1 / 18
【01 七不思議解決へ】
しおりを挟む
・
・【01 七不思議解決へ】
・
今が七月だからこそ、七という数字を考えてしまったのかもしれない。
この小学校には七不思議がある。
いつの間にか壁に落書きが書かれているという、誰かがやっただけでしょ、みたいなヤツから、闇に引き込まれた生徒は攻撃的になって人を痛めつけるなんて何か怖いモノ、小学校の壁が増えていくみたいなよく分かんないモノ、今はもう誰も何も飼わなくなった飼育室から動物の声が聞こえるというそれっぽいモノ、床が急に滑りやすくなるという何かただの不注意みたいなモノも、プリントが異様に風に舞って飛んでいくという不運なだけっぽいモノもあるが、体力測定を化け物に挑まれて疲れるまでやらされるという本当? みたいな不思議もあるらしい。
私はそう言った七不思議の類が嫌いだ。
アンチ七不思議と言っていいだろう。
だから私はこの七不思議を全部解決しようと思っている。
午後の授業も終わって、私は気合を入れるため髪を結んでポニーテールにした。スカートの私服から体操着に着替えて、動きやすさ抜群だ。
私は放課後にまず、あの、闇に引き込む七不思議を解決しようと、その七不思議が出現するという噂の旧校舎にやって来た。
結局一番怖い七不思議を解決してしまえば、平穏な小学校に戻るはずだから。
それに最初に一番難しそうなところをクリアすれば、あとは全部クリアできるということだと思うし。
この闇に引き込むという七不思議は、旧校舎へ忍び込んだ生徒が闇に引き込まれていくという話で、そこから戻ってきた生徒は性格が攻撃的になって、目に映るモノ全てを傷つけるという話だ。
まあ元々旧校舎という先生から行ってはいけないと言われている場所に行くこと自体、悪いことなので、元々悪い性格の人間が行ってるからそう見えているだけかもしれない、と私は正直そう思ってる。そう仮説を立てている。
旧校舎は電気がもう通っていないっぽいので、全体的に暗い印象を受ける。
まだ日が沈んでいないので、窓から太陽光が入るんだけども、何だか淀んだ雰囲気。
湿気も何か多い感じがするのは、きっと換気を入れ替えていないからだ。
窓を開けた形跡というか触った形跡も無く、窓枠には埃が溜まっている。
空気が悪い感じがして息苦しい。
その結果、何だか嫌な香りがする。
鼻がムズムズするというか、湿って腐った木というか、とにかく良い気持ちは一切しない。
早く解決して終わらせよう、何も起きなかったらそれでいいしと思って歩いていると、廊下を歩いていたはずなのに、目の前が行き止まりになっていた。
外から旧校舎を眺めていた時は、一本の長い廊下だったような気がするけども。
何でだろうと思いつつも、隣にあった教室の中へ入ってみると、どうやらその行き止まりになっていた場所を教室の中からスルーできるようで、入った後ろからではなく、教室の前の扉から出て行くと、その行き止まりを通過……あれ?
「行き止まりが無くなっている……」
後ろを振り返ると、その行き止まりだった場所が無くなり、一本の廊下になっていた。
一体何なんだと思いつつ、また前を向くと、なんとまた行き止まりになっていたのだ!
「どういうこと!」
と思った時に私はとあることが浮かんだ。
それは、
「これ! 壁が増えるという七不思議だ!」
なんと闇に引き込む七不思議を解決しようと思っていたら壁が増えるという七不思議に出会ってしまった。
ということはだ、
「まずこっちから解決するしかないでしょ!」
私は気合いを入れ直して、この壁の攻略へ。
・【01 七不思議解決へ】
・
今が七月だからこそ、七という数字を考えてしまったのかもしれない。
この小学校には七不思議がある。
いつの間にか壁に落書きが書かれているという、誰かがやっただけでしょ、みたいなヤツから、闇に引き込まれた生徒は攻撃的になって人を痛めつけるなんて何か怖いモノ、小学校の壁が増えていくみたいなよく分かんないモノ、今はもう誰も何も飼わなくなった飼育室から動物の声が聞こえるというそれっぽいモノ、床が急に滑りやすくなるという何かただの不注意みたいなモノも、プリントが異様に風に舞って飛んでいくという不運なだけっぽいモノもあるが、体力測定を化け物に挑まれて疲れるまでやらされるという本当? みたいな不思議もあるらしい。
私はそう言った七不思議の類が嫌いだ。
アンチ七不思議と言っていいだろう。
だから私はこの七不思議を全部解決しようと思っている。
午後の授業も終わって、私は気合を入れるため髪を結んでポニーテールにした。スカートの私服から体操着に着替えて、動きやすさ抜群だ。
私は放課後にまず、あの、闇に引き込む七不思議を解決しようと、その七不思議が出現するという噂の旧校舎にやって来た。
結局一番怖い七不思議を解決してしまえば、平穏な小学校に戻るはずだから。
それに最初に一番難しそうなところをクリアすれば、あとは全部クリアできるということだと思うし。
この闇に引き込むという七不思議は、旧校舎へ忍び込んだ生徒が闇に引き込まれていくという話で、そこから戻ってきた生徒は性格が攻撃的になって、目に映るモノ全てを傷つけるという話だ。
まあ元々旧校舎という先生から行ってはいけないと言われている場所に行くこと自体、悪いことなので、元々悪い性格の人間が行ってるからそう見えているだけかもしれない、と私は正直そう思ってる。そう仮説を立てている。
旧校舎は電気がもう通っていないっぽいので、全体的に暗い印象を受ける。
まだ日が沈んでいないので、窓から太陽光が入るんだけども、何だか淀んだ雰囲気。
湿気も何か多い感じがするのは、きっと換気を入れ替えていないからだ。
窓を開けた形跡というか触った形跡も無く、窓枠には埃が溜まっている。
空気が悪い感じがして息苦しい。
その結果、何だか嫌な香りがする。
鼻がムズムズするというか、湿って腐った木というか、とにかく良い気持ちは一切しない。
早く解決して終わらせよう、何も起きなかったらそれでいいしと思って歩いていると、廊下を歩いていたはずなのに、目の前が行き止まりになっていた。
外から旧校舎を眺めていた時は、一本の長い廊下だったような気がするけども。
何でだろうと思いつつも、隣にあった教室の中へ入ってみると、どうやらその行き止まりになっていた場所を教室の中からスルーできるようで、入った後ろからではなく、教室の前の扉から出て行くと、その行き止まりを通過……あれ?
「行き止まりが無くなっている……」
後ろを振り返ると、その行き止まりだった場所が無くなり、一本の廊下になっていた。
一体何なんだと思いつつ、また前を向くと、なんとまた行き止まりになっていたのだ!
「どういうこと!」
と思った時に私はとあることが浮かんだ。
それは、
「これ! 壁が増えるという七不思議だ!」
なんと闇に引き込む七不思議を解決しようと思っていたら壁が増えるという七不思議に出会ってしまった。
ということはだ、
「まずこっちから解決するしかないでしょ!」
私は気合いを入れ直して、この壁の攻略へ。
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる