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33.目覚めてから

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指で頬を撫でられて目が覚めると、笑顔のエーミールが見ていた。

「おはよう」
「おはよう、よく眠るな」
「うん、疲れたから。もう仕事行く?私帰るね」
「まだ行かない。次は私の番だ」

エーミールがキスをして来た。本領発揮だな、こりゃ。もういいや、百戦錬磨に楽しませてもらおう。素直って大事よね。

「・・水が飲みたい」
「ああ」

口移しで水を飲んだ。飲み込むと、唇から熱い舌が潜り込んで、口中を柔らかく舐めまわしていく。舌を擦って絡ませ軽く吸い付かれた。
腰に回った手に優しく背中を撫でられて、息が零れる。エーミールはいたずらっぽく微笑んで唇を啄んだ。そのまま軽いキスが乳房まで下りてきて、乳首をたまに掠りながら乳輪を軽く舐め上げる。不規則に与えられる刺激と背中を這うゾワリとした快感に肌が粟立ち、背中がしなった。
突き出した胸の尖頭を舌で転がされ、体が跳ねる。執拗に舐めまわされ、つまんで弾かれ続けると、刺激が収縮し、エーミールの頭を抱え込みながら達した。

「ユウナギは、よくしなる」

笑いながらそう言うと、力が抜けた膝を割り、よく見えるように膝裏を持ち上げた。
やだ、と言いながら腰を引くと、強く引き寄せられる。

「見せてくれ」

エーミールの前で足を広げられ、荒い息を吐きながら、びくつく膣口をさらけ出した。

「ほら、喜んでいる」

陰唇の間に指を滑らせてくるくると円を描く。もどかしい刺激が波のように押し寄せ、指で膣口に浅く掻き回されて汁が吹き出した。

「あああ、エーミール、嫌だ、一緒じゃないと嫌」
「そうだな、最初から意地悪はしないでおこう」

エーミールは、キスをしながらゆっくりと私に入り込む。

「はぁ、ユウナギ、そんなに吸い付くな」
「あ、そんなの、ああ、エーミール、レオン、あぁ、レオン」
「ユウナギ、いいな、ああ、もっと名を呼んでくれ」
「エーミール・レオン、レオン、ああ、動いちゃう。レオン、ああっ」

エーミールは私の反った腰を撫でながら、ゆったりとした挿入を繰り返す。私は焦らされて、積み上がる焦燥に泣き声を上げながら、エーミールに抱き付いて腰を摩り付けた。

「レオン、嫌、嫌、もっと動かして。お願い」
「ふふっ、ユウナギからお願いが出たか。妻の願いを叶えるのが夫だ」

色っぽい声でそう言うと、エーミールはリズミカルに腰を打ち付け初め、私は段々と昇っていく。快感の端を掴んで追い縋り、エーミールの腰に爪を立てながら、勢いよく頂上へ走り抜けた。

「レオンレオンレオンっ、ぃくっ、くっぅぅぅ、あああああ」
「ユウナギ、ぐっ、うっ」

収縮する私に耐えるようにエーミールは腰を止めて、歯を食いしばった。
エーミールにもイって欲しくて、絶頂の波が引いてすぐ、腰を振って強請る。

「我慢しちゃ嫌、エーミール・レオン、中に出して。ねぇ、レオン、お願い、頂戴」
「可愛いお願いだ。もう、いいのか、ああ、ユウ、ナギっ、出るっ、うっっ」
「あっ、くぅぅぅーーー」

力強い突き上げを短く繰り返した後、すぐにイってしまうエーミールが堪らなく可愛くて、私も一緒に昇った。
抱き合ったまま二人で弛緩する。エーミールが背中を撫でながら頬にキスする。

「このままユウナギがここに居るのはどうだ?」
「結構です。帰る」
「冷たいな。新婚なのに」
「皆、新婚だから」
「どうだ、私に惚れてないか?」
「うーん、気持ち良かったし、嫌いじゃないかな」
「体だけか」

ニヤニヤしながらエーミールがからかってくる。
やっぱ、こう、肌を合わせると親しみが湧くというか、距離が縮まる感じよね。エーミールはそういう感性を知っていて利用している所もあるのだと思う。怖い人なんだろうけど、気持ち良くして貰っちゃうと、警戒心は緩む、ガバガバだ。そしてバカを見るんだろう。

お風呂で体を洗い、果物を齧っているとグラウ様がやって来た。これから家まで飛んでもらうのだ。エーミールにお礼を言う。

「お世話になりました」
「もっと世話をしたかった。また来てくれ」

笑いながら額にキスを落とされた。
エーミールに手を振ったら、グラウ様がもう片方の手を掴んで、一瞬のうちに森番の家の前に居た。

「ありがとうございました」

お礼を言う私の手を取り、袋を乗せた。
私を掴んだ手は強くて冷やりとして、しっとりして、すぐ近くに居ることを意識させた。突然のことに動けず、グラウ様の手の感触だけが体の中で膨らむ。
袋を乗せてすぐ離れた手が名残惜しくて、息が漏れた。

「守り石だ。いつも身につけておくように」
「・・・はい、ありがとうございます」

切なくて苦しくて自分がバカみたいで悲しくて顔を上げれず、俯いたままお礼を言った。グラウ様のローブが消えて、ため息をつく。
助かった。身の置き所がない。意識し過ぎて普通の対応がどうなのかも思い出せない。アルとベルが帰る前に落ち着かないと。エーミールと一発やった後で、他の男に発情するとかどうしようもなくて泣ける。死にたい。
もう、ファンとか言えない。誤魔化せない。ごめんなさい。

洗濯だな。こういう時は洗濯という名の運動をしよう。


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