上 下
38 / 38
3章

嗚呼、私のウィザードさま 「ウィザード様と新しい始まり」

しおりを挟む

ウィザードがレイを見てからマリアを見る マリアが衝撃を受け緊張してからソニアへ向いて言う
「あ、あの…っ!?お、お母さんっ!?」

マリアが思う
(ど、どうして!?一緒に お茶をってっ!?3時だから丁度良いって…っ!?で、でもっ この家で2人のウィザードを 対面させちゃうなんて なんか!?…どう考えてもっ!?)

マリアがレイを見て思う
(き… 危険なんじゃ…っ!?)

レイが言う
「よお!先輩!久し振り!」

ウィザードが言う
「ああ」

マリアが衝撃を受けて思う
(えっ!?…あ、あれ?危険では ないの?私は てっきり その…)

マリアが視線を逸らして言う
「何か… 対決的な…?」

ソニアが言う
「マリア?」

マリアがハッとしてソニアを見て言う
「えっ!?あっ う、うんっ!えっと…!?お、お茶だっけ?そ、それじゃ 一緒に…っ!?」

ソニアが言う
「その前に マリア?聞いてもらえる?」

マリアが言う
「う、うん?何?」

ソニアが言う
「お母さんね?」

マリアが言う
「うん?」

マリアが思う
(お母さんは…?あ、そうだった?私もお母さんに 旧姓を聞かないと?表札を作るのに …なら丁度 良かったかも?)

ソニアがウィザードの腕に触れて言う
「この人と 結婚しました!」

マリアが呆気に取られたまま思う
(ひょ?…表 札を… 旧姓を… 聞か… ない… と…っ!?)

マリアが音のない悲鳴を上げる
「――っ!?」

マリアが思う
(えぇええーーっ!?)

レイが喜んで言う
「お!そうなのか!おめでとな!先輩!良かったなぁ!」

ウィザードが羞恥に顔を逸らす

ソニアが微笑して言う
「うふふっ ありがとう 風の魔法使いさん でも この人、恥ずかしがり屋さんで だからあまり…」

マリアが呆気に取られて言う
「ど、どうして… そんな 急に?だ、だって… 表札…」

マリアが思う
(表札を作ろうって… いや、違うわ?私も お母さんと 同じ姓にしてもらおうって…っ そう思っていたのにっ!?)

ソニアが言う
「お母さんね?お父さんと離婚をして 1人になっちゃって… でも、やっぱり 寂しいなって思っていたの それで」

マリアが思う
(まさか その瞬間にっ!?)

レイが言う
「おっ!?その瞬間に 先輩!上手い事 割り込んだのか!?」

マリアが衝撃を受けて思う
(なっ!?なんて言葉をっ!?そんな!私がっ 言いたくても 絶対 言えない言葉をっ!!ウィザード様!―ナイスフォローですっ!)

ソニアが笑って言う
「うっふふっ この人が そんな事をする筈が無いじゃない?」

マリアが衝撃を受けて思う
(えっ!?そうなのっ?…あ、うん?でも 確かに?…そう言う感じでは)

レイが言う
「ん?そうだな?そう言えば 先輩は属性通り ”何も言わない奴” だもんな!」

マリアが思う
(そ、そうだったっ!属性でって…!?それはえっと…?でも 確かに ”何も言わない人” だってっ!)

ウィザードが沈黙している

ソニアが微笑して言う
「うふふっ そうでしょ?だからね?思い切って… それこそ 駄目元で お母さんから求婚してみたの!…そうしたら」

マリアが言う
「えっ!?お母さんからっ!?」

マリアが思う
(お母さんって そんな思い切っちゃう人 だったのっ!?)

レイが言う
「おお!マリアのお母さんから 告白したのか!すげぇな!それなら 先輩も嫌とは言わないよな!だって先輩は」

マリアが思う
(あ… そうだった ”お母さんのウィザードさま”は ”永在ウィザード”だから… だから、結婚も許されて… でも だからって!?)

レイが言う
「先輩は 水の属性だから 流されるタイプだもんなー!」

マリアが衝撃を受けて思う
(やっぱりっ!?そう言う事なのっ!?)

ソニアが言う
「あら?それなら私の あの時の勢いに 流されてしまったのですか?」

マリアが思う
(そうなんですかっ!?)

ウィザード言う
「…いや、その様な筈が無いだろう…」

マリアがホッとして思う
(そ、そうですよね!?いくらなんでも…)

ソニアが言う
「そうでしたか では…?」

レイが言う
「大好きな奴から 求婚されたんなら 当然 受けるに決まってるって!先輩の長年の願いが 叶ったんじゃないか!?もっと素直に喜べよ 先輩!」

マリアが思う
(えっ!?そうだったのっ!?大好きだったのっ!?そうだったんですか!?)

ソニアが言う
「あら そうだったのですか?一度も その様な事は 仰って下さらなかったのに…」

ウィザードが言う
「…私は ウィザードとして 生きていくつもりだった 従って そのような事は」

マリアが思う
(そ、そうですよね!?さ、流石 本物のウィザード… 自然の声を聞いて 人と自然の共生を…)

レイが言う
「なんだよ それじゃ ただ自分の奉者だからって あんなに守ってたのか?普通 儀式の最中に結界魔法なんて使わないぞ?自分がやられても 奉者だけは守ってやろうなんてさ?そんな事するウィザードなんか居ないのに ただ 自分の奉者だから 守ってやろうって?本当に そう思っていただけなのかよ?」

マリアが思う
(お母さんを守っていた?結界魔法で…?そうだったんだ?だから 14年前のあの時も… でもそれは ただ お母さんが 自分の奉者だったから?)

ソニアが言う
「あら そうなのですか?ただ 貴方の奉者だからって… だから 今回も私からの求婚を 受けて下さった だけ なのですか?」

マリアがウィザードを見る

ウィザードが言う
「いや そんな事は…」

マリが思う
(そ、そんな事はって!?それじゃ そうだったり そうじゃなかったりみたいな!?…つまり それは ―どっちなんですかっ!?)

レイが言う
「なんだよ 先輩 男らしくないぜ!?普通 告白は男からするものだろっ!?いくら 水の属性だからって 流されてばっかり居るなよな!本当は大灯魔台の灯魔儀式で 不認定受けて魔法使いに戻って それで求婚するつもりだったんじゃないのか?」

マリアがウィザードを見る

ウィザード言う
「その様な事をするつもりは無かった… 私は ただ これ以上ウィザードの認定試験を受けまいと …地上に居られる その方法を模索していただけだ」

マリアが気付いて思う
(あ、そっか?そうなんだ だから法魔帯の色を…)

レイが言う
「それで地上に残って 森羅万象の異変を止めてやろうって?けど その理由はやっぱり」

マリアが思う
(やっぱり!?)

レイが言う
「先輩の大好きな奴である マリアのお母さんが居る この地上を守ってやろうって それが理由だったんじゃないのか!?」

マリアが衝撃を受けて言う
「そ、そんな訳…っ!」

ソニアが言う
「あら そうでしたのですか?私の居る この地上を守って下さろうと?それで?」

ウィザードが言い辛そうに言う
「そう… かもな…」

マリアが思う
(そうだったんですかっ!?)

レイが言う
「なら 良かったじゃないか!?ウィザードじゃ 結婚なんて出来ないけど 永在ウィザードなら結婚も出来るし!丁度その時に大好きな奴から 求婚してもらえたなんて すげぇ良いタイミングだよな!先輩!こんなに上手く 話が流れるんだから そのまま水属性のままに やっぱ流されちゃうよなー?」

マリアが思う
(だ、だからって こう言う事は普通 流されて 良いものじゃっ!?)

ソニアが言う
「まぁ… では本当に機が良かったのですね?」

ウィザードが言う
「ああ もう どうとでも言ってくれ…」

マリアが衝撃を受けて思う
(な、流されてるっ!?)


リビング


マリアがティーポットにお湯を注ぎ ソファに腰を下ろして思う
(まさか この家で… このメンバーでお茶を飲む日が 来るだなんて …それこそウィザード様と2人で お茶を飲む事以上に無い事だと思ってたんだけど …それにも増して どうして?どうして こう…?)

マリアがメンバーの配置を見て思う
(こう言う 座り方になるんだろうっ?)

マリアが視線をティーポットに固定したまま思う
(ソファは4方に4つ… 2人の時は 向き合って座るのは もちろんだけど それが4人になれば当然4方に… それでそう言う時は きっとウィザード様は私の左右のどちらか… で、きっと お母さんがその逆側… かな?とか… でも それは良いとしても …むしろ どうして… どうして…)

マリアが正面の席で視線を逸らしているウィザードを見て思う
(”お母さんのウィザードさま”は 正しいと思う… 実際 私だって 目が合わせ辛いし… なのに当のお母さんが…)

マリアがソニアを見る ソニアはウィザードに寄り添い甘えている

マリアが視線を逸らして思う
(…お母さんって意外と大胆な人だったのね そ、そうよね…?大体 男の人に自分から求婚しちゃうなんて… しかも相手はウィザード… 人と神様との間って人で その人を相手に… それに…)

ウィザードが小声で言う
「ソニア… 少し離れてもらえないか…?」

マリアが思う
(…そうですよね?私もそう思います だって…)

ソニアが言う
「あら 良いじゃないですか?夫婦なのですから?」

マリアが思う
(う…っ そ、それも そうよね?確かにそうかもしれないけど… でも、やっぱり 私としては…)

ウィザードが小声で言う
「…娘の前だろう…?」

マリアが思う
(そうですっ!私も!そう思います!…何だろう?実のお母さんより意見が合うだなんて… いや、違う これって きっと普通の意見なんじゃ…?)

ソニアが言う
「娘は家族ですもの?でしたら良いではありませんか?」

マリアが思う
(それは そうだけどっ!?)

レイが言う
「別に良いじゃないか?好きな奴同士なら 娘の前だろうが人前だろうがさ?俺はそう思うよ?」

マリアが思う
(それは貴方だけですからっ ウィザード様っ!)

レイが言う
「そんな事よりさ?先輩」

マリアが思う
(そんな事より!?)

レイがティーポットへ手を向けて言う
「このお茶なんだけど 魔力者が2人居るって こういう時はさ?」

マリアが思う
(やっぱり お茶の話が優先ですかっ!?)

レイが言う
「普通ティーポットを2つにするよな?」

マリアが言う
「えっ!?あっ…」

マリアが思う
(そっか?ウィザード様だけじゃなくて ”お母さんのウィザードさま”だって 自分の奉者に自分の魔法を掛けた紅茶を…?)

ソニアが言う
「残念だけど このお家にはティーポットは それ1つしか無いのよ」

マリアが思う
(そ、そうだったんだ?知らなかった… でもそうよね?確かに 他のは見た事が無いし そもそも このティーセットすら 使うかどうかって思っていた位で…)

レイが言う
「じゃぁ どうする?俺が掛けたら…」

マリアが思う
(ウィザード様が紅茶に魔法を掛けたら?)

ウィザードが言う
「活性魔法の二重掛けは発がん性物質になりうるだろう」

マリアが衝撃を受けて思う
(発がん性…っ!?いや、そうじゃなくて…っ!?)

レイが言う
「そうだよな?それじゃ やっぱ」

マリアが思う
(結界魔法じゃないんですからっ そこは二重にしないで どちらか1人だけが掛ければ良いんじゃ…?)

レイが紅茶をカップに注ぎながら言う
「今回は魔法は無しって事で」

ウィザードが言う
「賢明だな」

マリアが衝撃を受けて思う
(お互いに 今回は譲ろう とは思わないんですねっ!?)

ソニアが笑っている

――…

マリアが紅茶を一口飲んで思う
(ああ… でも、何だろう?紅茶は ウィザード様の魔法の掛かっていた さっきの紅茶の方が美味しかったけど… あの時の方が気持ちは落ち着いていたけど 今は… 紅茶は普通の紅茶で格別美味しくはないし 増して 目の前に あのウィザードさま居るって事が 何より 緊張するんだけど)

マリアがチラッとウィザードを見てから 視線を泳がせて思う
(…でも さっきより 何となく… 良いかも?って 思えているのは やっぱり…?)

マリアがソニアを見る ソニアが微笑してウィザードに寄り添う ウィザードが一瞬衝撃を受け視線を逸らして困る

マリアが密かに苦笑して思う
(やっぱり お母さんが一緒に居てくれるから?姓は違っても …更に変わっちゃったみたいでも?やっぱり この家に 一緒に居て… それに)

マリアが横を見る レイがマリアの隣で紅茶を飲んでから マリアを見て微笑する

マリアが苦笑を返してから思う
(ウィザード様が隣に居てくれるのが 何より… 嬉しいのかも?…あれ?それじゃもしかして私も…?)

マリアがソニアを見る ソニアはウィザードを見て可笑しそうに笑っている ウィザードが困りつつ苦笑する

マリアが思う
(私も…?本当はお母さんみたいな性格なのかな?…そうよね?親子だもん 似ていて当然 …1人じゃ寂しいって お母さんも耐えられ無くて それで ”お母さんのウィザードさま”に 駄目元で求婚しちゃったって… それだけ 寂しかったんだよね?だから 私も…)

マリアが一瞬レイを見て ハッとして思う
(私も って!?ち、違う!そうじゃ無くてっ!?私はっ!私はウィザード様に求婚するんじゃなくてっ 私は… やっぱり お母さんと同じ姓にしてもらおうって… あ、でも今度は…?)

ソニアが言う
「あ、それでね?忘れる所だったわ マリア」

マリアがハッとして言う
「え?あ、うん?何?」

ソニアが大きめの封筒を取って言う
「このお家の名義をね?マリアの名前に変えて来たから …はい、これで今日から このお家はマリアの物よ」

ソニアが書類をテーブルに出す

マリアが言う
「あ…」

マリアが書類の名前を見て表情を落とす

ソニアが他の書類を探しながら言う
「それから… こっちが土地の権利書 どちらもマリアの名前に変えてあるから」

マリアが言う
「う、うん…」

ソニアが言う
「これで このお家の事は 全部マリアに任せるわ」

マリアが言う
「え?」

ソニアが言う
「これからはお母さん この人のアノお部屋に 一緒に住む事になるから」

マリアがハッとして思う
(そ、そっかっ そうよね!?だって結婚したんだから…っ!)

ソニアが言う
「ウィザード様のお部屋には、元々奉者の住める部屋も用意されているから 必要なものも一通り揃っていて …だから このお家から お母さんが持って行くのは お洋服位だと思うけど」

マリアが言う
「そ、そうなんだ?」

マリアが思う
(それじゃ… 洋服を持って行って… それで もう お母さんは この家には 帰って来ない… そうしたら 私は…?私は この家で1人きり…)

マリアが視線を落として思う
(私… 1人きりになっちゃった… お父さんも お母さんも 居ない… この家に たった1人で 住むなんて 考えた事なかった)

ソニアが言う
「お母さんね?いずれどこかで1人で住むのかなって 思った途端」

マリアがハッとする

ソニアが言う
「とっても寂しくなっちゃって…」

マリアがソニアを見る

ソニアが苦笑して言う
「だって マリアはいつか結婚して お相手の所へ行ってしまうから… マリアは私の可愛い娘だけど ずっと一緒に居られる訳ではないものね?」

マリアが言う
「そ、そうだね…」

マリアが思う
(そうだよね そうかもしれない… 私は女の子だから 結婚すれば相手の方へ行くって… そうしたらお母さんは 1人きりになる… それで今の私と同じ気分に それで…)

マリアがウィザードを見る ウィザードがソニアからマリアへ視線を向ける

マリアが思わず視線を逸らして思う
(…それで ”お母さんのウィザードさま”に お願いしたんだ?一緒に居て欲しいって 結婚して下さいって… その気持ちは …今なら 私にも分かる それに)

マリアがソニアを見る ソニアがウィザードを見て寄り添う ウィザードがソニアへ向く

マリアが思う
(お母さんはきっと ”お母さんのウィザードさま”の事 好きだったんだ …だけど 今までは奉者として しっかり勤めを果たそうと… もしかしたら今はその反動もあって あんなに嬉しそうに)

マリアが苦笑して言う
「お母さん 良かったね」

ソニアが驚いてマリアを見る

マリアが微笑して言う
「あ、私 言い忘れちゃってた …ご結婚 おめでとう御座います!」

ソニアが微笑して言う
「ありがとう マリア」

マリアがウィザードを見る

ウィザードが言う
「…すまない」

マリアが一瞬驚いてから苦笑して思う
(すまないって?それは やっぱり私から お母さんを取っちゃうって事に対して?…そう だよね?そのせいで 私は1人に…)

ウィザードが言う
「君の父君には 悪いと思っている」

マリアが疑問して思う
(え?父君に?お父さんに?…そっか そう言う事?…それじゃ さっきのは私のお父さんに対して?それじゃ 私 には…?)

ソニアが言う
「それでね?マリア」

マリアがソニアを見る

ソニアが書類を封筒に戻しながら言う
「婚姻手続きと一緒に その書類も一通り済ませて来たのだけど… マリア?マリアさえ良ければ …マリアも お母さんと一緒に 新しいお義父さんと家族になる?」

マリアが呆気に取られて言う
「え…っ?」

ソニアが微笑して言う
「お母さん マリアと別の姓になって とっても寂しかったわ?でもマリアは お父さんの子供でもあるのだから お母さんの我が侭だけを通したら 怒られちゃうと思って」

マリアが思う
(あ… そうだったんだ?それで…?)

ソニアが言う
「お母さんは いくらあの人の死を受け入れられないと言葉で言っても 実際にこの目で見て確認をしたから… 後は気持ちの問題だった でもマリアはそうじゃないから 何時までも心の中で お父さんと一緒に… お父さんの娘で有り続けたいって …そう思うかと思って?だから その選択はマリアに任せるわ」

マリアが言う
「あ… う、うん…」

マリアが思う
(そっか… そうだったんだ?お母さんは お父さんを確認したんだ?それで …でも、私は当時は5歳だったし そんなの見られなかった それでも 私は今日)

マリアがレイを見て思う
(今日… ウィザード様から お父さんの事を聞いて 少しだけど どんな人だったかは分かった …それに 戻って来なかったって事も… だから私は もう!…あ、でも?だからって私がそうしたいと言っても?)

マリアが言う
「でも 折角だけど …悪いよ?」

ソニアとウィザードがマリアを見る

マリアが苦笑して言う
「私はもう 子供でもないし お母さんは新しい人生を 始めようとしているんだから…」

マリアが思う
(だから 私が居たら…)

ソニアが苦笑して言う
「あら?この人は マリアの事ずっと小さい頃から 知っているのよ?」

マリアが言う
「え?」

ソニアが言う
「前にも言ったでしょう?お母さんマリアのお話を一杯していて この人もそれを喜んでくれたって?一緒に住んでは居なかったけど マリアの事はいつも気に掛けてくれていたのよ?だからマリアが小さい頃はお母さん ずっと マリアと一緒に居たでしょう?」

マリアがハッとして言う
「あ、そう言えば?」

マリアが思う
(今から考えれば不思議なくらい お母さんはいつもこの家に居た… 私が学校から帰って来ても行く時だって 今とは比べられ無い位)

ソニアが言う
「奉者の仕事は最低限で良いから娘の傍に居てあげなさいって …そう言ってくれてたのよ?お母さんは その言葉に甘えさせて頂いて お陰でお父さんは居なかったけど お母さん一杯マリアと一緒に居られたの」

マリアが思う
(そっか… そうよね?普通 片親で子どもを育てようなんて思ったら あんなに一緒になんて居られない 奉者の仕事をしていたなら 尚更…っ)

ソニアが言う
「だからいつもその分も お母さん ”今日はマリアが何をした” とか ”運動会の かけっこで1番になった” とか良く話していたのよ?うふふ…」

マリアが苦笑して言う
「そんな… 恥ずかしいよ お母さん」

ソニアが軽く笑って言う
「あら?恥ずかしがらなくても良いじゃない?マリアはお母さんの自慢の娘で その娘の子育てに協力してもらっていたのだから お母さんは お父さんと同じ様に この人に色々報告していたの」

マリアが思う
(そっか… お父さんに報告するのと同じ様に… なんだ それじゃ その頃から ”お母さんのウィザードさま”は まるで 私の…)

レイが言う
「なんだ それじゃ先輩その頃から マリアのお義父さんじゃないか?」

マリアがハッとしてレイを見る

レイが言う
「それに いくら実際の父親でもさ?この世に居ないんじゃ マリアは守れないもんな?」

マリアが思う
(そうよね… それこそ この前みたいにお母さんを守る事だって)

ソニアが苦笑して言う
「そうね?そうだったのかも しれないわね?」

マリアが苦笑する

ウィザードが言う
「だからと言って 無理強いをするつもりは無い」

マリアがハッとする

ウィザードが言う
「この世を去った者であろうと 大切な君の父親だ 忘れるのでは無く受け入れると言うのであれば …その上であるのなら私は いつでも歓迎する」

マリアが驚き言葉を失う

レイが紅茶を飲みつつ言う
「お堅い事言うなぁ先輩 こんな可愛い娘が自分の娘になるんなら 大歓迎の癖にさ?」

ウィザードが言う
「命を有した者への礼儀だ」

レイが笑んで言う
「残留魔力が怖いのか?先輩?」

ウィザードが言う
「彼の魔力はもう存在しない 有るのは残された者に有る 残像思念だけだ」

マリアが思う
(残像思念?つまり 私の中に残っている お父さんの記憶 お父さんへの思い… それを 忘れるんじゃなくて 受け入れて…?そっか無理に忘れて新しいお父さんと… って言うんじゃなくて もう一人のお義父さんとして 見て欲しいって事なのかな?言われた瞬間は難しいって思ったけど …でも それって つまりは お父さんの事を忘れないで大切にしていても良い って事じゃない?その上でならって… それなら…?)

ソニアが微笑して言う
「お母さんはそれこそ いつでも大歓迎だからね?マリア?それにマリアがやっぱり このままが良いって言うのなら それでも…」

マリアがソニアを見る ソニアが苦笑する

ウィザードが言う
「用は済んだな?」

ウィザードが立ち上がる

マリアが思わず言う
「あ…」

ソニアが微笑して言う
「はい」

ソニアが立ち上がる ウィザードが帽子を取って玄関へ向かう ソニアが続く

マリアが思う
(あ… 行っちゃうんだ?そうよね?お部屋へ帰るんだよね?ここへは 用があって寄っただけなんだから …お母さんも?)

マリアが2人を追って玄関へ向かう ウィザードとソニアが玄関ドアの前で

ソニアが言う
「それじゃマリア よろしくね?このお家を守って頂戴?お父さんとお母さんと マリアが住んでいた 大切なお家だから」

マリアが言葉を飲む

ソニアが言う
「荷物は少しずつ持ち出す予定だから また来るわね?」

ソニアが玄関ドアへ向く

マリアが思う
(ああっ 行っちゃうっ お母さん 私 やっぱり1人になっちゃうの?そんなの… 寂しい …また来るって事は 今夜は?もう帰っては来ないって事でしょ?…帰って来ないって?お父さんとは違うけど… でも やっぱり 私っ!)

マリアが言う
「お、お母さんっ!?」

ソニアが玄関ドアに手を掛けた状態で振り返る

マリアが苦笑して言う
「わ、私… 折角 このお家の名義を変えて来てもらったけど… でも、やっぱり 私… お母さんと …同じ姓が良いな?」

ソニアが驚く

マリアがウィザードへ言う
「死んでしまったお父さんの事も 大切に忘れないで… それで お母さんや… 新しいお義父さんとも 仲良くして 行けたらって… そう 思うんですけど …そんな私でも 良いですか?」

ウィザードが微笑して言う
「もちろん 歓迎する」

マリアがホッとして微笑して言う
「有難う御座います」

レイが笑んで言う
「よし!それなら早速!――お義父さん!」

マリアが驚いてレイを見る

レイがウィザードの目前で言う
「娘さんを俺にくれよっ!」

マリアが衝撃を受けて言う
「なっ!?」

マリアが慌てて思う
(な、ななななっ!?何をっ!?何を言っているんですかっ!?ウィザード様っ!?)

ソニアが苦笑して言う
「あらあら?うふふっ 折角でしたのに?マリアを同じ姓に出来ないまま 娘をお嫁に出さなくては いけないのかしら?貴方?」

ウィザードがレイへ言う
「ウィザードになってから言え」

マリアが衝撃を受けて思う
(しかも 断ったっ!!ちょ、ちょっと待ってっ!?これってっ!?じょ、冗談にしては…っ!?)

レイが言う
「何だよ!?俺はウィザードじゃなくても ウィザード級の魔法使いだぞ?デカイ魔法の一発勝負なら 先輩にだって 負けないんだぞっ!」

マリアが思う
(あっ そ、そんな事言ってっ!?冗談ですよね!?ウィザード様っ!?でも、ウィザード様が言うと あんまり冗談に聞こえなくて…っ で、でも 大丈夫!”お母さんのウィザードさま”ならっ!)

ウィザードが向き直ってレイへ杖を向けて言う
「受けて絶つ」

マリアが衝撃を受けて思う
(本気ですかっ!?ちょ、ちょっと?冗談ですよねっ!?こんな所で そんな事されたりしたらっ!?周囲の民家がどうとか!?…いえ!?そんな事よりっ!?)

レイが衝撃を受けて言う
「えっ!?何だよ本気か先輩?俺 先輩だからって容赦はしてやらないぞ?良いのか?逃げるなら今の内だぞっ?」

マリアが思う
(逃げて下さいっ!この人は”マリアのウィザード様”ですからっ 本当に何をするか分からないですからっ!)

ウィザードが言う
「逃げるつもりは無い 元より私より弱い者に 大切な娘はやれない」

マリアが慌てて思う
(えっ!?今なんて?じゃなくてっ!?今はそれよりも!?ちょ、ちょっと本当にっ!?だって ウィザード様の魔力は凄いって!誰もが認める最強のウィザードでっ)

マリアがレイを見る

レイが僅かに悔やんで言う
「ぐぅ…っ」

マリアが疑問して思う
(…って?あ、あれ?ウィザード様?)

ウィザードが言う
「その杖で勝てるものなら いつでも掛かって来い 返り討ちにしてくれる」

マリアが衝撃を受けて思う
(そ、そう言う事ですかっ!?…な、なるほど それに それが事実だから ウィザード様も)

レイが開き直って言う
「よしっ!それじゃ ちょっと 待ってろよっ!?今すぐ そこら辺の 出来損ないウィザードぶっ飛ばして 杖を取って来てやるからっ!そうしたら 断然 俺の方が!」

マリアが怒って言う
「ですからっ!それは駄目ですからっ!」

レイがマリアへ向いて言う
「なんだよマリア!?マリアは俺の味方をしてくれないのか!?そんなに先輩の娘になりたいのかっ?お母さんが居るからってっ!?」

ソニアが笑う

マリアが慌てて言う
「そ、それとこれとは別の話ですからっ!そ、それにっ!私はっ!」

マリアがハッとして思う
(わ、私は?私は… その…?えっと…?)

マリアが言葉に詰まる

ソニアが微笑して言う
「マリアは小さい頃に お父さんとお別れしちゃったから… だからマリアはいつでも あちらのお部屋にいらっしゃい?お母さんと新しいお義父さんで 待っているからね?」

マリアが苦笑して言う
「あ… う、うん それじゃ… い、いつか お邪魔しようかな?」

ソニアが言う
「それとも?こちらの方が広いから こちらでまた4人で お茶を飲むのも良いかもしれないわね?」

マリアがホッとして思う
(た、確かに そうかも?こっちの方が広くて ソファも4つあるし …2つしか使わなくても あ、それなら ティーポットをもう1つ 買っておかないと… って え?)

マリアがふと気付いて言う
「…よ、4人?」

レイが言う
「よし!それじゃマリア!俺 今日からマリアと一緒に この家に住むからな!」

マリアが衝撃を受けて言う
「えっ!?な、何 言ってるんですかっ!?ウィザード様っ!?」

レイが言う
「え?駄目か?だって この家はマリアの家になったんだろ?お義母さんだって お義父さんの部屋に住むって言うんだからさ?」

ウィザードが言う
「お前に”お義父さん”と 呼ばれたくはないのだが?」

マリアが衝撃を受ける ソニアが笑う

レイが言う
「マリア!この聞き分けの無い お義父さんに 俺がちゃんとマリアを守れるって事を 証明してやらなきゃいけないからさ!?だから良いだろ!?」

マリアが困惑して思う
(え?えっと…?つまりそれって そう言う事?結婚を前提に お義父さんに 自分の力を証明しようって?そう言う…?)

マリアが言う
「えっと…?あの…?その…?」

ウィザードが言う
「マリア」

マリアが衝撃を受けて言う
「は、はいっ!?」

ウィザードが言う
「この魔法使いに 言い寄られて困っていると言うのならば 今 この場で消し去ってやるが?」

マリアが思う
(えぇえ!?え、えっとっ!?言い寄られて?困って…?こ、困っては…?で、でも… え?消し去るってっ?)

ウィザードの杖が光り魔力が集まる マリアが驚くと

レイが言う
「げっ!?先輩 本気かよっ!?ウィザードの杖が相手じゃ 俺であってもマジでヤバイってっ!?」

マリアが慌てて言う
「えっ!?そ、そうなんですかっ!?って言うかっ!違いますからっ!そう言う意味で困っては 居ないですからっ!ですから…っ や、止めて下さいっ ――お義父さんっ!」

マリアがハッとする ソニアが驚く

ウィザードが言う
「…そうか 命拾いをしたな」

ウィザードが魔力を収める マリアが気付くと

レイがマリアの後ろに居て言う
「くっ 杖さえあれば…っ」

マリアが呆気に取られてレイを見る

レイがウィザードへ向かって言う
「何だよ!俺のお陰でウィザードで居られたのにっ 先輩 卑怯だぞ!?」

マリアが衝撃を受ける

ウィザードが言う
「お前のお陰ではない マリアのお陰だろう?」

マリアが衝撃を受けて思う
(そ… それはそうかも…?)

ソニアが笑って言う
「うふふっ 前途多難ね?頑張ってね?”マリアのウィザード様”?」

レイが言う
「ああ!任せとけ!」

マリアが呆気に取られて言う
「え…?あの…?それで…?」

ソニアが言う
「それじゃ マリア?また来るわね?それと、お役所の手続きが終わったら この家に書類が届くそうだから 確認をしてね?」

マリアが呆気に取られたまま言う
「う… うん?」

マリアの視線の先 玄関の外でソニアが微笑する

マリアが呆気に取られていた状態から微笑して言う
「…うん!待ってる!お義父さんも お母さんも また来てね!お茶の用意して 待ってるから!」

ソニアが微笑して頷くとウィザードがソニアを包み 2人が風に消える

マリアが苦笑して思う
(それで 私も… たまには お義父さんと… お母さんの居る あのお部屋にお邪魔して良いのかな…?って?あれ?でも?)

マリアが言う
「良く考えたら 私、お義父さんの お部屋の住所… 聞いてなかった」

レイが言う
「それなら大丈夫だぞ マリア!」

マリアがレイを見て言う
「え?」

レイが言う
「先輩の部屋なら俺が分かるからさ?いつでも連れて行ってやるよ!」

マリアが微笑して思う
(あ… そっか?そうだったウィザード様に お願いすれば大丈夫で…)

レイが言う
「よし!それじゃ 早速!」

マリアが思う
(え?早速?いくらなんでも 今、別れたばかりなのに…)

マリアが言う
「いえ ウィザード様?お母さんたちとは たった今…」

レイが言う
「俺も この家に住む準備を しなきゃな?」

マリアが衝撃を受け 慌てて言う
「はっ!?えっ!?あ、あのっ!?それ 本気でっ!?」

レイが言う
「もちろんだよ!マリア!俺も持って来る物は服くらいだ!…って言っても 大した量も無いから俺は1回で大丈夫だ!だから 早速行って来るな!」

マリアが言う
「そ、そうなんですか… って!?」

マリアが思う
(そうじゃなくてっ!?ウィザード様が この家に住むってっ!?私と一緒に!?だって この家は…っ!)

マリアがハッとして言う
「こ、この家は…っ 私の?私… だけしか…」

レイが言う
「こんな広い家に マリア1人じゃ寂しいだろ!?」

マリアがハッとする

レイが言う
「それに 部屋だって!マリアのお母さんの代わり 俺が入ったって思えば良い!」

マリアが思う
(そ、それは 確かに1人じゃ寂しいし 部屋は有る… でも そうじゃなくてっ!?そ… そう言うものだっけっ!?)

レイが言う
「それじゃ行って来るな すぐ戻ってくるよ!マリア!」

レイが風に消える

マリアが言う
「え!?あ…っ!」

マリアが呆気に取られてから間を置いて 静かな家を見て息を吐いて言う
「…静か」

マリアが思う
(今ちょっと前までは4人も居て… 私とお母さんの2人で居たときより ずっと賑やかたっだのに… ほんの一瞬で こんなに…)

マリアの脳裏にレイの言葉が思い出される


レイが言う
『こんな広い家に マリア1人じゃ寂しいだろ!?』


マリアが苦笑して言う
「うん… それは そうなんだけど…」

マリアが思う
(お母さんは別の場所に住むけど 私はまたお母さんと同じ姓になって… ”お母さんのウィザードさま”は 14年経って 私のお義父さんになって… それに加えて あの時お義父さんと一緒に 私を助けてくれた …私の 本当のお父さんの事も助けようとしてくれた ウィザード様が 一緒にこの家に…)

マリアが顔を上げると レイが言う
「マリアー!」

マリアが衝撃を受けて言う
「えっ!?」

レイがマリアの前に現れて言う
「ただいま!マリア!」

マリアが驚いて思う
(速っ!?)

マリアが言う
「も、もうっ!?」

レイが言う
「ああ!寮の相部屋暮らしなんて 荷物はこんなもんだよ!」

レイが杖を一振りするとサンタ袋が1つ飛んで来る

マリアが呆気に取られて思う
(つまり ホントにもう…?)

レイが言う
「さて、マリア?俺は何処の部屋を使ったら良いんだ?」

レイが通路の先へ向かう

マリアが呆気に取られて言う
「え?あ…」

マリアが思う
(ホントに 私…?ウィザード様と一緒に この家に住む事に…?こんな事になるなんて 思っても居なかった… でも まぁ…)

マリアが家を見て思う
(この家は私の物になったんだし… それなら?良いのかな?)

マリアが苦笑して廊下の先へ向かう


しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。

せいめ
恋愛
 メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。  頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。   ご都合主義です。誤字脱字お許しください。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

あなたのことなんて、もうどうでもいいです

もるだ
恋愛
舞踏会でレオニーに突きつけられたのは婚約破棄だった。婚約者の相手にぶつかられて派手に転んだせいで、大騒ぎになったのに……。日々の業務を押しつけられ怒鳴りつけられいいように扱われていたレオニーは限界を迎える。そして、気がつくと魔法が使えるようになっていた。 元婚約者にこき使われていたレオニーは復讐を始める。

父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる

兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

処理中です...