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永遠回帰 後半
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「んな?!俺はさっき死んで」
俺がそう言葉を発すると、体がひとりでに剣を構えながらモンスターに向かって走り出す。
「おい待て……やめろ!!勝手に動くな、剣をおいて逃げるんだよ」
そんな俺の意識とは無関係に体は動き続ける。
俺の頭の中に浮かび上がってゆくのは、モンスターたちに集中攻撃されてぼろ雑巾のようになってゆく自分の姿。
そこまで考えたところで俺の口が勝手に動く。
「剣技:乱舞!!」
あの時と同じように、周りの木々を巻き込みながらモンスターたちを斬るはずだったその剣は宙を切り裂き……
「Gouuuuuuu」
「ガハァッ」
その代わり無防備になった俺の背中にモンスターたちの爪による斬撃が炸裂する。
痛みと衝撃で地面を転げまわった後、俺は立ち上がる。
「まずい、このままだとー」
「死なない方法は、貴方の手であのモンスターを殺すことです」
焦る俺の後ろでチェリフのそんな声が聞こえる。
「あなたの『剣技:乱舞』があのモンスターに当たらないのは、剣を扱うことの自信がないがゆえに剣技を出す直前、無自覚に大きな隙を作ってしまっているからです。なので今は自信を持つことだけを考えましょう、体の方は私がサポートしますので」
チェリフがそう言うと、俺の身体は勝手に剣をもって構え始める。
「おい……やめろよ、やめろ!」
「これは貴方が自分の弱さを乗り越えるための試練なのです、きっとこの試練が終わったころにはあなたは立派な冒険者として生まれ変われます」
チェリフのその言葉を聞いた瞬間、俺の身体は勝手に動き始める。
「剣技:乱舞!!」
俺の剣がモンスターをとらえる前にモンスター達の爪が俺の身体を切り裂く。
俺の身体から血液が大量に流れ、森の地面を赤く染めてゆく。
そんな俺を見て、チェリフは淡々と言葉を紡ぐ。
「もう気づいているかも知れませんが、貴方がこのモンスターたちを倒すまでこのループは続きます。出血多量で死んでしまう間に次はどうするか考えておくとよいでしょう」
俺の体は徐々に動かなくなってゆき、視界もかすんでゆく。
無くなってゆく意識の中で、俺の脳裏に浮かんでいたのはマキナ様の姿だった。
「マキナ様……助けー」
そこで俺の意識は完全に途絶えた。
俺がそう言葉を発すると、体がひとりでに剣を構えながらモンスターに向かって走り出す。
「おい待て……やめろ!!勝手に動くな、剣をおいて逃げるんだよ」
そんな俺の意識とは無関係に体は動き続ける。
俺の頭の中に浮かび上がってゆくのは、モンスターたちに集中攻撃されてぼろ雑巾のようになってゆく自分の姿。
そこまで考えたところで俺の口が勝手に動く。
「剣技:乱舞!!」
あの時と同じように、周りの木々を巻き込みながらモンスターたちを斬るはずだったその剣は宙を切り裂き……
「Gouuuuuuu」
「ガハァッ」
その代わり無防備になった俺の背中にモンスターたちの爪による斬撃が炸裂する。
痛みと衝撃で地面を転げまわった後、俺は立ち上がる。
「まずい、このままだとー」
「死なない方法は、貴方の手であのモンスターを殺すことです」
焦る俺の後ろでチェリフのそんな声が聞こえる。
「あなたの『剣技:乱舞』があのモンスターに当たらないのは、剣を扱うことの自信がないがゆえに剣技を出す直前、無自覚に大きな隙を作ってしまっているからです。なので今は自信を持つことだけを考えましょう、体の方は私がサポートしますので」
チェリフがそう言うと、俺の身体は勝手に剣をもって構え始める。
「おい……やめろよ、やめろ!」
「これは貴方が自分の弱さを乗り越えるための試練なのです、きっとこの試練が終わったころにはあなたは立派な冒険者として生まれ変われます」
チェリフのその言葉を聞いた瞬間、俺の身体は勝手に動き始める。
「剣技:乱舞!!」
俺の剣がモンスターをとらえる前にモンスター達の爪が俺の身体を切り裂く。
俺の身体から血液が大量に流れ、森の地面を赤く染めてゆく。
そんな俺を見て、チェリフは淡々と言葉を紡ぐ。
「もう気づいているかも知れませんが、貴方がこのモンスターたちを倒すまでこのループは続きます。出血多量で死んでしまう間に次はどうするか考えておくとよいでしょう」
俺の体は徐々に動かなくなってゆき、視界もかすんでゆく。
無くなってゆく意識の中で、俺の脳裏に浮かんでいたのはマキナ様の姿だった。
「マキナ様……助けー」
そこで俺の意識は完全に途絶えた。
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