最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第5章 アグトリア動乱

攻略作戦

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午前9時半、ロイはガブロの陣で軍議を開いていた。

ロイがガブロに言った。

「ガブロさっき貸した戦力を返してくれ。」

ガブロが聞き返した。

「あっ?何だと?」

ロイがガブロに言った。

「状況が変わったんだ。俺も一緒にミルゲ砦を攻めるんだからガブロに戦力を貸しとく必要は無くなっただろう?だからさっき貸した千人を返してくれ。」

するとガブロがロイに尋ねた。

「おい、それはドロメ様の命令か?」

ロイはドロメ団長の名前をかりて身動きがとれなくなってしまったのを後悔していた。

だからここは正直に答えた。

「いや違う。俺の判断だ。」

するとガブロがロイに言った。

「なら返さねー。」

するとロイがガブロに言った。

「そんな事言わずに、お前に貸した千人を返してくれ。俺の手持ちの戦力だけでは厳しいんだ。」

ガブロがロイに大声で言った。

「はあ?知ったこっちゃねえんだよ!!それに連れてけったのはテメーだろうが!!」

するとロイがガブロに言った。

「だから状況が変わったと言ってるだろう。返してくれ!この人数じゃ本当に厳しいんだ。」

するとガブロがロイに聞いてきた。

「そんなに返してほしいか?」

ロイがガブロに言った。

「ああ。」

ガブロが少し笑いながらロイに言った。

「よしなら。ガブロ様申し訳ありませんでした、この愚かなロイめにお返しください。と言え、そうしたら返してやるよ!はっはっは!!」

これを聞いたロイは声を荒げて言った。

「んだと??こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって!!調子にのるんじゃねーぞガブロ!!!」

ガブロが負けじと大声で怒鳴った。

「あっ??調子に乗ってるのはテメーだろうか!!それともここでテメーの頭かち割ってやろうか!!あっあっ???」

ロイは腹立たしくて仕方なかった。

だがここでガブロと仲違いしてはいけない事も充分理解していた。

ロイは内心はらわたが煮えくりかえっていたが、怒りを抑えてガブロに言った。

「ガブロ様申し訳ありませんでした。この愚かなロイめに戦力をお返しください。」

これを見たガブロは大笑いしながらロイに言った。

「はっはっは!!ロイ!!いい様だな!!はっはっは!!いいぜ返してやるよ!」

ロイは激昂しそうになりそうなのを抑えながらロイは部下に指示を出した。

ロイの指示によりガブロの部隊に応援に行っていた千人がロイの部隊に戻った。

するとガブロがロイに言った。

「おいロイ!言っとくが先鋒は絶対に譲らないからな!!」

ロイはまだ怒りがおさまっていなかったが平然とした顔でガブロに言った。

「もう先鋒はガブロで決めてある。」

ガブロがロイに怒鳴った。

「本当だろうな!!」

ロイがガブロに言った。

「ああ、本当だ。これから説明する。」

ロイが部下達を集めて攻略作戦の説明を始めた。

「それじゃあミルゲ砦の攻略作戦を説明する。」

ロイが説明を始めた。

「左翼側にガブロが布陣する。そして右翼側に俺の部隊が布陣する。そしてまず先鋒のガブロが前進してミルゲ砦に攻撃を仕掛ける。」

ガブロがロイに言った。

「ふん当然だ!!」

ロイがみなに言った。

「その後で俺の部隊も前進してミルゲ砦に全面攻勢を仕掛ける。作戦の説明は以上だ。」

するとロイの部下であるベルガがロイに尋ねた。

「あのう?ロイ様、これで作戦説明は終わりですか?」

ロイがベルガに言った。

「ああ、これで終わりだ!」

するとロイがガブロに言った。

「ガブロもう出撃しても構わない。この戦いはガブロお前の戦いぶりで決まる。くれぐれも頼むぞ!」

ガブロがロイに怒鳴った。

「はっ!てめえなんぞに言われるまでもねえ!」

するとガブロが大声を張り上げた。

「さあ偽善者共を叩き潰しにいくぞー!!!」 

ガブロの部下達を大声をあげた。

「おおーー!!」

そしてガブロが自分の部下達を連れて出撃していった。

ガブロ達がいなくなった陣にはロイとロイの部下達が残っていた。

すると部下のベルガがロイに尋ねた。

「ロイ様、この作戦は無謀ではありませんか?」

するとロイがベルガに言った。

「分かっている!今からベルガお前に重要な任務を与える。」

ベルガがかしこまって尋ねた。

「はっ。なんでしょうか?」

ロイがベルガに言った。

「ベルガ、お前は今から四百人を率いて別行動をしてもらう!」

ベルガが困惑した様子でロイに尋ねた。

「はっ??別行動ですか??一体どういう事です?」

ロイがベルガに言った。

「それを今から説明する。」

ロイがベルガに言った。

「すぐにガブロが先鋒として偽善者共に攻めかかるために出撃する。それと同時にベルガお前は、俺の本隊から少し離れた場所から北上するんだ。」



ロイがつづけてベルガに言った。

「そしてすぐにガブロが戦闘を始める。ベルガお前はひたすら北上しろ。」



ベルガがロイに言った。

「はい。」

ロイがベルガに言った。

「そしてその後、俺の部隊も前進して攻撃に加わる。偽善者共に全面攻勢をかける。そしてベルガお前はミルゲ砦が狙える位置まで北上して待機しろ!」



ベルガがロイに言った。

「はい。」

ロイがベルガに言った。

「当然俺たちが全面攻勢を仕掛ければ、偽善者共は総力をあげて反撃してくるだろう。ある程度戦ったら、頃合いを見て俺の部隊を後退させる。」

ロイが続けてベルガに言った。

「俺の部隊が退却すれば、敵の主力は逃すまいとして追撃をかけてくるはずだ。敵が追撃をかけてくれればミルゲ砦より引き剥がせる。そのタイミングで一気にミルゲ砦を強襲して占領しろ!占領次第すぐに建物を燃やしてドロメ様に合図を送るんだ!」



ベルガはロイの作戦を理解したようで、ロイに尋ねた。

「つ、つまりガブロ様もロイ様も?」

ロイがベルガに言った。

「ああ、ガブロの部隊も俺の部隊も全員がおとり役って事だ。この作戦の正否はベルガお前にかかっている。絶対にしくじるなよ!」

ベルガがロイに言った。

「はっ!心得ました。ですがなぜガブロ様にはご説明されなかったのですか?」

ロイがベルガに言った。

「おとりにすると言われてガブロが喜ぶと思うか?奴の希望通り先鋒は譲ってやったんだ。只でさえ無謀な作戦なんだ。これぐらいはしてもらないと困る。」

続けてロイがベルガに言った。

「さあ早く移動を始めろ。」

ベルガがロイに答えた。

「はっ!」

こうしてベルガの部隊もすぐに準備を済ませて移動を始めた。
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