上 下
8 / 32
1章

アナザーゲートキーパーズ 『899年越しの獲物』

しおりを挟む

アジト

ユウヤが小型の機械を出して言う
「コレのお陰で助かったと リックが言っていました」
ヴィンが微笑して言う
「あの城に居るヴァンパイアは 頭脳派である事が分かっていたのでね 目には見えずとも 他にも役には立っていた筈だ」
ユウヤが言う
「機械への信号を止める装置だって リックはそう言っていましたけど その… そもそもの ”機械への信号”って言うのは?」
ヴィンが微笑して言う
「正確に言えば 電磁波と言って 配線を使わなくとも 機械の電源を操作する事が出来る 目に見えない電気エネルギーの波の事なのだが 遥か昔には その様な電波が 無数に使用されていたのだとか しかし この世界の気象が変わった事で 使えなくなってしまったのだよ」
ユウヤが疑問して言う
「え?それでは…?」
ヴィンが言う
「それでも、我々ヴァンパイアの技術に置いて 一部ではあるが その使用が可能となった …従って 今度は それを封じる為の技術が この機械だったと言う事だ」
ユウヤが言う
「な、なるほど…」
ユウヤが思う
(使えなくなった技術を 使える様にしただけでも凄いのに… それを また使えなくする機械を 作るなんて…)
ユウヤが苦笑して言う
「ヴィンは 凄いですね?とても 俺ら人間には 敵いそうにありません…」
ヴィンが苦笑して言う
「そうでもないさ 私も元は 電波障害の謎を解こうとしていた 唯の人間だった そして その頃の私には 到底出来なかった事 つまり 普通の人間も 私と同じだけ時間を掛けて 研究を続けていれば コレくらいの事は 出来る様になると言う事なのだろう」
ユウヤが思う
(電波障害の謎を解こうとしていた 普通の人間が…?)
ユウヤが言う
「では ヴィンは元々 そう言った機械などの開発がメインなんですか?てっきり 化学分野を専攻しているのかと思っていましたが」
ユウヤが言いながらヴィンの行動を目で追う ヴィンが装置から出来上がって来た試験管を手に取り眺めつつ言う
「ああ、こちらは後に興味を持ち メインの片手間に研究していたものなのだが… 確かに メインの研究とは異なり こちらはすぐに形にする事が出来る事から 傍目にはそうと見えてしまうのかもしれないな?…最もどちらも 私にとっては大切な研究であるし そもそも 私は この為に 生きて居るようなものなのだから」
ユウヤが呆気に取られて言う
「研究の為に?」
ヴィンが作業を終えて言う
「ああ… 私の人生の半分以上は そうとあったよ」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(半分とは言っても… その年数は 一体何百年なんだろう?)
ユウヤが言う
「その… 人生の半分と言うと 具体的には…?」
ヴィンが苦笑して言う
「ヴァンパイアにとっての 年数と言うのは 余り深い意味を持たない 例え数百年を得ようとも ずっとベッドの中に居たのでは それは ただ眠っていたと言う事に過ぎない 従って 重要なのは 唯1つ… 結果であると」
ユウヤが言う
「結果…」
ヴィンが言う
「ああ 数十年を生きる人であろうと 数百年、数千年を生きるヴァンパイアであろうと変わらない 結果が全てだ …と、それに気付いた時には 遅かったな …私は失敗だった」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え…?失敗?」
ユウヤが思う
(ヴィンが?)
ヴィンがユウヤを見て苦笑する ユウヤが言う
「そんな… 何故ですか?ヴィンは色々な薬や機械を作れたり 今回の様に 同じ能力を持ったヴァンパイアの力を抑える事だって出来て…っ それに…」
ユウヤがハッとして言う
「そ、そうだよ!ディークを!彼を助ける時だってっ ヴィンの知識や技術で…っ!そのお陰で!」
ヴィンが言う
「ああ、彼は しばらく休ませれば ヴァンパイアとしての力を取り戻すだろう …そうだな?ユウヤがいつか 力を必要とした時にでも 起しに行くと良い」
ユウヤが言う
「大切な仲間を助ける事も出来る その貴方の何処が 失敗だったと言うのですか?」
ヴィンが苦笑して言う
「私は ディークの他にも… 自分で言うのもおこがましいが 割と多くの仲間たちへ協力して来たつもりだ 元々ヴァンパイアにおいても頭脳派の者は少ない事もあり 私の知識や力は ヴァンパイアの仲間たちに 必要とされ 喜ばれた」
ユウヤが言う
「ならば それは 成功と言うべきですっ それを失敗と言っては 貴方の力を必要として来た その仲間たちを否定する事になるっ」
ヴィンが笑んで言う
「だが ユウヤ?その彼らとは違い 私自身は何時の時も 何も得る事が出来なかったのだよ?」
ユウヤが驚いて言う
「え…?」
ヴィンが視線を逸らし苦笑して言う
「そして いつも1人で 城へ逃げ帰り… 分かって居るというのに それでも リックの誘いに乗ってしまうのだから 私もつくづく 哀れなヴァンパイアだ… そして リックは酷いヴァンパイアだろう?そうなると分かっていて彼は 私へ… いや、誘いを受けたのは私なのだから 今更 彼のせいにするのは間違って居るな…」
ユウヤがヴィンを見る ヴィンが機械の電源を落として言う
「それに いつかは… と 私もやはり 心の何処かで期待をして居るのだろう そして それがまた 生き続ける事へと繋がるのだから 例え 永遠に得られなかったとしても その間に 当初の目的位は果たされるかもしれない そうとなれば… やはり 私の生きる理由は 世界の異常現象の解明なのかもしれない」
ユウヤが思う
(世界の異常現象… 電波障害の解明)
ヴィンがスイッチを押しベッドを引き出して言う
「さて それでは 見張りの交代まで まだ少し時間があるから 私は休ませて貰うよ …夢の中でぐらいなら 私も 自分の欲しいものを手に入れられるだろう  お休み ユウヤ」
ユウヤが言う
「あ…」
ヴィンが横になる 棺の蓋が閉まり収納される ユウヤが呆気に取られた後思う
(…で、結局 ヴィンが欲しい物って)
ユウヤが言う
「…何なのだろう?」
ユウヤが考えてから横を見る 視線の先にワインがある

リビング

ユウヤがワインボトルを持って入る テールが仲間たちへ不満そうに言う
「それでさぁ!?いきなりだぜ!?いきなりー!?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「テール…?どうしたんだ?」
ユウヤが思う
(あの 温厚なテールが 怒ってるなんて…?)
テールがユウヤの声に顔を向ける その頬にビンタの痕がくっきり残っている ユウヤが衝撃を受けて言う
「なっ!?」
リックがワインを片手に言う
「俺のテールを平手打ちしやがったのは 一体何処の女だ?テール?」
ユウヤが苦笑して言う
「…その前に テールがまた 何か変な事を 言ったんじゃないのか?テールはいつも…」
テールが言う
「俺は変な事なんて言ってねーよ!?ただ!正面から一発 挿れさせてくれって!レンタル屋のねぇちゃんに!」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「それを 変な事って言うんだよ テールっ!」
ユウヤが思う
(しかも そのレンタル屋のねぇちゃんって 以前に…)
ユウヤが苦笑して言う
「また 借りようと思っていた アダルトDVDが貸し出し中だったのか?だから そう言う時には 別の店に…」
テールが言う
「いや、DVDはあったけど そんな事よか やっぱ 実際に挿れたいじゃないか!?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「そ、それはそうだとしてもっ テールはもう少し 言って良い言葉と 悪い言葉をっ!?」
リックが言う
「言って良いだの 悪いだの ヤって良いだの 悪いだの ンな事言ってやがったら 何も始まらねぇじゃねぇか?俺なら最初から 言ってヤる」
リックがワインを飲む ユウヤが衝撃を受け リックへ言う
「リックがそんなだからっ テールがこうなっちゃったんだろう!?育ての親なら ちゃんと そう言う事は教えないと 駄目じゃないかっ!?」
リックがワインを飲み干して言う
「俺はいつも それで成功してるぜ?誰かさんと違ってな?」
ユウヤが言う
「それは… リックだから成功するんだろ?テールには 先ず 常識から教えないと…」
リックが言う
「その常識で てめぇは 失敗してやがるだろ?だったら 余計な知識を 俺のテールに吹き込むんじゃねぇよ?」
ユウヤが返す言葉を失って思う
(う… 失敗してるって…?確かに 俺は5人と付き合って その5人から振られたけど…っ)
リックがテールへ言う
「テール 本気なら 諦めるんじゃねぇぞ?何度でも行って 殴られて来い …だが 間違っても てめぇが殴るなよ?」
ユウヤがハッとしてリックを見る テールが笑んで言う
「ああ!分かってるよ リック!俺は 自分の欲望を力で制したりなんかは しないからさ?ずっと リックを見てたんだから それは分かってるって!」
リックが言う
「おう それなら良い それでこそ 俺のテールだ」
ユウヤが思う
(確かに リックの力は凄い… それに テールだって レンタル屋のその女性と比べたら 力では勝るだろう… だから その力を持って 事を制するのは間違っているって言う リックの言う事は 確かに 正しい… けど?)
テールが言う
「よーし!それじゃ 明日も行って もう一発殴られて来るぜ!」
リックが言う
「殴られに行って どうするよ?」
テールが言う
「あ!そうだった それじゃ 挿れさせてくれって 言って来る!」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(いや… でも それは…っ)
リックが言う
「おう ちゃんと 正面から言うんだぞ?」
テールが言う
「分かった!正面から挿れさせてくれって 言って来る!」
ユウヤが呆れて思う
(絶対無理だと思うんだけどな…?)
ユウヤが苦笑した後 手にしているワインボトルを思い出しテーブルへ向かう ユキがテールを見て言う
「まったく…」
ユウヤが苦笑した後 ワインを開けようとする ユキが気付いて言う
「リックのワインなら まだ 開けたばかりよ?」
リックとテールが反応する ユウヤがワインを開けようとしながら言う
「ああ… いや、これは 俺が飲んでみようと思って… ん?どうやって開けるんだ これ?」
テールが来て微笑して言う
「なんだ ヴァンパイアの獲物の癖に ユウヤは ワインの開け方も知らないのか?コレが無いと 開かないぜ?」
テールがワインオープナーを見せる ユウヤが言う
「あ、そっか?そう言えば いつも…?」
テールがユウヤの手からワインを取りながら言う
「貸してみ?ほら まずナイフの方で この辺りをこうして切って… それから こっちをコルクに回しながら…」
テールが慣れた手つきでワインの開封作業をする テールが言う
「後は コイツを引いて 栓を抜くんだけど… ユウヤ やった事無いなら 一度やってみると良いぜ?結構 コツがいるんだ」
ユウヤがワインを受け取りながら言う
「あ、ああ ありがとう それじゃ …クッ 固い…」
テールが手を貸して言う
「ああ~ 待った待った?それで、そう腕で力任せに引っ張るとさ?開いた瞬間に 中身を全部ぶちまけちゃうから こうやって ちょっと口を斜めにしてから 肘を立てて真っ直ぐ…」
リックが2人の姿に微笑してワインを飲む 間も無くして ポンッとワインの栓が抜ける ユウヤが言う
「あ…っ」
テールがユウヤのワインを持つ手を支えていて言う
「ほらな?結構 キツイだろ?だから 気を付けないと」
ユウヤが開いたワインを手に テールへ向いて言う
「ああ、ありがとう テール テールが支えてくれてなかったら 危ない所だった」
テールが軽く笑って言う
「あっははっ まぁ その俺は 何度もぶちまけて来たけどな?けど リックには 一度も怒られた事は無かったからさ?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え?そうなのか?」
リックが言う
「当たりめぇだろ?俺の為にやってる奴を 怒る理由なんざ何処にもねぇ」
ユウヤが呆気に取られる テールが言う
「ああ それで ちゃんとコツが掴めてさ?古くてキツくなっちゃってる奴なんかも 抜けるようになったんだよ」
ユウヤが微笑して思う
(そうなのか… やっぱり リックとテールは良い親子で 俺は そんな2人の…)
テールが言う
「…あ?やっぱそのお陰かな?女のアソコがキツイ時もさ?俺は結構上手くピストン出来るんだ!やっぱあれもコツが!」
ユウヤが衝撃を受け思う
(折角 ちょっと前まで 2人の事を本気で感心していたのに… 一気に ぶち壊しになったよ テール…)
リックが言う
「まぁ そう言う事だ 何にだってコツがあるからよ テールもそのコツを掴んで 早くその… 何とか屋の女にも 挿し込んで来い」
ユウヤが衝撃を受け慌てて言う
「リックっ!」
テールが言う
「おう!分かった!明日こそ!」
ユウヤが溜息を吐いて思う
(駄目だ… この親にして 何とかって言うし…)
ユウヤがリックとテールを見てから苦笑して思う
(けど… 何にでもコツがあるのなら テールもいつかそのコツを掴んで ちゃんと レンタル屋のねぇちゃんに 受け入れてもらえるのかな?力尽くにはしないって言うし それなら良いか…?)
ユウヤが苦笑してから手に持ったままのワインを見て グラスを探しコップが目に入り手を伸ばす リックがワイングラスを渡して言う
「ほらよ?」
ユウヤが気付いて言う
「あ…」
リックが言う
「折角のワインを そこらのグラスで飲もうとするんじゃねぇよ 味が落ちるだろ?」
ユウヤが微笑して言う
「うん それじゃ…」
ユウヤがグラスのふちにワインボトルの口を付けて注ごうとする リックがワインボトルを取り上げ 高い位置から注ぎながら言う
「長い年月を置いたワインには たっぷり その分の空気を与える様に 注ぐもんだ」
ユウヤが一瞬驚いてからグラスを支える リックがワインを注ぎ終えて言う
「…とは言え ミニスター・ブラッドをヴァンパイアに注がせた人間は お前が初めてだろうぜ?言うまでもねぇが その味は格別な筈だ 良く味わうんだな?」
ユウヤが微笑して言う
「あ、うん ありがとう リック …それじゃ」
ユウヤがワインを飲もうとして ふと思い出し 軽くグラスを回してから香りを嗅いで思う
(ん?この香りは 以前にも…)
ユウヤの記憶に ディークと家族との思い出が思い出される ユウヤが微笑して思う
(いや ワインの香りの違いなんて 俺には分からないだろうけど でも…)
ユウヤがディークとリックとヴィンの事を思いつつ ゆっくりとワインに口を付ける 皆の視線の中 リックが言う
「どうだ?」
ユウヤが微笑して言う
「うん …美味しいよ?」
リックが笑って言う
「生意気言ってやがるんじゃねぇよ!このガキが!」
リックがユウヤの頭を軽くはたく ユウヤが驚いて言う
「痛っ!?い、良いじゃないか?美味しいものは 美味しいって言ったって?」
皆が笑う ユウヤが呆気に取られた後 笑う

ユウヤの部屋

ユウヤがベッドで熟睡している ベッドの下から棺がスライドして来て ヴィンが出てユウヤを振り向く 棺がスライドして戻ると ヴィンがユウヤの近くへ顔を寄せて 静かに言う
「お早う ユウヤ… 今日は随分と心地良さそうに眠って居るが?何か良い事でも…?」
ヴィンが気付き 微笑して言う
「うん?ユウヤから ワインの香りが…?フフフ… なるほど?あのミニスター・ブラッドは ユウヤが飲用しようと 購入したものだったのか… そのお味は 如何だったかな?ユウヤ…?」
ユウヤが軽く声を出す
「… う ん…」
ユウヤが寝返りを打って微笑する ヴィンが微笑して言う
「美味しく味わえたのなら それは何より… さて?」
ヴィンが機械へ向き直り電源を入れて作業を始める

夢の中

ユウヤがワインを飲んでいる ラミが横へ来て言う
「あれ?ワインを?」
ユウヤが気付いて言う
「あ、これは…」
ラミが苦笑して言う
「お爺様に買うワインを また 選んでいるの?」
ユウヤが微笑し顔を左右に振ってから言う
「いや、これは 自分用に買ってみたんだけど… ワインって 美味しいものだったんだね?」
ラミが言う
「気に入った?」
ユウヤが言う
「うん だから 今度は自分の分のワインも買ってみようかなって 考えていたんだ …まぁ 自分の分ならビールケース1ダース分もいらないけどさ?」
ユウヤがワインを飲む ラミが言う
「なら… 私の事も 気に入ってくれる?」
ユウヤが驚いて言う
「えっ?」
ラミが言う
「…駄目?」
ユウヤが慌てて言う
「あっ いやっ そんな…っ」
ラミが言う
「私より… 彼女の方が 好き?」
ユウヤが言う
「え?彼女って…?」
ユウヤが顔を向けた先で ユキがエールを飲みながら言う
「私は別に?私が好きなのは アンタじゃなくて テールなんだから」
ユウヤが一瞬驚いた後 視線を落として言う
「そう… だよな?」
ユウヤが思う
(分かってる… だから ユキは 兄であるカリムの反対を押し切って…)
ラミが言う
「それとも… あっちの彼女?」
ユウヤが疑問して言う
「え?あっちの彼女って…?」
ユウヤが顔を向けた先 シャナが身を折って見えそうな胸元を強調してユウヤを誘う ユウヤが衝撃を受けて言う
「えっ!?いやっ そんな…っ!…だ、大体 彼女にだって」
シャナがグレーデンの股に座って声を上げる
「ああっ!あ…っ あ…っ あんっ!」
ユウヤが視線を逸らすと ラミが言う
「…それじゃ 私は?」
ユウヤがハッとする ラミが微笑して言う
「私は… 貴方の事 気に入っちゃって… ねぇ?駄目?」
ユウヤが呆気に取られる ラミがユウヤの体に腕を回し そのままユウヤを押し倒す

現実

ユウヤがハッと目を覚まし 脱力して言う
「なんだ… 夢か…」
ユウヤが溜息を吐いて思う
(だよな?…いくらなんでも)
ユウヤが頭を押さえながら言う
「彼女から告白されるなんて 夢の中くらいだよな…?」
ヴィンが密かに笑う
「…くっくっくっくっ」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「あっ!?ヴィンっ!?」
ヴィンが言う
「いや、失敬 聞き耳を立てていた訳ではないのだが 独り言も そうはっきりと言われては…」
ユウヤが苦笑して言う
「ああ… いや、思わず言っちゃったのは 俺だし… 笑われてもしょうがないです 情け無い事言って…」
ヴィンが言う
「いや、私が笑っていたのは 言葉の内容では無く その”彼女から”というのが 誰であるのかは推し量れないが つい先ほどまで ここにユキが居たのだが…」
ユウヤが驚いて言う
「えっ!?ユキがっ!?」
ヴィンが微笑して言う
「昨夜 ユウヤがワインを1本 丸々空けていたので 普段それ程アルコールを飲まないユウヤだが 大丈夫そうかと… 彼女はユウヤを心配して来てくれたのだよ」
ユウヤが呆気に取られて言う
「ユキが俺を心配して…?」
ヴィンが言う
「後一歩早く ユウヤが先ほどの独り言を言っていたら ユキもその言葉を聞いたと思うのだが… もし、そうとなったら 事は どの様になっていたかとね?それを考えて 私は笑って居たのだよ」
ユウヤが言う
「ああ… なるほど…」
ユウヤが思う
(けど 俺の思っていた彼女は ヴィンの言う ユキではなかったんだけど…)
ユウヤが苦笑して言う
「けど どちらにしても 聞かれなくて良かったです」
ヴィンが言う
「おや?それは どうしてかな?偶然とは言え もし ユウヤの言った 彼女と言うのがユキであったのなら 良い切っ掛けになると思うが?」
ユウヤが言う
「それはそうかもしれないけど… 昨日 リックが言っていたんです 本気なら何度でも行って殴られて来いって… それは 確かに強引な所も有るけど 俺も出来たら… 偶然より自分の力で… 言いたい かな… って?」
ヴィンが驚いた後苦笑して言う
「ああ… それは とても良い考えだ それに ユウヤはとても 強いのだな?リックや… 彼の育てたテールと同じく 更に ユウヤは やはり賢い その答えに 助言を得たとは言え 自ら辿り付けたのだから」
ユウヤが言う
「え?」
ヴィンが目を伏せて言う
「私はその答えに辿り付けずに 長い時を有してしまった そして やっと辿り着いても尚 私は弱く 実行に移せないでいる」
ユウヤが呆気に取られた後 微笑して言う
「俺もまだ… 実行には移せて無いですよ?それに ヴィンだって 辿り付いたのなら これからじゃないですか?俺と同じで…」
ヴィンが視線を逸らして言う
「ああ… 私が 辿り着いたのは もう483年も以前なのだが…」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(随分前だったんですね…)
ヴィンが機械から仕上がった薬を取り出しながら言う
「この様な薬などに 頼ってしまったのが 全ての間違いだったのだろう… そもそも 私が化学の分野へ手を出したのも それが理由だった… 私は ユウヤと違って とても弱いのだよ… この性格はもう ずっと昔から変わらない だから 残念ながら これからもきっと …変わらないのだろう」
ヴィンが薬の入った試験管を段ボール箱へ封入する ユウヤが疑問して言う
「それは…?」
ヴィンが言う
「こちらは、友人のヴァンパイアに頼まれていたもので 私がゲートキーパーズで活動を始めたと知れば 近々 取りに来るだろうから 用意をしておいたのだが… 今回は少々遅いな?何かあったのだろうか…?」
ヴィンが機械へ向かい作業をする ユウヤがその様子を見て 段ボール箱を見る 中にはたくさんの薬の入った試験管が入っている ユウヤが微笑してヴィンを見てから思う
(友人のヴァンパイアの為に… そう言えば ヴィンは頼まれると断れないって言っていたな?それに 自分は弱いと… それは 弱いのではなくて 優しいんじゃないのか?だから 好きな相手にも ハッキリと言えない …俺と同じで)
ユウヤがハッとしてから苦笑して思う
(いや、俺は 優しいんじゃ無くて …俺こそ ヴィンの言うように 弱いんだ …だから リックやテールの様に強くなりたいと 俺は…)
ユウヤが段ボール箱を見てからヴィンを見る ヴィンが一度眠気を抑えてから 作業を再開する ユウヤが苦笑して視線を戻して思う
(ヴィンほど 優しくは無いな…)
ユウヤが言う
「あ… 俺 食事に行って来ます」
ヴィンが言う
「ああ、行っておいで それに また リックの為に ワインを買いに行くのだろう?明日には ヤウたちが遠方の酒場へ買出しへ向かい その際に ワインの樽も仕入れると言っていたから ユウヤのお使いも 今日で最後となるだろう もし また ワインを試したいのなら 今日の内に 買っておくと 良いかもしれないな?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え?あ… そうなんですか?ヤウたちが ワインも樽で…?」
ユウヤが思う
(そうか… 確かに 樽で仕入れられるのなら ワインもそっちで買った方が安いし エールも買うんだから ついでにって…)
ユウヤが言う
「分かりました それじゃ」
ユウヤが部屋を出て行く

ワルス街

ユウヤがトラックを降り 道を歩きつつ周囲を見て思う
(確か すぐ近くの店って言ってたな…?)
ユウヤが周囲を見てから息を吐いて言う
「…いや やっぱり 止めて置こう」
ユウヤが来た道を引き返す

酒屋 前

ユウヤが台車へビールケースを2つ置き 振り向いて言う
「それでは… えっと…」
店主が微笑して言う
「ああ、お爺様方のパーティーは今日で終わりでも また いつでも …今度は1本でも買いに来てくれ その時には 再び 良いワインを紹介させてもらうよ?」
ユウヤが微笑して言う
「ありがとう御座います では また来ます!」
店主が言う
「ああ まいどあり」
ユウヤが台車を押して立ち去る

ユウヤが台車を押しながら思う
(そうだよな?リックやヴィンのお使いは今日で終わりでも また こうやって… 自分が飲むワインを買いに来るのも良いかもしれない… マスターは俺の感想を聞いて ワインを紹介してくれるし… ワインって 結構面白いんだな?)
ユウヤが微笑して言う
「良い出会いもあったし …あっ!?」
ユウヤが顔を上げて驚く トラックの荷台の後ろにラミが居て 言う
「やった!」
ユウヤが言う
「えっと… もしかして?」
ラミが微笑して言う
「同じ場所に止まってたから もしかしたら?って」
ラミがトラックを示す ユウヤが思う
(待っててくれたのか?俺を…?)
ラミが微笑する

ラミがユウヤを連れて道を歩いていて言う
「私のお店はね?ここよ?」
ユウヤが示された店を見て言う
「あ… ここは バー?」
ラミが言う
「うん!私 バーテンダーなの!」
ユウヤが苦笑して言う
「そっか だから ワインの値段も知ってて…」
ユウヤが思う
(お酒の店と聞いて ホステスかと思っちゃったのは 失礼だったな… 謝るべきか?…いや、でも 口には出していないから)
ユウヤが言う
「い、良いね!女性のバーテンダーって カッコ良いな?」
ラミが言う
「ホント?嬉しい!貴方にそう言ってもらえて」
ユウヤが言う
「あ… 俺 そう言えば名乗ってなかったね?名前を教えてもらっていたのに 失礼だった ごめん」
ラミが言う
「ううんっ 勝手に私が名乗っただけだし 気にしないで?」
ユウヤが言う
「ありがとう 俺は ユウヤって言うんだ ラミ…ちゃん?」
ラミが言う
「ラミで良いわ 私も… ユウヤって呼んで良い?」
ユウヤが言う
「うん もちろん」
ラミが言う
「やった!」
ユウヤが微笑する ラミが言う
「まだ開店前なんだけど もし時間があるのなら?」
ユウヤが言う
「あ… ごめん 俺としては 入りたいんだけど… あのワインを届けないといけなくて」
ラミが言う
「あ、そっか… それじゃ」
ユウヤが言う
「うん、ラミ… が良ければ… また 改めて 今度は 俺が この店に」
ラミが言う
「ホント?なら… 今夜は?」
ユウヤが言う
「え?」
ラミが言う
「あ… 今夜は駄目?お店は23時には閉めるの だから… その後 2人で ゆっくり とか…?」
ユウヤが言う
「お、俺は… 良いけど?」
ラミが言う
「本当?嬉しい!」
ラミがユウヤに抱き付く ユウヤが驚いて言う
「えっ!?」
ラミが言う
「私… 初めてユウヤに会った あの時から…」
ユウヤが呆気に取られる ラミがユウヤを見上げて言う
「貴方の事 忘れられなくて… そうしたら 次の日も会えて… だから 今日も もし会えたら… それは 運命かな?って思ってた…」
ユウヤが驚く ラミがユウヤの胸に額を付けて言う
「信じて良い?運命だって…」
ユウヤが驚いて固まっていると ラミがユウヤの身体に触れる ユウヤが赤面して熱を帯びる ラミが言う
「あっ 熱っ!」
ユウヤがハッとして言う
「えっ!?」
ラミが言う
「ここ… 凄く…」
ユウヤが頬を染めて思う
(ここってっ そ、そこは…っ!)
ユウヤがハッとする ラミがユウヤの銃フォルダーから 試験管を取り出して言う
「これ…」
ユウヤが気付いて思う
(あっ!それは ヴィンに渡された お守り…っ!?)
ラミが試験管の上部を指先で持って言う
「コレが凄く熱くなってて…」
ユウヤが言う
「あぁっ ご、ごめん…っ 大丈夫だった?熱かったって…?」
ユウヤがラミの持つ試験管を見る 中の薬が淡く光り流動している ユウヤが試験管を受け取ると ラミが言う
「…どうして ユウヤが…?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(う…っ そ、そうだよな?普通 試験管なんて持ち歩かないよなっ?)
ユウヤが言う
「あぁ…っ これはその…っ ゆ、友人に お守りだって」
ラミが言う
「友人?」
ユウヤが言う
「う、うんっ 彼は その… 化学実験なんかをやる人でっ だから その…」
ラミが苦笑して言う
「そう… ユウヤのお友達って 凄いのね?化学者さんなんだ?」
ユウヤが言う
「う、うん 化学の他にも 機械とか… あっ そうだっ!ワイン!ワインを届けないとっ!」
ユウヤが思う
(ヴィンは兎も角 リックは怒ったら 何をするか分からない)
ユウヤが言う
「それじゃ またっ …今夜!」
ラミが微笑して言う
「うん!待ってるわ ユウヤ!」
ユウヤが頷き立ち去る ラミがユウヤを見送り微笑する



バーの前にユウヤが居て 点灯している看板を見上げてから思う
(時間は23時には 少し早いけど… 良いよな?彼女のバーテンダー姿を 見てみたいし)
ユウヤがバーのドアを開ける 店内には女性客が多く 数少なく男性客も居る ユウヤが周囲を見渡す カウンター内で作業をしていたラミが顔を向けユウヤに気付き表情を明るめて言う
「いらっしゃいませ!どうぞ こちらのカウンター席へ!」
ユウヤが微笑してカウンター席へ向かう

看板の明かりが消され ラミがクローズの看板を掛けて店内へ戻って来て言う
「てっきり 閉店後に来るかと思っていたから 最初はびっくりしちゃった」
ユウヤがグラスを置いて言う
「ごめん …迷惑だった?」
ラミが顔を左右に振って言う
「全然!」
ユウヤが微笑して言う
「良かった… ラミのバーテンダー姿を 見てみたくて」
ラミがユウヤの隣の席に座って言う
「ふふ…っ それじゃ どうだった?」
ユウヤが言う
「うん 凄くカッコ良かったし 凄く… 色っぽかった」
ユウヤが思う
(あ、あれ…?俺 何言って…?)
ラミが微笑して言う
「ホント?なら ユウヤ… 私の事 …気に入ってくれた?」
ユウヤが言う
「もちろん 凄く気に入って…っ それに俺 ラミの事 夢の中で …あ、あれ?俺 何言ってんだ…?ゴメン ちょっと 酔ってるかも?」
ラミが言う
「え?夢の中で?」
ラミがユウヤの太ももへ手を触れる ユウヤが慌てて言う
「いや そのっ ゆ、夢の中でも会えるようにって…っ 会えたら良いなって思って… うん!そうっ そう思ってたから 今日会えて… その前も実は店を…」
ラミが言う
「店を?」
ユウヤが苦笑して言う
「あ、あぁ 俺 言うつもり無かったのに…っ!?可笑しいな…?でも… そうなんだ、実は ラミに会いたくて 店を少し探してた…」
ユウヤが恥ずかしさを隠す為にグラスを呷る ラミが言う
「そうだったんだ?それなら 私 あのトラックの前で待ってて良かった… ホントはね?ドキドキしてた… ユウヤに 迷惑じゃないかって…」
ユウヤが言う
「め、迷惑だなんて 全然っ!?俺は本当は ワインの買い出しが無くなって ラミにも もう 会えないって… 残念に思ってたんだ だから…」
ラミが言う
「それじゃ ユウヤも… 私の事…?」
ユウヤが言う
「俺は…」
ユウヤが思う
(…い、言おうっ!俺は…っ 俺もっ リックやテールの様に!強くなるんだっ!!)
ユウヤが言う
「好きだよ…」
ラミが驚く ユウヤが言う
「本当に… 今すぐ 抱いてしまいたい位 大好きで…」
ユウヤがハッとして思う
(し、しまったっ!言い過ぎたっ!…これじゃ テールの二の舞じゃないかっ!?)
ユウヤが思わず目を強くつぶる ユウヤの体にラミが抱き付く ユウヤが驚いて目を見開く ラミがユウヤの耳元で言う
「なら… 抱いて?」
ユウヤが驚いて言う
「えっ!?」
ラミが言う
「私も… ユウヤの事 大好き… だから…っ」
ラミがユウヤの耳元で熱い息を吹き掛ける ユウヤが驚く ラミが言う
「せめて 身体だけでも 1つにしたい…」
ユウヤが驚いたまま言う
「い、良いの…?」
ラミがユウヤの足の間に 自分の足を押し入れて言う
「お願い… ユウヤが欲しいの 私じゃ… 駄目?」
ユウヤが言う
「け、けどっ その…っ 俺たちはまだ… 会ったばっかりで …キ、キスもした事無いのに そんな急にっ?」
ラミが言う
「私… もう耐えられない… ユウヤ…っ!」
ラミがユウヤの腕を引く ユウヤがカウンター席からソファへ押し倒される ユウヤが驚いて言う
「うわっ!?」
ユウヤが目を開くと ラミがユウヤの体の上に乗り 服を脱いで言う
「キスは好きじゃないから それ以外なら 何でも… ユウヤの好きにして良いから…」
ユウヤが驚いている間に ラミがユウヤの服をまくり 体を押し付ける ユウヤがハッとする 下半身が反応する ラミがユウヤのベルトを外して行く ユウヤが思う
(こ、これはっ もう…っ!ここまで来たらっ!!)
ラミがユウヤの性器に舌を這わせる ユウヤが目を見開き言う
「ラ、ラミ…っ!?」
ラミが微笑して言う
「ね…?良いでしょう?私と…」
ユウヤが言う
「わ、分かった… それじゃ…」
ラミが微笑する ユウヤが自分たちの体位を変え ラミを下にして抱きしめる ラミがユウヤの衣服を全て取り ユウヤがラミの足を押し開いて挿入する ラミが声を上げる
「ああっ あ…っ」
ユウヤがラミの体に自身を押し込む ラミの体が一度跳ね上がる ラミが言う
「あっ… はっ… ユウヤ…っ」
ユウヤがラミの肩に顔をうずめて体を抱いて腰を動かす ラミが言う
「あ…っ あ…っ」
ラミが喘ぎながら視線を向ける 床に脱ぎ散らかされているユウヤの衣服の合間に 強く光る試験管が見える ラミがそれを確認して視線を戻して ユウヤを愛撫して言う
「良い… ユウヤ あ… あんっ ユウヤ 凄く 良い… もっと… 私を 貴方の物に あっ あ… あぁっ」
ユウヤが激しく体を突き動かす

――…

ユウヤが目を覚ます ソファの上に毛布を掛けられ1人で寝ている ユウヤがハッとして起きる テーブルにユウヤの服が畳まれていて 手紙と鍵が置かれている ユウヤが手紙を手に取って読む

『ユウヤへ 昨日は有難う 本当は朝まで一緒に居たかったけど そうすると 私 ユウヤから離れられなくなってしまうから ユウヤが眠っている 今の内に離れて置きます 鍵はユウヤが預かっていて それで これからは いつでも会いに来てね ラミ』

ユウヤが服の横に置かれている鍵を手に取り 微笑してから服へ手を伸ばす 銃フォルダーに刺されている試験管が目に入る ユウヤが試験管を手に取って言う
「昨日 そう言えば… また 光っていたような…?」
ユウヤの脳裏にぼんやりと 服の合間に見える強い光を思い出す ユウヤが言う
「帰ったら ヴィンに聞いてみよう」
ユウヤが立ち上がり服を着る

アジト

ユウヤがリビングのドアを開けて言う
「ただいま~?」
テールが飛びついて来て言う
「お!?朝帰りのユウヤ!お帰りー!」
ユウヤが苦笑して 車の鍵を渡しながら言う
「あぁ… テール 車 ゴメン 一晩中借りちゃって…」
テールが鍵を受け取りつつ言う
「良いって事よ!―で!?でっ!?どうなんだっ!?一発キメたのかっ!?」
ユウヤが苦笑して言う
「う… うん…」
テールが喜んで言う
「おおー!やるじゃねぇえかっ!ユウヤ!やっぱ 正面から挿れたんだよなっ!?」
ユウヤが言う
「うん… まぁ… 正面から… 後 後ろからも…」
テールが衝撃を受けて言う
「なにぃっ!?初めての子と 正面からだけじゃなく 後ろからも!?」
ユウヤが苦笑して言う
「う、うん… なんか 昨日は俺… 凄いヤル気が出ちゃって…」
ユウヤが思う
(本当に あんなのは 初めてだったな…?いつもなら どんなに性欲が勝っても あんなに激しい事はしないのに…)
ユウヤが言う
「気付いたら 俺… 結構強引に… 彼女に何度も… 色んな所に出しちゃって… 何やってたんだろう 俺…」
テールが衝撃を受けて言う
「い… 色んな所に…っ!?」
ユウヤがハッとして言う
「あ、あれ!?俺また 何言って…?おかしいな 酒は抜けてる筈なのに… でも まだ疲れが残ってるから 少し休むよ… えっと…?あ、車?有難う 助かったよ テール」
テールがショックを受けたまま言う
「お、おう… お疲れ様… ユウヤ先輩…」
ユウヤがリビングを出てドアを閉める

ユウヤの部屋

ユウヤがドアを開けると ヴィンが振り向いて言う
「ユウヤ 無事に戻ったか 良かった…」
ユウヤが言う
「え?良かったって?」
ヴィンが苦笑して言う
「テールから ユウヤは出掛けた との言伝を聞いたのだが 何処へ何をしに向かったのか に関しては 気にするなの一点張りでね…?それで 私は心配をしていたのだよ ユウヤ」
ユウヤが言う
「あ… そうだったんですか?ちゃんと ワルス街で知り合った人の店に誘われたから その店へ行って来るって 言ったんだけど…」
ヴィンが言う
「ワルス街で?」
ユウヤが言う
「はい、あのワインの買い出しの時に 知り合った女性で」
ヴィンが苦笑して立ち上がり ユウヤの近くへ向かいながら言う
「なるほど 女性か… では きっと テールはそれが理由で 私へ詳細を伏せたのだろう しかし ユウヤは そのテールとは違って… …うん?」
ユウヤが思う
(テールとは違って …か でも 今回は… 何しろ 朝帰りなんだから 隠し様が無いよな?本当は この時間なら ヴィンはもう寝てるかな… とか 思ってたんだけど でも)
ユウヤが言う
「あ… でも… その… ヴィンは以前 ヴィンの眠って居るベッドの上へ 俺が女性を連れ込んでも良いと…?」
ヴィンが動揺しつつ言う
「あ、ああ… それは もちろん 構わない… ユウヤも 子供ではないのだから 健全な男子として それは有するべき事であり…っ」
ユウヤが微笑して言う
「なら 良かったです… ああ、でも 流石に 俺はこのアジトへ 彼女を連れ込むような事は するつもりは無いので その心配は…」
ユウヤが思う
(そうだよな?ベッドの下にヴィンが居るか居ないか って言うより このアジトには大勢の人が… 家族が居るようなものなんだから… そこに彼女を連れ込んでなんて事は… それに これからだって 俺にはコレが…)
ユウヤが内ポケットへ手を入れて中にある鍵を意識する …とその手が 銃フォルダーに備えられている試験管に触れ ユウヤが思い出して言う
「あ、そうだ?ヴィン ちょっと 聞きたい事が」
ヴィンが困っていた様子からハッとして言う
「う、うん?何かな?ユウヤ?」
ユウヤが一瞬疑問してから 気を取り直し 試験管を取り出して言う
「あ、はい… 以前 預かった この試験管なんですが…」
ユウヤが思う
(なんだろう?ヴィンの様子が 少し… 気のせいか?)
ヴィンが言う
「ああ、そちらは ユウヤを …私の大切な獲物であるユウヤを守る お守りであると」
ユウヤが言う
「はい それは聞きましたが それが たまに光って熱くなるみたいなんですが?もしかして 何か化学反応でも?」
ヴィンが驚く ユウヤが気付かずに言う
「だとしたらその… 何かもっと 覆っておかないと…?」
ユウヤが思う
(爆発でもしたら 危ないよな?けど そもそも何で そんな事が起きるのかを聞いておきたいし…?)
ヴィンが呆気に取られてから言う
「ユウヤ… その液体が… 熱を帯びて… 光ったのか?」
ユウヤが疑問して言う
「あ、はい… ですから もし それで割れたりなんかしたら…」
ヴィンが慌てて言う
「割れなかったのかっ!?」
ユウヤが驚いて試験管を見る ヴィンがハッとして試験管を見て 体勢を戻し動揺しながら言う
「し、失敬… 割れていないのは 見れば分かる… だが… 光るだけならまだしも 熱を…っ」
ユウヤが言う
「あの… ヴィン?」
ヴィンがユウヤへ向き直り困りながらも言う
「ユウヤ… 私は ユウヤが どの様な女性を愛し 生涯を共にする伴侶として めとるかという事に関しては 何も言うつもりは無い …しかしっ それは…っ!」
ヴィンが言葉を飲み顔を逸らす ユウヤが呆気に取られて言う
「ヴィン…?」
ヴィンが胸を押さえ 自身を何とか落ち着かせようと 機械の前に座って頭を抱える ユウヤが言う
「あの… 俺は 何か…?」
ユウヤが思う
(ヴィンが こんなに動揺するなんて?一体何なんだ?…だって ”どの様な女性を愛し 生涯を共にしても良い” と言う事は 別に 俺が誰と付き合ったって良いって事だよな…?それに そもそも…?)
ヴィンが立ち上がる ユウヤが思わずビクッと驚き身体を引く ヴィンがユウヤの近くへ来て言う
「ユウヤ」
ユウヤが驚いて言う
「は、はい…?」
ヴィンが一度視線を逸らしてから 向き直って言う
「すまないが… 少しで良い 今 ユウヤの血を頂けないだろうか?」
ユウヤが一瞬驚いてから言う
「え!?あ、は、はい…っ 分かりました」
ヴィンが言う
「では…」
ヴィンがユウヤの肩へ手を置き 首へ顔を近付ける ユウヤが思う
(えっと… 良いんだよな?ヴィンは リックと違って 吸い尽くすタイプじゃないから …それに 少しだって言うし?)
ヴィンがユウヤの首筋に牙を立てる ユウヤが一瞬痛みに目をつぶる ユウヤの耳に吸血音が聞こえると同時に ふと脳裏に ラミとの性交の情景が思い出され ユウヤの体がビクッと反応し 思わず言う
「あ… あぁ…っ ラ… ラミ…」
ヴィンが目を見開き叫ぶ
「うわぁあああーっ!!」
ユウヤが驚き目を見開く

地下室で リックの棺の蓋が叩き開かれ リックが飛び起きる

ユウヤが呆気に取られている前で ヴィンが頭を抱え否定するように叫び散らして スイッチを押しスライドして開いた棺に飛び込む 蓋が閉まり棺が収納される ユウヤが呆気に取られたまま思う
(な…っ!?何が…っ!?)
ユウヤの部屋のドアが叩き開かれ リックが押し入って来て言う
「おらぁああ!何がありやがったぁあっ!?」
ユウヤが驚き振り返って言う
「リ、リック…っ!?」
リックがユウヤを見る テールが走って来て言う
「何だ!?何だっ!?何があったっ!?」
ユウヤがテールを見て言う
「テールもっ!?…あ、いや… その… 俺にも 分からなくて… 急に ヴィンが」
リックがユウヤの匂いに気付いて言う
「ん?この匂いは…っ」
ユウヤがヴィンの棺のスイッチを押して スライドして来た棺へ言う
「ヴィン?あのっ 一体何が!?その… 皆も心配してますし と、とりあえず 外へ出て 何かあるのなら その 理由を…っ」
ユウヤが棺の蓋を開けようとするが開かない ユウヤが言う
「…くっ あ、開かない…っ」
リックが舌打ちをして言う
「…チッ そう言う事か うかつだったぜ まさか 堅物だと期待した てめぇが…」
リックがユウヤの横に来る ユウヤが疑問して言う
「え?堅物って…?でも ヴィンは 俺に 女性と付き合っても良いと!?」
リックが棺の蓋を掴み 力尽くでこじ開けて言う
「おらっ!ヴィンっ!てめぇもっ!」
ヴィンがリックに抱き付いて泣き叫ぶ
「リックーっ!ユウヤがっ!ユウヤがぁあ~っ!!」
ユウヤが呆気に取られて思う
(え?…な、泣いてるっ!?し、しかも…?)
ユウヤが言う
「お、俺が…?何か…?」
リックがヴィンの肩を叩きながら言う
「落ち着きやがれ ヴィン ユウヤは… 確かに 抱いたかも知れねぇが 吸われちゃ いねぇだろ?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え?吸われてって…?」
ラミが現れて言う
「ハ~イ?リック ヴィン それから ユウヤ~!」
ユウヤが驚いて言う
「ラ、ラミっ!?どうしてっ!?」
ラミがユウヤに抱き付く リックがラミへ言う
「ラミ てめぇ まさか 本気じゃねぇだろうな?」
ラミがユウヤの腕に自信の腕を絡ませて言う
「まさかって?ええ、私は 本気よ リック?ユウヤも 本気よね?」
ユウヤが言う
「え…?あの…?」
ユウヤが思う
(これは 一体…?)
ラミが言う
「だって… 私の事 大好きって言ってくれたでしょ?あれは…」
ユウヤが言う
「も、もちろん それは 本気で…」
ヴィンが目を見開き 叫び泣く
「うわぁああーーっ!!」
ヴィンが棺に飛び込んで蓋を閉める リックが衝撃を受けて言う
「あっ!てめぇっ!こらっ!ヴィーンリッヒ!」
リックが棺の蓋を開けようとする ユウヤが言う
「あの…?一体 何がどうなって…?」
ラミがユウヤの内ポケットから試験管を取り出す ユウヤが気付いて言う
「あっ それは…っ」
ユウヤの視線の先で試験管の液体が光っている ラミが言う
「ユウヤがこれを持ってるって事は ユウヤは ヴィンの獲物なのでしょ?だから 私は身体だけで 我慢をしたのよ?」
ユウヤが呆気に取られる リックが作業を止め ラミへ言う
「だからって ユウヤの体に てめぇの匂いを たっぷり染み付かせやがってっ お陰で ヴィンがまた 泣き寝入っちまったじゃねぇえかっ!こうなる事くらい 分かってやがるだろう!?これで何回目だっ!?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「な… 何回目って…?」
ラミが言う
「だって しょうがないじゃない?私の好きになる人間が いつも ヴィンの獲物だって… それだけよ?別に ヴィンの獲物だからって 私が狙ってる訳じゃないわ?偶然よ?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「…って 言う事は…」
ユウヤが思う
(まさか…?いや そもそも このゲートキーパーズのアジトに… そして リックや…)
ユウヤがリックを見る リックが言う
「偶然だろうが 何だろうが 人の獲物に手を出す事は ルール違反だ」
ユウヤがヴィンの棺を見て思う
(ヴィンと 面識が有ると言う事… は…)
ユウヤが衝撃を受ける ラミがユウヤの体に触れて言う
「手は出してるけど 牙は立てて無いんだから 良いじゃない?ユウヤはヴィンの獲物で 私の恋人だって… それだけよ?ね?ユウヤ?」
ラミがユウヤにキスをする ユウヤがハッと気付いて思う
(これは!?牙 が…っ!)
ラミがキスを終えてユウヤの口が解放される ユウヤが言う
「ラミ… 君は…」
ラミが言う
「隠してて ごめんなさい ユウヤ…?でも 本当に私は 1人の女としてユウヤを愛したの… 牙を隠していたのだって それが理由よ?だから 例え 血を貰えなくても 私は ユウヤの事… 愛してるの」
ラミが表情を悲しめる ユウヤが呆気に取られて思う
(ラミは 本気で俺を…?それなら 俺だって…?)
リックが言う
「ユウヤ」
ユウヤがハッとしてリックを見る リックが言う
「てめぇ 本気か?」
ユウヤが言う
「俺は…」
リックが言う
「てめぇは ヴァンパイアに触れられる事が嫌なんじゃなかったのか?だから ヴィンは ずっと耐えていたってぇのに… つまり てめぇは ヴァンパイアじゃなくて ヴィンの事が嫌いだったって事か?」
ユウヤが驚いて言う
「いやっ そんなっ 俺は…っ」
リックが言う
「言っとくがなぁ?ラミは確かに良い女だが 900歳を越える ババァだぞ?」
ユウヤが衝撃を受ける ラミが怒って言う
「失礼ねっ!そんな言い方しなくても 良いじゃないっ!?」
リックが言う
「だから 男を その気にさせるのに ヴィンに作らせた 惚れ薬を使うんだろう?」
ユウヤがハッとして思う
(惚れ薬を…!?)
ラミが言う
「ユウヤに使ったのは1回だけよ?お店に来てくれたから… 私の事 本気だって事でしょう?だから… 私の獲物に出来ないのなら せめて薬を使って身体だけでも 1つにしたいって思ったの それって いけない事かしら?」
ユウヤが思う
(いけない事かどうかは分からない… けど… そうか… それで 俺はあの時 いつもと違って…)
リックが言う
「ヴィンは 獲物に薬は使わねぇぜ?てめぇに作ってやる分だって てめぇが吸血相手に苦労しねぇように その仲間意識から作ってやってるんだろう?それを使って ヴィンの獲物に手を出すなんざ 俺は認めねぇ… やり方が 汚ぇだろ?ラミ?」
ラミが言う
「それなら ヴィンだって 薬を使ってでも ユウヤに触れたら良いじゃない?それで 他のヴァンパイアに ユウヤがヴィンの獲物だって 分かるくらい はっきりと匂いを付けて置いたら良いのよ 最初からそうしてくれていれば 私だって 手は出さなかったわ?」
ユウヤが言う
「最初から…?」
ラミが微笑して言う
「ええ、最初は少しだけ 匂いがした… でも それは 誰にでもある事 少しでも匂いは残る事があるわ だから ちょっと気になって… でも 好きになったのは 関係ない」
ユウヤが言う
「けど… 俺も ラミがヴァンパイアだって 最初から分かっていれば…」
ラミが言う
「私の事… 嫌いになった?」
ユウヤが苦笑して言う
「分からない… 嫌いではないけど 俺は人間だし… ラミとは仲間にはなれるけど… それなら同じ仲間の ヴィンが悲しむ事は したくない」
ラミが驚く リックが反応し微笑して言う
「やっぱり てめぇを選んだ 俺の目に狂いは無かったぜ …おらっ 出て来い ヴィンっ!何時までも泣き入ってやがるんじゃねぇ!」

リビング

リビングに全員が揃っている リックが言う
「元祖ゲートキーパーズのメンバー 女ヴァンパイアの ラミーニだ」
ラミが言う
「よろしく ね?」
ラミが悩殺ポーズでウィンクする ラシェ、ヤウ、キウが喜んで言う
「「「おぉお~!」」」
テールが言う
「ちなみにバストサイズは?」
ラミが胸を張って言う
「99!」
ラシェ、ヤウ、キウが喜んで言う
「「「おぉお~!」」」
テールが手を動かしながら言う
「い、良い…っ」
ユキが呆れて視線を逸らす ユウヤが苦笑している リックが言う
「で、ここへ来たって事は てめぇもこれからは このアジトに住み着こうって魂胆か?」
ラミが言う
「ええ ワルス街の私の部屋は 連中に見付かっちゃったみたいだから そんな危険な所で眠れないでしょう?その点 このアジトなら リックやヴィンが居て 交替制にはなるけど ゆっくり出来る時間が取られるものね?」
リックが言う
「ヴァンパイアの仲間が増えれば それだけ 眠りに着ける時間が長くなる 増して 元祖ゲートキーパーズのメンバーなら 断る理由も無ぇ… と、言いてぇ所だが…」
ラミが言う
「分かってるわ?ゲートキーパーズのルールは守るわよ?」
ユウヤの横でヴィンが顔を逸らしている ユウヤが困る リックが言う
「なら 先ずは てめぇも 自分の獲物を決めろ …じゃねぇと ヴィンが落ち着かねぇだろ?」
ヴィンが言う
「私は 構わないが?リック?」
ユウヤが驚きヴィンを見る リックが呆れて言う
「てめぇは そう言って 何度 てめぇの獲物を ラミに奪われてやがるんだ?俺は ルール以前に けじめを付けろって言ってるんだよ」
ヴィンが言う
「これが 私のけじめだ ルールや何かで 人の心は縛れない …いや 縛って良いものではないのだよ だから 私は…」
ラミがユウヤの肩に腕を回して言う
「あ~ら 本当に?…それなら ユウヤを私に 譲ってくれるのかしら?」
ユウヤが慌てて言う
「ラ、ラミっ!?」
ヴィンが言う
「ユウヤが 君の獲物になりたいと …そうと言うのなら 私は ユウヤを君へ譲ろう ラミーニ」
ラミが呆気に取られて言う
「…本気なの?ヴィン?」
ヴィンが言う
「ああ」
ユウヤが呆気に取られる ラミが微笑して言う
「それじゃ… ユウヤ?私の獲物になってくれる?そうしたら 私たち… 身体だけの関係を 超えられるのよ?」
ラミがユウヤの体を愛撫する ユウヤがハッとしてラミを見てから リックを見る リックがテールの肩を抱いている テールがユウヤを羨ましそうに見ている ラシェが言う
「残念だが ラミお姉さまは ユウヤがお気に入りみたいだぜ?テール?」
テールが視線を逸らして言う
「ああ… 仕方が無いっ 今回は俺も譲る!だって ラミは確かに良い体してるけど 俺が もし ヴァンパイアのラミに 正面から挿し込んだりしたら…っ」
リックがテールを引き寄せて言う
「ざけんなよ テール?俺は お前を ヴァンパイアの女に手を出す 人間の男に育てた覚えはねぇっ!」
ユウヤが反応する テールが微笑して言う
「分かってるって リック!ちゃんと俺は 人間の女に 正面から挿し込むからさ?」
ユウヤが衝撃を受け呆れる リックが言う
「ああ それなら文句はねぇ… 大体 お前は 俺の獲物なんだから 他のヴァンパイアの匂いなんざ付けやがったら 許さねぇぞ?」
リックがテールの肩を掴み テールの首を舐め上げる テールが舐められながら笑って言う
「あっははっ 止めろって リック くすぐってぇよ それに 何だか犬みてぇだよ?」
リックが言う
「犬と一緒にしやがるんじゃねぇよ こいつは ラミ避けだ」
ラミがユウヤを抱き寄せて言う
「それこそ 私を犬みたいに言わないでくれる リック?でも 私も良いかしら ユウヤ?もう誰も 私のユウヤに 牙を立てられない様に…」
ラミがユウヤの首元へ顔を近付け 舌を当てようとする ヴィンがハッと反応する ユウヤが気付き慌ててラミを押さえて言う
「ま、待ってっ!?もしかして その… 首を舐めるのって …そう言う事?」
ラミが微笑して言う
「ええ ヴァンパイアの唾液が付いているとね?他のヴァンパイアが噛み付こうとした時に 火傷をしちゃうのよ… だから これは ヴァンパイアが自分の獲物を守る 吸血避けなの …まぁ 洗ってしまえば 落ちちゃうけど」
ユウヤが思う
(何だ… そう言う事だったのか?だから ヴィンは以前 俺の首を…っ)
ヴィンが言う
「…だが そんな事は関係無い」
ユウヤがヴィンを見る ヴィンが苦笑して言う
「ユウヤがそうしたいと言うのなら それで良いのだよ 何も悩む事は無い それに 例え ヴァンパイアであっても ラミであれば… 触れ合う事にも抵抗は無いのだろう?それなら ユウヤが人間の女性と 本気で付き合う事となる その時までは ラミとの交遊でも楽しむと良いだろう?」
ユウヤがハッとして思う
(人間の女性と 本気で…?)
ラミが苦笑して言う
「そうよね?私だって ユウヤには人間として 幸せになってもらいたいから… だから それまでの間だけでも 私と愛し合って… その後は 私は唯のヴァンパイアとして ユウヤの良きパートナーになれるように ちゃんと勤めるわ?ユウヤの邪魔なんて もちろん しないわよ?」
ユウヤが言う
「それじゃ… 遊びって事?」
ラミが言う
「まぁ そうね?半分本気の 遊びって事かしら?だからこそ 私の獲物であってくれたら その遊びも…」
リックが言う
「ユキ」
皆がハッとして リックを見る ユキが言う
「え?何よ 急に?」
リックが言う
「お前はもし お前の旦那になる奴が ヴァンパイアを連れていたらどう思う?」
ユウヤが反応する ユキが一瞬呆気に取られた後 無意識にテールを見てからハッとして視線を戻して言う
「…っ そんなの ゲートキーパーズのメンバーである 私に聞く訳?…今更 否定なんて しないわよ」
リックが言う
「そうだな?だが その お前の旦那が 連れの女のヴァンパイアに お前の前で 正面から挿し込んでいたら どうするよ?」
ユキが言う
「ぶっ殺すわ」
ユウヤが衝撃を受ける ユキが言う
「当たり前でしょ?」
リックが言う
「そう言う事だ だからヴァンパイアは 自分の獲物に 同性の奴を選ぶ …まぁ 貴族程にでもなれば 気にする必要はねぇだろうがな?」
ヴィンが言う
「とは言え ユウヤがラミと 生涯を共にする事だって可能だ」
ユウヤが思う
(人間とヴァンパイアが…?)
ヴィンが言う
「そうやって ラミの下で生涯を終えた 元私の獲物は1人… 途中で別れた 元私の獲物は2人… 後は… 泣き寝入りをした私に 逆に泣き付いて ラミを引き離してくれと言って来た 元私の獲物は5人… ユウヤはその彼らの どちらのタイプへと分類されるのだろうか?…とは言え 私はユウヤの幸せを第一に考えて居るのだから ユウヤが どちらのタイプになろうとも 私は協力をするつもりだ」
ユウヤがヴィンを見る ヴィンが寂しそうに微笑する リックが不満そうに言う
「ケッ… 折角 俺様が 引き止めてやろうとしたってぇのによ?」
ヴィンが苦笑して言う
「言っただろう?リック 無理に引き止めても 結局 意味が無いのだよ …そうやって 引き止めた事で 私を拒絶した元私の獲物は 先に述べた者たちが 全てだ…」
リックが言う
「だから今回は 自分から手を引くって言うのか?ケッ 弱虫がっ」
ヴィンが言う
「触れずとも 自分の獲物の嫌悪感というものは伝わって来る… 私にはそれが耐えられないのだよ… 私は 君たちとは違って弱いから」
リックが言う
「人間を襲って血を吸うのが 本来のヴァンパイアの姿だ お前は ヴァンパイアとしても 失格だって事だぜ?ヴィーンリッヒ?」
ヴィンが苦笑して言う
「ああ 分かっているよ リック… しかし 私は 求め続けるつもりだ 人とヴァンパイアが共存出来る世界を」
ユウヤが驚いて言う
「人とヴァンパイアが共存…?」
リックが言う
「それは 戦闘タイプのヴァンパイアを 殲滅するって事だぜ?出来るのかよ?甘ちゃんなてめぇに?」
ヴィンが言う
「君たちのその力を押さえ 尚且つ 吸い尽くそうとする その吸血衝動さえも 押さえ込む事が出来れば 共存は可能だ」
リックが言う
「つまり ヴァンパイアの本能を遮ろうって話だ 何百年経っても無理だと思うけどな?」
ヴィンが言う
「それなら 何千年を掛ければ良いと言う事だよ 化学に不可能は無い」
リックが苦笑して言う
「ケッ… なら 今のうちに そのてめぇを ぶっ殺しておくか?」
ヴィンが微笑して言う
「出来るかな?私も 自身より強い力を持つヴァンパイアの前に 無防備には居ないさ?」
リックとヴィンが無言で見詰め合う ユウヤが呆気に取られ息を飲む ラミが苦笑して言う
「はいはい そこまで~?」
皆がラミを見る ラミが言う
「それじゃ ゲートキーパーズ発足前から続いてる アンタたちのその争いは 今回も休戦にして 結論として …ユウヤは 私の獲物って事よね?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(何故そうなった!?)
ヴィンがハッとしてから顔を逸らして言う
「あ、ああ… どうやらその様だ」
ユウヤが言う
「えっ!?」
ユウヤが思う
(そうなのか!?)
ラミが言う
「なら 早速… ユウヤ~?」
ラミがユウヤを押し倒す ユウヤが思わず言う
「わっ!?」
ラミが言う
「もう待てないわ ユウヤ?一度は抱いた身体よ?あの時は こうしたい衝動を 何度も…」
ラミがユウヤの服の中から 試験管を取り出す 試験管の中身が強く光っている ラミが言う
「これに抑制されたけれど」
ラミが試験管をヴィンへ放る ヴィンが試験管をキャッチする ユウヤが思わず言う
「あっ!」
ラミがユウヤの両肩を押さえ付けて言う
「これでもう 私を押さえるものは何も無いわ?あぁ… ホント… 今すぐに 吸っちゃいたいわ… 私、耐えられるかしら?」
ラミがユウヤの首元へ顔を近付ける ユウヤが怯えて思う
(す、吸われるっ!?吸い尽くされ…っ!?いや、それは無い筈だ!?ラミは俺の首を 舐めようとしているだけで…っ けど 俺は…っ)
ユウヤが体を動かそうとするが ラミの力に負けて動けない ユウヤが思う
(駄目だ 動けないっ)
ユウヤが思わず閉じていた目を開く ラミが瞳の色を変え ユウヤを見下ろしていて言う
「ああ… 本当に 美味しそう…」
ユウヤが驚き思う
(これは…っ ヴァンパイアの吸血衝動!?やっぱり ラミは…っ!)
ユウヤが手を握り締める ラミがユウヤの首を舐める ユウヤが悲鳴を上げる
「ヒッ…」
ラミがユウヤの首から頬を舐める ラシェたちが呆気に取られて ヤウが言う
「な、なんか…」
キウが言う
「羨ましく… ない…」
テールが困惑して言う
「な、なぁ?リック?ユウヤは あのまま… 吸い尽くされちゃったり しないよな…?何か…?」
リックが言う
「さぁな?」
男たちが衝撃を受けて言う
「「えっ!?」」
リックが言う
「ヴィンに泣きついた5人以外は 結局全員 寿命の前にラミに吸い尽くされちまった …あいつは耐え性がねぇからよ?あそこまで好いちまってると ユウヤが吸われるのは 時間の問題だな?」
男たちが驚く ユウヤがハッとして言う
「時間のってっ!?…はっ!?」
ユウヤがラミを見る ラミが吸血衝動を見せて言う
「もう… 耐えられないわ ごめんなさい ユウヤ だけど… 今すぐ 私のモノになって?」
ラミが牙を剥く ユウヤが驚いて思わず叫ぶ
「た、助けて…っ!」
ユウヤがリックを見る リックがテールの首を舐める ユウヤが目を強くつぶって叫ぶ
「…ヴィンっ!!」
ラミの身体に薬が放たれる ラミが悲鳴を上げる
「きゃあっ!」
ユウヤが驚いている前で ヴィンがラミを払い飛ばす ラミが床に倒れる ユウヤが驚きヴィンを見上げて言う
「ヴィン…っ」
ヴィンが微笑して言う
「心配は無用 彼女には 一時的に吸血衝動を抑える薬を 浴びせただけだ」
ラミが身を起こして言う
「もう… それだけじゃないでしょう?私が ヴィンの力に負けるだなんて…っ」
ヴィンが苦笑して言う
「もちろん その他の成分も混入しているが 生憎 そちらは口外出来ないな?」
リックが言う
「はんっ なるほど?その薬で この俺様も抑えようって事か?」
ヴィンが言う
「リックには もう少々強力なものでないと利かないだろうが… それとも?私の実験に協力してくれるのかな?」
リックが言う
「殺すぜ?」
ヴィンが苦笑する ラミが言う
「でも ”その他の成分”は兎も角として 吸血衝動を抑える薬は良いわ それがあれば ユウヤを襲わないで済むのだし… ヴィン?」
ヴィンが言う
「ああ、ユウヤを守る為だ 必要分は用意をしよう これがあれば 自分の獲物さえも襲ってしまう 君の余計な吸血衝動は収まるだろう」
ラミが苦笑して言う
「余計な吸血衝動じゃなくて… 女のヴァンパイアなら普通の事よ?」
ヴィンが言う
「ホルモンバランスが乱れているからな?仕方の無い事とは言え それなら 尚更 獲物は同性にするべきだが …今回も その獲物が 君を気に入ったと言うのだから 仕方が無い」
ユウヤが言う
「俺…」
皆がユウヤを見る ユウヤが周囲を見てからハッとして言う
「あ、いや… 獲物の方にも その… 希望とか出せるのなら…」
ユウヤがヴィンを見る ヴィンが疑問する リックが笑んで言う
「獲物の希望は大切だぜ?ゲートキーパーズは 皆 仲間で家族なんだからな?」
ユウヤが苦笑して言う
「それなら 俺は… 今更かもしれないけど ヴィンの獲物で居たいな?」
ヴィンが驚く ラミが呆気に取られて言う
「え?嘘…?」
ユウヤが苦笑してラミへ言う
「やっぱり 俺… ヴァンパイアは怖いや?ごめん ラミ…」
ラミが言う
「ヴィンも 一応 ヴァンパイアよ?」
ヴィンが衝撃を受けて言う
「一応は 余計だが?これでも 私は 800年以上を生きて居る 列記としたヴァンパイアなのだから」
ユウヤが言う
「うん でも… ヴィンは 力尽くで俺を押さえ付けたりしないし 人間と一緒に… 共存する事を考えているヴァンパイアだ… それなら 俺は 人間として… それを応援したい」
ラミが困って言う
「わ、私だって 余計な吸血衝動さえ抑えられれば ユウヤを力で制したりなんて…っ」
リックが言う
「諦めろ ラミ ユウヤは ヴィンに力を貸してぇって言ってるんだ お前の負けだぜ?」
ヴィンが呆気に取られている ユウヤがヴィンを見る リックが微笑して言う
「どうした ヴィン?素直に喜べよ?899年目にして初めて得られた てめぇの獲物だぜ?」
ヴィンがユウヤを見る ユウヤが苦笑して言う
「いや… そんな凄い年数を言われると 何だか 気が引けちゃうけど… 俺で良かったら これからも…?」
ユウヤがヴィンを見る ヴィンが言う
「ユウヤ… ユウヤが 私の…っ?」
ヴィンが一度言葉を飲んでから 泣き叫ぶ
「う… わぁああーっ!」
ヴィンがリビングから逃げ出す ユウヤが驚いて ヴィンが逃げて行った方を振り返って言う
「な、なんで…?」
リックが笑う
「あっはははははっ!ヴィンの奴 今度は嬉しくて 泣き寝入りかぁ!?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え?つまり…?」
ユウヤが思う
(嬉し泣きって事か…?ついさっきまで 人間とヴァンパイアの共存を語っていた人が…?899年も生きて居るヴァンパイアが?)
ラミが言う
「あ~んっ こんな事なら 薬を使っちゃえば良かったわ~?」
リックが言う
「端から ヴィンの力を借りてやがるくせに そのヴィンの獲物に手を出しやがって… そんなんだから 元から持ち合せてる 女ヴァンパイアの色気が落ちるんだろ?ラミ?」
ラミが言う
「落ちてなんかいないわよっ!?」
リックが言う
「なら 上がってもいねぇな 少しは努力しろよ?ヲルス街の女ヴァンパイアは お前より良かったぜ?」
ラミがムッとして言う
「シャナね?あんな淫乱ヴァンパイアと 一緒にしないで頂戴 それに リックこそ あの女の薬にやられたんじゃないの?私は 色気より…」
リックが言う
「あの女が作った薬は 俺には利かなかったけどな?2頭追うモノ何とかって奴だ 女ヴァンパイアは素直に 色気だけ上げとけよ?」
ラミが言う
「貴方を伸してあげたくて」
リックが笑んで言う
「面白れぇ 俺とやろうってぇのか?」
ユウヤが慌てて言う
「そ、それよりっ ヴィンは!?彼は…っ 放って置いて大丈夫なのか!?なんで言うか…っ その…?」
リックが言う
「そおだったなぁ?こんな事は初めてだから 嬉し過ぎて ショック死でもされると厄介だ アイツは使えるヴァンパイアだからよ?色気のねぇ どっかの女ヴァンパイアと違ってな?」
リックが立ち上がる ラミが言う
「だったら 色気の上がる薬を作らせてやるわよ?」
ラミが立ち上がる ユウヤが衝撃を受けて思う
(結局2人とも ヴィンを利用しようって事か…?)

ユウヤの部屋

リックがヴィンの棺の蓋をこじ開けて言う
「おらっ!ヴィン!生きてやがるんだろうなぁあっ!?」
ヴィンがリックへ抱き付いて泣き叫ぶ
「リック~~!ユウヤが!ユウヤがぁあ~!」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(やぱり 俺が…?)
リックが苦笑して言う
「おう… それじゃ 899年越しで 自分の獲物を得やがった てめぇの祝いでもしてやるか?」
ラミが言う
「その前に 私の歓迎祝いはどうなってるの?やってくれるんでしょうね?」
リックが言う
「その前にてめぇは 抑制剤でも煎じて貰いやがれ」
ラミが言う
「そんな薬を使ったら 余計に 色気が下がるじゃない?…良いわよ 今回は 私も素直に」
ラミがユキの肩を抱いて言う
「彼女を 私の獲物にするわ?ゲートキーパーズのメンバーに 人間の女が居るなんて 初めてよね?」
リックが言う
「てめぇの獲物に 丁度良いと思って そのユキを 吸わずに置いた 俺の目に狂いは無かったって事だ」
ユウヤが思う
(いつも 吸わせろ って言ってたよな?)
ラミがユキに言う
「なら 決まりね?今から貴女は 私の獲物よ ユキ?」
ラミがユキの頬にキスをする ユウヤと仲間たちが驚く ユキが言う
「別に構わないけど それなら 夕食を作るの手伝ってくれる?ヴァンパイアだって 元は人間なんでしょ?だったら 出来るわよね?一応 女みたいだし?」
ユキがラミの胸を握る 男たちが喜んで言う
「「「おぉお~!?」」」
ラミが微笑して言う
「良いわね 貴女… 好みのタイプよ?」
ユキが言う
「私は 貴女みたいな女は 嫌いなタイプ …でも 他の男連中をたぶらかされる位なら 良いわよ?私が貴女の獲物になってあげるわ」
ヴィンがゾクゾクしてから言う
「あぁ… 相変わらず ユキは素敵だな… 恐ろしくも 魅力的な強さだ」
リックが言う
「ドマゾなてめぇには 堪らねぇだろう?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(そうだったのか…)


続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。 女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感! イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

処理中です...