる事が可能となる」

C高のヴァンパイアたちがめんどくさそうに聞いている ヴィンが苦笑して言う
「…最も 私とは異なり そう言った知的な事へ 関心の無い諸君にとっては 諸君より年配である私を オッサンヴァンパイアと認識し 化学の根底を覆す論証さえ 説教臭い言葉として持て余す事も 否めないと言う事も事実 実に残念だが …詰まる所 諸君は その程度の… 通常の下位ヴァンパイアである と言った所か」
C高のヴァンパイア1が怒って言う
「るせぇっ!前置きが長ぇんだよっ オッサンヴァンパイア!つまり、ヴァンパイアは 年寄りがすげぇんだって言てぇんだろっ!」
ヴィンが言う
「エクセレント 実に的を得た結論だが その結論も そちらへと至る理論を持って発言すると言う事に 大いな価値がある そして、諸君にとっても 今後のヴァンパイアとしての生の中に置いて 役に立つ知識となる筈だ 生まれて間もない 幼きヴァンパイア諸君 先輩ヴァンパイアからの助言として 頭の片隅にでも置いて置くと良いだろう」
C高のヴァンパイア2が苦笑して言う
「タイマンなら兎も角 この人数差でも そんな事が証明出来るって言うならっ その長ったらしい前置きだって 受け入れてやっても良いぜ?なぁ?皆っ!?」
C高のヴァンパイアたちが戦闘体制に入る ユウヤがハッとして思う
(あっ!?いけないっ …思わず 聞き入ってしまっていたけれど 彼らの言う通り いくらヴィンの理論が 正しくても この人数の差では!?)
ユウヤがヴィンを見上げて言う
「ヴィンっ!?」
ヴィンが手にしていた試験管を止めると言う
「…ふむ そうと言う事ならば 仕方が無い 少々面倒ではあるが…」
ヴィンが試験管を仕舞って言う
「では 今回は特別に 諸君であろうとも 理解が出来る方法を持って 私の理論を立証して見せよう」
ユウヤが呆気に取られると C高のヴァンパイアたちが目配せを行い C高のヴァンパイア1が言う
「めんどくせぇ!もう 2人まとめて やっちまえーっ!」
ヴァンパイアたちが消える ユウヤとC高の人間たちが呆気に取られると 次の瞬間から次々に強打撃音と共に C高のヴァンパイアたちが地面や物に叩き付けられて悲鳴を上げて言う
「がぁっ!?」 「ぐぇっ!」
ユウヤとC高の人間たちが 呆気に取られて間も無く ヴィンが先ほどと同じ場所に現れて 軽く手をはたきながら言う
「さて これ位で良いだろうか?本来であれば 繊細な作業を行うこの手で こう言った荒事はしたくは無いのだが 理論で伝わらない事象には 明確な立証を… 如何かな?そちらの人間諸君?」
C高の人間たちが顔を見合わせる ヴィンが言う
「諸君はヴァンパイアに劣る人間ではあるが 己が行動を共にするヴァンパイアを選ぶ権利は 有しているのだよ 更に、諸君はそれを見極める力を持っている筈 一時の恐怖に駆られるのではなく 良く考えてみたまえ 諸君は現状 弱者とあっても 多く群れる事で 危険を回避する事が可能とある そして その群れへ入り込み 自身の獲物も獲れない様な 彼ら幼きヴァンパイアに 恐れ従う必要があるだろうか?」
C高の人間たちが顔を見合わせてから 倒れているC高のヴァンパイアたちを見て 各々逃げ出して行く ユウヤが呆気に取られて言う
「あ…っ」
ユウヤが思う
(皆行ってしまった… もし、さっきのヴィンの力に恐れてなのだとしたら 仲間であったヴァンパイアの彼らが倒れた時点で逃げ出していた筈 …なのに 今 この瞬間に …と言う事は つまり)
ヴィンが倒れているC高のヴァンパイアたちを見て 苦笑して言う
「哀れな… 誰一人として 彼らは諸君の本当の仲間では無かったと言う事だ… 最も 人間の彼らを下僕などと呼称していた時点で 当然の事なのだが …ユウヤは どうだろうか?この様な問いを 今更に行うなど 失敬は承知の上なのだが それでも 私は やはり聞かずに置く事は出来ない 今 ここでまた 改めてユウヤの返答を… っ!?」
ヴィンがユウヤへ向き直ると驚く ユウヤがヴィンに抱き付いている ヴィンが驚き目を見開いて呆気に取られていると ユウヤが言う
「ヴィンッ…」
ユウヤが涙を流して思う
(生きていた…っ!ヴィンは生きていたっ!俺は…っ 彼を殺しては いなかったっ!!)
ヴィンが苦笑して言う
「ユウヤ… すまなかった …どれ程謝罪しようとも 私がユウヤへ架してしまった罪は 到底 償い切れるものではない」
ユウヤが思う
(ヴィンが俺に架した?…違うっ 俺の方こそっ!俺はっ!)
ユウヤが顔を上げヴィンを見て言う
「違いますっ 俺がっ!俺の方こそ ヴィンをっ 皆を裏切って…っ!…皆は?ヴィンの他 リックや ゲートキーパーズの…っ!?」
ユウヤが思う
(リックやラミ…っ それに カルはっ!?)
ヴィンが微笑して言う
「リックを初め その他のゲートキーパーズのヴァンパイアは 皆 無事だ… もちろん 彼も」
ユウヤがハッとしてヴィンの視線の先を見る ヴィンの視線の先にディークの棺が見える ヴィンがユウヤを見て言う
「ディークを目覚めさせる間に 彼らに目を覚まされると面倒となる 従って今は 当初のユウヤの予定通りに まずはディークを目覚めさせ 積もる話は その後にでも?」
ユウヤが顔を上げて言う
「はいっ!」
ヴィンが微笑した後言う
「…いや しかし?ユウヤさえ良ければ 順序を入れ替え ディークの目覚めは もっと後にして…?」
ユウヤが疑問して言う
「え?」
ヴィンが言う
「失神している彼らが目を覚ます その時まで このままユウヤとの抱擁を 続けると言うのも 私にとっては至福の至りなのだが?」
ユウヤがハッとして 自分がヴィンに抱き付いている事に気付き 慌てて言う
「いえっ!起しましょうっ!ディークを起さないとっ!?」
ヴィンが微笑して言う
「ふふ… では そうと言う事で?実に名残惜しいが…」
ヴィンがユウヤの肩から手を放す ユウヤが苦笑して思う
(けど 安心した… ヴィンや皆が無事だったと言う事は もちろんだけど)
ヴィンの手がユウヤから完全に離れる前に 触れない様にユウヤの頬を掠める ユウヤが苦笑して思う
(この感じは とても懐かしい でも今にして思えば これは まるで…)

ユウヤの脳裏で リマとユウヤが嬉しそうに眺める先 赤ん坊のセイヤがベビーベッドに寝ている ユウヤが手を伸ばし セイヤを起こさない様に そっと頬の近くへ手を向ける

ユウヤが気付いて思う
(…そうか ヴィンにとって 初めて得た自分の獲物である 俺は… そう言う対象なのかもしれない だから いつも…?)
ユウヤがヴィンを見上げる ヴィンが軽く疑問して言う
「うん?どうかしたのかな?ユウヤ?」
ユウヤが苦笑して言う
「あ… いえ…?」
ユウヤが思う
(なんだ そう言う事だったのか…)
ヴィンが微笑して言う
「フフ…ッ それとも?やはり 私との抱擁に 戻りたいと言う事なら 私は 一向に構わないのだが?」
ヴィンが軽く両腕を広げる ユウヤが慌てて言う
「いえっ!それは もう結構です!」


続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18/完結】転生先は親友だと思っていた友人の小説の中でした。- 悪役令嬢になりきれないから、王弟殿下に調教されています -

猫まんじゅう
ファンタジー
 これは、わたくしが、第一の人生を痛覚を知らずに終え、二度目の人生を親友の踏み台となって生きる事を決意した挙句、失敗し王弟殿下に溺愛され、軟禁、彼だけの”悪役令嬢”に優しく調教されるお話でございます。 ◆◇◆ 安心安定の完結保証ですが世界観はゆるふわご都合設定につきご容赦下さい。 ※本小説は『R15公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!(https://ncode.syosetu.com/n8238if/)』と『R18不本意すぎる、』の二つの世界を一部共有し、転生/転移しています。 ※Rシーンは最初の1話と、最後に固まっております。 また、相当展開ゆっくりですので御暇つぶし程度にお願い致します。

売り専ボーイ育成モデル事務所

かば
BL
権田剛のノンケ狩りの話 人物紹介 権田剛(30) ゴリラ顔でごっつい身体付き。高校から大学卒業まで柔道をやっていた。得意技、寝技、絞め技……。仕事は闇の仕事をしている、893にも繋がりがあり、男も女も拉致監禁を請け負っている。 趣味は、売り専ボーイをレイプしては楽しんでいたが、ある日ノンケの武田晃に欲望を抑えきれずレイプしたのがきっかけでノンケを調教するのに快感になってから、ノンケ狩りをするようになった。 ある日、モデルの垣田篤史をレイプしたことがきっかけでモデル事務所の社長、山本秀樹を肉便器にし、所属モデル達に手をつけていく……売り専ボーイ育成モデル事務所の話に続く 武田晃 高校2年生、高校競泳界の期待の星だったが……権田に肉便器にされてから成績が落ちていった……、尻タブに権田剛専用肉便器1号と入墨を入れられた。 速水勇人 高校2年生、高校サッカーで活躍しており、プロチームからもスカウトがいくつかきている。 肉便器2号 池田悟(25) プロの入墨師で権田の依頼で肉便器にさせられた少年達の尻タブに権田剛専用肉便器◯号と入墨をいれた、権田剛のプレイ仲間。 権田に依頼して池田悟が手に入れたかった幼馴染、萩原浩一を肉便器にする。権田はその弟、萩原人志を肉便器にした。 萩原人志 高校2年生、フェギアかいのプリンスで有名なイケメン、甘いマスクで女性ファンが多い。 肉便器3号 萩原浩一(25) 池田悟の幼馴染で弟と一緒に池田悟専用肉便器1号とされた。 垣田篤史 高校2年生 速水勇人の幼馴染で、読者モデルで人気のモデル、権田の脅しに怯えて、権田に差し出された…。肉便器4号 山本秀樹(25) 篤史、竜也のモデル事務所の社長兼モデル。 権田と池田の毒牙にかかり、池田悟の肉便器2号となる。 黒澤竜也 垣田篤史と同じモデル事務所に所属、篤史と飲みに行ったところに権田に感づかれて調教される……。肉便器ではなく、客をとる商品とされた。商品No.1 香川恋 高校2年生 香川愛の双子の兄、女好きで弟と女の子を引っ掛けては弟とやりまくっていた、根からの女好きだが、権田はの一方的なアナル責で開花される……。商品No.2 香川愛 高校2年生 双子の兄同様、権田はの一方的なアナル責で開花される……。商品No.3 佐々木勇斗 高校2年生 権田によって商品に調教された直後に客をとる優秀商品No.4 橘悠生 高校2年生 権田によってアナルを開発されて初貫通をオークションで売られた商品No.5 モデル達の調教話が中心です、 基本、鬼畜でエロオンリーです。

翠帳紅閨 ――闇から来る者――

文月 沙織
BL
有名な役者一家に生まれそだった竹弥は、美しいが、その春、胸に憂いを秘めていた。事情があって大学を休学し、古い屋敷で一人暮らしをはじめた。 そこには蔵があり、蔵の整理にやとわれた杉屋という男に、竹弥は手酷い凌辱を受ける。 危険な魅力を持つ杉屋から逃れられず、竹弥は夜毎、調教され、翻弄される。 誇りたかい梨園の貴公子が、使用人の手によって嬲られ、秘めていた欲望に火をつけられる、というお話です。 激しい性描写があります。ご注意ください。 現在では好ましくな表現も出てきます。苦手な方はご遠慮ください。

スキルで快適!異世界ライフ(笑)

夜夢
ファンタジー
若くして死んだゲスい彼「工藤 蓮(23)」は現代文明から中世文明ほどの農民の子へと異世界転生し現在15才。 あまり文明の発達していない世界でもっと快適な生活を送りたいと思った彼は、真面目に勉強した。神からスキルを貰った彼は豹変し、異世界改革に乗り出す。 そんなお話。 ただのエロ小説になるかも。 ※不定期更新です。思いついたら書くので…。

異世界転生したノンケの書生は、華族の貴公子に不埒な関係を望まれているが回避したい。

アナマチア
BL
ある日突然、交通事故で両親を亡くした、美大生の山田樹。 葬儀を終えて日常生活を送り始めるが、うつ状態になっていた樹は、葬儀後初めての登校時に接触事故で線路に落下する。 頭を強く打ち付けて視界が暗転し、目覚めると、見知らぬ部屋の布団の中に横たわっていた。 樹が夢でも見ている心地でいると、女中の花が現れて、樹のことを「早乙女さん」と呼んだ。 頭がぼうっとして何も考えられず、強い睡魔に襲われ、眠りに落ちようとしていた樹の前に、国防色の軍服を身にまとった偉丈夫――花ヶ前梗一郎(はながさきこういちろう)が現れた。 樹の名を切なそうに呼びながら近づいてきた梗一郎。驚いた樹は抵抗することもできず、梗一郎に抱き締められる。すると突然、想像を絶する頭痛に襲われた樹は、絶叫したのちに意識を失ってしまう。 そして気がつけば、重力が存在しない、真っ白な空間に浮かんでいた。そこで樹は、自分によく似た容姿の少年に出会う。 少年の正体は、早乙女樹の肉体を借りた、死を司る神――タナトスだった。そしてもう一柱、タナトスよりも小柄な少女、生を司る神――ビオスが現れる。 ビオスが言うには、樹は『異世界転生』をしたのだという。そして転生後の肉体の記憶は、特定の条件下で徐々に蘇ると告げられ、樹は再び異世界で目を覚ます。 樹が目覚めると、梗一郎が涙を流していた。 「樹が生きていて、本当によかった……!」 そう言って、梗一郎が樹の額に口付けた瞬間、樹の脳内に早乙女樹の幼少期と思われる映像が流れ、眠るように意識を失う。 『特定の条件下』とは、梗一郎との愛ある接触のことだった。 無事にひとつ目の記憶を取り戻した樹は、公家華族・花ヶ前伯爵家お抱えの書生(画家見習い)・『早乙女樹』を演じながら、花ヶ前家で生活を送る。 スペイン風邪による後遺症で『記憶喪失』になってしまった樹を心配して見舞いに来たのは、楚々とした容貌の美少女――梗一郎の妹である、花ヶ前椿子だった。 樹は驚愕に目を見開いた。 目の前に立つ少女は、樹が描いた人物画。 『大正乙女』そのままの姿形だったのである。 なんと樹は、自分が描いた油画の世界に異世界転生していたのだ。 梗一郎と恋仲であった早乙女樹として転生してしまった樹(ノンケ)は、男と恋愛なんて出来るはずがないと、記憶喪失を理由に梗一郎と距離を置くが……。

大好きな彼氏に大食いだって隠してたらなんだかんだでち●ち●食べさせられた話

なだゆ
BL
世話焼きおせっかい×大食いテンパリスト R-18要素はフェラ、イラマチオのみ。 長くスランプの中ひねり出したものなので暖かい目で読んでもらえると助かります。

(完結)私は産まれてはいけなかったの?(お母様が助けるわ !)

青空一夏
ファンタジー
本編:全年齢向き。 番外編の10,11,13:残酷R18 ※拷問刑が読みたい方だけお読みください。※読んでからの残酷すぎるの抗議の感想はお止めくださいませ。 私が産まれたからお母様が死んだ。皆がそう言うの。お父様はずっと王都に行きっぱなしで会ったこともない。 侍女長のアンナは私がお父様にも国王陛下にも嫌われていると言った。 お父様の再婚相手だというミランダと腹違いの妹ウィローが来てから、もっと私は生きていたくなくなった。 「お母様、助けて! お母様!」  すると、亡くなったはずのお母様が・・・・・・

稀代の癒し手と呼ばれた婚約者を裏切った主様はすでに手遅れ。

ぽんぽこ狸
BL
 王太子であるレオンハルトに仕えているオリヴァーは、その傍らでにっこりと笑みを浮かべている女性を見て、どうにも危機感を感じていた。彼女は、主様に婚約者がいると知っていてわざわざ恋仲になったような女性であり、たくらみがあることは明白だった。  しかし、そんなことにはまったく気がつかないレオンハルトはいつもの通りに美しい言葉で彼女を褒める。  レオンハルトには今日デビュタントを迎える立派な婚約者のエミーリアがいるというのに、それにはまったく無関心を決め込んでいた。  頑ななその姿勢が何故なのかは、オリヴァーもわからなかったけれども、転生者であるオリヴァーはどこかこんな状況に既視感があった。それはネットで流行っていた痛快な小説であり、婚約者を裏切るような王子は破滅の未知をたどることになる。  そういう王子は、何故か決まって舞踏会で婚約破棄を告げるのだが、まさかそんなことになるはずがないだろうと考えているうちに、レオンハルトの傍らにいる女性が彼を煽り始める。  それを皮切りに小説のような破滅の道をレオンハルトは進み始めるのだった。  七万文字ぐらいの小説です。主従ものです。もちろん主人公が受けです。若干SMっぽい雰囲気があります。エロ度高めです。  BL小説は長編も沢山書いてますので文章が肌に合ったらのぞいていってくださるとすごくうれしいです。

処理中です...