【R18】クリーチャー狂騒曲～人外と寝取らせと異形嗜好の饗宴～

２８．二人の秘密 Side 先生 ※

　
　Side　先生

　今日は触れていないのに、イーヴォに抱かれたまま眠ってしまった。
　イーヴォの腕の中で眠る彼女を見ると胸が疼く。一日の最後、眠るときは私の隣にいてほしい。彼女の体温を感じて眠りにつきたい。

　イーヴォが出掛けたあと彼女を問い詰めた。良過ぎるって何をした？　私ともしてほしいのに教えない。

　彼女に秘密を聞かれ、心臓が痛いほど跳ねた。呪い付きと寝させておいて今更なのに、はっきり口にするのは怖い。しかし、それ以上に彼女に受け入れられたい。
　彼女は私をしっかり抱きしめて優しく撫で、何でも良いと言う。本当に？　本当に醜くても良い？　一緒に考えてくれる？

　ずっと待っていた。受け入れられるのを。私を受け入れてくれる人を。

　震える私をしっかりと抱きしめる彼女に縋り付き、呼吸が浅くてカラカラに乾いた喉から言葉を一つずつ並べた。彼女は冷静に聞き冷静に答える。
　そうして、私の願いを叶える方法を考えて口に出した。あまりに簡単に受け答えをするから現実味が感じられない。私の願いを聞いて何とも思わないのか？　私のことも蔑まない？

　あなたの秘密は？　期待と不安で背中に汗が流れ、心臓が早鐘を打ち鳴らした。
　事も無げに呪い付きに抱かれるのが好きだと、笑いながら囁いた。
　息が止まった。平気なだけじゃなく、『好き』。本当に、本当に？　笑いながら私の頬を撫でる手が本当だと言う。
　あの奇怪さが好きだと。

　私の浅ましく醜い欲望が彼女の秘密によって、甘く官能的なものに変わる。『二人の秘密』という言葉の甘美な響きに頭がクラクラした。

　私の欲望は身の内を焦がすように燃え滾る。覗き込んだ彼女の目にも欲望の影が揺れた。堪らず、彼女の中に私を埋め込んだ。あなたは私のものだ。私の私の片割れ。

　熱い欲望の炎が静まると、一気に疑いが襲い掛かった。呪い付きは好き、なら私は？　私のことは？　こうして私に抱かれるのは？　興奮して自制もなくあなたを抱いてしまう私は？
　急に恐ろしくなって震える。彼女と呪い付きはお互いに好きで、私だけが必要のない異物ではないかと。
　彼女が私を抱きしめた。抱きしめてくれる彼女に縋って、聞く。どうか、どうか。

　好きだと言った。私のことも好きだと。全部を。願いも、欲望も、抱かれることも全部？　嬉し過ぎて彼女に抱き付くと優しく頭を撫でられる。
　押し殺すべき欲望は密やかな遊戯に、惨めな孤独は甘い秘密に変わった。私は1人ではなくなり、秘密を楽しむ2人になった。あなたの腕の中で私は深く息をつく。

　撫でられる心地よさに浸っていたら、だんだんと恥ずかしくなった。これでは慰められている子供のようだ。

　恥ずかしくて顔を合わせないように体を離したのに、無理矢理顔を見られた。恥ずかしさに目を瞑ると、唇に柔らかい感触を感じる。唇を柔らかくそっと食まれると心が震えるようで、離れていく彼女の唇を追いかけた。
　私を受け止めた彼女に唇を吸われると、頭まで鳥肌が立った。優しいやり取りが幸せで彼女にも同じように返す。

　唇が触れる幸せに酔っていると、彼女の手が私の頬を撫でて口が離れた。私の目を覗き込む、吸い込まれそうに艶やかな黒い瞳。私の片割れ。

　このままずっとあなたに溺れていたい。一日中あなたを抱いていたいのに、今日は納品が結構ある。ため息をついて離れた。

　夜は邪魔されずゆっくりできるように私の部屋で寝る。なるべく早くベッドへ行きたくて、彼女を先に浴室へ入れた。
　体を洗い、気が急くまま部屋に行くと彼女がパジャマを着て棚を眺めていた。
　私が一日中ずっと待ち焦がれていた時間なのに、彼女は違う。そのことに胸が痛み、彼女に文句を言うと可笑しそうに抱きたいか聞かれた。

　抱きたい。いつだって。朝から一日中抱いていたかった。あなたを私の腕の中に閉じ込めたい。今すぐ無茶苦茶に抱きたい。

　こんなこと言えなくて俯くと、可愛いと言われ顔が熱くなる。嬉しくて恥ずかしい。私のほうが年上なのに。
　私のことを可愛いと言った彼女の唇が、俯いた私のあちこちに触れる。そっと優しく。
　胸が締め付けられて顔が上げられない。

　昼間、好きだと言った。私のことを好きだと。彼女は私に虚偽できない。私とは違っても好意的なのは本当。
　優しい口付けを受けると嬉しいのに苦しい。

　彼女が私にも望むので同じ様に口付けた。私の気持ちが、胸が震えてしまうこの気持ちが彼女に伝わるように、そっと触れる。
　いつもの私と違うからか彼女が心配した。もう、胸がいっぱいで苦しい。

　彼女の唇が私の唇に触れた。首の後ろがゾクゾクする。
　どうかあなたの中に私を受け入れて。口の中をゆっくり撫でると、今までと違う彼女の反応が返る。熱い息を静かに吐いて静かに感じてる。
　嬉しくて胸が痛んで、どうしていいかわからない。潤んだ目で見つめられると、おかしくなりそうだ。

　陰茎を舐められる。私の醜い欲望の象徴を彼女の舌が撫でていく。彼女は醜くても気にしない。私の欲望を受け入れて叶える方法を考えてくれた。

　ああ、欲望に溺れてしまう。

　射精したのに吸われ続けて体がおかしくなりそうだ。逃げられないまま吸われていたら尿が漏れた。
　酷い衝撃で頭がまっ白になっていたら違うと言われた。しおふきという現象だと。
　どれだけホッとしたか。

　ふと、気付く。彼女は吐き出していない。私の精液もしおふきも。口の中を見ても空だ。
　飲み込んだと言われたときは、興奮で頭が沸騰するようだった。私の汚い欲望も何もかも、彼女は飲み込んでしまった。

　彼女は私でも興奮すると言った。信じられなくて何度も瞬きをして彼女の顔を見た。心臓が跳ねる。
　本当に？　本当に私が欲しい？

　確かめたくて彼女の体を観察した。私を受け入れる膣口が濡れてパクパクと動くのを見ると、涎を垂らして待ち焦がれているようで堪らない。彼女の息が荒くなり体が揺れ、私が欲しいと懇願する。
　そんなに私が欲しい？　体中の血が沸き立ち頭まで鳥肌が立った。

　膣口に触れると液体が飛び出した。彼女も？
　舐めたが味はしなかった。恥ずかしそうな彼女が私をまた懇願する。ゾクゾクする興奮に飲み込まれ、彼女に挿入した。あとはよく分らない。興奮と快感で頭がおかしくなっていた。

　硬直のあと柔らかくなった体が重くなり、彼女から寝息が聞こえてきた。
　急な終わりに我慢できなくて、もう一度だけ射精しようと寝ている彼女に陰茎を打ち込む。背徳感があって堪らず、最後にゾクゾクした快感を味わった。

　陰茎を抜くと私の精液と彼女の汁がドロドロ流れ出る。この光景ですら私を興奮させた。

　持ってきたお湯で清拭し、彼女の隣で横になる。
　夜の静寂の中、彼女の寝息だけが聞こえ、2人しか存在しない世界に感じた。
　イーヴォが羨ましい。私も彼女のものになりたい。指輪の魔術で私が彼女を身近に感じるように、彼女にもいつも私を感じてほしい。

　頬に触れると、心臓が掴まれるようで苦しい。私のこの気持ちは何なんだ。どうしたらいいのか分からない。