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112.日々は続くのだ エピローグ

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「遅い。エミリ、大丈夫か?」
「・・うん、せんせぃ、だいじょうぶ」

目を開けられないまま笑って、胸に顔を埋めたイーヴォの頭を撫でた。

「ミリ、まだいい?最後にするから」
「うん、最後ね。・・かわいいイーヴォ」
「・・可愛いミリ。俺の可愛い奥さん、俺の上に座って。ミリ、欲しいんだ」

上擦った声のイーヴォに抱き上げられ、向かい合わせに跨った。グズグズに濡れた私は簡単にペニスを飲み込んで、奥に当たる刺激でチリチリと下腹を疼かせる。
後ろからトビアスがお尻の穴に侵入し始めた。指でほぐしても、ぬめりをまとわせていても、最初に入れるときは、いつもミチミチと肉が開かれる違和感がある。それが快感に塗りつぶされていくことに、痺れるような官能を味わった。私達は声を上げて互いの体にしがみつく。

2人に挟まれる私を見つめるギラついた先生に手を伸ばすと、手を握ってくれた。先生の手を引いて側に呼び、ズボンからペニスを取り出すとガチガチに硬くそそり立っていて、私が触ったらとピクリと動いた。
ほら、先生も欲しがってる。かわいいなあ。みんな可愛い。先生もおいで。

片手で握り締めて口に含み、溢れる唾液と一緒にジュルジュル啜ると、先生が喘ぎ声を零す。
それを合図にしたようにトビアスが動き出し、私は快感に支配される。何も考えれず、ただ口の中の大事な物に歯を立てないようしゃぶりついた。
ズプズプと奥を抉られ、次々に喉から押し出される声と刺激に喘ぐ息で動かせず、口を離そうとしたら頭を押さえ付けられた。
両手で耳を塞がれ、口の中をぐちょぐちょと掻き回される音が脳内に響く。体の中が全部グチュグチュして興奮が酷くて、気持ち良過ぎて自分で動けなくて、おかしくなりそう。下腹を突かれるたびに汁がぼたぼた零れ落ちるだけで気持ち良い。

快感が溢れて腰が蕩けた。真っ白な世界で体がガクガク震えるけど、ちゃんと抱きしめられてるから大丈夫。安心して、蕩ける絶頂を受け入れた。
口の中から温かくて苦い液体が零れて、体の中はビクビクしてる。

口の中に指が入ってきて苦い液体を掻き出され、そのあと流れ込んできた水をゆっくりと飲んだ。
体を抱きかかえられて、お湯で流して洗われてる。ぐったりした体に力が入らないまま、ぼんやりと身をまかせた。

いつの間にかパジャマを着せられベッドに寝かされている。
ウトウトして丸まり、いつも隣にいてくれる暖かい体に腕を伸ばした。

「・・せんせ」
「ここにいる」

ウトウトする私を優しく抱きしめる温かい体に安心して、眠りに落ちた。

__________

「やり過ぎだ。エミリの体がもたないだろう」
「先生だって参加したじゃねぇか」
「あれはエミリが誘ったからだ」
「ミリが良いと言った」
「だからといって、やり過ぎるな」
「今日だけだよ。だって、俺らずっと会ってねぇし、解呪したミリに初めて会ったんだから」
「俺は、戻ってきて初めて寝た」
「しばらく2人がかりは止めろ」
「1回ずつ順番にしろって?」
「俺は浴室で抱く」
「俺はベッドかな。先生は?」
「私もベッドだ。トビアスは違うベッドで眠れ」
「なんで?」
「4人だと狭いからだ。お前はベッドで抱かないのだから問題ないだろう」
「・・・たまにベッドにする。その時は一緒に眠る」
「私は譲らないから勝手にしろ」
「なんだよ、先生ズリィだろ。昼間だってずっと一緒なのに」
「仕事なのだから関係ない」
「仕事と関係ねぇこともしてんだろ」
「・・・お前には関係ないだろう」

_________

眠ってしまった次の日の朝、先生とトビアスが自分勝手だという愚痴をイーヴォから聞いた。
2人は自分から譲るタイプじゃなさそうだしね。このままだとお人好しのイーヴォが割を食うわけか。どうしよう。ここは私が采配しなきゃいけないとこか。面倒だな。

問題を先送りにしていたけど、不満が爆発する前になんとかするべし。

イーヴォがベッドから追い出された次の日の朝、いつも通り玄関で見送って、ふと思いついた。家の中の先生に、兵団まで見送ってくる、すぐ戻るからと、声をかけてイーヴォ達を追いかけた。随分小さくなってる。歩くの早いな。
追いついて横に並び、驚いて目玉が飛び出そうなイーヴォと手を繋いで歩く。

「昨日、譲ってくれたからね、お礼。兵団まで一緒に行こう」
「・・・うん。・・クヒッ、嬉しい」
「俺は?」
「え?繋ぐのは1人だけだよ」

両手繋いだら、捕らえられた宇宙人になっちゃうし。

「・・・俺はいつも1人で寝てる」

そっか、そういやそうだった。ごめんごめん。

「じゃあ、1人で寝た人は次の日は手を繋ぐことにするね」
「うん」
「ミリが毎朝、送ってくれんの?」
「うん、明日からそうしようかな」
「・・・先生なんか言ってた?」
「え?なにも。声だけかけて出てきたから。まあ、大丈夫でしょ、これくらい」
「・・・あーあ、ミリ、頑張れよ。帰ったら、酷い目に遭わされんだろうな」
「えー、これくらいで何もしないでしょ」
「する、先生はするな。ミリは分かってねぇ。俺らといるときの先生の酷さを」
「うん、酷い」
「怖いコト言わないでよ」

喋ってたら、後ろから肩を掴まれてびっくりする。
振り向いたら、凄い形相で息を切らしてる先生だった。

「・・・先生、すぐ戻るのに・・」
「・・・わからないだろう」
「先生、耳輪してんだから大丈夫だって。子供だってお使いくらいすんだろ」
「エミリは子供じゃない」
「・・そういう意味じゃねぇよ」
「まあ、ほら、イーヴォとトビアスを兵団まで送るだけだから」
「私も行く」

先生とトビアスの前をイーヴォと手を繋いで歩くという、少々気まずい状態で兵団の前まで見送った。
2人が見えなくなると、無言の先生に手を引かれながら早足で帰る。なんか怖い。

帰った私に待っていたものは、先生の体を震わせた縋り付きだった。トラウマっぽい。不安だ心配だ怖いと訴える先生に罪悪感モリモリ植え付けられて、しつこくしつこくしつこくセックスされても振り切り辛い。まいったな。
耳輪に雁字搦めの魔術掛けてるんだから、そこまで心配することないでしょうに。
結局、防犯ベルのような魔術を付けた指輪を付ける約束で、渋々見送りを許してくれた。


結婚してしばらく経つと、建国祭が近付いて来たので、私からもプレゼントを用意する。
イーヴォとトビアスには手ぬぐい。仕事で汗拭きに使うからいくらあってもいい。先生は腰に下げる袋。使い込んでよれよれだから。

あと、仮装衣装を作る。なんと、魔獣の仮装です。変人に見られる、という忠告を聞き流して制作する。
イーヴォに魔獣の皮を入手できないか聞いたら、横流しは禁止らしく、仕方がないので黒い布にした。オオカミみたいな頭を作りたくて、骨がないか肉屋に聞いたら、捨てるものを貰えた。目の部分は布でボールを作って埋めたり、まあ色々と工夫して、イーヴォには褒めてもらえた。先生は出来に微妙な顔をしていた。もっと気味悪いって何回も言ってたし。トビアスは魔獣自体に微妙な顔。ヒラヒラした精霊のほうが良いって口をモゴモゴしてた。

建国祭の料理はお店に来るお客さんに聞いて教えてもらった。
結婚してから私も店番に立つようになったから。先生が調薬の手を止めなくてもいいように、少しずつ仕事を覚えて先生を説得した結果。
周りからの先生の評価が、結婚しないで女の奴隷をいいように使うろくでなしから、惚れた奴隷を地の果てまで追いかけて結婚した一途な男に変わったらしい。株が爆上がりして、周りの人達から冷やかされている。
そのお陰で私も好意的に見られるから助かった。先生特製のハーブティーをサービスで出したら評判は上々、売ってほしいと言われ売り上げが増えた。私、スゴイ。

建国祭の仮装パレードに私とイーヴォで参加した。イーヴォは精霊で、私は魔獣の着ぐるみというか、布。出来の拙さが可愛さを生み出して、なかなかのものだと自分では思う。トビアスは遠巻きにしてたから、よっぽど苦手なのかね。
パレードでは奇異の目で見られたけど、やんちゃな男の子が笑ってくれたり、英雄のコスプレした子と寸劇ゴッコしたりして楽しんだ。これで、呪い付きの印象が少しでも変わればいいなあ。

たまに2人きりになる夜を作る。2人きりじゃないと話せないこともあるし、思う存分発散させる機会を作らないと、やたらしつこくなったりするから大変なのだ。
今日の夜は先生と2人きり。魔獣の衣装を用意してベッドに座り、先生に聞いた。

「私が魔獣になるのと、先生が魔獣になるのと、魔獣になったイーヴォと私を見るの、どれがいい?」
「・・・私が着る」

そう言って、いそいそと魔獣の着ぐるみを着た。使用目的が明確なので、ちゃんと社会の窓も付いてるのだ。顔パーツがオオカミなのでキスは出来ないけどね。
先生の手を引いて机の上にある鏡の前に行き、指を差した。

「先生が魔獣になって私を襲うところが見れるよ」
「・・エミリ・・・エミリ、ここに」

興奮した声で私を呼び、テーブルの上に手をつかせた。あまり大きくないけど、腰から上が見える。
薄暗い部屋では黒い衣装が良い感じで、アラも目立たないし、手袋はしていないけど、パジャマの中に手を突っ込んでイタせば問題無し。
先生は大喜びで、息を荒げて腰を振る姿はまさしく魔獣だった。3回出して満足したのか、頭のパーツを外してキスをする。

「・・エミリ、これはこのために?」
「半分ね。先生と呪い付きのために半々。可愛い呪い付きを見慣れたら、本物の呪い付きも多少は慣れやすいかなと思って。ズボンの穴は先生のためだけど」
「・・そうか」
「外で使うのは今日で終わったから、気が向いたらベッドで使えるよ。先生は使いたい?」

そう聞いたら、先生がまた卑猥なこと考えてそうな顔して口角を上げた。
夫婦生活にちょっとしたスパイスなのです。まあ、他の2人と寝るとこ見て十分に楽しんでるみたいだけど。たまに2人きりになると、そういう言葉責めするし。

「気に入った?」
「ああ。エミリは?」
「ふふ、私も。来年は違う形の魔獣を作ろうね」
「口付けできる形が良い」
「私みたいな毛むくじゃらにしようか。毛はどうやって作ったらいいかな?」
「羊毛を貼るか?」
「全身に貼るとお金がかかり過ぎるし。うーん」

先生と抱き合って色々考える。

一緒に生活していくのはお互いの工夫だ。私も自分から色々やってみることにしてる。退屈とか、飽きたりなんだりは工夫で乗り越えていくんだ。

面倒なこともあるし、宴のような毎日じゃないけど、4人家族の賑やかで楽しい生活は続くのだよ。



おしまい



___________


最後まで読んでいただきありがとうございました。楽しんでいただけてたら嬉しいです。
近況ボードに挨拶を書きましたので、そちらもご覧ください。

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