上 下
6 / 32
1章

アナザーゲートキーパーズ 『祝いのバーガー』

しおりを挟む

パスタ店

リマが言う
「どお?」
ユウヤが言う
「うん 凄く美味しいよ!チーズの味が強目の この感じが凄く!」
リマが言う
「そうでしょ?初めて食べた時にね?ユウヤ君… 喜びそうだな~って思ったの」
ユウヤが言う
「有難う 嬉しいな 俺の好きな味覚えていてくれて」
リマが沈黙する ユウヤがハッと気づいて言う
「…あ、ゴメン」
リマが言う
「え?」
ユウヤが苦笑して言う
「なんて言うか おこがましいよな?だからその… こ、これは 友達として…!」
リマが苦笑して言う
「…別れたの」
ユウヤが言う
「え…?」
リマが言う
「最初の内はね…?無理してでも頑張って 上手く行ってたんだけど …やっぱり 私じゃ釣り合わなかったみたいで… 結局 他に女の人作られちゃって…」
ユウヤが言う
「そ… そうだったのか ゴメン…」
リマが言う
「ユウヤ君が謝る事…」
ユウヤが言う
「でも 俺… リマちゃんに 諦めない方が良いって 言っちゃっただろ?だから… 責任はあるよ 辛い思いをさせて」
リマが苦笑して言う
「ううんっ ユウヤ君に リマなら大丈夫だって 自信持ちなよって言ってもらえて… 私 凄く嬉しかった… 確かに 結果的にはこうなっちゃったけど 頑張ってみたお陰で 私も 少し自信が持てる様になったから」
ユウヤが苦笑して言う
「…そう言って貰えるなら」
リマが言う
「それでね?私、昔の夢を もう一度追い駆けてみようって モデルの仕事を本気で始めたの!そうしたら 大変だけど それでも 何とか少しずつ 仕事が入るようになって来て!」
ユウヤが喜んで言う
「それは 凄いじゃないか!」
リマが喜んで言う
「うん!ユウヤ君のお陰!だから 有難う ユウヤ君!」
ユウヤがホッとして言う
「いや 俺は別に …でも、良かった …だから 俺、昔から言ってたじゃないか?リマなら成功するって!」
ユウヤがハッとする リマも同じくハッとする ユウヤが言う
「あ、ゴメン…」
リマが苦笑して言う
「ううんっ そうだよね?ユウヤ君はずっと前から 応援してくれて…」
ユウヤとリマが黙る リマが気を取り直して言う
「ユ、ユウヤ君はっ?」
ユウヤが言う
「え?」
リマが言う
「あ、だから… 今は?」
ユウヤが言う
「あ、ああ… 俺は…」
リマが言う
「お父さんみたいな 立派な警察官になるって言ってたでしょ?」
ユウヤがハッとして言う
「あ…っ」
リマが言う
「ユウヤ君 何か昔より ちょっと… そう言う意味で 凛々しい感じになった気がする もしかして 今は警察のお仕事を?」
ユウヤが言う
「あー… いや… 今は…」
リマが気付いて言う
「あ、ゴメン …聞いちゃいけなかった?」
ユウヤが気を取り直して言う
「いや、大丈夫 俺は今… 警察じゃなくて… 実は ゲートキーパーズをやってるんだけど …知ってる?」
リマが驚いて言う
「…し、知ってるよ!?もちろんっ!」
ユウヤが苦笑して言う
「あ、そうなんだ…?」
ユウヤが思う
(やっぱり 結構 有名になってるんだな?ゲートキーパーズは…)
リマが言う
「今まで警察も手を付けられなかった 貴族の城に行って 貴族をやっつけて 街を救ってくれるって!…この世界の救世主だって言われてる!」
ユウヤが思う
(この世界の救世主か… そこまで言われてるんだな?)
リマがハッとして言う
「…あっ もしかしてっ!?」
ユウヤが言う
「ん?」
リマが言う
「ユウヤ君が この街に居るのってっ!?もしかして ゲートキーパーズは今度は… この街を救いにっ!?」
ユウヤが言う
「あ…」
リマが言う
「そうなの?ユウヤ君!?」
ユウヤが思う
(そうか この街はリマの故郷だったっけな…?お母さんが貴族に奪われて それで、お父さんが 年頃になって綺麗になって来た彼女の身を案じて メルス街に転校させた… お陰で俺たちは出会えたんだ それなら 彼女にとって この街の貴族を退治する事は)
ユウヤが微笑して頷いて言う
「うん、実はそうなんだ」
ユウヤが周囲を確認してから静かに言う
「本当は 今日の夜にでも貴族の城へ行く予定で その前に 少し情報を集めようと この街に来て居たんだ」
リマが微笑んで言う
「そうだったんだ…っ 嬉しい お母さんの仇を ゲートキーパーズが取ってくれるのね?それに そのゲートキーパーズに ユウヤ君が居るなんて…」
リマが目に涙を浮かべる ユウヤが気付き強く言う
「必ず 捕らえる …仇は討つよっ」
リマが微笑んで言う
「ユウヤ君…」
リマが頷き涙がこぼれる

ユウヤとリマが道を歩いている リマが言う
「この街の貴族ラムールラムール男爵は 今も昔も同じ… 街中の綺麗な女性を自分の城に集める様にって命じて… それで、お城へ連れて行かれて 戻って来た人は居ないの」
ユウヤが言う
「戻って来た人は居ない か… それじゃ」
ユウヤが思う
(きっと 貴族たちの人身売買に使われて)
リマが言う
「…噂ではね?その女性たちは お城に居るヴァンパイアに 血を吸われているんじゃないかって…」
ユウヤが驚いて言う
「え?この街の城にも ヴァンパイアがっ!?」
ユウヤが思う
(確か ヴィンが この街の城のヴァンパイアは 眠りに着いているって言ってたけど!?)
リマがユウヤへ向いて言う
「ゲートキーパーズは ヴァンパイアを従える貴族だって退治したんだよね!?それなら…っ!」
ユウヤが言う
「あ、うん」
ユウヤが思う
(こっちには リックとヴィンの2人のヴァンパイアが居るんだ だから きっと…)
ユウヤが言う
「城にヴァンパイアが居ても 大丈夫だよ …もしかしたら 警察が依頼をしてきたのも それが理由かもしれないな?」
ユウヤが思う
(むしろそれなら 何の裏も無く 依頼をこなして 警察公認の組織になれるんじゃないか?)
リマが言う
「警察がゲートキーパーズに依頼を!?」
ユウヤが言う
「うん、この依頼を無事にこなしたら ゲートキーパーズは警察公認の組織になる… そうなれば 今までより活動がしやすくなるから 他の街も救いに行けると思う」
リマが言う
「すごいっ 凄いじゃない!?それなら ユウヤ君はゲートキーパーズでも 警察と同じみたいに… これで ユウヤ君の夢も叶いそうだね!?」
ユウヤが言う
「え?俺の夢?」
リマが言う
「うん、お父さんみたいな 立派な警察官になるって」
ユウヤが言う
「あ、うん… けど」
ユウヤが思う
(例え ゲートキーパーズが警察公認の組織になっても 俺が警官になる訳じゃないけど…)
リマが言う
「それで お母さんの仇を… ヴァンパイアを退治するって言ってたでしょ?」
ユウヤがハッとして言う
「あ…」
リマが微笑して言う
「ゲートキーパーズなら 貴族の従えているヴァンパイアも 他のヴァンパイアも退治出来て …例え 警察じゃなくても ユウヤ君の目的は叶うんだから!」
ユウヤが言う
「あ… いや…」
ユウヤが思う
(確かに昔は 母さんを殺したのはヴァンパイアだって… ディークだと思っていた でも それは違うのかもしれない …少なくとも 俺が 覚えていたあの時に ディークは母さんを吸い殺す事は無かった それに ヴァンパイアは…)
ユウヤの脳裏に リックとヴィンの姿が思い出される リマが微笑して言う
「昔 ユウヤ君のお父さんがやっていた ヴァンパイア退治で残ってしまったヴァンパイアも 今度はそのユウヤ君が 退治してくれる… ユウヤ君のお母さんも 天国で喜んでるんじゃないかな?」
ユウヤが言う
「ヴァンパイアは…」
リマが言う
「ヴァンパイアが1人でも残っている限り 私たち人間は常に脅かされるんだもの… この街の城に居るヴァンパイアはもちろん 世界中のヴァンパイアを退治すれば 安心だね?そうなれば きっと… ヴァンパイアに吸い殺された この街の女性たち… 私のお母さんも…」
ユウヤが思う
(確かに ヴァンパイアは人の血を吸う… ヴィンの様に殺さないように吸うとしても それは 普通の人にとっては恐怖でしかない… だから リマがそう言うのは 当然だ… それに 俺だって以前は…)
リマが言う
「がんぱってね?ユウヤ君!」
ユウヤが苦笑して言う
「う、うん… 有難う」
ユウヤがリックを思い出して思う
(それに リックは 1人の人間を 死ぬまで吸わなければ満足出来ない …そんなヴァンパイアは他にも沢山居るだろう この街の城にヴァンパイアが居るなら もしかしたら そのヴァンパイアも…)
リマが僅かに疑問してから苦笑して言う
「でも… 無理はしないで 気を付けてね?相手は 人の力の及ばない 恐ろしい力を持った ヴァンパイアなんだから…」
ユウヤが思う
(恐ろしい力… そうだな 頭脳派のヴィンでさえ 俺では力で勝つ事は出来ない この前は たまたま殴る事が出来たけど… あれは ヴィンに戦う意思が無かったからで… そうじゃなければ きっと…)
ユウヤが言う
「…うん、そうだね 気を付けるよ」
ユウヤが微笑する リマが微笑して言う
「それじゃ…」
ユウヤが言う
「うん それじゃ… リマ…ちゃん も 仕事頑張って 俺、応援してるから」
リマが頷いて言う
「うん 有難う!」
ユウヤとリマが別れる リマが手を振って去って行く ユウヤが軽く手を振り返してから 視線を落として思う
(俺は…)
テールが言う
「ユ・ウ・ヤ!」
テールがユウヤの肩を叩く ユウヤが驚いて言う
「わっ!?あ… テール…」
テールが喜んで言う
「それでそれで!?どうだった!?上手く行ったか!?」
ユウヤが一瞬呆気に取られた後苦笑して言う
「あ、ああ… 有難う テール …テールの言った通り 昔話や今の状態を話合って 楽しく過ごせたよ …あ、それに!」
ユウヤが思う
(ゲートキーパーズとして 貴重な情報も手に入った これは伝えておかないと)
ユウヤが言う
「テール 実は…!」
テールが言う
「おう!?1発キメたのかっ!?」
ユウヤが疑問して言う
「…は?」
テールが笑んでユウヤの肩を抱いて言う
「楽しく過ごせたって事は!そう言う事だろっ!?で、どうだった!?…それより 大丈夫か?これから貴族の城へ 乗り込むんだぜ!?そっちの体力は 残ってるのかぁ~?」
ユウヤが呆れて言う
「あ、あのなぁ テール?そんな事する訳…」
テールがユウヤの肩を叩いて言う
「照れるなよぉっ!?折角 協力してやったんだから その位教えてくれたって良いだろ~?」
ユウヤが困りながら言う
「だから する訳無いって!やってないってっ!そんな事よりも!」
テールが言う
「何だよ~?秘密にする気か~?ユウ…」
ユウヤが困り怒って言う
「秘密じゃなくてっ いい加減に…!」
ヴィンがユウヤを奪い取って言う
「それ以上 私のユウヤを 困らせないでもらおうか?」
ユウヤが呆気に取られる ヴィンがユウヤの頬を愛撫して言う
「大丈夫かな?ユウヤ?」
ユウヤが言う
「あ… う、うん…」
テールが言う
「ちぇ~ 教えてくれても良いだろ?俺はさぁ?ユウヤを心配して…」
ヴィンがテールへ言う
「節操の無い君とは違い ユウヤは ”していない” と言っているではないか?分かったら それ以上 執拗な問いを 続けないでくれたまえ」
ユウヤが思う
(あぁ 助かった… テールは本当に こういう話になると しつこいからな…)
テールが言う
「だってさぁ~?こんな長い時間一緒に居たって事は…」
ヴィンが言う
「離れている間の積もる話でもあったのだろう?私とユウヤのように …なぁ?ユウヤ?」
ヴィンがユウヤの頬を撫で顔を近付ける ユウヤがハッとして思い出す

リマが僅かに疑問してから苦笑して言う
『でも… 無理はしないで 気を付けてね?相手は 人の力の及ばない 恐ろしい力を持った ヴァンパイアなんだから…』

ヴィンが疑問してユウヤの顔を覗き込んで言う
「うん?どうかしたのかな?何か…?」
ユウヤが言う
「…ら ないでくれ…」
ヴィンが疑問して言う
「うん?何かな?ユウ…?」
ヴィンがユウヤの顎に指を掛けて 自分へ顔を向かせようとする ユウヤがその手を払って言う
「触らないでくれっ!」
ヴィンが驚く ユウヤがハッとして言う
「あ… ごめん…」
ヴィンが気を取り直し苦笑して ユウヤから身を離して言う
「いや すまなかった… 少々 戯れが過ぎた様だ ユウヤは繊細なのだから もっと私が気を付けなければ…」
ユウヤが困って言う
「あ… いや、その…」
ユウヤが思う
(でも ヴァンパイアだと言っても ヴィンとリックは仲間だ… 同じゲートキーパーズの仲間である 俺が気を付ける必要なんて…)
リックが呆れて言う
「ハッ!今度は 戯れも禁止か?ユウヤ?」
ユウヤがリックを見る リックがテールを抱き寄せて言う
「あんまり我侭言ってると 愛想を尽かされるぜ?」
ユウヤが反応する ヴィンがユウヤを庇うように立って言う
「繊細なのだと言っているだろう?ユウヤは私の獲物だ 追い詰めるような事は 言わないでもらおうか?」
リックが悪笑みして言う
「相変わらず 甘い奴だぜ」
リックがテールの頭を撫で回す テールが子供の様に笑う ユウヤが呆気に取られる ヴィンがユウヤへ向き直り優しく言う
「それで?先ほど何か言い掛けていた様だが?何か… 彼女から この街の情報でも 聞かれたのかな?」
ユウヤが思い出して言う
「…あ、そうだったっ この街の城に 貴族だけじゃなくて ヴァンパイアが居るんじゃないかって」
ヴィンが考え リックが言う
「居るか居ないかって話なら 居るに決まってるだろ?だが…」
ヴィンが言う
「…うむ この城のヴァンパイアは やはり眠っている様だ …彼とは知り合いであり 仲間でもある 従って我々の感が外れているとは 思われない」
ユウヤが言う
「え?知り合いで 仲間…?」
ユウヤが思う
(それじゃ この街の女性たちは… 他の街へ売られたって事か?ヴァンパイアに吸われたのではなくて…?でも だとしたら 今度はまた 警察が依頼してきた理由が…?)
リックが言う
「…とは言え この城にいる貴族が 別のヴァンパイアを連れ込んでいるって可能性も 否定は出来ねぇな?」
ヴィンが言う
「そうだな 気を付けるに越した事は無い」
ユウヤが思う
(気を付ける… そうだよな?仲間じゃないヴァンパイアには 気を付けないと…)
ユウヤがハッとしてヴィンを見る ヴィンが微笑して言う
「ユウヤの事は 何があっても私が守るから 安心したまえ」
ユウヤが思う
(そうだ… 気を付けるのは 仲間じゃないヴァンパイアだけで良い筈だ …それなのに俺は)
ヴィンがユウヤの頬に触れようとしてハッとして 手を引く ユウヤが言う
「あ…」
ヴィンがリックへ向いて言う
「…では 参ろうか?諸君?」
リックが言う
「そうだな よし テール?」
テールが言う
「おう!それじゃ ゲートキーパーズ!この街の城に住む ラムールラムール男爵を討ち取りに行くぜぃ!」
仲間たちが言う
「おうっ!」

ヨルス城 城内

用心棒たちが銃撃を行う中に 催涙弾が投げられ爆発する 用心棒たちが咳き込む中 銃撃が行われ 用心棒たちが悲鳴を上げて倒れる
「ぐあっ!」 「ぐっ!」
用心棒たちが倒れている中に テールと仲間たちがやって来て テールが言う
「よ~し!この調子でガンガン突っ込むぞー!」
仲間たちが言う
「おうっ!」
ユウヤが用心棒たちを見てから ヴィンへ向いて言う
「ヴィン 貴方の あの薬を使った方が…」
ヴィンが言う
「今回の依頼は警察からのもの …従って 後の彼らの調査の為にも より人間らしい 戦いの跡を残す作戦を 取ろうと言う事になっていてね?」
ユウヤが言う
「あ… なるほど…?」
ユウヤが思う
(人間らしい戦いの跡… そうか 確かに これが…)
ユウヤが用心棒たちを見る 怪我を負って動けない者の他に 絶命しているらしき者が見える ユウヤが思う
(人間を超えた ヴァンパイアなら… こんな怪我を負わせる事も 命を奪う事も無く この依頼は達成出来るのに)
ヴィンが言う
「…しかし」
ユウヤがハッとする 後方から用心棒たちが現れ ユウヤとヴィンへ銃を向ける ユウヤが慌ててサブマシンガンを構える ヴィンが試験管を軽く振るう 粉薬が用心棒たちに降りかかり間もなく用心棒たちが倒れる ユウヤが呆気に取られる ヴィンが微笑して言う
「これ位ならば 気付かれる事も無いだろうと …その程度には使うつもりで 用意はしてあるがね?」
ユウヤが苦笑する ヴィンが先に行った仲間たちを見てから言う
「少々後れを取ってしまった 彼らに心配を掛けない為にも 急いで合流しよう ユウヤ?」
ヴィンがユウヤの肩を抱こうとしてハッとする ユウヤが気付いて顔を向ける ヴィンが微笑し ユウヤの腕を掴んで言う
「腕を引くから 引かれるままに走ってくれ 力を入れては 怪我をさせかねない …良いかな?ユウヤ」
ユウヤが言う
「あ… はい…っ」
ヴィンが言う
「では 行こう」
ユウヤの体が 一気にさらわれる

ユウヤが引かれる腕の痛みに表情を顰めつつ思う
(リックの時みたいに… 凄い速さだっ …でも 今回は何とか景色が分かる …あっ あれはっ!?)
ユウヤが絶命して倒れている用心棒に気付き ハッと息を飲むと反動で身体に力が入り その用心棒の足に 自分の足を引っ掛け転びそうになって言う
「あっ!」
ヴィンが気付き 止まってユウヤの身体を押さえる 他方から来た用心棒がヴィンとユウヤに気付いて 言いながら発砲する
「居たぞっ!こっちだっ!」
ヴィンが視線を向けユウヤの腕を引いて銃弾を回避するが ヴィンの身体を銃弾が掠める ヴィンが僅かに声を放つ
「う…っ」
ユウヤがハッとして言う
「ヴィンっ!?」
ヴィンが試験管を取り出し 用心棒たちへ投げ ユウヤと共に逃げる 試験管が床に落ちて割れる音と 用心棒たちの悲鳴が聞こえる中 ユウヤの体がヴィンに引かれて行く

ゲートキーパーズの仲間たちが用心棒たちと銃撃戦をやっている ヴィンとユウヤが到着するのと同じくして 丁度 用心棒たちの残りが倒れる テールが振り返って言う
「どうした?何かあったのか?2人共?」
リックが言う
「遅ぇぞ ヴィン?ヴァンパイアが人間の足に遅れるなんて 聞いた事もねぇ」
ヴィンが苦笑して言う
「すまないな?生憎 その人間の足に 躓いてしまってね?ヴァンパイアも 歩けばなんとやら… かな?」
リックが言う
「あぁ?」
ユウヤが言う
「いや、違うんだ 俺が… その… 人の足に躓いて ヴィンの手を煩わせたんだ」
リックが言う
「自分の獲物も満足に守ってやれねぇんなら いらねぇよ てめぇは アジトで何か役に立つものでも作ってやがれ ユウヤは俺が守ってやる」
ユウヤが言う
「あ…っ だから 俺が悪くて…っ」
ヴィンが言う
「いや、折角譲ってもらった獲物を守られない様では そうと言われても仕方が無い 今後はしっかり守ると約束しよう」
ユウヤが困って思う
(俺が悪いのに…)
リックが言う
「よし、その言葉 忘れんなよ?…戦いの中で 下らねぇ気なんか 使ってるんじゃねぇよ ったく…」
リックが向かい ゲートキーパーズの仲間たちが続く ヴィンが向かおうとしてユウヤが言う
「あのっ ごめん ヴィン 俺のせいで…」
ヴィンが微笑して言う
「いや、ユウヤが謝る事は無い」
ユウヤがヴィンを見上げて言う
「けど …っ!」
ユウヤがヴィンの腕にある 銃弾のかすり傷に気付いて思う
(あの時にっ!?)
ヴィンが気付き苦笑して言う
「フフ… 人の銃撃を受けるなど 恥ずべき事だ 余り見ないでくれ給え」
ユウヤが言う
「それも 俺のせいで… っ!」
ヴィンがユウヤの肩を抱いて言う
「やはり 手を引くだけでは不安定で危険だ 従って こう言った時だけは 少々我慢をしてくれ給え ユウヤ すまないが」
ヴィンとユウヤが消える様に居なくなる 用心棒たちが狙いを付けていた銃火器を下ろし 呆気に取られる

ダイニング

ラムールラムールが夕食を食べながら笑んで言う
「クックック… 来たか?ゲートキーパーズ」
テールが言う
「おう!そのゲートキーパーズとは 俺たちの事よ!」
ラムールラムールが言う
「ふむ、歓迎しよう 予定通りの日時だな?」
ユキが言う
「予定通りですって?」
ラムールラムールが言う
「それに、一応 …流石 とも 言っておくか?普段より 用心棒の数を増やしていたのだが…」
テールが言う
「へっへ~ん!何時来るかが分かろうが 用心棒をいくら増やしたって 無駄無駄!俺たちゲートキーパーズには 敵わないぜ!?だから大人しく!」
ラムールラムールが言う
「ああ、そのまま 10人とも 大人しく…」
ユウヤが思う
(10人とも…?はっ!?)
ユウヤが顔を上げた先で照明装置が灯され 強い紫外線の光が投射される リックとヴィンが反応して苦しがって言う
「あぁあーっ」 「グ…ッ」
皆が驚きテールが言う
「リックッ!?」
テールがリックへ駆け寄る 激しい音と共に鉄格子が落ちて来て ゲートキーパーズを囲う 皆が驚いて言う
「な!?」 「何だっ!?」
ユウヤが言う
「閉じ込められた!」
ラムールラムールが笑う
「ハーハッハッハッハ!どうだ?ゲートキーパーズ?」
鉄格子の外から用心棒たちが銃を向ける ラムールラムールが言う
「我ら ラウンスターク家の兄弟たちを いたぶってくれた礼だ たっぷりと 銃弾でお返しをしてやろう」
ラムールラムールが大手を振って叫ぶ
「さあ!撃てー!」
用心棒たちが一斉に銃撃を行う ラムールラムールが笑う
「ハーハッハッハッハ!」
銃声が終わり 硝煙が消えて行く ラムールラムールが笑んで言う
「これで 悪名高きゲートキーパーズを 始末した貴族として 私が… …うん?」
硝煙が消えた先 鉄格子の中に銀色の半球体がある 用心棒たちが呆気に取られ周囲と顔を見合わせる 半球体の周囲に光の輪が出来る ラムールラムールと用心棒たちが疑問して見つめていると 光の輪が一瞬で弾け飛び 周囲の鉄格子を切り裂いて 用心棒たちを弾き飛ばし 紫外線照射装置を破壊する ラムールラムールが驚いて言う
「なっ!?」
半球体が消えるのと ほぼ同時にリックが飛び出して来て ラムールラムールを殴り飛ばす ラムールラムールが悲鳴を上げる
「ぐあぁっ!」
リックがラムールラムールの顔を足で押さえ付け 表情を怒らせて言う
「てめぇ… よくも 俺様の顔に…っ」
リックの顔が火傷している ユウヤと仲間たちが周囲を見渡し呆気に取られている ヴィンが収納されたアイアンシールドを手に言う
「ラムールラムール男爵は キレ者との噂だった 従って… 少々大げさではあったが 念の為にと用意しておいたのだが 正解だった様だ」
ボコボコにしたラムールラムールを縛り上げてリックが言う
「鈍臭ぇ おめぇを 獲物を譲ってまで 雇って置いた俺も 正解だったぜ」
リックがラムールラムールを手放す ヴィンが苦笑して言う
「だが 折角の その私を アジトへ置き去りにしては 同じ事だが?リック?」
リックが言う
「言っただろう?アジトへ置き去りにしても その てめぇが作るものを 持って来れば良いだけだ」
ヴィンが言う
「そうかな?紫外線に焼かれている中で 短気な君が この繊細な私の作品を使いこなしてくれるとは 思えないが?」
リックが言う
「るせぇよ…」
ヴィンが軽く笑う
「フフフ…」
ユウヤがヴィンとリックを見てから ヴィンへ言う
「紫外線… 確か ヴァンパイアは 紫外線を浴びると 力が弱まると…?」
ユウヤがリックを見て思う
(それに 人工的に作り出した 強化な紫外線を浴びせると あのように皮膚が焼けてしまう…)
ユウヤがヴィンを見て言う
「しかし 何故 ヴィンは?」
ヴィンが微笑して言う
「ああ、そちらは単純にして簡単 紫外線は ヴァンパイアだけでなく 女性の美容にとっても天敵だろう?」
ユウヤが呆気に取られて言う
「え?」
ユウヤがユキを見る ユキが言う
「まさか?日焼け止めのクリームでも 塗ってたって事?」
ヴィンが微笑して言う
「御名答、もちろん 通常の人間のものとは 比べ物にならない 強力な物だが… ユキも欲しければ 声を掛けてくれて構わない」
ユキが言う
「それなら 私じゃなくて リックに言ってあげなさいよ?」
ユウヤが思う
(確かに…)
ユウヤがリックを見る リックの横でテールがラムールラムールを覗き込んで言う
「あ~あ?これじゃ 金庫の鍵も 開けられないんじゃないか?」
リックが言う
「てめぇがやった事には 相応の報いを受けさせてやらねぇと 分からねぇだろ?目には目をって奴だ」
ヴィンが言う
「私もリックの意見には賛成だ」
ユキが言う
「その為に わざと渡さなかったって言うの?だとしたら最低ね?」
ヴィンが言う
「フフフ… この程度の依頼に ゲートキーパーズの2人のヴァンパイアが 揃って相応の装備をして行く 等と言うのでは 後生の恥となるのだよ …消えない恥を得るくらいなら 消える傷を負う事を選ぶ それが 我々の美学だ」
ユキが言う
「その美学で リックを死なせたら 許さないから」
ユキが立ち去る ヴィンが苦笑して言う
「ふむ?どうやら ユキも リックの味方の様だ…」
ユウヤが言う
「ユキ”も” とは?」
ヴィンが言う
「そちらはもちろん?ユウヤも 本当は…」
リックが言う
「おい それ以上 下らなねぇ 昔話で てめぇの恥を晒してどうするんだ?ヴィーンリッヒ」
ヴィンが苦笑して言う
「お陰さまで 今度も私は 何も獲られなそうだな?リック?」
リックが言う
「てめぇのお陰で ゲートキーパーズの美学は 守られてるぜ?」
ヴィンが言う
「お陰で 私はいつも1人で泣き寝入りをするのだよ …そして その私を いつも誘いに来るのだから 君は酷いヴァンパイアだ」
リックが言う
「てめぇは 最高に使えるヴァンパイアだ」
ヴィンが苦笑して言う
「嬉しくないな…」
リックが言う
「フン…」
ユウヤが呆気に取られる ラシェが走って来て言う
「おーい 皆ー!特に テール!?女たちが監禁されてる 部屋を見付けたぞー!?」
テールがラムールラムールを捨てて言う
「何っ!良くやった ラシェ!よし 皆!すぐに行こうぜ!いやもう俺が すぐにイク!」
テールが走って行く 仲間たちが続く ユウヤが困る前で ユキがラムールラムールへ銃を向けて言う
「ここは私が見張ってるから」
リックが言う
「ヴィン」
ヴィンが言う
「ああ、では 私が ユキと共に こちらへ残ろう …行って来たまえ ユウヤ」
ユウヤが言う
「え?でも…?」
ユウヤが思う
(俺は ヴィンの獲物じゃないのか…?)
リックが言う
「早くしろよ ユウヤ!テールが イっちまうじゃねぇか」
ユウヤがリックに腕を掴まれる ユウヤが言う
「あ!」
ユウヤとリックが走って行く

ユウヤが到着すると テールと仲間たちが部屋の前で呆気に取られている ユウヤが疑問して言う
「あれ?皆…?」
ユウヤが思う
(どうしたんだ?いつもなら… テールなんて率先して 女たちの下へ向かうのに?)
ユウヤが部屋の中を見ようとしながら言う
「どうかしたのか 皆…? っ!?」
ユウヤが驚いて目を見開く 仲間たちが視線を逸らして言う
「なんて 酷ぇ事を…」
「これじゃ 生き地獄じゃねぇか」
「嬲られる所じゃねぇな…」
部屋の中には あらゆる拷問をされている女たちが幽閉されて居る ユウヤが驚いたまま居ると 酷い臭いに気付き 思わず口を押さえて言う
「うっ…!」
テールが言う
「流石の俺も萎えた… よし 皆 この女たちを介抱しよう… いや、その前に 警察へ応援を呼ぶか?俺たちだけじゃ」
ラシェが言う
「そうだな 医者も必要だろう?それも伝えないと」
テールが言う
「ああ、それじゃ…」
テールの横をリックが過ぎる テールが顔を向けて言う
「リック?」
リックが1人の女の前で言う
「こいつはもう助からねぇな?きっと 良い女だったろうが… お陰で 可愛がられ過ぎたか」
女がリックを見上げて言う
「お願 い… ころ し て…」
リックが言う
「ああ、今楽にしてやるよ だが お前も逝く前に 最後の幸福でも味わえ」
リックが女の首に牙を立てる 女が一瞬目を見開いた後 言う
「あ… あ…」
リックが音を立てて 女の血を吸う ユウヤが気付いて思う
(この音は… リックは 彼女に魔法を…?ヴァンパイアの力を与えて 快楽を得させているのか…?彼女は… もう… 助からないから…?)
テールが言う
「それじゃ ラシェと… 誰か2人位行って 警察と医者を…」
ユウヤがテールを見てから視線を戻して思う
(確かに あの怪我じゃ きっと… それなら 治療を受けさせて 苦しみを長らえさせるよりも… この方が良いのかもしれない…)
ユウヤが女を見る 女が微笑して言う
「ずっと… 会いたかった… 貴方… …リ  …マ これで… もう…」
ユウヤが目を見開く 女が静かに目を閉じる ユウヤが思わず手を向けて言う
「あ…っ」
女が脱力する リックが言う
「安らかに眠りな」
ユウヤが呆気に取られたまま思う
(彼女はっ まさか …リマのっ!?)
ユウヤがリックを見る リックの顔の火傷が治る リックが振り返る ユウヤがハッとする リックが目を細めて言う
「…要請を受けて来たにしては 早過ぎるな?」
ユウヤが一瞬疑問して言う
「え?」
リックの視線の先 ユウヤの後方に警察たちが現れ銃を向ける ユウヤが驚いて振り返る 警察たちが言う
「全員動くなっ!」
ユウヤが言う
「な、なんでっ!?」
ユウヤが思う
(今回の依頼は 警察からゲートキーパーズへの ものじゃなかったのか!?)
警察が言う
「お前たちはゲートキーパーズか?」
テールが言う
「ああ、そうだ 約束通り この城を制圧して ラムールラムール男爵を取り押さえた …おまけに 発見した この女たちの事を あんたらへ知らせてやろうとしていた所だぜ?」
警察が言う
「ああ、それを知らせようと言う彼らには たった今会った お手柄だったな?…では ゲートキーパーズ 諸君の事は認め 公認の傭兵として 我々警察も受け入れよう …だが」
拷問室の中を確認していた警察2が言う
「警部っ!ヴァンパイアに 吸血された女が居ます!」
警察が言う
「そうか… やはり 噂は本当だったようだな?ゲートキーパーズに ヴァンパイアが居ると」
ユウヤが反応する テールが言う
「だったら何だよ?」
警察が言う
「もちろん ゲートキーパーズは受け入れようとも ヴァンパイアを受け入れる事は出来ない… 投射を!」
警察の言葉に 警察たちがゲートキーパーズへ紫外線を浴びせる リックが悲鳴を上げる
「あぁああっ!」
テールがリックへ向いて言う
「リック!」
警察が言う
「あの男だ!総員狙え!」
テールがリックの前に立って言う
「この野郎っ!」
テールがサブマシンガンを構える ユウヤがハッとしてサブマシンガンを持ち双方を見比べる ヴィンの声が聞こえる
「双方止め給え!今ここで銃撃戦を行おうものなら 無関係の彼女たちまで 巻き込みかねないだろう?」
皆が顔を向ける 警察と共にヴィンとユキが立っている ユウヤが驚いて言う
「ヴィン!?ユキ!?」
警察が言う
「…ふむ 確かにそうだな?ゲートキーパーズ諸君 我々警察の任務は 諸君らの中に潜むとされていた そのヴァンパイアを始末する事だ 従って その他の諸君は 我々の邪魔さえしないのであれば 元よりの約束通り 罪は課さない」
警察たちがリックとテールへ銃を向ける ユウヤが思う
(そう言う事だったのか…っ 警察は俺たちの中に居る ヴァンパイアを探して!?なら?一体どうしたら…っ!?俺たちだけが認められたって ゲートキーパーズはリックが居なければっ)
テールが言う
「ふざけんなよっ!リックに何かしようって言うなら 俺が許さねぇっ!」
警察が言う
「ヴァンパイアを捕らえろ 別の場所で始末をする」
警察たちがリックを捕らえようと近付く リックはテールの陰から身動きが取れない テールが言う
「それ以上近寄るならっ 撃つぞっ!」
テールがサブマシンガンを構える 警察の1人が瞬時にテールへ掴み掛かり テールからサブマシンガンを取り上げる 他の警察たちがテールを捕まえ移動させようとする テールの影から出されたリックが悲鳴を上げる
「あぁああーっ!」
テールがハッとして慌てて言う
「離せぇえーっ!」
テールが警察の手を潜り抜けて言う
「リックっ!」
警察がテールを引っ張って言う
「離れなさいっ それ以上邪魔をするのなら 君も ヴァンパイアと一緒にっ!」
テールが言う
「うるせぇえ!リックは俺の家族だ!殺すなら 俺も殺せ!」
ユウヤが思う
(そうだっ!俺たちは皆 仲間で家族っ ゲートキーパーズのヴァンパイアは 俺たちの仲間だっ だからっ!)
ユウヤがサブマシンガンを握る手に力を込めるのと同時に ヴィンが言う
「その男も ヴァンパイアと一緒に連れて行くと良い」
ユウヤが驚いてヴィンを見る ヴィンが言う
「ゲートキーパーズから ヴァンパイアと その男が居なくなってくれれば 我々も助かるのだよ …そうだろう 皆?」
ユウヤが驚き呆気に取られて言う
「な…っ!?」
ユウヤが思う
(ヴィンっ!?何をっ!?)
ユキが言う
「…ええ、ホント ヴァンパイアを使いこなせるからって 勝手に私たちのリーダー面しちゃって …良い迷惑だったのよ」
ユウヤが驚いて思う
(ユキまでっ!?)
ヴィンが言う
「そのヴァンパイアは その男に執着している したがって 彼を人質に使えば そのヴァンパイアを使いこなす事も可能だ」
警察が言う
「何?ヴァンパイアを?」
警察2が言う
「警部、確かに以前 ヤルス街の警察からも 同様の報告が…」
警察が言う
「ふむ、そうだったな… よし、では その男も逮捕しろ!構わん 公務執行妨害だ」
テールの手に手錠が掛けられる 警察が言う
「ヴァンパイアには 銀の手錠を掛けてから 装置を停止させろ」
警察たちが作業を行う 装置が止まると テールが微笑してリックへ言う
「リック 大丈夫か?」
リックが苦笑して言う
「馬鹿野郎…」
テールが微笑する 警察たちがゲートキーパーズの仲間たちを見る 仲間たちがハッとして慌てて言う
「あ、ああ!よ、良かった~!ヴァンパイアが居なくなったぜー!?」
「お、おう 俺たちゲートキーパーズに 平和がやって来たぜ!流石 警察 庶民の味方!」
仲間たちがぎこちなく笑う ユウヤがハッと気付いて思う
(まさか…っ 皆 わざと!?)
ユキがユウヤの近くへ来て 小声で言う
「馬鹿っ 気付きなさいよ この状態じゃ 私たちに勝ち目は無いでしょ?」
ユウヤがユキを見る ヴィンが言う
「では 後の事は警察へ任せ 我々ゲートキーパーズは退散させて頂こうか?」
警察が言う
「うむ、では 良くやってくれた ゲートキーパーズ諸君 今後また…」
ヴィンが言う
「ああ、何時でも 我らゲートキーパーズへ ご依頼を… 警察方?」
仲間たちが言う
「よーし 退散 退散~」
「ゲートキーパーズは 退散~」
ヴィンに続いて仲間たちが立ち去る ユウヤが続こうとして 一度テールとリックを見る ヴィンが呼ぶ
「ユウヤ」
ユウヤがハッとして言う
「あ、ああ… ごめん…」
ユウヤが向かう 警察が不審そうにユウヤを見る ヴィンがそれに気づき ユウヤへ言う
「ユウヤは優しいから 少々情が移ってしまったかな?しかし 所詮 ヴァンパイアなど」
ユウヤが呆気に取られる ヴィンが横目に警察を見る ユウヤがハッとして思う
(そうだっ 物も言葉も使い様…っ!)
ユウヤが苦笑して言う
「う、うん…っ そう… そうだな!それにっ …良いんだ!しょうがないよ…?だって ヴァンパイアは …人類の敵だろ?そうだよなっ!?」
ヴィンが言う
「ああ、そうだとも ユウヤ」
ヴィンがユウヤの肩を抱いて立ち去る 警察が安心した様子で視線を戻す

移動トラック内

ユキが言う
「それで どうするつもり?」
ヴィンが言う
「もちろん 2人を救出するが」
アルサが言う
「あいつら テールとリックを 何処へ連れて行くつもりだ?」
カリムが言う
「助け出すなら 留置所に入れられより 前の方が良いんじゃないか?」
ユウヤが言う
「うん 留置所の警備は厳重だから 助け出すなら」
ユウヤが思う
(護送中しか無い… しかし警察は さっきは見逃したとは言え ゲートキーパーズが 彼らを助けに来ると言う可能性を きっと…っ)
ヴィンが言う
「ああ、もちろん 救出は護送中に行う だが 問題はその後だ 警察はゲートキーパーズにヴァンパイアが居る事を確信した そうとなれば 例え 救出を成功させようとも 今後はそれを理由にでも 直接 ゲートキーパーズを潰しに掛かるだろう… しかし 現状ならば 少なくとも リックとテールの2人以外は その危害を受ける事は無い」
ユウヤが言う
「彼らは仲間だっ 助けない訳には行かない!」
ヴィンが言う
「もちろん それに 彼らの救出を行えば 私もヴァンパイアである事が 警察に知られるだろう」
ユウヤが思う
(そうか… 護送中とは言え 警察はあの人数… ヴィンの力を使わずに 俺たちだけでは…)
ユウヤが言う
「…そう言えば ヴィンは?どうやって さっきの警察たちの目を 欺いたのですか?」
ヴィンが微笑して言う
「ああ、私の服や このダテ眼鏡は 紫外線対策のものでね 彼ら警察は ゲートキーパーズにヴァンパイアが居るとは知ってはいたが その人数までは把握していなかった様子 従って 彼らが 紫外線発生装置を用いて ヴァンパイアを探していた確認の際 少々やせ我慢をして見せただけで 彼らは ユキと共に居た私の事も 人間として判断をしてくれた」
ユウヤが苦笑して言う
「なら… やっぱり ユキが言っていた様に リックへも その対策の品々を渡していれば…」
ヴィンが言う
「それをしていたら 警察は ゲートキーパーズの全員を捕らえただろう… 男爵の城の制圧を依頼して置きながらの 警察側のあの人数は それを示している」
ユウヤが思う
(そうか… 確かに 制圧後に来る人数にしては多過ぎた… だからあれは最初から ゲートキーパーズを捕らえる為に?)
ユキが言う
「だから わざと リックを捕まえさせたのよね?」
ヴィンが言う
「ああ、ユキは私と2人で警察と遭遇した あの瞬間から気付き 私に協力してくれた… 君はとても賢い女性だ 私の好みのタイプだが?」
ユウヤが呆気に取られて思う
(え?ヴィン… こんな時に?)
ユキが言う
「その貴方は ”とても” 所か 遥かに賢いのね?頼りにはなるけど 私の嫌いなタイプ」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(さ、流石 ユキ… ヴァンパイアが相手でも 怖じける事も無く)
ヴィンが苦笑して言う
「フフフ… 優しくないな?」
ユキが言う
「ええ、良く言われるわ それで?私より 遥かに賢い貴方の答えを 早く教えてもらえない?仕方が無かったとは言え あの時 私が言った言葉を 早く訂正して置きたいから」
ユウヤが気付く ヴィンが言う
「ゲートキーパーズを抜けるつもりは無いと言う事かな?」
男たちが驚いて言う
「「なっ!?」」
ユキが言う
「もちろんよ それから 彼らの救出には 私も行くから 絶対に」
ユキが武器を用意する ヴィンが苦笑して 男たちへ顔を向ける 皆が反応する ヴィンが言う
「…と言う事だ ゲートキーパーズを抜けるのなら 今しかないが 如何するかな?諸君?」
ユウヤが思う
(そうか 今ここで ”ヴァンパイアを護送する警察”から それを救出すると言う事は もう… 後戻りが出来なくなると言う事だ… 警察はもちろん そもそも人類の敵とされて居るヴァンパイアに 味方をすると言う事は それは必然的に 人間でありながらも 人類の敵となる)
ヴィンが言う
「諸君は人間だ 我々ヴァンパイアとは異なり 同じ人間を敵に回す事は賢明とは言えない 従って 無理はしなくて良い このまま人と共に生きるか ヴァンパイアと共に生きるか その選択をしてくれ給え もちろん 今なら私も只で見逃すが 次に会う時は容赦はしない それは リックも同じ筈だ」
皆が反応する ラシェが銃を用意して言う
「俺は残るぜ ゲートキーパーズに」
皆がラシェを見る ラシェが微笑して言う
「だから 仲間のヴァンパイアである リックと ゲートキーパーズのリーダー テールを 救出しに行く」
ヤウが言う
「俺も残る ゲートキーパーズに入る時から決めていた事だ 今更変える気はねぇ!」
キウが言う
「俺もだ 俺らが居たって ヴァンパイアの2人の足元にも及ばないだろうけどさ?それでも… ゲートキーパーズは 俺にとっては 帰るべき場所だ これからも!」
ユウヤがハッとして思う
(帰るべき場所…)
ユウヤの脳裏に ゲートキーパーズの皆で楽しく過ごしていた リビングの様子が思い出される アルサが言う
「お、俺だって残る!俺たちはずっと ゲートキーパーズで有り続けたいんだ!な!?カリム?」
アルサがカリムの肩を叩く カリムが表情を渋らせて言う
「皆… 本気で言ってるのか?」
アルサが呆気に取られる カリムが顔を上げて言う
「皆 良く考えろよ?警察を敵にするんだぜ?街の皆だって… 今までとは変わるだろう?それでも俺たち人間は 生きる為には 人間同士でやって行くしかないんだ …ともすれば 食い物だって売ってもらえなくなるかもしれないっ …それを ゲートキーパーズの名で脅せば 貴族たちと同じじゃないか?」
カリムが皆を見て言う
「皆それを考えた上で言っているのか?…ユキ 俺は 兄として お前を止めたい テールみたいな馬鹿な奴は… 確かに珍しいけど 他にいくらだって居る!だから考え直せ!」
ユウヤが驚いて思う
(テールみたいな… それじゃ やっぱり ユキはっ!?)
ユウヤがユキを見る ユキが言う
「それこそ馬鹿な事言わないで カリム?別に私は テールが居るからとか そんな事が理由で ゲートキーパーズに残ると言っているんじゃない ゲートキーパーズが正しいと思うから そこで戦いたいと思っているだけよ!」
カリムが言う
「故郷のモルス街の戦いは終ったんだし その時の借りなら十分返しただろう?もう 良い筈だ これ以上は 過去の栄誉に隠れて 自分たちの利益を得るだけの集団になるぞ?貴族の街だって 残りは後2箇所だ それが終ったら リックはどうすると思う!?テールも同じだっ!」
ユキが一瞬驚き 気持ちを押されて言う
「それは…」
カリムが言う
「リックとテールなら きっと 残りの2箇所だって 2人でも出来る!…貴族が居なくなれば 警察だって 公認したゲートキーパーズを見放すだろう?追われる事は目に見えて居るんだ!だったら 今…!」
ヴィンが言う
「ふむ… 君は賢明だな?但し それは現状の人間に置いてだが…」
カリムがヴィンを見て目を細めて言う
「あんたが それ以上の事を隠しているのは分かってるよ けど 人間なら ここまでで良い筈だ」
ヴィンが言う
「その通り 人間ならば それで正しい」
カリムがユキを見て言う
「そう言う事だ だから ユキ」
ユキが言う
「ヴィン …貴方 さっき 私の事 好みのタイプだって 言ってくれたわよね?」
ヴィンが言う
「ああ そうだとも?」
ユキがヴィンへ向いて言う
「だったら 私、貴方の 獲物になっても良いわよ?」
ユウヤが驚く カリムが慌てて言う
「ユキっ!」
ユキが言う
「そうしたら これからもずっと リックやテールと一緒に ゲートキーパーズで居られるでしょう?ヴァンパイアは 何があっても 自分の獲物は守るのだものね?」
ヴィンが笑って言う
「あっははは… エクセレント 君は思っていた以上の女性だったよ ユキ」
ユキが言う
「今は 有難うとだけ言って置くわ」
ユキがカリムへ向いて言う
「そう言う事だから お別れね?”お兄ちゃん”」
カリムが表情を悔しがらせた後 サブマシンガンを外して言う
「…勝手にしろっ もう お前とは 兄妹でも何でもない …妹が ヴァンパイアの味方だなんて言ったら 俺まで とばっちりを受けるからなっ?」
ユキが言う
「ええ そうね さようなら」
カリムがトラックを出て行く アルサが慌てて言う
「カ、カリム!?お、おい…っ!?」
アルサが困って皆とカリムの出て行った方を見る ヴィンが言う
「追いたければ追い給え 今 君が選ぶべき道は どちらかな?」
アルサが困った後 意を決して叫ぶ
「カリムー!」
アルサがカリムを追って出て行く ユウヤが思う
(…そうだ 今までは貴族の城へ向かい そこで リックは1人の女性を吸い殺していた… しかしそれも 残りは後2箇所 それが終ったとしても リックは きっと その快楽を求め続ける…っ 今は正義の味方や この世界の救世主と言われていようともだ …だから 俺もっ 今こそ 真剣に考えて 答えを決めないとっ!?)
ユウヤが顔を上げ言い掛ける
「俺は…っ!」
ヴィンが言う
「では これで メンバーは決定した」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「え?」
ユキが言う
「ええ そうね?」
ユウヤが言う
「…は?」
ユウヤが思う
(俺はまだ 残るとも辞めるとも言ってないのに!?)
ヴィンが微笑して言う
「ああ、ユウヤは私の獲物であるのだから 今更 迷う必要は無い」
ユウヤが言う
「いや、あの…?」
ユウヤが思う
(つまり 俺は…っ!?)
ヴィンが言う
「ユウヤの事は何があっても 私が守る 傷1つ負わせはしないとも  安心し給え」
ユウヤが言う
「その… そうではなくて…っ!?」
ヴィンが言う
「では参ろうか?諸君?」
ラシェが運転席へ座り直して言う
「おう!それじゃ あの警察の護送車を追うぜ!」
ラシェがエンジンを掛ける ユウヤが言う
「あ、あの…?ちょっと…?」
ユウヤが思う
(俺の話…っ と言うか 意見は 聞いてはくれないのかっ!?)
ユキが言う
「それじゃ 早速 どうするのかを 教えて頂戴 ヴィン」
ヴィンが言う
「うむ、では 早速だが」
ユウヤが言う
「あ、悪いけど その前に」
ユキが言う
「あんたはちょっと黙ってて!」
ユウヤが雪の言葉に圧されて言う
「う…っ」
ユウヤが思う
(いや、だって… 俺は これでも 警察官の息子で…っ?普通の人間である皆 以上に 父親も属している 警察と敵対すると言う事に 盛大な問題が…っ!?)
ヴィンがユウヤへ液体の入った試験管を向けて言う
「では これは お守りだ ユウヤ」
ユウヤが受け取りつつ言う
「え?お、お守り…?」
ヴィンが言う
「誰よりも大切な 私の獲物である ユウヤを守る為の物だ 何があっても持っていてくれ給え ユウヤ…」
ヴィンがユウヤの顔に触れようと手を近付ける ユウヤがハッとする ヴィンが反応し苦笑して手を引っ込めて言う
「…と、今は 戦闘の最中でもない 余計に触れる事は控えなければ… 私もこれ以上 ユウヤに嫌われてしまいたくはないものでね?フフフ…」
ユウヤが言う
「いや、あの… 俺は…」
ユキが言う
「何か強力な薬?私にはくれないの?」
ヴィンが苦笑して言う
「生憎 あれは特注で 1つしか用意出来ないのだよ」
ユキが言う
「なら 私が持っていた方が良いみたいだけど?彼 結構 ドジだから」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「う…っ」
ヴィンが言う
「フフフ… ユキ?ユウヤは繊細なのだから 余り 追い詰めるような事は 言わないでもらえないだろうか?」
ユキが顔を背けて言う
「フン… そう?それじゃ しっかり持っていて 落として割ったりしないように」
ユウヤが苦笑して言う
「う、うん… 気を付けるよ…」
ユウヤが思う
(と言うよりも 俺としては ユキに渡してしまいたい気分だけど…)
ユウヤが苦笑して試験管を懐へしまう トラックが走り去る

護送車内

テールが手錠を掛けられた手を頭の後ろで枕にして ぼんやりしている 隣に居るリックが言う
「テール 何 シケた面してやがる?」
テールが気付き苦笑して言う
「あ… いや~ 別に?それに!何時も湿気ってるのは リックの方だろ?俺はまだ 湿気るほど 長い時間は置いてないって!?」
リックが苦笑して言う
「はんっ …なら 何を考えてやがった?まぁ お前の頭じゃ 大した事は考えられねぇだろうけどな?」
テールが軽く笑って言う
「あぁ… まぁ… それはそうなんだけどさ?なんっつーか… 面白かったなぁ~?ってさぁ?…ゲートキーパーズ」
リックが言う
「あん?」
テールが微笑して言う
「俺は ずっとリックと一緒に居て 家族は居ると思ってたけど… ああやって 大人数って言うのもさ?大家族みたいで… 面白かった …でも やっぱ 俺の本当の家族は リックだけだからさ?」
リックが沈黙する テールが苦笑して言う
「だから 俺は何処までも リックと一緒だよ?リック…」
リックが言う
「…やっぱり お前はまだ 分かっちゃいねぇな テール?家族って言うのはなぁ?ゲートキーパーズの事を言うんだ 俺とお前だけの事じゃねぇよ?」
テールが言う
「え?」
爆発音がして車両が急停車する テールが驚いて言う
「うわっ!?」
テールが衝撃に倒れそうになるのを リックが手錠をされている腕で助ける



3台の真中を走っていた護送車が 正面の爆煙に急停車している 車両の前にユキがショットガンを手に立って言う
「さあ!大人しく 私たちゲートキーパーズの 童貞リーダーを返しなさい!」
車両の中でテールが衝撃を受けて言う
「お、俺はもう 童貞じゃねぇえってっ!」
ヴィンが声の位置を把握して言う
「そこか…っ」
ヴィンが試験管の薬を 護送車両に振り掛ける 車両の壁面が溶け リックとテールが外へ落ちる テールが驚いて言う
「なあっ!?」
リックが着地して 続いて落ちてきたテールを受け止め ヴィンへ言う
「遅ぇぞ?何してやがった?」
ヴィンが言う
「ふむ… 相変わらず勝手だな?いつも通り この私へ ゲートキーパーズのメンバー選定 などと言う 嫌な役割りを振っておきながら」
リックが言う
「そいつは毎回 てめぇの仕事だ …汚れ仕事だからな?」
ヴィンが言う
「やはり 君は 酷いヴァンパイアだよ リック」
リックが言う
「ああ、てめぇは 最高に都合の良い ヴァンパイアだぜ ヴィーンリッヒ」
ヴィンが言う
「せめて お褒めの言葉を頂きたいのだが?」
リックが言う
「てめぇには もったいねぇよ?」
ヴィンが苦笑して言う
「やれやれ …今すぐに 城へ帰りたくなったよ」
リックが言う
「てめぇは 獲物を置いて城へは帰らねぇ だったら傍っから その心配はねぇんだ …それよか」
警察たちが集まって来て銃を構えて言う
「構わんっ 撃てー!」
ヴィンやリックたちの周囲が煙幕で一瞬見えなくなるが 煙が消えるとそこに溶け落ちた銀の手錠が落ちている 警察たちが驚いて言う
「なっ!?…ぐあっ!」
警察たちが次々に 後方からリックに体撃で倒される ヴィンが後方一帯へ 薬を振り撒く 警察たちが倒れる テールがユキへ向いて言う
「ユキ!?」
ユキが言う
「助けに来たわよ!リーダー!」
ユキがテールへサブマシンガンを投げ渡す テールが受け取りつつ言う
「お… おうっ!」
ユキが言う
「それから 仕方が無かったとは言え あの時 私 貴方たちに 酷い事言って…」
テールがサブマシンガンをセットして言う
「ああ!俺は もう童貞じゃねぇからな!?でもまぁ これで許してやるから 気にするな!」
ユキが衝撃を受けて言う
「…って!?その事じゃないわよ 馬鹿っ!」
テールが衝撃を受けて言う
「ばっ!?馬鹿ってっ!?俺は 馬鹿じゃなくて…!」
崖の上で トラックがクラクションを鳴らす テールがハッとして顔を上げる トラックからラシェとユウヤが手を振り ユウヤが言う
「ヴィン!準備完了ですっ!」
テールとリックがヴィンへ向く ヴィンが言う
「よし では リック 移動トラックへ 退避路は確保させてある」
リックが言う
「おう!」
警察たちが周囲を囲って言う
「絶対に ここは通すな!総員 前後の道を死守しろ!」
リックがテールの肩を抱く ユキがヴィンの近くへ行く ヴィンが微笑して言う
「さぁ ユキ?遠慮は不要だ こちらへ降りた時と 同様に 私の腕へ…」
ユキがテールとリックを見てから言う
「本当は ああやって 肩を抱くだけでも良いんじゃないの?」
ヴィンが苦笑して言う
「生憎 私は リックよりも力が弱いものでね?女性の身体であっても 片腕では 少々心許無い… それに万が一にも女性のユキに 怪我を負わせるのも忍びないのでね?」
ユキが一度視線を逸らしてから 仕方なさそうにヴィンの首に腕を回す ヴィンがユキの腰へ手を回す リックが言う
「先に行け」
ヴィンが言う
「ああ」
ヴィンが目の色を変え ユキを抱えて絶壁をジャンプして上る 警察たちが驚いて言う
「なっ!?奴もヴァンパイアか!?」 「もう1人居たのか!?」 「構わん!撃てー!」
警察たちが発砲する リックが目の色を変え絶壁を殴ってから テールを抱えてヴィンの後を追う リックの攻撃で壊された崖の土砂が 警察たちを襲う 警察たちが驚き慌てる 崖の上にたどり着いたヴィンがユキを解放して 続いて来たリックとテールへ言う
「さぁ 車へ」
リックが言う
「おう」
テールが言う
「いやぁ~ 嬉しいね~?ゲートキーパーズの このトラックが 俺らを迎えに来てくれるなんてさ~?」
ユウヤが言う
「テール!大丈夫かっ!?」
テールがユウヤの姿に一瞬驚いてから 微笑して言う
「あったりまえよ!俺は ゲートキーパーズのリーダーなんだからな!」
ユウヤが苦笑して言う
「ああ!そうだよな?」
テールが言う
「おう!」
ヴィンが言う
「さぁ ユキも車へ」
ユキが崖の下を見て言う
「警察は車を捨ててでも 私たちを追うつもりみたいよ?」
ヴィンが言う
「では彼らへは」
ヴィンが試験管を取り出し崖の下へ放る 崖の下で割れた試験管から周囲に煙が充満する ヴィンが言う
「これで 夜明けまで ゆっくりお休みを頂けるだろう」
ユウヤが言う
「もしかして 睡眠ガスですか?」
ヴィンが微笑して言う
「その通り こちらなら ユウヤにも御了承を頂けるだろうと思ってね?」
ユウヤが一瞬呆気に取られた後微笑する リックが言う
「奴らは 照明弾の合図を送っていた 奴らの仲間が来るかもしれねぇぞ?」
ヴィンが言う
「ああ、そちらも考慮し あの道の先にある 橋を破壊して置くようにと 2人に頼んで置いた 彼らを回収し アジトへ戻ろう」
リックが微笑して言う
「よし!」
皆がトラックへ乗り込み トラックが発車する

アジト

テールがドアを開けて入り 笑顔で言う
「いやぁ~!やっぱ 仲間と帰る アジトは最高だー!」
ユウヤが微笑して言う
「ああ そうだよな?」
テールが言う
「と言う事でー!ゲートキーパーズの絆の強さを祝って!一杯飲みたい所だが!流石に今日はちょっと眠い…」
テールがあくびをする ユウヤが気付いて思う
(あ、そうか?今日は俺もテールも 事前の調査で早起きをして… 色々有って それでも無事戻ったとは言え 時間はもう… お陰で俺も)
ユウヤがあくびをする ヴィンが言う
「では 本日はこれで解散と言う事かな?」
ユウヤが言う
「そうですね 今日はもう 俺もすぐに眠ろうかと」
ユウヤが視線を逸らして思う
(とは言え ヴィンとは同じ部屋だから 解散も何もないけど…)
リックが言う
「ああ、俺も寝るぜ …でもって 明日は早めに起きて 一発カマして来るぜ」
ユウヤがハッとして思う
(一発カマすって… やっぱり 吸血して来るって事だよな…?でも まぁ リックは 依頼の時以外は…)
テールが言う
「あ!リック それじゃ俺もリックと一緒に行って 一緒にイキてぇよ!今日は 花道を進められなかったからさ?なぁ?良いだろ?」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(あ… あんな事があった後なのに テールは相変わらず…)
リックが言う
「そうか… そうだな?お前もようやく ひと皮剥けて来たし そろそろ俺と3Pでもカマすか?」
リックが立ち去る テールが一緒に向かいながら言う
「やったね!それじゃ 俺 頑張るからさ!?リック!?」
リックが言う
「別に 頑張らなくったって構わねぇ 余り激しく動かされると 吸い辛ぇからよ」
テールが言う
「あ!そっか!?そうだよな?…けど 俺 耐えられるかな~?ははは!」
ヤウが言う
「じゃ… 俺は何か食って来るかなぁ?腹減っちゃってさ?」
キウが言う
「ああ、俺も」
ラシェが言う
「けど、この時間じゃ もう 何処もやってねぇだろ?」
ユキが言う
「なら ちょっとしたものでよければ 作ってあげるけど?」
ヤウが言う
「お!?助かるぜ!」
キウが言う
「流石 ユキ!俺らの母ちゃん!」
ラシェが笑う ユウヤがハッとして思う
(母ちゃん… そう言えば あの城で リマの母ちゃんは…)
ユウヤの脳裏に リマの母親の最期が思い出される ラシェが言う
「我らゲートキーパーズの母ちゃんに お頼みしようぜ?」
ユキが苦笑して言う
「もう… 母ちゃん母ちゃんって 言わないでよ?私 そんな年は取ってないし 本当のお母さんの記憶もないんだけど?」
ヤウが言う
「男にとっては 飯を作ってくれる女は 皆 母ちゃんなんだよ!」
ユキが苦笑して言う
「変なの… まぁ 良いわ?それじゃ…」
ユキがユウヤを見て言う
「あんたも食べるの?」
ユウヤがハッとしてから言う
「あ… えっと… いや?やっぱり 俺も今朝は早かったから 今日は寝る事にする …有難う」
ユキが言う
「そう?なら 私も入れて 4人分ね?」
ユキがキッチンへ向かう ラシェが言う
「よーし!なら 俺たちは 我らがゲートキーパーズの母ちゃんに続けー!」
ヤウとキウが言う
「「おーう」」
ユキとラシェ、ヤウ、キウが笑いながら立ち去る ユウヤが思う
(けど あの事は… もし リマにもう一度会う事があったとしても 伏せて置こう …きっと 治療を受けさせても 助からなかったとは言え 結果として リマの母ちゃんは リックが…)
ヴィンが言う
「ユウヤ?」
ユウヤがビクッと驚いて振り返る ヴィンがユウヤの肩を叩こうとしていた手を止め苦笑して言う
「…いや どうかしたのかな?」
ユウヤがハッとして言う
「あ、いや…っ 何も…」
ヴィンが苦笑して言う
「そうか では…」
ユウヤが思う
(あ… もしかして 今 誤解させたか?俺はただ たまたま考えていた事が ヴァンパイアの事だったから つい 反応をしてしまっただけで… 別にヴィンに肩を叩かれる事を 嫌がったつもりではなかったんだけど…?)
ユウヤが気を切り替えて苦笑して言う
「えっと… じゃぁ 俺… たちも 部屋に… あ、それとも?」
ヴィンが苦笑して言う
「ああ、私も 彼らと同じく 食事をして来るので」
ユウヤが思う
(食事… それは つまり…)
ヴィンが言う
「今日は忙しかっただろう?ゆっくり休むと良い お休み ユウヤ」
ユウヤが言う
「う、うん…」
ユウヤが思う
(ヴァンパイアの食事は もちろん 吸血の事だ… ヴィンはリックとは違って その為の 食料として3人の女性を扶養して居るのだから それは…)
ヴィンが苦笑してから立ち去る ユウヤが思う
(それは 良い事なのか…?彼女たちは リマの母ちゃんの様に… 助からない人たち… なのか?)
ユウヤが一度ヴィンの去った先を見てから 顔を伏せ立ち去る

翌日 街中

ユウヤが歩きながら思う
(う~ん… ヴィンには何と言うか 凄く無理をさせているのは分かって居るんだけど…)
ユウヤが思い出す

ヴィンが言う
『ユキからの伝言で キッチンの食料が尽きてしまったから 買出しに行くとの事だ 従って ユウヤの食事は必然的に外食と言う事になるだろうが ユウヤは 昨日の昼食から何も食べて居ないのだろう?それなら まずは何か 暖かく軽い物を取る事で 休んでいる内蔵を 驚かせないようにすると良い』
ユウヤが言う
『あ、はい…』
ヴィンが微笑して言う
『では 私は一緒に行ってはあげられないが 気を付けて行っておいで ユウヤ…』
ヴィンが微笑し僅かに手が動くが ユウヤを見て苦笑してから作業へ戻る

ユウヤが苦笑して思う
(けど 俺は間違ってないよな?大体 俺とヴィンは男同士だし 人間とヴァンパイアで… 本来なら 一緒に居るって言うだけでも 普通じゃないんだ それなら?…増して それ以上を だなんて言うのは…)
テールの声が聞こえて来る
「あぁ~!リックぅ~っ!俺っ もう 我慢出来ねぇ~っ!」
ユウヤが衝撃を受け 顔を向けてからハッとして慌てて隠れる 路地裏でリックとテールが娼婦を相手に3Pをしている ユウヤが思う
(う…っ しまった …考え事をしながら歩いていたせいで 無意識に以前来た同じ場所へ 足が向かっていて…っ しかも 寄りによって…!)
娼婦が感じていて言う
「あ… あぁ~っ 凄いわ 私… もう… はっ… はぁっ!」
リックが言う
「おいおい 2人とも もう少しは耐えやがれよ?まだ 始めたばかりだろう?」
テールが言う
「リックっ 一回イかせてっ …俺 もう…っ!…あっ」
娼婦が言う
「あぁあ~んっ」
リックが言う
「おい… だから 早ぇって… ったく 早○がっ 2人だけで イキやがって…」
ユウヤが困って思う
(人間とヴァンパイアでも 俺とヴィンとは違って やっぱり こっちの2人は…)
テールが言う
「だってさぁ?唯ですら 大好きなリックと一緒に 大好きな事をやるんだぜ?俺 気持ち良過ぎちゃってさぁ?」
娼婦が言う
「こんなの初めてよ… 癖になりそう」
テールが言う
「なら 早速 もう一回やっちゃう?」
娼婦が言う
「ええ…」
リックが言う
「残念だが ここまでだ」
テールが言う
「えぇ~!?何でぇ!?」
リックが言う
「次で最後だって言っただろう?次こそ 頑張って堪えるって言いやがったのは 一体何処のどいつだ?」
テールが笑顔で言う
「えっへへ~ ここに居る 俺~?」
リックが言う
「そう言う事だ 俺の食事も お前の ”2人でイク花道”も 今日の分は終わりだ」
テールが言う
「うぅ~ん 残念~…」
リックが苦笑して言う
「ヤリ過ぎも毒だぜ?俺は お前の体を第一に 考えてやってるんだからな?」
テールが微笑して言う
「ああ!分かってるよ リック!」
リックが苦笑して テールの頭を撫で回す テールが嬉しそうにしている ユウヤが思う
(”お前の体を第一に” か… そう言えば ヴィンも良く 俺の事を… それに)
リックがテールの身体を撫でて言う
「…すっかり デカくなりやがって…」
リックがテールの頭にキスをする テールが笑って言う
「あっははっ くすぐってぇよ リック~ はははっ」
リックがテールの股間を握って言う
「けど こっちは まだまだ小せぇままだなぁ?」
テールが痛がって言う
「いててててっ!痛ぇよっ リック!」
リックが笑う
「あっはははは!あ?もっと縮んじまった?」
テールが衝撃を受けて言う
「あ!何するんだよっ!?大切な息子の息子をっ!」
リックが笑っている ユウヤが苦笑して思う
(大切な息子 か… そうなんだよな?きっと ヴィンも俺を 自分の息子の様に 可愛がってくれていて… だったら俺も…?)
ユウヤがテールとリックを見る リックが言う
「…さて そろそろアジトへ戻るか」
テールが言う
「うん!あ、それならさ?久し振りに バーガー食いたいから 買って帰ろうぜ?皆の分も買ってやって 俺の”2人でイク花道”1回目を一緒に祝わせてやろう!バーガーなら 上と下から肉をはさんで 丁度良いしさー?あっははははっ!」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(う… やばい… お陰で これから しばらく そのバーガー食えそうにないよ テール…)
リックが言う
「あぁ… 確かにそいつは丁度良いかもしれねぇが あの店はいつも この時間混んでっから 待ち時間が長くなるだろ?俺の食事は とっくに終ってんだし… そろそろ 帰ってやらねぇと いくらあいつでも 本気で 城に帰り兼ねねぇからよ?」
ユウヤが思う
(城に帰り兼ねない?…城へ帰るって 確かそれは…)
テールが言う
「え~?けど そのヴィンにだって獲物がちゃんと居るんだからさぁ?それを放っては行かないだろう?それに その獲物の分のバーガーも買って行ってやるんだし!だったら きっと 喜ぶだろ?リックみたいにさぁ?」
リックが言う
「俺は喜ぶが あいつは俺みてぇに喜びを味わえねぇからな?今の あいつにとっちゃ それこそ…」
ユウヤが会話の途切れにハッとする テールが言う
「あれ?ユウヤ?」
ユウヤが言う
「あ…っ」
ユウヤが思う
(しまったっ また 話を聞く方に夢中でっ…!)
リックが言う
「…また覗き見か?てめぇは 自分でヤルより 見てる方が好きなのかよ?」
ユウヤが言う
「いやっ そんなっ!?た… たまたま 通り掛っちゃっただけだよっ」
テールが喜んで言う
「な~んだ!居たなら 居るって声掛けてくれればさぁ!?この際 一緒に 4Pとかっ!?」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「いやっ!だから 俺はやらないって!しかも 4Pだなんて…っ」
ユウヤが思う
(増して 1人はヴァンパイアで その吸血を目の前になんて 絶対に無理だっ)
リックが言う
「テール 残念だが そいつは ぜってぇに出来ねぇよ」
ユウヤが呆気に取られて思う
(え…?あれ?意外だな?リックなら テールがやりたいって言うのなら…)
テールが言う
「え?何で?それはそれで なんか面白そうじゃん?」
リックが言う
「それをやっちまったら 俺とヴィンとの縁が切れちまう いくらアイツでも そいつは 許せねぇ範囲だ」
ユウヤが思う
(許せねぇ範囲…?吸血される女性が 自分と無関係の娼婦であってもか?…何で?)
テールが言う
「そっかぁ…?獲物が喜ぶ事でも?」
ユウヤが思う
(獲物が…?俺が…?)
リックが言う
「ああ、そいつは ほかのヴァンパイアに 獲物を奪われるのと一緒だろう?俺だって アイツに逆をされれば ぶっ殺す」
ユウヤが衝撃を受けて思う
(うっ…!そ、そうなのか?けど 何でそれが 奪われる事と繋がるんだろう?つまり複数人でやる時は ヴァンパイアと獲物と… その他じゃないと駄目って事なのか?)
テールが言う
「ヴィンの場合は 自分の城に帰って 泣き寝入りするんだろ~?」
リックが言う
「さぁな?そこまで ひでぇ事はした事が無ぇから 分かんねぇが …今は とりあえず 早く帰って アジトの見張りを代わってやらねぇと あいつも寝られねぇからよ?」
ユウヤが言う
「アジトの見張りを?」
ユウヤが思う
(それで 俺が寝ていた間も 起きていたって事か?けど 何で…?…まさか!?)
ユウヤが言う
「警察が アジトに来るかもしれないって事か?」
リックが言う
「そいつもあるが ゲートキーパーズの敵は 警察だけじゃねぇからな?そうとなりゃぁ 大体 この位の時期から 用心して置く物だ アジトは俺らゲートキーパーズの帰る場所だ 防衛は欠かせねぇ」
ユウヤが言う
「警察だけじゃ…?…そうなのか?なるほど…?」
テールが言う
「それじゃ すぐに帰るか …ユウヤは?」
ユウヤが気付いて言う
「あ、俺は… ちょっと食事に」
テールが言う
「お?そうか!ならさ ユウヤ!?アジトへの帰りに バーガー買って来てくれないか?皆の分も!」
ユウヤが衝撃を受けて言う
「うっ…」
ユウヤが思う
(それはつまり さっきの祝いの…)
テールが言う
「なるべくバンズが分厚くて ボリュームのある奴で ガッツリ食えそうな奴をさ!」
ユウヤが言う
「あ… う、うん… 分か…」
ユウヤが思う
(あぁ~ 何だか 想像出来る様で やっぱり嫌だな… その分厚いバンズって つまり2人の事だろう?で…)
ユウヤが視線を向けると 豊胸な娼婦がタバコをふかしている
(ボリュームがある奴で ガッツリ食えそうなって…)
テールが笑顔で言う
「でもって 赤いケチャップと白いマヨネーズがたっぷりで 真ん中に串が ぶっ刺してある奴でさぁ!?」
ユウヤが慌てて言う
「何かリアルだから止めてくれ!」


続く
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。 女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感! イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

処理中です...